高3の大学受験の勉強法は何が正解?時期ごとのポイントやコツを紹介
最後の1年を楽しく迎えたいと思う一方、進路に関して考えなければなりません。
とくに、大学受験をする人は、その対策や勉強法についても思考を巡らせる必要もでてくるでしょう。
しかし、高3の1年間、どのように勉強すればいいかわからない人もいます。
「やっぱり高1、高2のときとは違う勉強法にしなければいけないの?」
「高3から1年間勉強するだけじゃ手遅れ?」
と疑問に思うかもしれません。
そこで今回は、大学受験に向けて、高3の人はどのような勉強法を採ればよいかを紹介していきます。
高校生活を謳歌しつつ、大学受験を悔いのない結果にしたい人は、ぜひ参照してください。
このページの目次
大学受験対策を始めるに当たって
実際、高校生が大学受験を意識するのはいつからなのでしょうか。
ベネッセ教育総合研究所による調査では、対策を始めたのは「高校3年生」からという人が半数以上で、最も多いという結果になっています。(※)
そうであるならば、大学受験の対策は高3からでも充分に間に合うといえるでしょう。
とはいえ、なんとなく対策するだけだと、失敗に終わってしまう危険性もあります。
大学受験は、適切な勉強法にしたがって、計画的に学習していく必要があるのです。
以下では、高3の勉強方法について、「1学期」「夏休み」「2学期」「直前期」という4つの時期に分けて紹介していきます。
(※参考:大学進学を意識し始めた時期・受験対策を始めた時期)
高3の大学受験への勉強法「1学期」
1学期は、高3の初めの時期に当たります。
この時期の勉強のポイントは、「自分の学力の安定化」です。
志望校を決める
「学力の安定化」の1つ目としては、目標、すなわち志望校を決めることです。
オープンキャンパスやパンフレットなどを通して、大学の情報を仕入れましょう。
志望校を決める際は、学校だけでなく、学部学科まで決めておくのがおすすめです。
学部によって、試験で課される科目や配点が異なっているからです。
科目やその配点を知っておくことで、どの科目をどのくらい勉強すればよいかを決めることができます。
また、志望校を決めることで、勉強をする意味が見いだせるようになり、モチベーションアップにも繋がります。
この作業は、勉強する科目の確定やモチベーションアップになるため、まさに勉強の「安定化」につながるのです。
基礎を固める
勉強そのものの安定化ができたら、続いては、勉強内での安定化、すなわち基礎を学習します。
基礎は、主に教科書に載っている知識を指しています。
そのため、基礎固めは、高校の範囲の復習ともいえるでしょう。
コツは、教科書に載っている知識を覚えているかだけでなく、それに関する説明ができるかを確認することです。
公式を覚えるだけでなく、なぜその公式になるのか、どのような場面でその公式を使えばよいのかを説明できるようになりましょう。
これにより、単に基礎を「覚えている」だけでなく、基礎を「使える」ようになります。
以下では、それぞれの科目ごとの基礎の勉強法を紹介します。
英語
英語の基礎は、教科書に載っている文法のほか、単語や熟語なども含まれます。
教科書に載っているものだけではなく、単語帳や熟語帳に載っているものも覚えましょう。
英語の語彙力を鍛えるには、音声などを使うのがおすすめです。
教科書や単語帳に付属するCDやダウンロード音源を聞きながら、それに沿って発音して覚えます。
数学
数学の基礎は、公式や定理と、教科書の例題です。
教科書を読み返して、忘れている公式や定理、解けない例題がないかを確認します。
余裕があれば、公式について、なぜその公式が成り立つかを覚えておくとよいでしょう。
公式の証明を理解しておくと、後の応用問題を解く際に役立ちます。
国語
国語は、現代文、古文、漢文に分かれます。
現代文の基礎は、漢字や用語です。
漢字については、毎年共通テストでも出題されており、取りこぼせない問題です。
用語とは、評論文や小説でよく使われる言葉を指します。
難しい片仮名語や、文学的表現の意味を知っておくと、文章の読解で有利になれます。
古文の基礎は、古文単語と古典文法です。
古文単語は、聞きなれない言葉だけでなく、よく聞くのに現代とは異なった意味を持つものもあります。
意味を勘違いすると読解があらぬ方向に進んでしまう恐れがあるので、単語帳で正しい意味を知っておきましょう。
古典文法も、現代の日本語とは異なる用法が複数あり、読解においては最も重要になります。
教科書や参考書に載っている文法事項を、一通り理解しておく必要があります。
漢文の基礎は、返り点と句法です。
返り点とは、漢文の読む順番を規定するもので、「レ点」「一・二・三点」などがあります。
一方、句法とは、文章のニュアンスに影響を与えるもので、「再読文字」「否定形」などがあります。
両方とも、教科書や参考書に一覧として載っていることがあるので、覚えておきましょう。
理科
理科の基礎は、用語の理解です。
独自の用語の意味や使い方を、教科書の文章を読んで頭に入れておきます。
