【中高一貫校】塾なしで難関大学受験は可能?歴30年のベテラン教師が本音で解説
「中高一貫校は大学受験を目指した授業をしているから塾は必要ない。」
こんな言葉を一度は耳にしたことがありませんか?
確かに、中高一貫校生が学習塾なしで大学受験を成功させるのは不可能ではありません。しかし、中高一貫校での指導歴30年のベテラン教師が本音で言えば、「塾なし受験はおすすめできない」と回答せざるを得ません。
なぜなら、志望校のレベルと自分の学力の差を埋めるために、塾の果たす役割は大きいからです。
また、教師の働き方改革の影響で、学校として、「時間外の補講」「わかるまで指導する」といった方針を打ち出しにくくなっている背景もあります。
ただし、塾の活用の仕方によっては、マイナスになるケースがあるのも否定できません。大学受験を目指した授業を展開している中高一貫校だからこその、塾の活用法を解説します。
このページの目次
中高一貫校の現場での実感:9割以上が学習塾に通っている現実
大学受験メインの中高一貫校では通塾が当たり前
難関中高一貫校、大学附属中高一貫校など、様々なタイプの中高一貫校があります。
私が教師として勤務している学校は、難関とまでは言いませんが、大学受験メインの中高一貫校です。私の長男も同様のタイプの学校に通っています。
これら大学受験メインの中高一貫校では、感覚的には、高3になる頃には、ほぼ全員が通塾しています。これが現実。やはり、大学受験を目指すなら、塾ありがスタンダードです。
一方、私の長女は、大学附属中高一貫校に通っていますが、大学受験なしで進級できるので、通塾率は高くありません。
塾の役割は志望校のレベルと自分の学力差を埋めること
自分の学力が志望校のレベルを上回っていない限り、塾のサポートは心強いものです。
そもそも、自分の学力が志望校のレベルを上回っているなら、もっと上を目指しても良いですよね。
通塾は当たり前の中高一貫校でも、塾に通えば必ず学力が上がるとは限らない
塾を利用するなら目的意識が大事
中学入学時にすでに通塾している生徒も少なくありません。中学受験で通っていた塾を、中高一貫校合格後も継続するためです。
また「周りの友達が通っているから」「成績が下がって、親に行かされている」などの生徒もいますが、必ずしも成果が出ていない印象です。
やっぱり、目的意識が大事。何を目的に塾に行っているかを明確にしましょう。塾に通えば必ず成績が上がる訳ではありません。
塾を辞めるのにも勇気がいるからこそ、塾選びで失敗しないのが肝心
一度塾に入ると、成果が出てなくても、なかなか辞められないように見えます。辞めてしまったら、もっと成績が下がるのではないかと、不安になるのかもしれませんね。
集団塾や個別指導、通塾やオンライン、対面や映像、などなど。最近の塾には様々なタイプがあって、迷ってしまうものです
塾側も、入塾を決めたタイミングで、一番最初に思い浮かべて貰おうと広告に躍起になります。
選択肢が多いからこそ、慎重に。塾選びを間違えないのが、効果的な塾活用の最初の一歩です。
中高一貫校生が志望校合格を勝ち取るための塾の選び方:自己分析編
志望校を決めて、自分の学力を冷静に判断するのがスタートライン
まずは、自己分析をしましょう。
- 大学で何を勉強したい?
- 自分の今の学力は?
- 受験まであとどれくらい?
- 得意科目は?
- 苦手科目は?
自分の戦力(=学力)を分析しないことには、敵(=志望校)は倒せません。
続いて、志望校。
- 受験科目は?
- 難易度は?
