中高一貫校(私立中学、高校)では、大学入試に最適化したカリキュラムや、国際化に対応したカリキュラムなど、それぞれの学校が工夫して英語教育を行っています。
各校の教育観・方針が反映され、公立校で使用される検定教科書だけでなく、中高一貫校用の検定外教科書や、オリジナル教材が使用されます。
中高一貫校で30年英語教師を務めているベテランライターが、中高一貫校で実際に使用されている英語教科書を紹介。
さらに中高一貫校用教科書『ニュートレジャー』に絞って、効果的な学習方法を解説します。
500校以上の中高一貫校の指導実績があり、『ニュートレジャー』『プログレス21』など、中高一貫校用教科書の対策も万全な「中高一貫校専門 個別指導塾WAYS」。
82.9%の成績アップを実現してきた定期テスト対策指導はこちら。
このページの目次
中高一貫校(私立中学)で実際に使用している教科書一覧
「中高一貫校専門個別指導塾WAYS」では、全国500校以上の中高一貫校の生徒を指導してきており、各学校の特徴や使用教材などの情報を、システムで一元管理しています。
WAYS独自のデータベースから、実際に中高一貫校で使用されている、代表的な英語の教科書を紹介します。
検定教科書
検定外教科書(中高一貫校用教科書)
中高一貫校の英語教科書の活用例
中高一貫校では、授業時間数が多い、入試に合格した生徒なので学力差がない、大学受験に最適化されたカリキュラム、などの背景から、先取りやハイレベルな授業展開をしています。
上記の教科書を使った典型的な活用例を紹介します。
【活用例①】 検定教科書+ハイレベル問題集 授業進度は公立中学と同じですが、ハイレベル問題集を使って授業内容のレベルを上げている。 【活用例②】 中高一貫校用教科書+準拠問題集 中高一貫校用教科書は中1〜2で中学3年分の内容、中3で高校基礎(=高1内容)を扱うので、実質は先取り学習をしている。
さらに詳しい英語進度はこちらの記事で解説しています。
詳しく知る:
中高一貫校用教科書を紹介
『NEW TREASURE ENGLISH SERIES』(ニュートレジャー)Z-KAI
特徴
大学受験大手出版のZ会が出版。大学入試で要求される英語力の養成を目的。4技能「読む・書く・聞く・話す」と論理的思考力の伸長を目指しています。
構成
STAGE 1〜5の5冊
- 標準的な進度:【中1】STAGE 1【中2】STAGE 2【中3】STAGE 3【高1】STAGE 4 【高2】STAGE 5
- STAGE 3までに大学入試に必要な英文法を習得。STAGE 4.5は大学入試レベル読解をメインに学習。
単語数
- 【中1】1200語
- 【中2】1100語
- 【中3】1000語
- 【中学合計】3300語
検定教科書(中1〜中3)1600語〜1800語と比べると、圧倒的に語彙数が多い事実がわかります。
英文法進度
- 【中1〜中2】中学全範囲
- 【中3】高校基礎(=大学入試に必要なレベル)
英文テーマと語数
- 【中1】自己紹介・日本など身近な話題 [語数]約80〜250語
- 【中2】異文化・世界情勢などの話題 [語数]約350〜650語
- 【中3】人文・社会・自然科学など大学入試頻出テーマ [語数]約600〜800語
- 【高1】大学入試頻出テーマ(基礎レベル) [語数]約900〜1200語
- 【高2】大学入試頻出テーマ(標準〜発展レベル) [語数]約1000〜1400語
検定教科書(中3)約300〜500語比べ、こちらも圧倒的に語数が多い事実がわかります。
詳しく知る:
