大学受験における英語外部検定利用入試。
この入試では、以下のような優遇制度が設けられています。
- 出願資格を得られる
- 合否判定において評価される
- 英語の試験の得点に換算される
- 入試の得点に加点される
英検は、英語の外部検定を利用している大学のほぼすべてで利用可能です。
共通テスト対策にもつながりますから、積極的に受験を検討してみてください。
このページの目次
英検優遇制度で大学受験を有利に進められる!
どの大学でどのような英検優遇制度が導入されているかは、日本英語検定協会のホームページで検索することができます。
なお、「英検○級以上」といった表記以外に、英検のスコアやCEFRを基準に設定している大学も多く存在します。
文部科学省が公表している基準値を参考にしてください。
例えば英検2級のスコアの幅は1980~2299であるため、大学側が設定した基準がスコア2200の場合は、英検2級を高得点で合格するか、英検準1級に合格する必要があります。
なお、下記では級別にそれぞれの優遇制度を利用できる大学の実数を示していますが、同じ大学でも学部によって級の基準が異なることがあるため、のべ数はもっと多くなります。
出願資格になっている
推薦型入試に多いパターンです。英検などの英語外部試験のスコアが出願資格として設定されています。
英検2級を取得すれば選択肢はかなり増えます。ただし、難関大の場合は、準1級レベルが要求されることが多いです。
英検準1級を取得している場合:95校
- 静岡大学の人文社会科学部経済学科(総合型選抜入試)
英検2級を取得している場合:156校(準2級以上で出願資格を得られる95校も含むため、実質61校追加)
- 京都大学の農学部資源生物科学科(総合型選抜入試)
- 北海道大学の理学部地球惑星科学科(総合型選抜入試)
- 上智大学の総合人間科学部心理学科(総合型選抜入試)
英検準1級を取得している場合:172校(16校追加)
- 京都大学の農学部食品生物科学科(総合型選抜入試)
- 神戸大学の工学部機械工学科、応用化学科(総合型選抜入試)
- 中央大学の法学部(総合型選抜入試)
英検1級を取得している場合:173校(1校追加)
一橋大学の学校推薦型選抜入試全般に出願できるようになります。
合否判定における評価対象になる
推薦型入試に多いパターンです。
東京大学をはじめ、多くの学校が総合型選抜入試などで英検を合否判定の際の参考にしています。
最低でも2級、できれば準1級をとっておくとよいでしょう。
英語の得点に換算、実質の試験免除も
英語外部試験で一定以上のスコアをとっている場合に、共通テストや個別試験で高得点に換算してもらうことができます。
特に満点で換算してもらえるところは、条件を満たしておくだけでかなり有利になります。
- 英検準2級を取得している場合:55校
- 英検2級を取得している場合:100校(45校追加)
- 英検準1級を取得している場合:118校(18校追加)
- 英検1級を取得している場合:118校(英検準1級と変わらず)
〈例〉
大学・学部 | 必要な英検の級 | 優遇内容 |
埼玉大学 工学部環境社会デザイン学科 | 準2級 | 共通テストの英語120点換算 |
2級以上 | 共通テストの英語160点換算 | |
宮崎大学 工学部工学科 | 2級以上 | 二次試験の英語を満点換算 |
立命館大学 国際関係学部国際関係学科 | 2級以上 | 個別試験の英語を80点換算 |
入試の得点に加点
英語外部試験で一定以上のスコアをとっている場合に、入試の得点に加点処理が行われます。
ボーナス得点を得られるため、非常に有利です。
英検準2級を取得している場合:86校
例:山口大学(工学部・理学部・経済学部・人文学部・教育学部・国際総合科学部)の総合型選抜入試において、英検準2級以上で、総点の10%を上限とした加点
英検2級を取得している場合:105校(19校追加)
例:早稲田大学国際教養学部の一般選抜で加点7点
英検準1級を取得している場合:109校(4校追加)
例:横浜市立大学医学部医学科の学校推薦型選抜入試において、英語資格の得点に4.0点加点
英検1級を取得している場合:109校
英検準1級と変わらず
〈実例〉9割換算を利用して明治大学に合格!