また、計算問題が出題されることがあるため、公式の暗記は必須です。
加えて、数学と同様、教科書の例題は必ずすべて解けるようにしましょう。
読んで覚えるだけでなく、手を動かして勉強するのがおすすめです。
社会
社会の基礎は、用語の理解です。
用語の意味の暗記だけではなく、それがどういう意味かを自分で説明できるようにします。
また、記述問題が出題されることがあるため、用語と用語の間の関係性に着目しなければなりません。
歴史なら出来事同士の因果関係、地理なら現象と地域の影響、公民なら制度の内容とその事例を意識しましょう。
英語と数学を優先的に対策する
基礎を固める際、最も時間をかけたいのは「英語」と「数学」です。
この2教科は、積み上げが重要な科目だからです。
積み上げとは、前回の分野で習ったことが、次の分野で当たり前のように使われることを指します。
たとえば英語なら、「関係代名詞」の分野の理解には、「代名詞」や「疑問詞」などの別分野の理解が必須です。
数学の場合、「正の数・負の数」を理解していなければ、「方程式」を解くことは難しくなるでしょう。
このような積み上げの科目は、基礎の復習に時間がかかります。
どこかの分野の理解が足りていないと、ほかの分野の理解にも影響が出ます。
そのため、習った分野すべての基礎を固める必要があるのです。
高3の大学受験に向けた勉強法「夏休み」
続いて、1学期が終わった後の夏休みについてです。
受験生の間で、「夏は受験の天王山」と呼ばれることがあります。
これは、「夏休みはほかに比べて一番時間が取れるため、この期間でどれだけ勉強したかで結果が決まる」という意味です。
そのような言葉が言われるほどに、夏休みの勉強は差がつくものなのです。
適切な勉強法によって、周りの受験生と差をつけましょう。
この時期の勉強法のポイントは、「自分の学力の把握」です。
基礎の復習
「自分の学力の把握」として最初に行うのは、1学期の成果、すなわち基礎の確認です。
本当に基礎が身についているかどうかを、問題演習などを通して確認してみましょう。
ここで、あまり基礎を習得できていなくても落ち込む必要はありません。
一度やっただけでずっと覚えたままにするのは難しいため、すべて習得できている可能性の方が低いでしょう。
重要なのは、1学期に習得できていなかったことを、どれだけ夏休みに習得できるかです。
問題演習に関しては、学校で購入したテキストや市販の問題集を使用すると良いでしょう。
また、塾や予備校などに通って、市販では手に入らないオリジナルの問題集に取り組むのも一つの手です。
苦手を克服する
こうした基礎の見直しを通して、自分の「苦手」な科目、分野に気づくこともあるでしょう。
問題演習で特に間違えた科目や分野が、自分の苦手といえます。
こうした自分の苦手の発見も、「自分の学力の把握」の一つです。
夏休み中には、上記の苦手の「発見」だけでなく、その克服も同時に行います。
この期間の内に、基礎の中で苦手な部分をなくしておくと、直前期に余裕ができるのです。
具体的には、間違えた問題の解説を読み、もう一度解いたときに必ず正解できるようにします。
解き直した際に不正解になった、または解くのに時間がかかったという場合、苦手の克服が完全にはできていない証拠です。
苦手を克服するには、問題を難なく解ける状態を目指しましょう。
また、間違えた問題に関連する事項が載っている教科書やノートを再度確認するのもおすすめです。
志望校の過去問を一度だけ解いておく
相対的な「自分の学力の把握」を行うために、志望校の過去問を1年分解いてみましょう。
「夏から過去問なんて…」と思うかもしれませんが、今の自分の学力と、志望校のレベルの差を理解するために必要です。
この差は、夏休み以降の勉強計画の軸になります。
多くの人は、志望校との差があると感じるでしょう。
この時点では、基礎を中心とした学習をしてきましたが、大学受験で出題される応用問題については未着手だからです。
ここで感じた差を埋めることを、今後の勉強のモチベーションにしていきます。
この差を埋めるとなったとき、どのような応用問題を解けば良いかもわかります。
志望校の過去問では、どのような能力が問われているか、その能力を問うためにどのような問題形式になっているかを、この時期に知っておきましょう。
模試を受ける
もう一つ、相対的な「自分の学力の把握」の方法として、模試が挙げられます。
模試では、ほかの受験生と自分との学力の差がわかります。
とくに、志望校を目指す人の中での自分の位置がわかる、貴重な資料にもなるでしょう。
模試では志望校への合格率が判定されますが、あまり良い判定にならない場合もあります。
しかし、過去問と同様、重要なのは差を理解することです。
判定で実感した差を、モチベーションアップや勉強法の方針決めに役立てましょう。
また、模試においても、苦手な科目や分野の分析ができます。
偏差値や順位によって、自分の得意・不得意が数値で現れるので、人によっては自分で発見するよりもわかりやすい苦手発見のツールになるでしょう。
