大学が、高校生やその保護者を対象にキャンパスを開放するイベント「オープンキャンパス」について、徹底解説します。
高校1年生終わりの文理選択、志望大学・学部選びのミスマッチ防止、ホームページや資料ではわからない不明点の解消など、メリットはたくさんあります。
また、大学を実際に見て体験することができるため、大学生活のイメージが具体的になり、勉強に向かうモチベーションが高まる影響も見逃せません。
このページの目次
オープンキャンパスとは? 何が体験できる?代表的な5つのプログラムを紹介
オープンキャンパスとは、高校生やその保護者などを対象に、大学が魅力や特色を伝えるために開催するイベントのことです。
実際に大学の雰囲気を体感することで、当初抱いていたイメージとのギャップを確認したり、新たな気づきを見つけられたりします。
近年では、オンラインでオープンキャンパスを開催している大学もあり、自宅にいながら大学への理解を深めることも可能です。
大事なことは、どの体験内容であったとしても、何を見たいか・何を知りたいかについて、イメージを持ってから参加することです。
1. 大学・学部の説明
大学の歴史や教育方針、学部ごとの特色、カリキュラムなどが説明されます。
大学への理解を深められるので、入学後のイメージを具体化することが可能です。
また、卒業生の進路も分かるかもしれません。
志望校が決まっていない高校生であれば、行きたい大学を絞り込みやすくなるでしょう。
2. 模擬講義
模擬講義では、大学の授業を実際に体験できます。
大学の授業は基本的に90分ですが、オープンキャンパスの模擬授業は30分前後で実施されるケースが多いようです。
志望大学は決まったものの、どの学部を受験すべきか迷っている場合は、複数の模擬講義を受けて判断するとよいでしょう。
3. 研究室訪問
実際に大学の研究室を訪問し、研究を間近で体感することができます。
実際の研究資料や研究施設に触れることで、自分が取り組みたい学びかどうかを判断しやすくなるでしょう。
また、案内役の先生や大学院生に質問しやすいというのも大きな特長です。
オンラインでの研究室訪問を行っているところもあります。
4. 個別相談
わからないことや気になっていることなどを個別に相談できます。
住まいや奨学金、留学、就職などのカテゴリーごとに、ブースを設けて相談に応じている大学もあります。
ネットや書籍で調べてもわからなかったことを解決できるので、積極的に質問しましょう。
卒業生の進路や在学中に取得できる資格などを確認しておくと、大学入学後のキャリアイメージが深まります。
事前に聞きたいことをメモしておくのがオススメです。
5. キャンパスツアー
キャンパスツアーでは、在校生がキャンパスを案内してくれます。
大学の設備やキャンパスの広さなどを把握できるだけでなく、学生ガイドによる実体験を交えた話も聞けるので、大学生活をより鮮明にイメージできるようになります。
一人暮らしをする場合は、大学付近の便利な店情報なども仕入れるとよいでしょう。
ホームページや書籍では知り得なかったこともわかるのが魅力です。
オープンキャンパスに参加する方法|予約が必要な場合も
オープンキャンパスは夏休みに集中して開催される
オープンキャンパスの開催時期は大学によって様々ですが、高校の夏休み期間中に開催される傾向があります。
以下は、有名大学におけるオープンキャンパスの日程(2025年度)です。
なお、下記の日程以外でも、オンライン開催をしている場合があります。
- 東京大学:8月5、6日(オンライン開催)
- 京都大学:8月7、8日
- 一橋大学:8月6~19日
- 大阪大学:8月5、8、12、13日(学部ごとに異なる)
- 名古屋大学:8月7、8日
- 早稲田大学:8月2、3日
- 慶応義塾大学:8月5、6日
- 明治大学:8月2、3、6、7日
- 青山学院大学:7月13日、8月1~3日
- 立教大学:8月2、4、5、7、8日
- 中央大学:8月2、3、6、7日
日程が重複するケースもあるので、オンラインオープンキャンパスを組み合わせたりして参加するとよいでしょう。
代表的なオープンキャンパス検索サイト
- [2025・2026]オープンキャンパスを調べる|マナビジョン
- オープンキャンパスをさがす(大学・専門学校・短期大学)|マイナビ進学
- 2025・2026年のオープンキャンパスを予約・申し込もう!(大学・専門学校)【スタディサプリ 進路】
参加予約が必要になるケースも。大学のホームページを確認しよう
オープンキャンパスの実施時期・実施形態などは、大学ごと、学部ごとによって異なります。
