【大学受験】定期テストは捨てるべき?タイプ別(一般選抜・推薦入試・内部進学)解説

勉強する女子高生

受験勉強と定期テストの両立は頭の痛い問題です。

特に高3にもなれば、受験勉強に時間を割きたいのも理解できます。

今回の記事では「定期テストは捨てるべき?」の問いに教師歴30年のベテランライターが答えます。

受験タイプ(一般選抜・学校推薦型・総合型・内部進学)に分けて解説します。

また、記事の最後には定期テストを活用した受験対策を紹介します。

特にお子さんが「定期テストは捨てる」と言って心配な保護者の方に参考にしてもらいたい内容です。

「定期テストを捨てる」とは?

ここで言う、「定期テストを捨てる」とは、定期テストを完全に切り捨てて「0点でも良い」の意味ではありません。

高校には「欠点(赤点)」があり、極端に定期テストが悪いと、「進級できない」「卒業できない」という事態になります。

時間をかけずに最低限(=欠点を取らない程度)の勉強しかしないことを意味しています。

【大学受験タイプ別】定期テストの取り組み方

大学受験のタイプに分けて、高校3年生が「定期テストを捨てるべきか否か?」を解説します。

【タイプ①】一般選抜(テスト入試)

公立高校(非中高一貫校)の生徒の場合

教科書が終わっていない学校が多いと思います。受験科目が教科書内容を進めている場合は、基本は定期テストを捨ててはいけません。

ただし、受験科目以外の科目は欠点を取らない程度の勉強で大丈夫です。

教科ごとに詳しく解説します。

【国語・英語】

英文法・古典文法は対策する

3年生になると、大学入試の範囲が終わってないことはないと思いますが、もしも英文法・古典文法の範囲学習中ならしっかり対策してテストを受けましょう。

英語長文・現代文・古文・漢文は実力で解く

授業中に習った文章がそのまま出題されることが多いです。

暗記して定期テストを受ければ、高得点を狙えますが、実力がそこまでつく訳ではありません。

実力を試すつもりで、対策せずにテストを受けてみましょう。

【数学・理科・社会】

受験科目で教科書の範囲が終わっていない場合はしっかり取り組む

教科書の範囲がまだ終わっていないない学校が多いと思います。しっかり対策してテストを受けましょう。

数学や理科は授業内容を理解しても、演習しないと実力がつきません。

教科書の範囲が終わったケースでも、定期テストを演習の機会と捉えてしっかり対策しましょう。

受験科目以外の科目は欠点を取らない程度に取り組む

受験科目以外は欠点を取らない程度に取り組みましょう。

中高一貫校の生徒の場合

先取りカリキュラムで、高2で教科書範囲が終わっている学校が多いと思います。

高2までは、学校のカリキュラムに合わせて範囲学習を進めましょう。

受験科目以外は、欠点を取らない程度の勉強で大丈夫です。

教科ごとに詳しく解説します。

【国語・英語】

授業をしっかり受けて実力で解く

高2で教科書範囲が終わり、入試演習が始まっている学校が多いと思います。

授業はしっかり受けて、定期テストは実力で受けましょう。

習った範囲を丸暗記すれば、高得点を狙えますが、必ずしも実力がつく訳ではありません。

【数学】

演習の機会と捉えしっかり取り組む

高2で教科書範囲が終わり、入試演習が始まっている学校が多いと思います。

数学の成績低迷の大半は、演習不足が原因です。

定期テストも演習の機会と捉えて、しっかり取り組みましょう。

【理科・社会】

受験科目で教科書の範囲が終わっていない場合はしっかり取り組む

教科書範囲が終わっていないケースは、しっかり取り組みましょう。

特に理科では、教科書範囲が終わり、入試演習をしている場合は、数学と同様に定期テストを演習の機会と捉えて、しっかり取り組みましょう。

《化学の定期テスト対策》

《物理の定期テスト対策》

《生物の定期テスト対策》

受験科目以外は欠点を取らないように

受験科目以外は欠点を取らない程度の勉強で大丈夫です。

公立高校(非中高一貫校)・中高一貫校のいずれも欠点をとるのはNG

一般的には、高3は1月末に追試があります。この時期は入試直前の大事な時期です。

欠点で追試になると貴重な時間を失うことになります。欠点は取らないようにしてください。

1学期のうちに、ある程度点数を取っておくと、後で楽になります。2学期は受験が迫っているのでますます定期テストどころではなくなります。

【タイプ②】学校推薦型選抜(指定校推薦・公募制推薦)

