中学受験が終わった後の過ごし方ガイド|塾や先取り学習は必要?入学前の準備は?
厳しい中学受験の末に勝ち取った合格。おめでとうございます。
これから始まる中高一貫校での生活を親子で心待ちにしていることでしょうね。
「入学までに何か勉強しておいた方がいいの?」
「入学までは自由にさせてあげても大丈夫?」
こんな疑問をお持ちではありませんか?
この時期、一番大切なのは、せっかく身につけた学習習慣を維持することです。それさえ出来れば、あとはリラックスして入学式を迎えてください。
しかし、お父さんやお母さんには、お子さんの接し方を少しだけ変えてもらいたいことがあります。
中高一貫校教師歴30年のベテランライターが、現場での経験を踏まえて、中高一貫校入学前にしておくことを、学習面、生活面、親の心構えの3点から解説します。
このページの目次
中学受験が終わった後の過ごし方【学習面】
中学受験後の過ごし方での学習面でのポイントを3つ紹介します。
学習習慣の維持(確立):毎日1時間程度の勉強を継続を
皆さんは、中学受験を通して学習習慣を確立したはずです。何より、この学習習慣を維持して、入学式を迎えて欲しいのです。
これまで我慢してきた、遊びや趣味、友達や家族との時間。大いに楽しませてあげてくださいね。
しかし、受験が終わった開放感から、全く勉強しなくなる人がいるのも事実です。
親もついつい甘くなってしまいがちですが、せっかく身に付けた学習習慣を手放してはもったいないです。
1時間程度でいいので、毎日勉強しましょう。生活の中に勉強時間を組み込んで、「勉強するのが当たり前」の状態で入学を迎えてください。
学習習慣を身についている生徒は必ず成績が伸びます。
逆に「燃え尽き症候群」「深海魚」「中だるみ」など中高一貫校特有の成績不振がありますが、結局は、いずれも勉強不足に起因しています。
英語と数学の勉強:先取り学習よりも基礎の再確認が大事
基礎固めは英語のスペルと発音・数学の計算問題・読書がおすすめ
一番気になるのは、「入学前から先取り学習をした方が良いのか?」ではありませんか?
大半の中高一貫校では、入学前に先取り学習を求めていません。むしろ、基礎固めが大事と考えています。
入学前課題を出す中高一貫校がありますが、基礎を確認する内容がほとんどです。
英語なら、アルファベットのスペル(=ペンマンシップ)と発音(=フォニックス)の勉強をしましょう。
ペンマンシップ(=英習字・運筆)やフォニックス(=発音と文字の関係性)についてはこちらの記事で解説しています。
数学なら、計算練習です。
中学入試でやりこんでいるはずなので、特別なことは必要ありません。速く正確にを意識して練習しておきましょう。
読書もおすすめです。
時間にゆとりのあるこの時期だからこそ、お子さんの興味のままに読書を楽しんでください。読解力は全ての教科の礎です。
先取り学習なら塾や映像授業を活用
それでも先取り学習をしたい方は塾や映像授業がおすすめです。
特に東大・京大・医学部などの超難関大を目指しているケースでは、中1から塾で先取り学習を進める人が多いのも事実です。
鉄緑会・SEG・平岡塾などが有名で、ハイレベルな勉強を進めています。
ただし、塾の負担が大きくなるので、学校の勉強がおろそかになり、思いがけない低迷を招くリスクもあるので、そこは要注意です。
レベルを上げすぎずに先取り学習をするなら、「スタディサプリ」の映像授業がおすすめです。
超有名講師の授業はわかりやすいです。高校受験向けの基礎的な内容なので十分に理解できるはずです。
学校から指定された入学前課題:授業で理解→宿題で演習の流れに慣れる
学校の入学前課題がある場合は、その課題をしっかり取り組みましょう。
中高一貫校では先取りカリキュラムで授業進度が早くなり、授業中に十分な演習ができません。そのかわり、宿題として演習問題が課されます。
つまり、中高一貫校では、「授業で理解して宿題で演習」が基本的な流れです。学力UPには家庭学習が不可欠です。
中高一貫校の学習スタイルに慣れる最初の一歩が、入学前課題です。
5月中旬には最初の定期テストがあります。それまでに「授業で理解して宿題で演習」のスタイルに慣れて欲しいです。
