中学理科と高校理科の違いを現役教師が解説!高校でつまづいたときにやるべきこと

「中学のときは理科は苦手じゃなかったのに、急にできなくなったみたいで心配…」

と、お子さんが高校理科につまづいてしまって不安を感じていませんか?

高校理科になると、学習内容が複雑で覚える量が増加したり、計算のレベルが劇的に上がるのです。

特に、高校理科では「理解」が求められるのに対し、中学の頃に「暗記」を中心に勉強していた場合、中学理科と高校理科のギャップにつまづくケースがあります。

そのため、日々の復習時間を設定したり、問題演習時間を確保するために早めに定期テスト対策を始めるなど、勉強の質・量とも増加させる必要があります。

この記事では現役教師の視点から、中学と高校理科の違いを解説し、つまづいたときの効果的な学習方法を紹介します。

中学理科と高校理科の違い

中学理科と高校理科の違いを1つ1つ見ていきましょう。

中学理科と高校理科の科目

中学では理科が1分野(物理・化学)と2分野(生物・地学)に分かれています。

一方、高校では基礎科目(物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎)と、発展科目(物理、化学、生物、地学)に分かれています。

進学を目指す学校では、

  • 高1で、基礎科目のうち、2〜3科目
  • 高2・3の理系で、発展科目2科目(化学必須、物理または生物を選択)
  • 高2・3の文系で、基礎科目2科目

を受けるのが一般的です。

中学物理と高校物理の違い:数学のレベルが大きく上がる

おそらく、最も大きなギャップがあるのが物理です。

中学と高校では数学のレベルが大きく異なります。

中学では、掛け算・割り算程度の計算だけです。一方で、高校では、文字式を用い、二次関数や三角関数、指数対数を扱います。微積も理解していれば、現象の理解に役立ちます。

ただし、学習分野は中学と被る部分も多く、中学で最後に学ぶ「力と運動」から高校の学習が始まります。

高校では1から物理現象を学び直すので、中学の内容が理解できていなくても、高校からの取り組みで挽回が可能です。

中学化学と高校化学の違い:中学の学習内容を土台に積み上げる科目。暗記量が増え、問題が多岐に渡る

高校化学では、中学化学で覚えた知識が基礎となります。

中学の基礎的な化学知識が不足していると、高校で絶対に苦労します。中学の内容を、しっかりと学習しておくことが重要です。

中学では、実験を中心に現象を観察して覚えることが多いですが、高校では、化学物質の性質を覚え、さらにその仕組みを理解することが求められます。

そのため、覚える量が圧倒的に増加します。

例えば、扱う化学反応式は、中学では30〜40程度なのに対し、高校では100を超えます。

さらに、取り扱う問題も複雑になり、計算問題だけでなく、構造決定問題や論述問題も含まれます。

中学生物と高校生物の違い:覚える量が圧倒的に増え、暗記だけでなく理解も大事

高校では、対象がマクロな世界からミクロな世界に移り、扱う現象もより複雑になります。

そのため、覚えるべきことの量が圧倒的に増え、暗記だけでなく、現象が起きる仕組みやプロセスの理解も求められます

学習内容は中学の内容と重複している部分もあり、「より詳しく学ぶ」イメージです。

高校で再学習するため、中学までの内容を覚えていなくても対応可能です。

ただし、高校では化学知識を活用することが多くなるため、中学化学の復習が有効です。

【公立高校編】理科でつまづいてしまったときの勉強法

公立中学では、様々な学力のお子さんがいますので、定期テストはそこまで難しくありません。基礎的な知識の暗記や、公式の当てはめができれば、ある程度点数を取れるケースが多いです。

