中高一貫校に高校から入学する場合のメリットとデメリット|必須の「自主勉強」に注意
中高一貫校は、高校からの入学を受け入れない完全一貫制もありますが、「開成中学校・高等学校」「筑波大学附属駒場中・高等学校」「広尾学園中学校・高等学校」を始め、高校入試を経て入学できる中高一貫校も存在しています。
しかしながら、中学から入学している内部生組と、高校入学組では、その学校のカリキュラムや校風への慣れに差があり、高校入学組には不利がある可能性があります(少なくとも、まったく同じ条件ではありません)。
高校からの中高一貫校入学には、明確にメリットおよびデメリットが存在します。
特に勉強への意識の違い(=進学系中高一貫校では、学校外で自主的に勉強をする前提で授業が進む)には、注意する必要があります。
このページの目次
高校から中高一貫校に入学する3つのメリット:10代前半に時間的猶予があることが大きい
進学に強みを持つことが多い、中高一貫校ですが、その恩恵は中高6年間の一貫教育でこそ最大化されます。
あえて高校から中高一貫校に入学するのは、大学入試が見据えられたレベルの高い学習環境に身をおく以外に、どのようなメリットがあるのでしょうか。
子ども自身がキャリアを具体的にイメージして進学できる
進学や学校選びには、将来のキャリアイメージが欠かせません。
中学受験では、おおむね小学校高学年(10歳前後)になる頃に、受験対策の塾通いをはじめる必要があります。
しかし10歳前後で、将来を具体的にイメージし、大学・高校、そして中学でなすべきことを決め、志望校選択をすることは、ほとんど不可能であるため、親の意向が多かれ少なかれ介在することになります。
ポイント!
たとえば「医者になりたい」という夢があったとしても、10歳前後では、医者という職業への憧れでしかないというケースが圧倒的大多数でしょう。
本来「キャリアを考える」のであれば、最低限、医者という仕事の実態を理解する必要があります。やりがいも、困難も、様々にあるのが当然です。
- どのような素養が必要なのか
- どういった能力を鍛えなければならないのか
- どれほどの勉強量が必要であり、そのためにどれだけの時間を費やすことになるのか
こうした現実を踏まえ、本当にチャレンジしたいのかトレードオフで考え、自分で判断する。これは一昔前であれば、高校生や大学生が考えていたような内容です。
高校から中高一貫校へ進学する場合には、キャリアイメージの具体化のタイムリミットを、13〜15歳くらいまで、遅らせることができます。
まだまだ子どもではあるとは言え、10歳前後のときとは、比較にならないくらい自立心が育ち、自分のことを自分で考えられるようになっています。
これが、高校から中高一貫校に入学する、最大のメリットと言えるでしょう。
多感な10代前半に、世界を広げられる時間的余裕がある
中学受験をする場合は、10歳前後から塾通いの日々になるケースが一般的です。
また、中高一貫校に合格したあとも、授業の進みが速く、内容も濃いため、基本的に勉強が忙しい日々になります。宿題・課題も多く出され、学校外での自主的な勉強も必須になります。
中高一貫校の教育カリキュラムの特徴|詳細記事
結果として、少なくとも10歳前後から大学入学までは、ずっと勉強をし続ける生活が待っている、と考えておくべきです。
しかし保護者のみなさんの中には、「学力だけ上がればそれでいいのではなく、様々な経験をして視野を広げたり、何かに熱中できる力を伸ばしたりすることも重要」と考えていらっしゃる方も多いはずです。
こうした観点からすると、高校から中高一貫校に入学する形を取れば、中学2年生・14歳くらいまでは、お子さんに様々な経験をさせてあげる時間が持てることになります。
多感な10代前半ですから、低年齢の頃とはまた違って、豊かな経験から多くのことを学び、将来に活かすはずです。
高校受験があるため、中高一貫校生の課題である「中だるみ」がない
進学系の中高一貫校では、中学に入った当初から、大学受験を見据えた学習を行います。
中高6年間の一貫教育が前提となっているため、もちろん高校受験がありません。
これは一般的に中高一貫校のメリットですが、次の目標となる大学入試はまだまだ先であるため、緊張感を持てないデメリットにもなります。
こうした中高一貫校特有の「中だるみ」は、一般に、中学1年の夏休み〜中学3年の終わりまで続くケースが多いと言われます。
