中学英語と高校英語の違いを徹底解説!高校英語でつまづいたときの問題集3冊も紹介

勉強する女子高校生

中学までは苦手意識がなかった英語が、高校からいきなり難しく感じることがあるかもしれません。

中学英語と高校英語の違いを「公立中学から高校へ進学した場合」と「中高一貫校に在籍している場合」の2パターンに分けて、教師歴約30年のプロが徹底解説します。

公立中学から高校に進学した場合は、高校英語で一気にレベルUPします。

一方、中高一貫校は、中高6年間一貫して大学受験を見据えた内容なので、段階的にレベルUPします。

中高一貫校生にとっては、中学英語から、学校のカリキュラムに沿った学習が最も効率良い大学受験対策と言えるのです。

公立中学→高校の場合:中学英語と高校英語の違い

検定教科書を使用して学ぶ、公立中学から高校に進学する場合は、次のような違いがあります。

中学英語 高校英語
目的 義務教育:誰もが学ぶべき基本 大学入試を見据える
単語数 1600語〜1800語 2200語〜3200語(※)
文法 基礎的内容が中心 中学で習った範囲からの発展的内容(大学受験に対応)
長文(英文) 日常的なトピック 大学受験で扱われる社会的テーマ

※大学受験に必要な単語数=4000語〜5000語 高校英語の単語数=大学受験に必要単語数−中学英語の単語数

公立中学から高校に進学した場合、中学英語では義務教育で、誰もが学ぶべき基礎的な内容を学びます。

高校英語から、大学受験を見据えた内容になり、単語数、文法、長文のいずれの項目も一気にレベルUPします。中学英語と高校英語ではそもそもの目的が違うわけです。

公立中学からの進学では、中学英語と高校英語のギャップ大です。

中高一貫校の場合:中学英語と高校英語の違い

中高一貫校で使用されるケースの多い検定外教科書の一つ「NEW TREASURE」を例に取ると、次のような違いがあります。

中学英語 高校英語
目的 大学受験を見据える
単語数 中1〜中2:2300語、中3〜高2:1700語〜2700語(※)
文法 大学受験で必要な英文法は中3までに終了 中学までに習得済み
長文(英文) 大学受験で扱われる社会的テーマ

※大学受験に必要な単語数=4000語〜5000語 中2までに2300語習得するので、中3から残りの1700語〜2700語習得。早ければ高1(遅くても高2で)大学受験に必要な単語を習得

中高一貫校では、中学・高校6年間を通じて、一貫して大学受験を目標とする授業が展開されます。

公立中学→高校のような中学英語と高校英語の明確な切れ目はなく、段階的にレベルUPします。結果的に効率良く大学受験につながります。

「公立中学→高校」と「中高一貫校」の違いのまとめ

2つのルートを比較して、中学英語と高校英語の違いをもう少し深掘りします。

全体的な進度が違う

公立中学→高校

高校英語から大学受験用の内容がはじまります。そのため、全範囲の学習が終わるのは大学受験の直前。入試演習の時間を十分に確保できません。

中高一貫校

中学英語から大学受験用の内容を先取りカリキュラム。高2終了時に中高6年分の内容を終了。入試まで、1年あるので、入試演習の時間を十分に確保できます。

英語が早く終わることで、数学や理科に十分な時間を費やせるのがメリット。難関大理系や医学部志望の生徒には特に有利です。

文法の進度が違う

公立中学→高校

中学英語では英文法の基礎を、高校英語から大学受験レベルまで学びます。高校から、一気にレベルUPするので、高校英語の英文法でつまずく可能性あり。

上位高校に合格するくらいなので、中学英語は問題ないはずです。英語に苦手意識を感じるなら高校で習う英文法を復習しましょう。

中高一貫校

中学英語から大学受験に対応する英文法を学習。中学3年生までに大学受験で必要な英文法を一通り学習します。

中学英語のレベルを実際に使う問題集を例にして紹介します。

中高一貫校で使用する英文法問題集『徹底反復シリーズ 5-STAGE 英文法完成 BOOK2』(数研出版)からの引用。(中2の学習範囲)

いろいろな比較構文

125. This house is three times as large as our house.

126. Please call me as soon as possible.

127. It’s getting warmer and warmer.

128. The more you get, the more you want.

129 Osaka is one of the largest cities in Japan.

続いて、高校英文法テキスト『総合英語 Evergreen English Grammar 47 Lessons』(いいずな書店)からの引用。(非中高一貫校の高1の学習範囲)