高3の1学期まで:全科目しっかり取り組む

学校推薦型(指定校推薦・公募制推薦のいずれも)では高1〜3(1学期)までの評定平均が調査書に記載されます。

高3の1学期までは全科目しっかり取り組まなければなりません。

また、1〜2年の評点で基準を満たしていても安心してはいけません。評定は高い方が有利です。

特に指定校推薦では、学内のライバルを上回らないと選考されません。

評定に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。

高3の2学期以降:定期テスト対策はセーブしても問題ない

推薦入試は10月に出願するので、2学期以降の評定は受験には関係ありません。

定期テスト対策はある程度セーブしても問題ありません。

10〜11月には推薦入試の準備や本番で時間が取られるので、2学期中間テストは時間をかけられないのは想定しておいて下さい。

推薦入試のスケジュール

  • 大学推薦要項発表 6〜7月
  • 学内(高校)申し込み 8月頃
  • 学内(高校)選考会議 9月頃
  • 推薦入試 11月〜

※スケジュールの目安・学内(高校)のスケジュールはそれぞれです。

【タイプ③】総合型選抜

学校推薦型と基本的には変わりません。

高3の1学期まで:全科目しっかり取り組む

高1〜3年(1学期)までの評定平均が調査書に記載されます。

高3の1学期までは全科目しっかり対策をして取り組まなければいけません。

また、1〜2年の評点で基準を満たしていても安心してはいけません。

もちろん、面接や小論文などの出来にもよりますが、調査書の評定平均も合否には大事です。

高3の2学期以降:定期テスト対策はセーブしても問題ない

推薦入試は10月に出願するので、2学期以降の評定は受験には関係ありません。

定期テストの取り組み方はある程度セーブしても大丈夫です。

10月〜11月には推薦入試の準備や受験本番で時間が取られるので、2学期の中間テストは時間をかけられないのは想定しておきましょう。

総合型選抜に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。

【タイプ④】内部進学

大学附属高校からの内部進学は、それぞれの学校によって基準があります。

定期テストや評定の取り扱いなどの内部の進学基準に従って、しっかりと取り組んでください。

『中高一貫校個別指導塾WAYS』では付属高校からの内部進学をサポートしています。これまでの指導実績から得た情報の一部です。

【首都圏】

【関西圏】

定期テストを捨てるデメリット:大学受験の選択肢を狭める

確かに定期テストを捨てることで、受験勉強に割ける時間が増えます。これは大きなメリットと言えます。

しかし一方で、次のようなデメリットが考えられます。

  • 推薦入試が受けられない
  • 進級・卒業ができなくなる可能性

【デメリット①】推薦入試が受けられなくなる

高3にもなれば、推薦入試を受けるか受けないのかは決まっていますが、高1〜2ではそうではありません。

近年の大学受験では50%近くの人が一般入試以外の方法で大学に進学します。

高1〜2から定期テストを捨ててしまうと、評定が上がらず、選択肢を狭めるリスクがあります

推薦入試の実態はこちらの記事で詳しく解説しています。

【デメリット②】進級・卒業ができないリスク

高3で欠点を取ると、入試時期の1月に追試があります。

大切なこの時期の追試は負担が大きいですよね。そうならないためにも欠点を取らない程度の対策が必要です。

高1〜2で欠点を取ると進級ができなくなります。こちらも追試にならないように、最低限の対策が必要です。

「定期テストを捨てても良い」のは?志望校と受験パターンが確定している人

高校3年生で自分の志望校や受験パターンが決まっている人は、「定期テストを捨てる」のも選択肢の一つです。