明治大学の経営学部経営学科では、英検2級合格かつCSEスコア2088以上で、個別試験の英語が135点に換算されます。満点は150点ですので、9割という高得点換算です。
私のクラスにこの条件を満たした生徒がおり、受験しました。
高得点換算があるなかでの受験は、精神的にも余裕があり、楽に受けることができたようです。
合格後、生徒本人は、「こうした制度をもっと利用するよう、後輩たちにも伝えてほしい」と熱心に言っていました。
全大学のうち6割以上が英検利用を導入!
英語外部検定のうち最も汎用性が高いのは英検!
旺文社教育情報センター(2024)によると、大学受験における英語外部検定の採用率は、以下の通りです。
○一般選抜(一般入試)
英検 | 98% |
GTEC CBT | 92% |
TEAP | 87% |
GTEC 検定版 | 80% |
IELTS | 80% |
TOEFL | 79% |
ケンブリッジ | 70% |
TEAP CBT | 69% |
TOEIC | 67% |
○総合型選抜・推薦型
英検 | 99% |
GTEC CBT | 87% |
GTEC 検定版 | 81% |
TOEIC | 78% |
TOEFL | 76% |
IELTS | 69% |
TEAP | 67% |
ケンブリッジ | 61% |
TEAP CBT | 56% |
どの入試形態であったとしても、英検はほぼ対象になっています。
CSEスコアに留意し、できるだけ高得点で合格しましょう。
外部検定利用入試における有効期限に注意しよう
英検で取得した級やスコアは生涯有効ですが、外部検定利用入試では有効期限が定められている場合があります。
多くの大学では有効期限が2年なので、高校2年生以降に取得を目指すとよいでしょう。
有効期限は大学によって異なりますので、入試要項をきちんと確認するようにしてください。
英検は共通テストの基本対策になる!
英検2級と共通テストを比べてみると、以下のようになります。
英検2級 | 共通テスト | |
リーディング | 約6000語 | 約2500語 |
リスニング | 約1500語 | 約3000語弱 |
リスニングの放送回数 | 1回 | 1~2回 |
リーディングは共通テストの方が難しいですが、リスニングは逆に英検2級の方が難度は高めです。
ただ、英検2級の英文のレベルそのものは、共通テストと遜色ありません。
語彙や文法なども含め、英検対策は共通テスト対策に直結しますので、積極的にチャレンジするとよいでしょう。
英検対策
一次試験対策
学校で使用している単語帳や文法問題集で基礎力をつけつつ、
①『2025年度版 英検2級 過去6回全問題集』(旺文社)
②『英検分野別ターゲット シリーズ』(旺文社)
③『7日間完成 英検予想問題ドリル シリーズ』(旺文社)
の順に取り組んで演習力を強化しよう。
また、英検3級から2級に対応している専用アプリ「英検®トレーニング」もオススメ。
二次試験対策
『英検二次試験・面接完全予想問題 シリーズ』(旺文社)で、面接の流れを確認。面接のシミュレーションをしましょう。
また、専用アプリ「英検®トレーニング」も利用してみてください。
あとは、学校や塾の先生に頼んで模擬面接をしてもらうのがベストです。

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英検対策の詳細については、下記の記事をご覧ください。
英検の合格率を上げたいなら、英検対策講座がある塾の力を借りるのがよい
英検対策のノウハウがある塾なら、自分の英語力に合った学習ができる
英検は、リーディング・リスニング・ライティング・面接試験と、対策が多岐に渡ります。
そのため、自分の英語力に合う効果的な勉強法を見つけるのが非常に難しくなっています。
とにかく問題集を解きまくる!という方法でもかまわないのですが、英検対策講座がある塾のサポートを受ければ、効果的な勉強を効率的に進めることができます。
また、独力では対策しにくい、二次試験の面接も安心です。
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「中高一貫校専門 個別指導塾WAYS」の英検対策講座の特長は、下記の5つです。
- 大問ごとの正答率を管理
- 頻出の英単語/英熟語を徹底暗記
- 点数を稼げるリスニング対策も充実
- 独学では難しい二次試験対策もサポート
- 最短合格へ!1週間〜の短期集中講座も開講
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投稿者プロフィール


- 中高一貫校に勤めて10年になる中堅教師。卒業生を3度送り出し、中学生・高校生問わず指導経験が豊富です。自身も中高一貫校出身なので、中高一貫校のことを知り尽くしています。勉強に苦しむ生徒に向き合い、試行錯誤をする日々。そんな教師生活から得られた知見をお伝えし、全国の子供たちの力になれたらと思います。