《『ニュートレジャー』を使用する中高一貫校の内情紹介》 私の勤務校の実情を紹介します。 中学3年間を、それぞれ『ニュートレジャー』Stage 1〜3を使用しています。 中高一貫校専用教科書として難易度が高いことで知られていますが、英語が苦手な生徒が最も苦労するのは、実は単語です。 教科書に出てくる新出単語(および重要単語)は毎週単語テストをしています。しかし、苦手な生徒は、(ほとんどの場合は勉強を避けているからなのですが)単語を覚えません。 シンプルに単語を知らないので、『ニュートレジャー』の対応に苦労しているのです。 例えば、単語を知らないからKey Pointsの英文が理解できない、Readの単語調べで時間がかかって挫折する、教科書ガイド的なものがないので単語を知らないと全く意味がとれない、などなどです。 検定教科書に比べて圧倒的に単語数が多いのが『ニュートレジャー』で苦労する最大の要因だと感じています。
『PROGRESS IN ENGLISH 21』(プログレス)エデック
特徴
カトリック司祭ロバート・フリン先生が執筆した、『PROGRESS IN ENGLISH』を改訂。ミッション系中高一貫校で使用されています。(ミッション系以外の学校での利用は少ない)
構成・単語数・英文法・英文のテーマ
- 構成:Book 1〜5までの5冊
- 標準な進度【中1】Book 1【中2】Book 2【中3】Book 3【高1】Book 4【高2】Book 5
- 単語数:中学相当のBook 1〜3で約3000語
- 英文法:Book 3までに大学入試レベルを学習
- 英文テーマ:アメリカやイギリスの歴史・文化を扱った英文中心。
『ニュートレジャー』と大きく進度やレベルは変わらないが、キリスト教精神が根底にある格調の高さが特徴的。
詳しく知る:
中高一貫校用教科書『ニュートレジャー』の中学生のための勉強方法を徹底的に解説
英文法→読解→4技能を意識した構成
各レッスンがGrammar in Use→Read→Action→Word Square/Pronunciationの構成。文法→読解の流れがメインです。
学校によっては、4技能活動のActionと語彙と発音のW.S./Pは深く扱いません。
予習→授業の進め方:各レッスンの文法項目と読解をしっかり理解
予習:わからないところを明確に
教科書に一通り目を通して、わからない単語・英文をチェックしましょう。
学校によっては、単語調べ、英文写し、英文和訳を予習として課す場合があります。どれも大切なのですが、時間がかかりすぎる場合は注意しましょう。
予習は、わからないところを明確にするのが目的なので、要領よく対応してください。
授業:文法と読解の解説をしっかり理解
予習でわからなかった箇所を中心に授業を聞きます。特に文法と読解の解説はしっかり理解しましょう。ここの理解が不十分だと復習で苦労します。
教科書ガイド的なものがないので、授業の理解度が大事です。(言い方を変えれば、授業が理解できなければ塾などのサポートが必要かもしれません。)
復習→演習の進め方:単語と文法は絶対にマスターを。繰り返しが定着のカギ
復習:単語暗記・英文法暗唱・英文音読が3つの柱
①自分が知らない単語を覚える
- 単語を正しく発音できる
- 発音したらすぐに意味が思い浮かぶ
- 単語を正しく書ける
単語の「発音」「意味」「スペル」の3つがポイントです。テキストにQRコードが付いているので、音声は必ず活用してください。
②Grammar in UseのKey Pointの英文を理解して暗唱する
- 英文を音読して、日本語訳を言う
- 日本語訳を見て、英語を言う・書く(=暗唱する)
英文を音読して暗唱しましょう。テストでは英文を書かされるので正しく書けるまで練習してください。
③Readの英文を音読する
- 英文を音読しながら、頭の中で英文の意味を思い浮かべる
- 音声に合わせて音読しながら、頭の中で英文の意味を思い浮かべる
- 授業で習った大切な英文をメインに書けるようにする
音読しながら、英文の意味を取る練習をすると、英語の語順のままで英文の意味が取れるので、読解のスピードが上がります。
音声に合わせて音読すると、発音が上達します。発音できない英文は聞き取れません。発音の練習をするとリスニング力がつきます。
ここまで音読を練習すると、英文が頭に残ってきます。テストでは英文を書かされるので、重要な英文をメインに書けるようになるまで練習しましょう。
