総合型選抜における「評定」の考え方ガイド|評定が必要なのに低い場合の戦略も解説
大学受験を突破する方法は、学力重視の一般選抜(テスト入試)だけではありません。
募集人数が限られてはいるものの、総合型選抜といった推薦入試があります。
そして、総合型選抜における合格可能性を少しでも上げたいなら、学校の評定平均を上げることが重要です。
その理由は、
- 学校の評定が、総合型選抜に出願するための条件になっている
- 学校の評定が、合否判定に関わる
という事実があるからです。
- 学校の定期テストの点数を上げる
- 提出物をきちんと出す
上記2点を基本に、早いうちから学校の評定と総合型選抜を意識した学校生活を送ることで、他の受験生と差をつけましょう。
このページの目次
学校の評定が総合型選抜において重要である理由
総合型選抜に出願するための条件になっている
すべての大学に該当するわけではありませんが、評定が総合型選抜の出願条件になっているところは少なくありません。
実際に、2025年度の総合型選抜を例に挙げます。
〇立教大学法学部法学科【自由選抜入試】……評定平均3.8以上
〇北海道大学医学部医学科【フロンティア入試 TypeⅠ】……学習成績概評A(評定平均4.3以上)
〇慶応大学理工学部……数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学Ⅲ・数学A・数学B・数学C・物理基礎・物理・化学基礎・化学の評定がいずれも4.0以上かつ評定平均4.1以上
当たり前のことですが、評定が足りなければ出願ができません。逆に言うと、評定がしっかりと取れていれば、受験校・受験学部の選択肢を増やすことができるのです。
なお、評定の算出方法については後ほど詳述します。
総合型選抜の合否判定に関わる
総合型選抜は、基本的に高等学校の推薦を必要としません。
自己推薦で受験可能ですが、選抜方法は多岐にわたります。
書類審査や面接だけでなく、小論文やプレゼンテーションが課されるなど、大学によって形式は様々です。
書類審査の比重が減っているのはたしかですが、とはいえ、書類審査で評定が考慮されることに変わりはありません。
一方で、評定が関わってくる書類審査の比重が少ないパターンの入試ほど、小論文対策や特筆すべき課外活動が重要になってきます。それ相応の準備が必要になり、お子さんに大きな負担がかかります。
ただ、逆に言えば、書類審査や面接の比重が高いところは準備のハードルが低く、一般選抜との両立も望めるのです。
やはり評定は高いに越したことはない、といえるでしょう。
評定平均の計算の仕方と、評定を上げる方法
評定の計算方法
評定平均
評定平均は、評定の合計を科目数で割り、小数第二位を四捨五入して求めます。
計算式は以下の通りです。
①高校3年生の2学期に受験する場合
(高校1年生学年末の評定の合計+高校2年生学年末の評定の合計+高校3年生第1学期の評定の合計)÷(高校1年生~高校3年生の科目数)
②高校3年生の3学期に受験する場合
(高校1年生学年末の評定の合計+高校2年生学年末の評定の合計+高校3年生第2学期の評定の合計)÷(高校1年生~高校3年生の科目数)
学習成績概評
学習成績概評とは、評定平均の値に応じてA~Eの5段階に分けたものです。
A:5.0~4.3
B:4.2~3.5
C:3.4~2.7
D:2.6~1.9
E:1.8以下
科目別の評定平均
科目別の評定平均は、各教科ごとの評定を合計したものを科目数で割って、小数第二位を四捨五入して求めます。
上記の場合、高校2年生までの数学の評定平均は、
(4+2+3+4)÷4=3.25なので、四捨五入して3.3です。
10段階評価の場合は高校に問い合わせよう
10段階評価を採用している高校では、調査書に記載するために5段階評価に置換する作業が行われます。
ただし、どのように置き換えるかは高校ごとに異なりますので、早めに問い合わせるとよいでしょう。
評価9・10が単純に評価5になるとは限りません。
定期テストの点数アップが一番の近道
定期テストの点数は評定に直結します。
五教科(英・数・国・理・社)以外の教科にも力を入れるのがポイントです。
定期テストは授業内容のうち、重要度の高いものが中心に出題されます。授業ノートやプリントをしっかりと作ったうえで、ポイントを押さえた勉強をすれば効率よく点数をアップできます。
質の高い提出物を出す
提出物も大事な評価点の一つです。
クオリティの高いものを提出するというのも手でしょう。
たとえば、問題集に取り組む課題が出されたとします。問題を解いて丸つけをし、間違えたところについては正答を書き写す。多くの人がそのような取り組み方をしますが、そこで一工夫してみましょう。直しをする際、どういう間違いをしたのかや、押さえておくべきポイントなどを書き添えるのです。
重要なのは、真面目に課題を消化すること。派手な色使いや綺麗なイラストで、いたずらに見栄えを良くすることではありません。
評定が高ければ学校推薦型選抜入試という道も開ける
学校推薦型選抜は、各大学が定める出願条件をクリアし、学校長の推薦があれば受けることができる推薦入試です。
大学が指定する高校の生徒だけが受験できる指定校推薦と、どの高校の生徒でも受験できる公募推薦とがあります。
指定校推薦は、合格率が非常に高いです。
高校としては、いい加減な生徒を推薦するわけにはいかないので、校内選考を行います。その際、評定は非常に重要な選考基準になるでしょう。
評定が低い場合にはどうしたら? 大学受験の戦略2選
高校2年生の半ばを過ぎると、大幅な評定アップを狙うことは難しくなってきます。
まずは、高校1年生の学年末評定と高校2年生の直近の評定から、おおよその評定を算出してください。その値が低いようであれば、受験戦略を考え直す必要があります。
評定の比重が低い総合型選抜を狙う
評定が低くても戦えるところを狙います。書類審査以外に、様々な審査項目が設定されているところがオススメです。
逆に、書類審査以外に簡単な面接と学力検査しかないようなところは、評定の低さを補う機会が少ないので、避けた方がよいでしょう。
一般選抜(テスト入試)に注力する
推薦入試のメリットは受験機会を増やせることですが、一方で準備にどうしても時間をとられてしまいます。
評定が低く、推薦入試突破の目がなさそうであれば、割り切って、テスト中心の一般選抜に注力するのがよいでしょう。
その際、志望校のレベルはある程度高く設定して構いません。現役生は最後まで成績が伸びます。
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投稿者プロフィール
- 中高一貫校に勤めて10年になる中堅教師。卒業生を3度送り出し、中学生・高校生問わず指導経験が豊富です。自身も中高一貫校出身なので、中高一貫校のことを知り尽くしています。勉強に苦しむ生徒に向き合い、試行錯誤をする日々。そんな教師生活から得られた知見をお伝えし、全国の子供たちの力になれたらと思います。
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