また、参加にあたり、予約が必要かどうかも違います。
オープンキャンパスを探せる検索サイトを利用してもよいですが、参加したい大学が決まっているのであれば、その大学のホームページで最新の情報を確認するようにしましょう。
なぜオープンキャンパスが重要なのか? 4つの理由を現役教師が解説
オープンキャンパスに参加するメリットは以下の通りです。
- 文理選択の検討材料になる
- ミスマッチを防げる
- 不明点を解消できる
- 勉強に対するモチベーションが高まる
高校1年生は、文理選択を決める重要な検討材料に
多くの高校では、高2の4月から文系理系の選択授業を行うため、高1の終わりに文理選択を行います。
このとき、志望学部がある程度決まっていないと、教科の得意不得意で決めてしまうことになります。
さらには、「ラクそうだからとりあえず文系にする」「国語と社会が苦手だから理系に行く」といった消極的な選択になりかねません。
最終的に志望学部が決まらなかったとしても、オープンキャンパスは学部について考える機会になります。
文系の先に何があるのか、理系の先に何があるのかをある程度知ったうえで文理選択をすることが大切です。
ミスマッチを防げる|
第1志望が変わることも
大学に行って、校内を見たり、模擬講義を受けたりすれば、実際に自分が通う姿をイメージできるので、入学後のミスマッチを防げます。
オープンキャンパスに参加することで、第1志望が変わることも珍しくありません。
大学のホームページやパンフレットなどの情報で志望校の候補を絞り込んでおき、オープンキャンパスで決めるのがよいでしょう。
特に理系は、同じ学部でも、学科によって内容が全く異なるため、ミスマッチには注意が必要です。
資料等ではわからない不明点を解消できる
大学のホームページやパンフレットから得られる情報ではわからないことや疑問点などを解消できます。
例えば、周辺の環境や人気のサークル、バイト先といった大学生活を送る上で知っておきたい情報を得られるでしょう。
お子さんにとって、大学がより身近な存在になるはずです。
勉強に対するモチベーションが高まる
大学の雰囲気を体感したり、在校生と話したりすることで「この大学に合格したい!」という気持ちが強まります。
中だるみで勉強に身が入らない高校生は、オープンキャンパスに参加すれば、気持ちを切り替えられるかもしれません。
なお、オープンキャンパスは、高校生を対象としているケースが多いです。
気になる大学がある場合、高校1、2年生の段階でも積極的に参加しましょう。
中高一貫校生|オープンキャンパスで “勉強する理由” が見つかれば、学習の起爆剤に!
中高一貫校生の成績低迷|最大の原因は高校受験という山場がなくモチベーションを保てないこと
中高一貫校生が勉強しなくなるパターンは、
- 中高一貫校の学習レベルが高い
- 燃え尽き症候群になっている
- 周りのレベルが高く自信を無くした
- 親と二人三脚で勉強しない年頃になった
などです。
そして、学習習慣が身についていない状態で高校に進学すると、留年や退学の危機を迎えてしまうかもしれません。
上記のようなパターンに陥り、成績が低迷した状態から抜け出せない中高一貫校生は数多くいます。
その最大の理由は、高校受験がなく、緊張感がないことです。
勉強に対するモチベーションをどのように維持するかが、大きな課題だといえます。
オープンキャンパスで大学生活を具体的にイメージできれば、自分から勉強に向かえるようになる
オープンキャンパスを通して大学生活を具体的にイメージすることで、大学受験に対するモチベーションアップが期待できます。
ただしそのためには、お子さん自身がやりたいことや適性について考えておくことが大事です。
普段から声かけを行ったり、家で将来について話す時間を設けたりするとよいでしょう。
お子さんが興味を持てそうな大学・学部・学科のオープンキャンパスに参加するのがベストです。
成績が低迷している場合に、オープンキャンパスと並行してやるべき3つのサポート
オープンキャンパスなどでモチベーションが少しでも上がったのなら、下記の三点を軸に、お子さんの勉強をサポートしてあげてください。
- 1つだけでもいいので得意科目を作る
- 子どもの勉強を見てあげる
- 塾に通って学習態度を見直す
何から手をつけていいかわからないお子さんに具体的な展望を示し、自信を取り戻せるような働きかけをしましょう。
学習習慣を改善し勉強量が増えれば、成績は徐々に上向いていきます。
成績不振に苦しむ中高一貫校生へのサポートを知りたい方はこちらの記事をご覧ください
〈実例〉オープンキャンパスを生かして志望校合格へ!
