中高一貫校生に必要な勉強時間は1日90分目安!理想的なスケジュールの立て方を解説

勉強する女子中学生

中高一貫校の中学生に必要な家庭学習の時間は、1日90分が目安です。ただし、時間にこだわらず、その日の授業を完璧に理解することを目的とします

中高一貫校に通う中学生は、家庭学習が機能しないと、成績が低迷することがあります。

なぜなら、中高一貫校では中学段階から、大学受験を見据えた先取りと、難易度の高い勉強が進められるため、授業だけでは理解が追いつかない可能性があるからです。

成績低迷を解決するための理想的な勉強スケジュールと、スケジュールを決める上での4つの重要なポイント、そして具体的な勉強方法を、中高一貫校教師歴30年のベテランライターが解説します。

このページの目次

中高一貫校の中学生には1.5時間程度の家庭学習時間が必要

データでは、中高一貫校の中学生の1日の家庭学習時間は1.5時間(90分)を境に差がつく

ベネッセ教育総合研究所のデータによると、中高一貫校の成績上位層と下位層の生徒では、「授業がある日の平日の学習時間」は、1.5時間を境にして大きく差がつくことが示されています。

勉強時間グラフ

中高一貫校では、学力を伸ばすのに、1.5時間程度の家庭学習が必要と言えます。

中高一貫校生の1日のスケジュールから考えると、家庭学習時間は1日2時間程度が上限

中高一貫校では、遠距離通学、7時間授業や補講、部活などがあり、地元の公立中学校に比べて1日のスケジュールが忙しくなりがちです。

例えば、部活や遠距離通学などで19:00に帰宅して、23:00に就寝すると、帰宅から就寝までに4時間程度しかありません。

この間に夕食、入浴、休憩などをすると、2時間程度の勉強時間が現実的な上限です。そう考えると、1.5時間程度の家庭学習が現実的と言えそうです。

現役中高一貫校教師の経験からも、1.5時間程度の家庭学習時間が必要

私の勤務校の生徒で、東大に現役合格した生徒の合格体験記の一部を紹介します。

「中学時代に1つだけ決めていたことがあります。それは『定期テストで良い点数を取る』ということです。

(中略)