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しかし高校から中高一貫校に入学するのであれば、高校入試のための受験勉強に力を入れる必要があります。
在籍しているのが公立中学校であれば、自身の学力と、志望高校合格に必要な学力に、かなりのギャップがあるのが普通だからです。
中高一貫校特有の「中だるみ」を経ることなく、大学入試を目指せるでしょう。
高校から中高一貫校に入学するデメリット:学習への意識の違いに注意
「内部生と高校入学組の壁」は気にならないケースも
中高一貫校の高校入学のデメリットは、一般的には、「内部生と高校入学組が仲良くなりにくい」「壁がある」「難易度の高い授業に面食らってしまう」などが言われますが、これは学校側も途中から生徒を受け入れる以上、当然ながら折り込み済で、そのための準備を行っています。
インターネットでは多数の口コミを確認することができますが、「内部生と高校入学組が仲良くなれないなんてことはない」「むしろ入学当初は頼りになる」という証言も見られます。
授業の難易度の違いについても、学校側は高校入学組がスムーズに慣れられるよう、気を使うのが普通です。そもそも難関の高校受験を突破して入学した生徒ですから、気を抜かなければしっかり対応できるでしょう。
あまり深く気にしすぎる必要はないでしょう。
「常識」の違いに注意!自主勉強をしなければ絶対に好成績が取れない
ただし、学習面での常識の違いには、注意する必要があります。
公立中学では、学校外で日常的に勉強をするのは、意識の高い子だけです。あるいは、学習塾に通って、勉強をします。
たとえば、地頭に優れた要領の良い子であれば、授業をしっかり聞いて、テスト前に少し勉強をすれば、そこそこ点数が取れていたはずです。
しかし進学系の中高一貫校では、家庭学習(自主的な復習や演習)が不可欠です。
ただ授業を真剣に受けているだけでは、授業についていき、定期テストで好成績を取ることは絶対にできない仕組みになっています。
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中高一貫校ではこれが「当たり前」ですから、高校入学組に配慮する学校側も、あえてそこまで噛み砕いて説明してくれないケースがあります。
また親御さんも、「中高一貫校では学習塾が不要」という言説を誤解して、中高一貫校に通ってさえいえれば、学校がすべて面倒を見てくれるのだろうと思い込んでしまうケースがあります。
ポイント!
「中高一貫校では学習塾が不要」と言われるのは、次の2つの理由によります。
- 中学時から、大学入試を意識したカリキュラムを展開している
- 中高6年間の学習を5年で終わらせ、残り1年を大学入試対策の演習にあてる
中高一貫校では、難易度の高い授業にしっかりついていき、定期テストで好成績が取ることで、大学入試に必要な高い学力が身につきます。
しかし、定期テストで好成績を取るには、知識を定着させる復習と、テストで得点できる実力を身につけるための演習(習った知識で実際に問題を解くこと)が、絶対に必要です。
どんどん授業を進めなければいけない中高一貫校では、これを授業中に十分に行うことができませんから、生徒が自主的に勉強をしてカバーする前提となっているのです。
目標だった高校に入学したことで満足せず、なぜ中高一貫校に入ったのか、ご家庭もお子さんも共通認識を持ち、環境を活かそうとする計画性が大事になってきます。
とは言っても自宅学習が苦手……なら、中高一貫校専門 個別指導塾WAYSへ
大学入試のための勉強という、レベルの高い学習を行っていくわけですから、どんなに地頭が良くても、家庭学習をしなければ(できなければ)、落ちこぼれてしまうのが現実です。
中高一貫校入学と共に、成績が下位に低迷し、浮上できない状態を「深海魚」と比喩することがあります。
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しかしながら、これまで学習塾を活用してきていれば、自分で勉強する習慣や計画性が身についていなくて当然です。
あるいは、どうしても家庭学習が苦手というケースもあります。
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