【基本編】因数分解とは? 基本公式・式整理の仕方、教え方を徹底解説|高校数学

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高校数学における因数分解の基本は、公式が使えるように式変形していくことです。高校生に教える際のポイントを、基本公式からやさしく解説します。

①基本公式を覚える

②公式が使えるように整理する

・共通因数でくくる

・同じ形のものを別の文字に置き換える

なお、1つの文字について整理する因数分解(応用編)については、以下の記事をご覧ください。

解き方・教え方がわかる事典|中学・高校数学

因数分解の基本

因数分解とは

因数分解は、多項式を1次以上の多項式の積の形にすることを言います。

式の展開と逆の作業です。

例えば、

2+8x+16=(x+4)2

2ー2xー24=(xー6)(x+4)

などがあります。

因数分解の基本公式

2次式の因数分解の公式を紹介します。右辺を展開すれば左辺に一致することがわかります。

2+2ab+b2=(a+b)2

2ー2ab+b2=(aーb)2

2ーb2=(a+b)(aーb)

2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)(下の公式のうち、2の係数が1の場合)

acx2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)

なお、ax2+(ad+bc)x+bd(ax+b)(cx+d)の形に因数分解する場合は、たすき掛けが便利です。

詳しくは、実例のなかで見ていきましょう。

式の整理の仕方

①共通因数でくくる

例:3a32+18a2xー15ax3

共通因数が3axなので、3a3218a2xー15ax=3ax(a2x+6aー5)

②同じ形のものを別の文字に置き換える

例:(x+2)2ー5(x+2)+6

x+2=Xとおくと、

(x+2)2ー5(x+2)+6

=X2ー5X+6

たすき掛けをすると、

X2の係数は1ですので、たすき掛けの左端は1・1に確定します。

定数は6なので、-6・-1、ー3・-2、2・3、1・6のいずれかですが、このうち、和がXの係数である-5になるのは、-3・-2の組み合わせです。

X2ー5X+6

=(Xー2)(Xー3)

=(x+2ー2)(x+2ー3)X=x+2より)

=x(xー1)

例題に挑戦!

(x+y)2+yz+zx

25x22ー49

2ー4xー32

2x2ー9x+4

4a2ー4abー3b2

3(xー3)2+10(x-3)+3

2x4ー72ー

〈解答〉

①共通因数をくくり出します。

(x+y)2+yz+zx

=(x+y)2+z(x+y)

=(x+y)(x+y+z)

2ーb2=(a+b)(aーb)を用います。

25x22ー49

=(5xy)2ー72

=(5xy+7)(5xyー7)

③たすき掛けを使いましょう。

2ー4xー32

=(xー8)(x+4)

④たすき掛けを使いましょう。

2の係数は2なので、組み合わせは1・2に確定します。

定数は4なので、組み合わせは-4・-1、-2・-2、2・2、1・4のいずれかです。

このうち、2×○+1×△=-9となるのは、○=-4△=-1です。

2x2ー9x+4

=(2x-1)(xー4)

⑤aの二次式と考えて、たすき掛けを使いましょう。

2の係数は4なので、組み合わせは1・4、2・2のいずれかです。

定数はー3b2ですから、組み合わせはー3b2・1、3b2・-1、-3b・b、ーb・3bのいずれかです。

ただ、和にb2が含まれていないことから、-3b・b、ーb・3bのいずれかだとわかります。

あとは和が-4bになるような組み合わせを探しましょう。

4a2ー4baー3b2

=(2aー3b)(2a+b)

⑥同じ形のものを別の文字に置き換え、たすき掛けを使います。

xー3=Xとおく。

3(xー3)2+10(x-3)+3

=3X2+10X+3

=(X+3)(3X+1)

=(xー3+3){3(xー3)+1}

=x(3xー8)

⑦同じ形のものを別の文字に置き換え、たすき掛けを使い、2ーb2=(a+b)(aーb)を用います。

2=Xとおく。

2x4ー72ー

=2X2ー7Xー4

=(Xー4)(2X+1)

=(x2ー4)(2x2+1)

=(x-2)(x+2)(2x2+1)

3次式の因数分解の基本公式〈数学Ⅱ〉

数学Ⅱでは、3次式の因数分解が登場します。

ここでは、公式のみ紹介しておきます。余裕があればぜひ覚えてみてください。

3+3a2b+3ab2+b3=(a+b)3

3ー3a2b+3ab2ーb3=(aーb)3

3+b3=(a+b)(a2ーab+b2

3ーb3=(aーb)(a2+ab+b2

因数分解の解き方を教えるポイント

基本公式を暗記しているかを確認しよう

慣れが勝負です。

簡単めの問題を多めに解き、まずは基本公式の運用に慣れましょう。

たすき掛けなどで正負の間違いが多発します。間違うたびに丁寧に確認することが必要です。

式整理のパターンを覚えよう!