高2まで続けたこの習慣のおかげで、基礎学力がしっかり身につきました。」

この例からも分かるように、成績上位者だからといって、何か特別なことをしている訳ではありません。

中学時代は、授業を大事にして、予習・復習や演習を重ねて、定期テストできっちりと高得点を取っているのです。

中高一貫校では、英数の授業が毎日あります。それぞれ0.5時間〜1時間の勉強をすると、1.5時間程度の家庭学習時間になるのは理にかなっています。

長時間勉強するかどうかよりも、理解度を重視し、毎日の授業を完璧に理解することを目的としましょう。

必然的に、1.5時間程度の家庭学習時間が必要という結論が導かれます。

毎日の家庭学習の差で広がる学力差

成績上位層は授業をきちんと理解するために、1.5時間程度の家庭学習をしています。

一方で、成績下位層は家庭学習がままならず、授業の理解も不十分です。

これでは差が開く一方ですよね。

中高一貫校生の成績低迷の2つの原因と中高一貫校ならではの事情

【成績低迷の原因①】授業が理解できていない

中高一貫校の授業は、先取りカリキュラムなので進度が速いです。その上、中学でも、大学受験を見越したハイレベルな内容を学びます。

特に英数は積み上げ教科なので、既習範囲を理解しておかないと、授業が理解できなくなります。

中高一貫校では授業についていくこと自体が大変で、授業を理解できないと、当然ですが成績は低迷します。

【中高一貫校の先取りカリキュラムの解説記事】

【成績低迷の原因②】問題演習が不足している

「分かる」を「出来る」にすることで、テストの点数が伸びると考えると、問題演習が不可欠なのは言うまでもありません。

中高一貫校では、授業進度を優先するので、授業内で演習の時間は確保できません。演習は宿題として家庭学習に委ねられているケースが大半です。

その結果、家庭学習がままならないと問題演習が不足して、テストの点数が伸び悩むのです。

中高一貫校は、「授業で理解して、家庭学習で演習」が基本的な流れであり、このスタイルがままならないと成績低迷につながります。

【中高一貫校生の家庭学習の解説記事】

中高一貫校ならではの事情:ポテンシャルではなく学習量で差がつく

中高一貫校では、受験に合格した人ばかりが入学するので、学力(=ポテンシャル)に大きな差はありません。むしろ学習量で成績の差がつきます。

良くも悪くも、中高一貫校生は成績に敏感で、上位同士、下位同士の生徒で「つるみ」がちです。その結果、上位と下位の二極化が進みます。

ちょっとしたことでも、一度、成績が低迷すると、そこから立て直すのが困難です。この中高一貫校ならではの事情は押さえておきましょう。

だからこそ、早めの対策が不可欠です。

中高一貫校生に勧める最も効率の良い勉強スタイル

結局は、授業を大事にして定期テストで理解を固めるのが最も効率的です。このやり方で基礎学力が固まります。

具体的には、日々の授業をしっかり受けましょう。授業だけで理解が不十分な人は、予習や復習が必要です。

予習や復習はあくまでも授業理解を補助するものであって、必要に応じて内容は調整してください。

その上で、定期テストをマイルストーンに理解度と到達度を確認します。

定期テストでは目標設定が大事です。東大志望で、学校の東大合格者が5名なら5番以内を目指します。

同様に、医学部なら、早慶なら、旧帝大なら、と志望校に応じた順位を目指しましょう。

定期テストの点数が平均点を下回る人は要注意です。平均点以下ということは、基礎問題を含めて解けていない可能性が高いからです。

中高一貫校では英数は中3から高校内容に入っていきます。「まだまだ中学生だから…」と対策を先延ばししておくと取り返しがつかなくなります。

【中高一貫校生の定期テスト対策の解説記事】

中高一貫校の中学生にお勧めする理想的な1日のスケジュール

習慣化が勉強継続の秘訣です。

習慣化のファーストステップは規則正しい1日のスケジュールです。ここからは、1日の理想的なスケジュールを紹介します。

部活ありの中高一貫校生(中学生)の帰宅後の標準スケジュール

帰宅が早い人は、勉強開始時間を早めて、ゆとりあるスケジュールにするのも良いですね。

1日の最後には、その日の振り返りをしっかりして、翌日にするべきことの見通しを立てましょう。

部活ありスケジュール

部活なしの中高一貫校生(中学生)の帰宅後の標準スケジュール

帰宅前に学校の自習室や塾などでプラスアルファの勉強をしたり、自分の趣味や好きなことをするなど、有意義に活用しましょう。

中学生のうちは、勉強と趣味の切り替えができるのであれば、勉強以外の趣味の時間も大切にしてください。

もちろん、夕食前に1.5時間勉強して、夕食後にプラスアルファの勉強や趣味の時間として活用するのもOKです。

部活なしスケジュール

必ずおさえよう!1日のスケジュールを決める上での4つの重要なポイント

スケジュールを決める上での注意して欲しいポイントを4つ紹介します。

(1)勉強時間は1.5時間としましたが、時間よりも理解度を重視しましょう。理解できていたら短縮し、できていなかったら延長します。時間で区切ると、時間をこなすだけになりがちです。

(2)勉強開始時間・就寝時間・起床時間の3点を固定しましょう。この3点を固定すると規則正しい生活になります。

(3)睡眠時間は削らないでください。睡眠不足は疲労やストレスの原因になります。また、睡眠時間を削ったスケジュールでは長続きしません。

(4)中学時代は勉強以外の活動も大事です。自分の好きなことを通した成功や失敗を経験は人間的な成長に大切です。

【中高一貫校の勉強と部活の両立の解説記事】

勉強が習慣化して、勉強するのが当たり前になれば、成績が低迷することはありません。目標が固まった頃には、勉強を本格化できるようになるでしょう。

家庭学習でなにを勉強するべき?「英数の授業の理解度アップ」と「間違った問題の解き直し」

ここからは、中高一貫校の中学生に必要なたった2つの学習内容を紹介します。

  • 毎日の英数の授業の予習復習と問題演習
  • 間違った問題の解き直し

勉強に余裕がある人や、授業についていけなくなった人には追加の内容があります。

毎日の英数の授業の予習復習と問題演習

中高一貫校では、ほぼ毎日英数の授業があります。その授業で習った内容をきっちり理解しなければいけません。

理解が不十分な人は、予習や復習を必要に応じて加えることになります。

一番大事なのは、授業内容の演習です。宿題として課されているケースでは宿題を使って、課されてないケースでは学校指定の問題集を使って、演習をしましょう。

演習をしたら、理解度に応じて、○・△・×の印を使って、解けた問題と解けなかった問題を仕分けします。

インプットとアウトプットの割合は3:7が望ましいと言われています。

「覚える」「まとめる」などのインプット型の勉強よりも、「問題を解く」などのアウトプット型の勉強を大事にして下さい。

また、中学時代は基礎固めです。難問よりも学校で習った問題を重視して、完璧を目指しましょう。

間違った問題の解き直し

間違った問題ができるようになれば、それだけ理解が深まったことになります。つまり、間違った問題が伸び代そのものです。

授業で解いた問題、学校で使っている問題集、定期テスト、模試などで間違った問題を解き直しましょう。

効果的な解き直しのやり方&間違えた問題の分析方法

余裕のある人や、難関大志望者は、学校の授業の先取りも

「英数の予習復習と演習」「間違った問題の解き直し」をしてもまだまだ余裕のある人、あるいは東京一科・医学部などの難関大を目指す人は、学校の授業の更に先取りを進めましょう。