これができていれば、あとはテスト前にしっかりとテスト範囲を学習すればOKです。
中高一貫校は入試を突破した生徒ばかりなので、学力差は大きくありません。むしろ、勉強量が成績に反映します。
中高一貫校では成績の二極化が進む傾向があります。成績が低迷してしまうと、成績が悪い生徒ばかりでグループを作りがちです。こうなってしまうと、勉強しないのが当たり前になりかねません。
中1の順位は今後6年間の順位を左右しかねないので、しっかり準備して臨みたいところです。その最初の一歩として、入学前課題はしっかり取り組みましょう。
せっかく合格した中高一貫校ですが、入学後に急に勉強しなくなる生徒がいます。 もしもそうなれば、親としては心配ですよね。 お子さんが入学後に勉強を辞めてしまわないためのポイントを解説しています。
中学受験が終わった後の過ごし方【生活面】
続いて、生活面のポイントを解説します。
生活リズムを整える:睡眠・勉強開始・就寝の3点固定がおすすめ
地元の公立中学校に通うのとは違って、中高一貫校では生活リズムが大きく変わります。
遠距離通学、部活、7時間授業など、帰宅が遅くなる人もいるでしょう。その上で、ハイレベルな授業と宿題など、勉強の負担も大きくなります。
ついつい睡眠時間が削られて、疲労を蓄積することがないように気をつけてください。
疲労はストレスにつながります。ストレスを抱えたままだとせっかくの中学生活も楽しめません。
起床時間、勉強開始時間、就寝時間の3点固定がおすすめです。そうすることで、家庭学習を組み込んだ上で、規則正しい生活ができます。
入学前から3点固定を意識した規則正しい生活を送ってください。
新生活に必要な確認:通学、スマホ、部活や習い事などの見通しを立てましょう
新生活で生活の変化があると思います。事前に親子で確認しておくと安心です。
まずは通学の確認。実際の通学時間に学校に行ってみましょう。
所要時間だけでなく、電車の混み具合、人通りなどをチャック。帰りの時間帯も要チェックです。
塾や習い事を考えている人は、通学可能なのかを確認しましょう。所要時間や乗り換えなどもチェックします。
中学生からスマホを持つ人も少なくありません。また、すでに持っていた人も、SNSなど利用範囲が広がります。
「9時以降は使わない」などスマホ使用のルールは親子でしっかり決めておきましょう。
個人的には中学1年生ならスマホの利用には親が積極的に介入するのはアリだと思います。
私の勤務校での経験からも、スマホで勉強時間が減るだけでなく、SNSでの人間関係のトラブルは中学1年生は本当に多いです。
貴重な時間をスマホに浪費してしまうともったいないですよね。
中学受験が終わった後の過ごし方【親の心構え】
ここからは親の心構えを解説します。
心身ともに大きく成長する中高の6年間だからこそ、お子さんへの接し方を今までとは少しだけ変えて欲しいと思っています。
お子さんの学校の進学実績を把握:目指すレベルがわかる
お子さんの学校の進学実績を把握しましょう。
例えば、東大5名の進学実績なら、東大合格には、5番以内を目指さなければいけません。同様に、早慶なら?医学部なら?と合格実績を把握すれば、目指す学内順位がわかります。
また、指定校推薦や、附属高校なら内部推薦(学部の枠)を把握しましょう。
指定校推薦や内部推薦は高1の評定から加味されます。
高校になって急に成績が上がるわけではないので、中学から見通しを立てて、早めの準備が大事になってきます。
2022年入試では、推薦入試で進学した人の割合が49.7%。親世代と比べると、推薦入試の枠が広がったと思いませんか? 中高一貫校生といえども、推薦入試は非常に身近な制度です。 中高一貫校の推薦入試について詳しく解説しています。
大学受験までのプランを想定:手遅れにならないために早めの準備を
中学受験が終わったばかりで、まだ先のことと感じるかもしれませんが、親御さんには大学受験の進め方の方針を想定して欲しいです。
あくまでも子供が主体なので、親の敷いたレールを走らせるのはNGですが、子供はまだまだ大学受験まで考えが及びません。
気づいた時には、手遅れとなるケースが散見するので注意して欲しいのです。
長期視線で、次の2つのタイプを考えてみてください。