因数分解の基本の解き方は、

①共通因数でくくる

②同じ形のものを別の文字に置き換える

③公式を使う

です。

例題を解く度にこの3ステップを丁寧に確認してあげてください。

概要が理解できれば問題演習を重ねよう

教えてもらっている状態で問題が解けたとしても、独力でできなければ意味がありません。分かった気になっているだけ、ということもあります。

思考力が問われる数学であっても、反復練習は非常に大事です。簡単な問題から標準レベルの問題まで、段階を踏んで解いていくようにしましょう。

解けた問題には○、解けなかった問題には△や×をつけ、2周目以降では△や×の問題を中心にやり直すようにしてください。

因数分解は、式変形の過程が重要です。雑に処理していないかを確認しながら進めましょう。

オススメの問題集は、『新課程 チャート式 基礎と演習数学I+A』(数研出版)『新課程 チャート式 基礎からの数学I+A』(数研出版)です。

前者の方が問題は易しめです。3次式の因数分解が載っていますが、いったん飛ばしても問題ありません。

お子さんの理解が進まないパターン3選とその対処法

教えてもなかなか理解してもらえない

根気よく何度も例題レベルの問題を一緒に解いてください。

ヒントを出しながら解いてもらい、徐々にヒントの量を減らすというのも有効です。

たすき掛けが難所です。2の係数が1のもの、x2の係数が1以外のもの、2種類の文字が使われているもの、というように徐々にレベルを上げていくとよいでしょう。

教えるとその場ではできるのに、お子さん一人で問題を解くと間違いが多発

このパターンは、さらに以下の2パターンに大別できます。

①問題演習が足りていない

→問題演習で基礎レベルから順番に解いていきましょう。

②教えられた時は分かった気になっている

→どこでつまずいているのかを分析、理解できていないポイントを再説明しましょう。その後、説明したポイントが理解できているかを測れる問題を演習できるとベストです。

正負を逆にしてしまう、何の公式を使えばよいか分からず手が止まる、といったことがよく起きます。

丁寧に学習を進めてあげてください。

教えようとすると、ちょっとした間違いを指摘しただけで機嫌が悪くなり、うまくいかない

思春期で親子関係が難しく、接し方にデリケートな配慮が必要な場合があります。

1つ指摘するときは1つ以上ほめることを意識しましょう。ほめる内容は、学習を着実に進められている点などにするのがオススメです。

そして大事なことは、「根気強く、粘り強く」です。保護者の方が不機嫌になったり、イライラしたりしないように心がけてください。

子どもに教えるというのは、なかなかにストレスが溜まる作業です。保護者の方の息抜きも必要でしょう。根を詰めてやりすぎると、保護者の方もお子さんもしんどくなってしまいます。

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確認テストの実施や、生徒に問題を解説してもらうなどの指導スタイルで、塾生は確実に理解を深めていきます。

WAYSで因数分解を克服!成績アップ事例3選

海城中学校3年生 | パターンの洗い出しと反復演習で数学58点→100点

中学2年生の終わりに入塾した生徒です。

因数分解から躓いてしまい、積み残しを抱えていました。

もともと別の塾に通っていましたが、その塾のカリキュラムは学校と異なっていたため、弱点を補うことができていない状態でした。

また、ノート整理の方法について、計算過程をきちんと残さないためミスの発生元を追跡できない、式変形の配置が整理されていない、といった課題がありました。

そこでWAYSでは、学校の進度に合わせつつ、因数分解の復習を同時並行で実施しました。

見直しのしやすいノートづくりを意識し、

  • 途中式は消さずに残すこと
  • メモ書きや走り書きをしないこと
  • ミスした内容を辿れるような書き方を意識すること
  • 「=」を縦に揃えて書くこと

を実践してもらいました。

そして、因数分解の復習として、定着できていないパターン・範囲を最初に洗い出し、重要なものに絞って反復練習を行いました。

この生徒が入塾から4か月で成績の大幅アップを実現できたのは、こちらの言うことを素直に受け入れ、その通りに努力してくれたからに他なりません。

成城高校1年生 | 基礎内容をやり直して数学Ⅰ 16点→64点

高校1年生の1月に入塾した生徒です。

この生徒は入塾した当初、乗法公式や因数分解などの基礎的な計算が苦手でした。

そのために、それらを利用して解く単元で軒並み躓いてしまっていたのです。

そこでWAYSでは、中学数学の内容まで遡って演習してもらうことにしました。

わからないところを質問するのは恥ずかしいことではないという空気感をうまく作れたため、この生徒は講師をうまく利用して弱点を克服することに成功しました。

そして、間違えた問題を解き直す習慣が身につき、演習量も増え、学校の進度に追いつくことができたのです。

個別指導の強みを最大限に生かすことのできた事例の一つだと考えています。

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投稿者プロフィール

青木 ユウ
青木 ユウ
中高一貫校に勤めて10年になる中堅教師。卒業生を3度送り出し、中学生・高校生問わず指導経験が豊富です。自身も中高一貫校出身なので、中高一貫校のことを知り尽くしています。勉強に苦しむ生徒に向き合い、試行錯誤をする日々。そんな教師生活から得られた知見をお伝えし、全国の子供たちの力になれたらと思います。

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