敵(=志望校)を知らなければ作戦を練れません。
受験では逆算思考がセオリー。志望校のレベル – 自分の学力 = 学力差。この学力差を埋めるのが受験勉強です。
学力差を埋めるために、どのように受験勉強を進めるかを考えます。
在籍している中高一貫校の大学合格実績は、志望校を決める
重要な判断材料
厳しい言い方ですが、東大合格者0人の学校から、東大を目指すのは現実的ではありません。
上を目指すのであれば、自分の学校の合格実績の最上位の大学を目指しましょう。
これならば、学校のカリキュラムをこなした先に、現実的な大学合格があるからです。
中高一貫校生が志望校合格を勝ち取るための塾の選び方:塾選び編
受験勉強は、次の2つのステージに分かれています。
- 範囲学習(教科書の範囲を学ぶ)
- 志望校対策
範囲学習:受験科目の範囲を早く終わらせればそれだけ有利に
例えば、数学の範囲が数IIIまでなら、数IIIまでの教科書の学習を終わらせるのが範囲学習です。
すべての受験科目の範囲学習を早く終わらせると、その分、志望校対策の時間を確保できます。
その意味で、先取り学習をしている中高一貫校が圧倒的に有利です。
実際に、東大や医学部の合格者の大半は中高一貫校生です。
もちろん、難関大学を目指すのであれば、範囲学習でも深い理解が必要なのは言うまでもありません。
学校の授業のレベルが高くないと難関大学には対応できません。自分の学校の合格実績で志望校を選ぶのは、これが理由でもあります。
学校の勉強を軽視して、塾をペースメーカーにすると迷走のリスクが高まるので注意しましょう。
範囲学習は中高一貫校の先取りカリキュラムで対応可能
中高一貫校は先取りカリキュラムなので、学校の授業で範囲学習を進めるのは合理的な選択です。
学校の授業をきちんと消化できるなら、「塾なし」で範囲学習は可能です。
ただし、それぞれの学校の事情があります。授業のレベルが志望校のレベルには物足りない、英語・数学は先取りできてるが、理科の進度が遅い、など。
それぞれの不足分を補うための学習塾の活用はとても良い選択です。
また、学校の授業についていけていないのであれば、学校のカリキュラムに対応した個別指導塾を利用しましょう。
大手塾では基礎講座もありますが、学校のカリキュラムに一致していない場合、迷走する原因にもなるので気をつけて下さい。
東大ほか最難関大学を志望する場合は、学習塾で学校の授業のさらに先取りも
東大・京大、医学部などの最難関大学志望の生徒は、学習塾を利用し、先取りで進む中高一貫校の授業の、さらに先取り学習をしています。
塾で先取りして、学校で復習の流れです。学力の高い生徒であれば、早い進度に十分に対応できます。
塾で先取りするのであれば、東大専門塾や大手予備校の東大コース、あるいは大手衛星予備校の映像授業が選択肢です。
私立より国立、文系より理系、のように受験科目の多い人の方が先取りが重要。受験科目が多いと志望校対策に時間がかかるからです。
ただし、実力不相応の先取りは、迷走の原因になるので要注意。難関塾に通っているだけで、成績が上がったつもりになるのは大間違いです。
志望校対策:志望校の傾向に合わせた勉強を進める
範囲学習が終わり次第、志望校対策に進みます。
東大には東大の出題傾向や難易度、慶應には慶應の出題傾向や難易度があります。
志望校によって受験科目や出題傾向、難易度が違うので、志望校に合わせて個別最適化できれば、大学受験で有利になります。
集団塾で志望校対策:独力で演習量をこなせるかどうかがポイント
東大専門塾・大手予備校の東大コースなど、特定大学の対策講座などを活用します。
少ない講師で多くの生徒を指導できる集団指導なので、受講料が抑えられ、コストパフォーマンスに優れるケースが多くなります。また、同じレベルの高校生が集まるので、刺激を受けられるのもメリットです。
一方で、成績向上は、理解→演習→確認のサイクルの繰り返しです。
集団塾では、授業を聞くだけになるので、自宅学習などで自分で演習量をこなせないと、成績UPには繋がりません。
成績が伸び悩んだ時に、軌道修正もできずに、時間だけが経過してしまうケースもあるので注意が必要です。
個別指導塾で志望校対策:個別最適化された自分だけの学習プラン
個別指導で、志望校までの合格プランを策定してサポートしてもらいます。コーチング系の塾として人気。
「授業をしない……」と銘打っている「武田塾」や、ビリギャルを慶應大学の現役合格に導いた「坪田塾」、医学部専門の塾・予備校など、様々な選択肢があります。
学習指導にとどまらず、大学受験を全てサポート。個別最適化されたオリジナルの学習プランが魅力です。
ただし、個別対応なので費用が高くなりがちで、講師の力量が高くないと成立しません。
「志望校」と「自身の実力」のレベル差を埋められる塾を選ぶのが正解
学習塾選びで一番大事なのは、自己分析です。冷静に自分の実力と志望校合格までのレベル差を見極めましょう。
この差を埋めるのに、一番合った塾がベストな塾です。
友達が行っているから…、評判がいいから…、東大専門塾だから…、という理由だけで選ぶのは絶対にNG。その人の実力、目的、etcによって合う塾はそれぞれです。
入塾した後で、軌道修正するのは困難です。
中高一貫校生の成績UPに特化!「中高一貫校専門 個別指導塾WAYS」
学校のカリキュラムに一本化した範囲学習ができるので迷走しない!