- 学校のカリキュラムに沿って学力をつけて、受験勉強に移行する
- 塾で先取りを進めて学力をつけて、受験勉強に移行する
それぞれ解説します。
1. 学校のカリキュラムで大学受験を目指す
学校の進学実績からお子さんの志望校合格が現実的なら、学校のカリキュラムに合わせて勉強するのが合理的です。
中高一貫校は先取りカリキュラムで、中高6年分の学習内容を5年間で終了します。
公立高校のように、学習範囲が終わるのが入試直前ということにはならないので、学校のカリキュラムについていけば、そのまま受験対策になります。
学校の授業を重視しつつ高校2.3年生から大学受験塾を利用するのがオーソドックスなパターンです。
中高一貫校では進度が早く、定期テストの難易度が高いので、学校の授業に対応できなくなる生徒が一定数いるのは事実です。 成績が低迷すると、そこから立て直すのは大変です。授業についていくのに不安を感じるようなら個別指導塾を検討しましょう。 中高一貫校は独自のカリキュラムを採用しており、どの個別指導塾でもよい訳ではありません。 「中高一貫校専門個別指導塾WAYS」のような専門塾が心強いです。
2. 塾で更に先取りをして大学受験を目指す
一方で、東大・京大・医学部など超難関を目指す人や、学校の進学実績では物足りない人は、塾で先取り学習を進めます。
塾で先取りして学校で復習するペースです。範囲学習を早く終わられば、それだけ入試演習に多くの時間を費やせるので圧倒的に有利です。
学力が高い人は間違いなく力がつくのでしょうが、あまり背伸びをしすぎると、どちらも中途半端になります。学校と塾の共倒れリスクがあるのは念頭に入れておきましょう。
学校重視なのか、塾重視なのか、ある程度方針を立てておくといいです。志望校と子供の学力やキャラクターから親が見極めましょう。
子供の自立を促す接し方:失敗やそこから立ち直るのも大事な経験
中学受験は親子で乗り越えたと思いますが、大学受験は違います。ここからは、本人が本気にならないと目指すところには辿り着けません。
思春期を迎える中高時代は、心身ともに大きく成長する時期です。親は積極的に子離れして、お子さんの自立を促すことが大事になってきます。
この時期のお子さんは、自立を求めて色々な経験を重ねていきます。時には失敗をするでしょうが、傷つき、そこから立ち直るのも大事な経験です。
中学時代は勉強以外の経験も大切です。全く勉強しないのは問題ですが、お子さんがしたいことはさせてあげましょう。
部活・遊び・友達・趣味など学校生活を大いに楽しむことで満足感が高まります。満足感が高まれば、高校から受験勉強にスパッと切り替えられます。
勉強と部活の両立も気になる問題です。 部活のせいで勉強が疎かにならないかと心配になりますよね。 しかし、部活を通して学ぶことも少なくありません。工夫次第では勉強と部活は両立できます。
良かれと思って子供の手助けばかりしていたら、成長の機会を失う結果になりかねません。
勉強以外の経験も人間性を高めます。一つ一つの経験を通して、下に下に大きな根を張っていると考えてみてください。
「中高一貫校専門 個別指導塾WAYS」は、私立中学(中高一貫校)の授業・定期テストのサポートに特化した専門塾です。 500校以上の中高一貫校の生徒の指導実績があり、私立中学入学前のスタートダッシュ指導から、成績低迷のリカバリー、難関大学逆転合格まで、中高一貫校生の成績UPを得意にしています。 WAYSの成績UPのノウハウ、料金体系、入塾までの流れ、大学合格実績などが書かれた無料Webパンフレットはここからダウンロードできます。
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投稿者プロフィール
- 中高一貫校指導歴30年のベテラン教師です。勉強が得意な生徒から苦手な生徒までたくさんの生徒を指導してきました。念願叶っての中高一貫校だと思います。充実した6年間を過ごして欲しいものです。ベテランならではの視点で悩みに寄り添ったアドバイスを心がけます。ちなみに2人の子供も中高一貫校に通っています。保護者としての目線も大事にします。
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