高3の大学受験に向けた勉強法「2学期」
「天王山」である夏休みが明け、いよいよ高校3年生の後半に入ります。
後半の始まりである「2学期」は、基礎から応用に入って行きます。
この時期の勉強法のポイントは、「自分の学力の向上」です。
応用問題に取り組む
学力の向上に最も直接的に繋がるのは、応用問題の演習でしょう。
応用問題では、基礎の知識だけではなく、その基礎をどのように使うかが問われます。
大学受験で出題される問題は、この応用問題が複数出題されます。
応用問題は、教科書などでは扱われないこともあります。
一方で、市販の問題集や模試などに収録されているため、持っていない人は別途問題集の入手が必要です。
問題集については、夏休みに解いたものより一つレベルが上のものに取り組みましょう。
共通テストの過去問を解く
応用問題を解き終えたら、共通テストの過去問を解きます。
共通テストを受ける人も受けない人も、取り組んでおくことをおすすめします。
全国の受験生が受ける試験であることから、良問が複数あるとされているからです。
共通テストは、時間を計って解きましょう。
大学受験においては、時間内に解き終わることも重要だからです。
とくに英語は、場合によっては間に合わないこともあるので、時間配分を考えておくのがおすすめです。
共通テストを受けない人は5年分、受ける人は10年分解くのが目安です。
とくに受ける人は、10年分の過去問を通して、共通テストの傾向を分析します。
傾向を知っておくと、本番の対策において有利になります。
当然、一度5~10年解いて終わりではなく、何度もやり直して、満点に近い点数を出せるようにしましょう。
志望校の過去問を解く
共通テストを完璧にできたら、志望校の過去問を複数回解きます。
夏休みのときとは違い、複数回解くことが重要です。
とくに、第1志望の大学学部の問題は、5~10年分取り組みましょう。
共通テストと同様、傾向をつかんでおくと、後に有利になります。
また、第2志望以降の過去問についても、3年分は解いておく必要があります。
ただし、過去問はあくまで通過点であることに注意しましょう。
冒頭に示した通り、この時期のポイントは学力の向上です。
過去問の出来具合によって一喜一憂するのではなく、それを学力の向上につなげることが重要なのです。
初見で9割解けたと言ってて喜ぶ人もいますが、大事なのは、>解けなかった1割の方直前期
2学期も終わって冬休みに入ると、いよいよ受験が迫ってきます。
この時期は、冬休みと3学期を繋げて「直前期」と呼ぶことにします。
冬休みも3学期も、やるべきことは同じだからです。
この時期の勉強法のポイントは、「志望校レベルの学力の安定化」です。
過去問を何度も解く
2学期に行っていた過去問演習を、直前期にも続けます。
目標は、過去問に毎日触れることです。
これにより、「入試問題を解く状態」が恒常化し、学力の安定化に繋がります。
「試験慣れ」して、本番でも動じない学力とメンタルを作り上げるのです。
コツは、解く際の時間制限を段々短くしていくことです。
「1周目は本番の時間通り、2周目は本番よりも5分早くする、3周目は10分短くする…」というように、本番を基準に時間を短くしていきましょう。
本番よりも厳しい条件下で解くことで、本番当日は、比較的余裕をもって試験に臨めるようになります。
なお、一度解いた問題なので、正解することよりも、正解に至るまでのプロセスを意識しましょう。
新たな苦手を克服する
過去問の中には、何度解いても間違える問題、解くのに時間がかかる問題も出てくるかもしれません。
こうした問題は、夏休みに克服した苦手とは異なる「新たな苦手」です。
新たな苦手は、志望校レベルの学力の安定化には不安な要素になるでしょう。
発見した場合、夏休みのときと同様、克服する必要があります。
過去問中の問題やほかの問題集に形成されている類題を、すらすら解法が浮かぶようになるまで解き続けます。
また、学校や塾の先生に質問する、その問題に関連した分野の基礎を見直すというのも、苦手の克服に繋がる方法です。
体調を管理しておく
勉強以外のことについても、注意が必要です。
とくに、大学受験は冬に行われ、体調を崩しやすくなります。
大学受験当日に体調不良になっては、せっかく安定化させた学力を十全に振るえない危険性があります。
そのような事態を避けるため、日頃から生活習慣を整えておきましょう。
具体的には、食生活、睡眠時間などを意識することです。
まとめ
今回は、大学受験に向けた、高校3年生の勉強法について紹介してきました。
高3の1年間を4つの時期について、それぞれのポイントは以下の通りです。
- 1学期→自分の学力の安定化
- 夏休み→自分の学力の把握
- 2学期→自分の学力の向上
- 直前期→志望校レベルの学力の安定化
該当する時期に、これらのポイントを意識しましょう。
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