しかし、進学系の公立高校ではそういうわけにはいきません。

理科でつまづいてしまった場合、勉強の質を見直す必要があります。

物理:計算を丁寧に練習する

高1の最初で学習する内容は、中学の物理と大きく変わりません。

変わるのは数学のレベルです。物理でつまづいている場合、数学に対応できていないことが原因かもしれません。

特に、文字式を使う計算を苦手とする人が多いです。そこで、

  • 文字の意味を確認する
  • どの量を求めるか確認する
  • 計算の途中過程を書くことを怠らない

といったことを意識して、1度だけでなく、何度も解き直して計算の練習をすることが大事です。

どうしても学校の問題集だと難しいと感じる場合は、補助的な問題集や参考書を使うことも検討しましょう。

化学:mol計算の練習がカギ

中学と高校の学習内容で大きく異なるのは、物質量の単位”mol”を用いて、計算することです。

molの概念を理解した上で、計算することが求められるので、中学に比べ計算につまづきを感じるお子さんが増えます。

理解できない場合は、丁寧な解説がされている参考書や問題集を使って、練習をするのが良いでしょう。

生物:インプットも大切だが、アウトプット時間の確保がカギ

また、高校生物になると「暗記」も大事ですが、「理解」も求められるようになります。「暗記」は単語だけを覚えていること。「理解」は現象を自分で説明できること。です。

授業内で理解が追いつかない場合は、丁寧に説明された参考書を読むことで対処できます。

おすすめの参考書は、こちらで紹介しています。

【中高一貫校編】理科でつまづいてしまったときの勉強法

中高一貫校の場合、中学で、高校の学習内容を意識した授業や定期テストが行われます。そのため、公立高校に比べて、中高のギャップは緩やかです。

しかし、公立高校に比べて授業進度が早く、定期テストでもハイレベルな問題が出題されるのが中高一貫校です。

つまづいてしまった状態からの脱出のカギは、家庭学習の習慣作りです。

物理:家庭学習で演習量の確保が必須

物理でつまづく原因は、家庭での演習量不足です。

覚えることが少ない物理は、演習量の確保が生命線です。

ただし、中高一貫校は授業進度が早いため、授業内で十分な演習量が確保できるわけではありません。

基礎・基本の演習はもちろん、テスト対策のための演習は、お子さんのお子さんの家庭学習に委ねられます。

最低でも、問題集を2〜3周は解く時間の確保が必須です。

物理の定期テストで平均点を超えるための詳細解説

化学:授業に遅れずついていくために、復習習慣が必須

中高一貫校生が化学でつまづく第一の原因は、知識不足です。

中高一貫校は授業スピードが速いため、基礎知識が定着していないと、授業についていけなくなります。

授業についていけないと、テスト前に授業内容を理解することに時間を割かれます。その結果、十分な問題演習の時間を確保できません。

家庭での復習時間を確保し、授業ごとに基礎知識の定着を図ることが重要です。

復習は、以下のタイミングで行い、時間よりも回数を多く確保できているか確認しましょう。

  • 授業があったその日のうちに行う(家庭学習)
  • 授業開始前に行う
  • 土日など、1週間のうち決まった日に行う(家庭学習)

化学の定期テストで平均点を超えるための詳細解説

生物:生物は暗記だけではない。問題演習量の確保も大事

生物の定期テストは、愚直な努力が点数に結びつく科目です。暗記(インプット)だけではなく、問題演習(アウトプット)が重要です。

生物につまづいている人は、問題演習(アウトプット)が足りていないケースが多いです。

特に、生物を「暗記科目」として捉えている場合、「赤シートで隠しながら覚える」といった暗記(インプット)に注力しがちです。

しかし、インプットした内容を定着させるには、アウトプットが重要です。

進度が早い中高一貫校ですから、授業内で十分なアウトプット時間は確保されません。お子さん自身が家庭学習を通じて、アウトプット時間を確保する必要があります。

生物の定期テストで平均点を超えるための詳細解説

中高一貫校生で家庭学習が苦手な場合、個別指導塾でプロのサポートを:理科でつまづいていた生徒の成績アップ事例

前述したように、中高一貫校生が高校理科でつまづいてしまった場合、家庭学習の時間確保が生命線になります。

しかし、家庭学習が苦手なお子さんもいます。その場合、個別指導塾で勉強時間を確保することも解決策の1つです。

特に、「中高一貫校専門 個別指導塾WAYS」がお勧めです。

お子さんが通う中高一貫校のカリキュラム・使用教材に合わせた指導計画を立てることが可能で、実際に数多くの成績不振脱出の事例があります。

日本大学鶴ヶ丘高校1年生:物理の成績が23点→66点と大幅アップ

物理の成績が大幅に上がった、日本大学鶴ヶ丘高校1年の事例を紹介します。

この生徒は、入塾してからわずか3ヶ月で物理の成績が23点→66点と大きく成績を伸ばしました。

この生徒の課題は、全体的な学習時間が不足していました。部活が忙しく、テスト前までに十分な問題演習ができずにテストに臨んでいたのです。

そこで、WAYSでは夏期講習で集中的に基礎から徹底的に勉強をし直すことにしました。

学校で使用している教材を使い、講師の解説をもらいながら地道に繰り返した結果、大きく成績を伸ばすことができました。

四天王寺高校1年生:化学の成績が36点→85点と大幅アップ

化学の成績が大幅に上がった、四天王寺高校の事例を紹介します。

この生徒は、入塾してから1年間で、化学の成績が36点→85点(平均+41点)と大きく成績を伸ばしました。

WAYSでは、この生徒には、効率的に問題集を取り組むことが必要だと考えました。

そこで、分からない問題は積極的に質問するように促し、悩む時間を短縮し、テストまでに問題集を3〜4周できるようになりました。

家庭学習が苦手でも大丈夫!中高一貫校専門塾「WAYS」なら、高校理科のギャップを乗り越えられる

中学理科と高校理科では大きなギャップがあり、高校理科になると一気に覚える量が増え、求められる数学力も飛躍的に上がります。

ギャップを埋めるために必要なのが、授業以外の勉強時間の確保です。

WAYSでは1コマ120分で、演習中心の指導時間を確保しています。

90分の指導時間に加え、ラスト30分の解き直し+次回指導冒頭での確認テストにより、授業時間内で学習内容をしっかりと押さえます。このことにより、必要な演習時間を確保することができます。

通常の個別指導塾では、60〜90分程度の指導時間なので、どうしても家庭で宿題を時間を確保する必要があります。WAYSでは解き直しを行う時間も確保しているので、宿題は一切ありません。

もちろん、独自の問題集を持ち込み可能なので、学校の問題集を使って演習を行うことができます。直接テスト対策に繋がるため、お子さんの負担が増えることなく、定期テスト対策を行うことができます。

中高一貫校では、内容もハイレベルなため、授業や定期テストでしっかりと勉強を続けることで、大学受験対策にもつながります。

数年後に控える大学受験を見据えて、理科のつまづきを解消するのは早く行うべきです。

WAYSの定期テスト対策のノウハウは、無料の資料で詳しく紹介しています。

30秒程度で資料請求できるので、お気軽にお申し込みください。

投稿者プロフィール

しみすけ先生
しみすけ先生
中高一貫校で15年間指導してきました。10年間は高校3年生の大学受験指導を、次の5年間は主に中学で指導してきましたので、大学受験を見据えた中学からの学力形成に知見があります。私自身も中高一貫校を卒業しました。
せっかく努力されて入学した学校なので、充実した時間を過ごせるよう情報発信という形でサポートしていきます。

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