中学受験後に勉強しなくなる原因は燃え尽き症候群だけではない!歴30年の教師が解説
中学受験に合格して、「さぁ、これから」というタイミングで、お子さんが急に勉強しなくなる。親としてはとても心配になるものです。
私立中学や中高一貫校に入学した後に、勉強をしなくなる生徒は、一定数います。
その原因を細かく見てみると、2つの段階に分かれています。
- 環境の変化に適応できていない
- 勉強についていけなくなる
勉強についていけなくなると、立て直しが困難です。そうならないためにも、早めに手を打つのが大事です。
中高一貫校歴30年のベテランライターが、中学受験後に勉強しなくなってしまったお子さんに、親ができるサポートを解説します。
このページの目次
中学受験後に勉強しなくなる原因は2段階に分けられる
私自身、中高一貫校の教師として、多くの生徒を見てきました。経験上、中学入学後に勉強しなくなる原因は、2つの段階に分けられると考えています。
【第1段階】小→中の環境の変化に適応できていない 【第2段階】中高一貫校のハイレベルな学習についていけなくなる
最初は、小学生気分が抜けずに、中学生活に適応してないだけだったのが、やがて勉強についていけなくなり、独力で勉強できなくなってしまいます。
ここまでくると、成績が下位に低迷し、やる気を失います。立て直し困難となってしまうので、早めの対策が重要です。
中高一貫校では、成績が下位に低迷する生徒を深海魚と言うことがあります。 好ましい表現ではないですが、ハイレベルな環境では、6年間、成績が回復せずに悔しい思いをする生徒がいるのは事実です。 お子さんがそうならないように、早めに対策したいところですよね。
段階1:小学校から中学校に進級して起こる変化に対応できずに勉強をしなくなる
「定期テストのために勉強する」という意識がない
中学校から定期テストが始まります。
テスト範囲が指定され、準備期間が与えられて、試験に臨むのですが、それに対応できていません。
小学校だと、授業を受けただけでテストを受けるので、テストのために勉強するという考えがそもそもないのです。
公立中学校ではよくあるケースですが、まだ試験問題が難しくないので、なんとかなります。しかし、私立中学校ではそうはいきません。
中学受験対策では、塾でテストを受けていたので、テストに慣れていると思うかもしれませんが、塾で与えられた勉強だけをしてきた人は少なくありません。
結局は、「何を勉強していいかわからない」「勉強しなくてもなんとかなると思っている」などシンプルな理由が多いです。
遠距離通学、部活などで疲れて勉強する気にならない
人によっては、遠距離通学、部活、7時間授業などが始まり、帰宅時間が遅くなります。
学校生活に慣れるのが精一杯で、体力的にきつく、勉強する気力がわいてこないケースです。
加えて、塾や習い事などがあると、そもそも自宅で勉強時間を確保できない人もいるかもしれませんね。
親の目からも、小さな体に大きな荷物を持って、満員電車に揺られて通学する姿を見れば、ついつい心配で、無理は言えません。
携帯電話で時間を浪費してしまう
中学合格をきっかけに、スマートフォンを買い与えたご家庭も多いのではないでしょうか。
あるいは、すでにスマホを持っていたケースでも、中学生からは使い方の幅が広がります。
周りもスマホを持っている人ばかりになるので、SNSでのコミュニケーションが急増。思春期で、スマホを親が管理するのが難しくなるのもこの時期です。
ゲームや動画、漫画など依存性のあるものにハマり、時間を浪費しているケースがあります。
燃え尽き症候群や不本意入学でやる気を失う
中学受験に合格することだけが目標になっていた場合は、燃え尽き症候群が原因かもしれません。過度なプレッシャーやストレスから解放されて、勉強のやる気が出ないのです。
また、本当に行きたかった学校に不合格になってしまい、それほど行きたくもない中学校に不本意に入学して、勉強する気になれないケースもあります。
段階2:中高一貫校のハイレベルな環境についていけず、やる気まで失う
勉強しない状態が続くと、気がついた時には、自分一人では対応できなくなるケースがあります。
次のような状態は要注意。学校の勉強がわからなくなっている可能性があります。
中高一貫校は先取りカリキュラムで勉強をしているので、授業の進度が非常に速いです。
特に数学と英語は中学2年生までに中学3年分の範囲が終了。その上、積み上げ教科なので一度わからなくなると、そこから先に習うことが理解できなくなります。
一気に授業においていかれてしまい、「勉強しなくては大変なことになる」と危機感を感じた時には、自分一人では勉強できなくなっている可能性があります。
また、優秀な同級生が多いので、勉強の手を抜いていると一気に成績が下位に低迷。今まで見たこともない順位や得点を見て、勉強のやる気を失うことも。