比較級を用いたさまざまな表現

1 We chose the smaller of the two puppies.

2 The tree is growing taller and taller.

3 The more I study, the more I know.

4. We respect him all the more for his honesty.

5. His behavior was more foolish than rude.

2つのテキストの例文を見比べると、中高一貫校では中学英語の段階で高校英語の内容がかなり含まれるのがわかると思います。

結果的に、早い段階で落ちこぼれてしまい、ずっと英語で苦労する中高一貫校生もいるので注意が必要です。

長文読解のレベルが違う

公立中学→高校

中学英語で読む英文は、日常的なトピックがメインです。英文の分量も多くはありません。

東京都立高校の入試英語(中学卒業時)の単語数は1600語程度(60分)から、共通テスト(高校卒業時)では約6000語(80分)の約4倍の単語数に増加

中高一貫校

中学英語の段階から大学受験で扱われる社会的トピックの内容の英文を読みます。英文の分量も多くなります。

英検準2級(中高一貫校生の中3生の標準的な取得級)の単語数は2500語程度(75分)から、共通テスト(高校卒業時)では約6000語の約2.5倍の単語数に増加

公立→高校では、高校英語から一気にレベルアップするのに比べ、中高一貫校では中学英語から高校英語へ段階的にレベルアップするのがわかると思います。

【中高一貫校】高校英語が難しく感じる場合の勉強法&おすすめ問題集

英語が苦手!ボトルネックになっているのは英文法の可能性大

中高一貫校生が高校から英語が難しくなったと感じたら、高校英語から一気に難しくなったのが原因と考えるのは間違いです。

多くの場合で、中学で習う英文法がボトルネックになっている可能性が高いです。それは、中学英語から高校英語の内容を扱うからです。

英文法の時短復習なら問題集・参考書はこれ!厳選3冊紹介

高校英語で苦手意識を感じる人は、これから紹介するテキストを使って英文法の復習しましょう。ポイントはスピード感。短時間で全体像を掴むことを意識してください。

①『大学入試 全レベル問題集 英文法(旺文社)』

全5レベルのうち、

  1. 基礎レベル
  2. 入試必修・共通テストレベル

この2レベルを学習しましょう。

1冊で約300問。2冊で約600問ほどです。多いと感じるかもしれませんが、シンプルな構成になっており、スムーズに解答できます。

この2冊が終わった頃には、大学受験に必要な英文法をマスターできているはずです。そこからは、英語の授業の理解度が一気に深まります。

②『大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】(東進ブックス)

「これで理解できなかったら、もう英文法は理解できない」と言えるほどわかりやすいです。解説が詳しい方が勉強しやすい人にはこちらがおすすめです。

③『高校 とってもやさしい英文読解(旺文社)

英文法は文法問題を解くために勉強するのではありません。英文を読めるようにするためのものです。

英文法の知識を英文解釈に活用するためのおすすめの一冊がこちら。

超基本の内容なので、英語が苦手な人でもスムーズに取り組めるはずです。

中高一貫校生で「高校英語」から立て直したいなら中高一貫校専門塾が最適解

WAYSは中高一貫校の英語カリキュラムに完全対応なので無駄がない

中高一貫校専門個別指導塾WAYS」は中高一貫校のカリキュラムと専用教材に完全対応した指導が強みの学習塾です。

全国の中高一貫校500校以上の指導実績があり、多くの中高一貫校のカリキュラムに対応しています。さらに、過去の定期テストの出題傾向を踏まえた指導を行うので効率的に成績UPが出来ます。

中高一貫校では、英語は中1から大学受験を見据えておりハイレベルな内容です。その分、「中学英語」で躓いてしまい、高校でも英語で苦労する人は少なくありません。

シンプルに基礎から立て直すのが大事です。英文法をしっかり学び直せば、「高校英語」からでも十分に立て直せます。

中高一貫校生がWAYSの指導で「高校英語」から立て直した実例を紹介

WAYSで英語の苦手を克服した人は数多くいます。「高校英語」から立て直した実例をいくつか紹介します!

日本大学第二高2:英語19点→63点へ立て直しに成功!

この生徒は部活で忙しく、中学時代は、勉強時間を十分に確保できていませんでした。英語に対して苦手意識を持っており、英語を避け続けてきました。

英語が苦手な人の典型パターンですね。勉強不足で英語の基礎が固まっていない人がほとんどです。

英語は「基礎からの積み重ねが大事」という事実を理解してもらった上で、「新出単語は必ず覚える」「教科書の英文は文法を意識して正確に読む」ように指導しました。

文法問題集を3周繰り返したところから成果が現れて、10点台だった点数が41点まで伸びました。

文法が固まれば、英語の理解力が上がり、教科書準拠問題集や学校オリジナルプリントもしっかりと対策できるようになります。

63点まで成績が上がった頃には、英語の苦手意識はすっかり払拭できたようです。基礎から学び直し、英語を取り組んだ好例です。

横須賀学院高1:中学英語54点→高校コミュ英69点・英表75点へ立て直しに成功!

この生徒も勉強不足が原因で成績が低迷。「試験範囲の問題演習を繰り返す」という意識がそもそもなく、完全な演習不足でした。

さらに単元の本質的な理解も足りておらず、なんとなく勉強している状態で高校に進級。

この生徒も基本の文法から取り組みました。これまで曖昧にしていた文法項目を一つ一つ丁寧に理解していきます。

続けて、演習量を十分に確保。学校指定の文法問題集を何度も反復することで、得点力が上がり、英語の立て直しに成功しました。

勉強に対する自信も芽生え、推薦で大学進学を目指すという目標も明確になったようです。

大妻高2:コミュ英30→59点・英表43→76へ立て直しに成功!

この生徒も学習習慣が確立しておらず、家では宿題をこなすのが精一杯でした。

大妻高校は英語の進度が速く、明らかに授業についていけず、成績が低迷してしまいました。

週120分×3コマの指導時間を確保して、演習量を確保するところから開始。学校の授業が理解できるようになると、勉強のモチベーションが高まったようです。

英文法の総復習に取り組むようになりました。基礎がしっかり固まれば、勉強すればするほど成績は跳ね上がります。

最終的には英語は94点まで伸ばし、すっかり自信を持って英語学習を継続しています。

WAYSの成績が伸びる学習方法を詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

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投稿者プロフィール

ひろ先生
ひろ先生
中高一貫校指導歴30年のベテラン教師です。勉強が得意な生徒から苦手な生徒までたくさんの生徒を指導してきました。念願叶っての中高一貫校だと思います。充実した6年間を過ごして欲しいものです。ベテランならではの視点で悩みに寄り添ったアドバイスを心がけます。ちなみに2人の子供も中高一貫校に通っています。保護者としての目線も大事にします。

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