「中高一貫校専門 個別指導塾WAYS」は、中高一貫校生の成績を伸ばすことに特化した塾です。
中高一貫校の先取りカリキュラムを最大限に活用するのが特徴です。学校と塾のシナジー効果が期待できます。
高校2年生の夏までは、学校のカリキュラムに合わせた指導を行い、定期考査(定期テスト)の成績UPにコミットします。
学校のカリキュラムに一本化できるので、学校の勉強が順調で、今の学習スタイルを変えたくない人にはオススメです。毎日、コツコツ勉強できる人は順調に成績UPします。
また、学校の成績がまだ低迷している人にもオススメです。学校の授業をペースメーカーにして、学校の成績を上げながら範囲学習を進めます。
学校の成績が低迷している人が、学校とは違うカリキュラムで勉強すると、学校も塾も共倒れ。高確率で迷走してしまいます。
高2の夏以降は志望校対策に注力。個別最適化されたあなただけの合格ロードマップ
WAYSでは、高2の夏休みを目安に志望校対策をはじめます。
受験に精通したプロ講師が、志望校合格までの学習プランを立案します。週一回、進捗状況をチェック。見落としがちですが、受験勉強に一番大事なのは軌道修正です。
軌道修正ができないまま、時間だけが過ぎて、不合格になる生徒は本当に多いのです。
学習コーチング型の指導なので学習時間が確実に伸びます
合格ロードマップに従って、学習を進めます。もちろん、理解→演習→確認のサイクルをサポート。
指導は演習中心の反転学習なので、学習時間が着実に増えます。学習内容の確認テストで締めくくるので、わかったつもりでは終わりません。
自宅での学習が苦手なら、勉強はいつでも利用できるWAYSの自習室を使うこともできます。
こうした環境で90日間、受験勉強を続けた頃には、学習時間が5倍に伸びています。
WAYSの成績が上がる指導方法を詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
塾を途中変更は意外にレアケース。だからこそ間違えたくない塾選び
塾を途中で変えるのは勇気がいるものです。中学受験を経験した中高一貫校生の親なら、経験的にも理解できると思います。
だからこそ塾選びは慎重に。大学受験塾は中学受験塾より選択肢が豊富です。
塾選びのセオリーは、『情報収集→体験授業→子どもの感覚と親の納得感』 最後の決め手は、子どもの「この塾なら成績が上がりそう」という感覚です。知名度だけで塾を選ぶのは絶対にNG。 気になる塾の資料請求から始めましょう。比較するためにも複数の塾の資料請求をしてくださいね。 WAYSの資料なら無料でインターネットで請求できます。もちろん、無理な勧誘はありません。
投稿者プロフィール
- 中高一貫校指導歴30年のベテラン教師です。勉強が得意な生徒から苦手な生徒までたくさんの生徒を指導してきました。念願叶っての中高一貫校だと思います。充実した6年間を過ごして欲しいものです。ベテランならではの視点で悩みに寄り添ったアドバイスを心がけます。ちなみに2人の子供も中高一貫校に通っています。保護者としての目線も大事にします。
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