早めの対策で「勉強しない」を解消!親子で取り組む5つの対策
環境の変化に対応できずに勉強しないだけなら、まだ解消可能です。
中学入学直後なら、まだまだ親も積極的に関われます。親子のコミュニケーション量を増やして、上手に勉強を促しましょう。
目標設定:大学受験が遠く感じるこの時期は身近な目標設定を
「勉強の価値」をゆっくりと浸透させる
親としては中学受験がゴールではなく、大学受験を見据えていると思いますが、お子さんはまだ中学1年生です。大学受験にリアリティーを持つことは難しいでしょう。
「勉強するのが当たり前」と考えるのは大人の都合です。「どうして勉強が大事なのか?」の親の考えは、積極的に伝えていきましょう。
家庭にはそれぞれの価値観があると思います。
- 良い職業に就くため
- 将来の選択肢を増やすため
- 自分の好きなことをして欲しい
ただし、子供はすぐに納得しませんし、させる必要もありません。
タイミングをみて、何度も、カジュアルに伝えてみましょう。ゆっくりと浸透するくらいが丁度良いです。
そして、親自身が人生を楽しく過ごしましょう。そうすれば、お子さんも「こうなりたいなぁ」と自分の将来を重ね合わせます。
良いも悪いも、子供は親の姿を見ているものです。
勉強が苦手ならスモールステップ→達成がやる気の源
お子さんの状況を見極めて、適切な目標設定を親子でしましょう。
成績が低迷している子供に、過度な要求をしても、やる気にはなりません。
勉強が苦手なら、スモールステップがセオリーです。
まだ定期テストで点数が伸びなさそうなら、小テストで目標を決めても構いません。
例えば、 「次の英単語テストで9点(10点満点中)取る」 のように期限(=「次の」)と数値(=「9点」)のように目標を具体的にすると有効です。
ただし、最後は子どもに決めさせましょう。
親が決めた目標だと、どうしても「やらされてる感」が拭えません。
人は自分で決めたことは最後まで貫こうという心理が働きます。心理学では一貫性の原理と言います。
また、目標を達成できたら、しっかり成功を認めてあげて下さい。達成感が勉強の原動力になります。
スケジュール管理:起床・勉強・就寝の3点固定がおすすめ
中学生になると生活が一変します。お子さんのスケジュールに合わせて、無理のない範囲で家族のスケジュールを調整しましょう。
おすすめなのが、3点固定。起床時間・勉強開始時間・就寝時間の3つを固定しましょう。この3つを固定すると規則正しい生活ができます。
勉強開始時間を固定化すると勉強がルーティン化できます。ルーティン化は習慣形成には大事です。
環境整備:家で勉強しやすい雰囲気作りを
親自身が勉強らしいことを楽しむ
人は、自分の行動を、無意識に他人に合わせてしまいます。これを心理学では同調効果と言います。
親が家がダラダラしていると、子供もそうなりがちです。
親も家で勉強らしいことを楽しみましょう。読書や資格試験の勉強などがいいかもしれませんね。
家の中の整理整頓を心がける
子供部屋が整理整頓されていて、机が広々と片付いていると、すぐに勉強に取り掛かれます。
教材を探して、机の上を片付けてとかしていると、勉強のやる気は失せてしまいます。
まずは家の中を整理整頓してみましょう。家が散らかっていては、子供部屋は片付きません。
スマホのルール作り:依存性があるので要注意
経験上、スマホにハマり勉強しなくなるケースは本当に多いです。
個人的には、中1くらいなら、親がスマホ利用に積極的に介入するのはアリだと考えています。
「21時以降は使わない」「自室に持ち込まない」などルールを決めましょう。
やっぱり親がスマホをダラダラ使っているのを見ると、説得力がなくなるので注意してください。
中高一貫校は、家庭学習が前提で授業が進んでいる!はっきり「勉強しなさい」と促すことも必要
親子のコミュニケーションを増やして、目標設定、スケジュール管理、環境整備、スマホのルール作りをした上で、勉強をしっかり促してください。
はっきりと、「勉強しなさい」と伝えましょう。
中1の早い段階なら、まだまだ親に反発しないでしょうし、中高一貫校のハイレベルな勉強も始まったばかりなので、十分に立て直せるはずです。
中高一貫校は、家庭学習が前提で授業が進んでいます。次の内容をメインに勉強しましょう。
- 数学・英語を中心
- 授業の予習と復習
- 宿題や課題
- 小テスト対策
中学生だと、手帳(連絡帳)を活用している学校が多いです。お子さんの手帳にも目を通してみましょう。
お子さんが何を勉強していいか把握していない場合は、手帳の使い方を教えてあげましょう。
家庭でのサポートがうまくいかないケースでは、勉強の口出しをせずにプロに任せる