ただし、1〜2年生の間は定期テストはしっかり取り組むのがおすすめです。結果的に評定が上がり選択肢が広がるからです。

高1〜高2の定期テストの大切さについての詳細解説記事

その意味では、定期テスト対策をそのまま大学受験対策にするのが理想的ですよね。

実際に定期テストを使って学力を上げて受験勉強に繋げている人は少なくありません。

特に中高一貫校では、先取りカリキュラムを取り入れ、大学受験に最適化しています。学校の授業をペースメーカーに、定期テストごとに実力をつけていきましょう。

高2で教科書範囲を終わらせて、高2の夏休みを目処に受験勉強に移行することができます。

中高一貫校生の評定UPなら中高一貫校専門個別指導塾WAYS

WAYSの成績UPの秘訣とは?

『中高一貫校専門個別指導塾WAYS』は中高一貫校専門塾として500校以上の指導実績があります。これまでに、数多くの中高一貫校生の成績を引き上げてきました。

WAYSには成績UPの3つの特徴があります。

  1. 中高一貫校専門塾の豊富なノウハウ
  2. 圧倒的な指導時間
  3. 「できる」ようになるための指導法

こちらのページで中高一貫校専門個別指導塾WAYSの成績UPの秘訣を紹介しています

WAYSの成績UP事例紹介

昭和女子大附属昭和高校2年:数学36点→87点

この生徒は高校2年の4月に入塾して、3ヶ月で数学36点から87点まで得点をアップしました。

そもそも学習習慣がなく、宿題も友達のものを写して提出するような状況でした。

WAYSの1コマ120分の長時間指導を活用して、週3コマの360分の指導時間を確保しました。この時間は講師がしっかりサポートするので、勉強の質量ともに大きく改善しました。

結果的には上記の得点アップを実現し、学習に対する意識も前向きに変化しました。 

今後は評点9を​​目指して頑張っています。定期テストをペースメーカーに評定アップをした好例と言えます。

巣鴨高校2年:数学α17点→84点・数学β30点→53点

この生徒は数学に苦手意識があり、本人曰く、「数学は捨てていた」状況でした。

WAYSでは指導時間の大半は、本人のアウトプットが中心になります。その結果、演習時間が目に見えて増えました。

自分が分からないところも講師がすぐに解説してくれるので、この生徒も一つ一つ階段を登るように実力を蓄えてきました。

結果的に上記の得点アップに繋げました。今では志望校合格も視界に捉えています。

こちらも定期テストをペースメーカーに学力をつけて、志望校合格を目指す好例です。

日大豊山高校2年:英語49点→72点

この生徒は自宅での学習習慣が全くなく、定期テストの勉強もままならない状態でした。

WAYSに入塾してからは、1週間ごとの学習計画を立てるようにしました。

苦手の英語は、英文法と英語長文を交互に学習し、講師が確認テストを実施。徐々に理解度が上がってきました。

地道な努力の成果として、上記のような定期テストの点数アップを実現しました。

今後は内部進学に向けての「基礎学力到達度テスト」で高得点を目指して勉強を頑張っています。

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投稿者プロフィール

ひろ先生
ひろ先生
中高一貫校指導歴30年のベテラン教師です。勉強が得意な生徒から苦手な生徒までたくさんの生徒を指導してきました。念願叶っての中高一貫校だと思います。充実した6年間を過ごして欲しいものです。ベテランならではの視点で悩みに寄り添ったアドバイスを心がけます。ちなみに2人の子供も中高一貫校に通っています。保護者としての目線も大事にします。

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