大学受験(国公立)の「前期日程」「後期日程」とは?難易度や特徴を詳しく解説
国公立大学は、ほとんどの大学で前期日程と後期日程の2回しか受験のチャンスがありません。
日程さえ重ならなければ何校でも受験できる私立大学とは異なり、共通テストの結果をふまえ、慎重に出願校を選ぶ必要があります。
出願に失敗しないためにも、まずは前期・後期の受験科目や募集人数などの違いをしっかり把握することが重要です。
この記事では、国公立大学の前期日程・後期日程の違いや受験する際の注意点などについてご紹介します。
「国公立大学の受験の仕組みを、今さら誰にも聞けない」
「国公立大学の出願校をどうしようか悩んでいる」
といった方は、ぜひ参考にしてください。
このページの目次
【大学受験】国公立大学の前期・後期は何が違う?
私立大学は、試験日さえ重ならなければ何校でも受験が可能です。
しかし国公立大学の場合は、最大3校までしか出願できません。
その理由は国公立大学が共通テスト後の2次試験で「前期日程」「後期日程」の2つに募集人数を分ける「分離分割方式」を採用しているため。
受験生は、前期・後期ともに同じ大学を受験することもできますし、別の大学を受験することもできます。
また一部の公立大学が中期日程を実施しており、3校受験も可能です。
ただし中期日程を実施している大学は少なく、多くの受験生は前期・後期の2つを視野に受験勉強を行います。
国公立大学は前期・後期と2回の試験を行いますが、同じような試験を行うわけではありません。
前期・後期では異なる点が数多くあり、それぞれの対策が必要です。
試験日
前期日程と後期日程は試験日が異なり、出願締め切りや合格発表の日にも差があります。
せっかく合格したにもかかわらず、正しい手続きを行わなかったために入学できなかったといったことのないよう、しっかり把握しておきましょう。
前期日程の合格発表は後期日程の直前に行われます。
万が一前期日程で不合格だった場合、発表を待ってから後期の対策を開始していては間に合いません。
そのため後期日程も出願している場合は、前期日程終了後すぐに後期日程の対策を開始する必要があります。
募集人数・倍率
募集人数は圧倒的に前期日程が多く、その比率はおよそ8:2となります。
ただし大学によって募集人数や割合が異なるうえに、前年度から変更する可能性もあるため、各大学の募集要項をしっかり確認しましょう。
前期・後期では志願者数と倍率も大きな差があります。
画像:文部科学省 令和5年度国公立大学入学者選抜確定志願状況
募集人数は後期の方が圧倒的に少ないものの、受験者数の多さから例年志願倍率は10倍前後と高倍率。
ただし前期日程や私立大学の合格者で後期日程を受験しない場合もあり、実質倍率は志願倍率よりも少ない傾向です。
後期日程を受験する場合は、志願倍率にひるむことなくしっかり対策を行い、自信をもって臨みましょう。
受験科目
国公立大学は共通テストで7科目以上の受験が基本です。
さらに、前期日程・後期日程の受験科目にも対応する必要があります。
上記を見て分かるように、多くの大学で前期・後期日程で受験科目が大きく異なります。
どちらも受験する場合は、それぞれの対策が必要です。
前期日程が終わり次第、すぐに後期日程の対策を始めましょう。
国公立大学の前期日程・後期日程を受験する際の注意点
国公立大学に出願する際には、いくつか注意しなければならないことがあります。
手続きや受験する大学の選択で失敗したことが原因で志望校に入学できないといったことのないよう、把握しておきましょう。
出願時期が同じ
前期・後期日程は試験日が異なるとはいえ、出願時期は変わりません。
共通テスト試験後1月下旬ごろから始まり、2月上旬まで10日間ほどの間に出願します。
どの大学を受験するのか、前期・後期で同じ大学を受験するのかといったことを、その短期間に決定しなければなりません。
前期日程で入学手続きをすると後期日程は合格対象外となる
前期日程で合格した大学に入学手続きをすると、後期日程で別の大学に合格しても合格対象外となります。
前期日程の入学手続きの締切は後期日程の合格発表よりも前です。
そのため前期・後期でどの大学を受験するのかを慎重に決める必要があります。
大学によって共通テストの受験科目が異なる
大学によって、共通テストの受験科目が異なります。
共通テストは現在6教科30科目(2025年1月からは7教科21科目)あり、この中から最大で8科目(場合によって9科目)受験が可能です。
しかし大学が指定する科目はそれぞれ異なるため、前期・後期で別の大学を選択する際には注意が必要です。
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大学受験の前期試験後から後期試験までにやるべきこと
後期日程が残っているにもかかわらず、前期日程が終わると気が抜けてしまい後期の対策をしない受験生が多くいます。
たしかに、前期・後期の募集比率は8:2と圧倒的に前期の方が多いうえに、後期の志願倍率は10倍前後と決してよい条件ではありません。
しかし、万が一前期日程で不合格だった場合、後期日程は志望校に合格するラストチャンス。
前期試験から後期試験までの2週間の間にできることは数多くあります。
小論文や面接などは、2週間しっかり対策をすることで大きく成長することも可能です。
何の対策もしていない受験生はほかにも多くいるため、合格の可能性はゼロではありません。
2週間の間にやるかやらないかで、大きな差が生まれます。
最後まであきらめずに、努力しましょう。
まとめ
多くの国公立大学は前期・後期の2回受験のチャンスがあります。
どちらも出願時期は共通テスト後の1月下旬から2月上旬となっており、同じ大学を受験するのか別の大学を受験するのか、または志望校を変更するのかといった判断をその期間で行う必要があります。
前期と後期では、同じ大学でも受験科目が異なることが多く対策も大変なため、受験校の決定は慎重に行いましょう。
試験日が重ならなければ、何校でも受験できる私立大学と異なり、国公立大学は前期・後期の2回しかチャンスがありません。これを少ないと考えるか、2回もチャンスがあると捉えるかはあなた次第です。
ぜひチャンスを活かして、志望校合格をつかみ取ってください。

中高一貫校専門 個別指導塾WAYS 編集部

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