親が勉強を促しても勉強しない。その場合は、次のような状況になっている可能性が高いです。
- 一人では勉強がわからなくなっている
- 成績が低迷して完全にやる気を失っている
さらに、思春期を迎え、反発する時期でもあります。それ自体は自然なことなので、親もお子さんとの接し方を変える必要があります。
もしも、この状態になっていれば、厳しい言い方ですが、親にできることはあまり多くはありません。
良好な親子関係を大事にしながら、勉強のことはプロに任せるのが得策です。
「こんな成績を取って…」「どれだけ高いお金が掛かってると思うの…」「勉強しないなら公立中に転校させるよ…」など、ついつい言ってしまいがちですが、絶対にNGです。
親子関係が悪化すれば、ますます子供は勉強のやる気を失います。
中高一貫校専用の個別指導塾「WAYS」だからできる学習サポート
勉強をしない中高一貫校生には、学校の授業をサポートできる個別指導塾がベスト
勉強の苦手克服といえば、学習塾が思い浮かぶと思いますが、塾にもたくさんのタイプがあります。塾選びで失敗すると成績は上がりません。
家庭で勉強しないお子さんには個別指導が正解です。
- 学校の勉強をサポートする
- 小テストや定期テストで結果を出す
この2点を意識してください。
ハイレベルな環境の中高一貫校では、学校以外の勉強を増やすと、学校と塾の共倒れをします。
学校の予習・復習・課題をサポートすれば、学校の勉強から立て直せます。
小テストや定期テストで結果が出れば、お子さんのやる気が回復します。口にはしなくても成績が悪いのは気になっているものです。
中高一貫校生はポテンシャルの問題ではなく、勉強しないのが成績低迷の原因です。そこを解消してあげれば必ず成績が上がります。
中高一貫校それぞれのカリキュラムに対応した指導で、定期テストの成績を上げられるWAYS
「中高一貫校専用個別指導塾WAYS」は全国500校以上の指導実績があり、お子さんの通っている学校にも対応します。
WAYSの最大の強みは、学校の教科書・問題集・オリジナルプリントをそのまま使い、予習、復習、宿題、演習をサポートして、定期テストの成績を伸ばすことです。
「何を?どのように?」と勉強の仕方から教えるので、まだまだ自分だけでは勉強できない中1生には最適です。
勉強をまったくしなかった中1生のWAYSでの成績UP事例を紹介!
桐蔭学園中等部中学1年生:数学P34点→97点・数学Q39点→64点
この生徒は、入塾前は自宅で勉強する習慣が全くなく、学校指定教材『体系数学問題集』を自力で対策できない状態になっていました。
まずは、『体系数学問題集』を集中して取り組みました。解答→丸つけ→解き直しのオーソドックスだが最も効果の良い勉強法を継続。
WAYSでは確認テストを行い、間違った問題は必ず解き直すように指導します。『体系数学問題集』をテストまでに何周も繰り返すことができたので、成績UPにつながりました。
聖心女子学院中学1年生:代数40点→69点・幾何71点→90点
この生徒は入塾前は自宅で勉強する習慣が全くなく、学校の小テストやオリジナルプリントを自力で対策できませんでした。
ケアレスミスで失点が多かったのも成績低迷の一因。WAYSでは、指導の最後に必ず確認テストを実施し、緊張感のある中でも正確に解く練習を重ねてきました。
本人もWAYSでの勉強に手応えを感じ、夏期・冬期講習やテスト前の特訓講習にも参加して、学習時間を確保。学習習慣を身につけて、成績UPを実現しました。
2名とも自宅で勉強できないのが成績低迷の原因です。WAYSで学習時間を増やし、学習の仕方を学び、成績UPした好例です。
WAYSでは、勉強不足を解消して、実に92.9%の生徒が成績UPを実現しています。
中学受験が終わって、お子さんが勉強せずに悩んでいるなら、WAYS無料Webパンフレットを気軽にダウンロードを!
中学受験が終わり、中学入学後にお子さんが勉強しないでお困りでしたら、WAYSに相談してください。
WAYSは学校の授業をサポートするので、勉強方法を確立できていない中1生には特におすすめです。
WAYSの成績が上がる勉強方法にもっと知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
投稿者プロフィール
- 中高一貫校指導歴30年のベテラン教師です。勉強が得意な生徒から苦手な生徒までたくさんの生徒を指導してきました。念願叶っての中高一貫校だと思います。充実した6年間を過ごして欲しいものです。ベテランならではの視点で悩みに寄り添ったアドバイスを心がけます。ちなみに2人の子供も中高一貫校に通っています。保護者としての目線も大事にします。
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