私が担任をしていた、男子生徒の実例をご紹介します。
この生徒は中学2年生のときに中だるみに突入。勉強をあまりしなくなり、英数の基礎ができていないまま、高校に進学しました。
当然、高校の授業にはついていけず、1学期の定期テストでも、赤点に近い点数をいくつも取ってしまいます。
そのような中、友達に誘われて参加した夏のオープンキャンパスをきっかけに、情報工学への興味が湧きます。
にわかに学習へのモチベーションを取り戻したのです。
彼はこれまでの学習姿勢を反省し、英数の復習をやろうとしました。
が、うまくいかず長続きしません。壁にぶつかってしまい、少しずつやる気を失っていきました。
そこで、そんな様子を見かねた保護者が、彼を個別指導塾に入塾させました。
結果的に、これが英断でした。
最初は乗り気でなかった彼は、プロのサポートを受けたことで勉強のやり方を理解しました。
学習習慣が身につき、「できる」ことが増え、モチベーションも復活したのです。
そうして第一志望校に見事合格しました。
オープンキャンパスがもたらしたターニングポイントを、プロのサポートが生かした好例だと考えています。
中高一貫校生の学習習慣を1から作るなら、個別指導塾WAYSがオススメ!
「中高一貫校専門 個別指導塾WAYS」は、専門塾を名乗るとおり、中高一貫校のレベルの高い教材にも完全対応しており、基礎固めから定期テスト対策、大学受験対策まで幅広く対応します。
WAYSのベースにあるのは、1コマ120分の長時間指導です。
これだけ長い時間になっているのは、演習→解き直し→確認テストのサイクルで、指導時間内に学習内容を定着させるためです。
指導時間の最後の30分で、演習で間違えた問題や、理解が不十分で講師が解説した問題の解き直しを行います。
さらに次回の指導時間の冒頭で確認テストを実施して、学習した内容が定着しているかをチェックしています。
二重の確認テストを用いて「できる」まで繰り返し確認することで、着実に力がつくのです。
合わせて、学習計画についてもプロの講師がサポートします。
例えば、定期テストの範囲の確認テストをすべて合格できるように、合格率を管理します。
学習の定着度を見極めつつ、試験範囲の要点を確認する計画を立てるのは簡単なことではありません。
WAYSなら、プロが組んだカリキュラムをしっかりとこなせば、自力で「できる」問題が増えていきます。
WAYSは、講師に質問がしやすい環境づくりを大切にしています。
そのなかで、教科だけでなく大学生活についての質問も可能です。
学力の向上と並行して、モチベーションのアップも期待できるのです。
お子さんの成績が伸び悩んでいるのなら、ぜひWAYSの無料学習相談をご利用ください。
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投稿者プロフィール


- 中高一貫校に勤めて10年になる中堅教師。卒業生を3度送り出し、中学生・高校生問わず指導経験が豊富です。自身も中高一貫校出身なので、中高一貫校のことを知り尽くしています。勉強に苦しむ生徒に向き合い、試行錯誤をする日々。そんな教師生活から得られた知見をお伝えし、全国の子供たちの力になれたらと思います。