実際に鉄緑会などのハイレベル塾で先取りしている人は少なくありません。ステディサプリなどの映像授業や参考書を使って、自学で先取りを進めることも可能です。

ただし、学校の授業が疎かになって、基礎固めが不十分になるのは本末転倒なので要注意です。

一般的には、高1の共通テスト同日模試で英数国で80%、高2の志望校入試同日体験である程度解ける(全く手がでないレベルではない)を目標に仕上げると、高3の1年間でしっかり仕上げて合格を勝ち取れます。

【中高一貫校生の難関大を目指すための勉強法の解説記事】

英数の授業についていけていない人は英数の立て直し

逆に、英数の授業についていけていない人は、早急に英数の立て直しをしましょう。

英数は積み上げ教科なので、わからないままにしておくと、必ずどこかのタイミングで授業が理解できなくなるからです。

特別なことは必要ありません。学校の教材を使って、わかっていない単元まで戻ってやり直しましょう。

学校の教材とリンクさせることで成果を実感できやすく、モチベーションが維持しやすいです。

独力で対応できない人は塾を検討してみましょう。

苦手克服には「何ができないかを特定」して「できるようになったかどうかの確認」までサポートできる個別指導塾がおすすめです。

中高一貫校専門個別指導塾WAYSはそれぞれの学校のカリキュラムに合わせた苦手克服をサポートしてくれるので心強いです。

私の勤務校の女子生徒のエピソードを紹介します。

努力家のこの生徒は、真面目に英語の勉強をしていたものの、成績は伸び悩んでいました。

私には、単語と文法は頭に入っているのに、長文読解に活用できていないように思えました。

ある日、相談に来たので、私の目の前で英文テキストを口頭で訳すように指示しました。

そうすれば、彼女がどこがわかっていないかが分かります。例えば「単に単語を知らない」「分詞構文が理解できていない」などです。そして、その箇所を説明します。

その後、3日に1度のペースで「英文を自宅で読解して、私の前で口頭で訳して、わかってない箇所を解説する」という指導を続けました。

3ヶ月くらいたった頃には、苦手を克服できました。これまでに身につけていた単語と文法を長文読解に活用できるようになったのです。

彼女は授業でも教えていましたが、授業だけでは苦手克服はできませんでした。苦手克服には、どこかがわかっていないかを見抜いて、アドバイスする必要があります。

その意味でも、塾に通うのであれば、一人ひとりに対応してくれる個別指導塾がおすすめです。

中高一貫校専門個別指導塾WAYSなら中高一貫校生の勉強をサポート

中高一貫校の中学生で、家庭学習が出来ずに成績不振でお悩みなら、中高一貫校専門個別指導塾WAYSが解決策になるかもしれません。

WAYSでは、500校以上の中高一貫校の指導実績があり、それぞれの学校のカリキュラムに応じた指導が可能です。

学校の教材を使って、学校の定期テストの点数を伸ばすことで、苦手克服をサポートします。また、120分の長時間指導なので、宿題を出すことなく、指導時間内で全てを完結します。

家庭学習が出来ない、あるいは何を勉強していいか分からない生徒さんにはおすすめです。

淑徳与野中学2年生:間違った問題の解き直しの徹底で成績アップへ

この生徒はWAYSに入塾する前は家庭学習が出来ずに、苦手の数学は、成績不振補習の一歩手前まで低迷していました。

WAYSでは、学校指定教材を使った演習をしました。特にこだわったのが解き直しです。解き直しを徹底すれば、解ける問題が確実に積み上がるからです。

入塾から2ヶ月で数学αを66点から82点に点数アップしました。

山手学院中学3年生:間違った問題は質問で解消し成績アップへ

この生徒はわからない問題を質問できる環境がなく、そのままに放置してしまい、英数に苦手意識を持っていました。

WAYSでは、わからない問題は即座に講師が解説するので、勉強が捗ります。講師はただ教えるだけでなく、本人が考えるように促すので、本質的な理解ができたようです。

英語が42点から62点へ、数学が31点から72点へ点数アップを達成しました。

世田谷学園中学3年生:繰り返しを徹底して成績アップへ

この生徒はわからない問題や難しい問題を解消しないままテストに臨み、成績が低迷していました。

WAYSでは、学校指定教材の周回学習を徹底しました。間違った問題を重点的に繰り返すことで確実に実力が伸びて自信も深めたようです。

入塾から4ヶ月で数学Iが24点から49点へ、数学Aが36点から49点へ点数アップを達成しました。

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「中高一貫校専門個別指導塾WAYS」は中高一貫校の定期テスト対策に特化し、92.9%の生徒の成績アップを実現しています。家庭学習が出来ない生徒でも、学習時間を伸ばして成績アップに繋げます!

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投稿者プロフィール

ひろ先生
ひろ先生
中高一貫校指導歴30年のベテラン教師です。勉強が得意な生徒から苦手な生徒までたくさんの生徒を指導してきました。念願叶っての中高一貫校だと思います。充実した6年間を過ごして欲しいものです。ベテランならではの視点で悩みに寄り添ったアドバイスを心がけます。ちなみに2人の子供も中高一貫校に通っています。保護者としての目線も大事にします。

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