単語・文法・音読の具体的な勉強法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
詳しく知る:
④宿題をする
- 宿題として、文法問題集やプリントが出されるはずです。それらを解き、答え合わせをする
宿題は授業内容と連動しています。授業で習った知識を定着させるためにとても大事です。
演習:復習した内容の反復学習で定着を図る
①演習内容
- Key Pointの英文の暗唱
- 宿題で出された文法問題集・プリント類
【文法問題集の使い方】 文法は<理解+繰り返し>が大事です。定着しない人は繰り返しが不十分な場合が多いです。 全部の問題に3つ○がつけば完璧です。
②演習方法:定期テストをマイルストーンに繰り返し
- 1回目:授業後(=復習)
- 2回目:週末
- 3回目:テスト1週間前
定期テストまでに3回繰り返しましょう。間違ったところをチェックしておいて、試験期間に解き直します。
定期テスト対策:復習→演習で間違ったところを解き直して完璧を目指す
①復習→演習で間違った問題の解き直し
- Key Pointsの英文の暗唱
- 文法問題集・プリント
ここまで復習→演習ができていればあと一息です。間違った問題が完璧になるまで解き直しましょう。
②Readの英文
- 新出単語の発音・意味・スペルを覚える
- 英文の日本語訳を言えるようにする
- 英文(全文がむずかしい場合はアンダーラインが入った重要箇所)の暗唱
テストでは書かされます。新出単語・Read英文はスペルを間違わずに、書けるようになるまで練習しましょう。
③WORKBOOK
- WORKBOOKの問題を解く
本番のテストつもりで問題を解きましょう。間違った問題は解き直しましょう。
『ニュートレジャー』『プログレス21』中高一貫校生が成績を大幅に上げた事例を2件紹介
勉強法がわかったとしても、実行できないケースは少なくありません。
「中高一貫校専門 個別指導塾WAYS」ならば、自宅学習が苦手な中高一貫校生でも、成績アップが可能です。
『ニュートレジャー』で成績UP:攻玉社中2生 35点→81点
英語の授業で『ニュートレジャー』を使用している、攻玉社中学校2年生の事例です。
入塾前は、テスト前に一度だけ問題集を解くだけでテストに臨んでおり、1学期中間テストでは35点と、平均点を下回っていた状態でした。
そこでWAYSでは、次のように指導を行いました。
- 和訳ができなかった文に下線を引き、授業の最後に再度確認
- 英文を、音読+英訳が出来るようになるまで、繰り返し取り組む
- 文法問題集では、間違えた問題にチェックをつけて、解き直しを徹底
さらに、テスト前には、間違えた問題を中心に、繰り返し演習を行いました。
結果、1学期の期末テストでは62点、2学期の中間テストでは81点(+46点)と、大幅に成績アップを実現できました。
詳しく知る:
『プログレス21』で成績UP:鎌倉女学院中1年 45点→83点
英語の授業で『プログレス21』を使用している、鎌倉女学院中学校1年生の事例です。
入塾前の2学期期末テストでは、英語45点と苦戦していました。
原因は、『プログレス21』の勉強の仕方がわからなかったためです。
文法が体系的に並んでいない『プログレス21』では、特別な対策が必要です。
そこでWAYSでは、文法問題集を使用して、次のように体系的な英文法の指導を行いました。
- これまで学習した全範囲の文法復習
- 学校で指定されたScene本文の暗唱
- Readの内容理解 & キーセンテンスの暗唱 & 単語・熟語の暗記
結果、3ヶ月後の学年末テストでは、83点(+38点)と大幅な成績アップを実現できました。
詳しく知る:
お子さんの中高一貫校を探す:
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中高一貫校用の英語の教科書『ニュートレジャー』や『プログレス21』は、難易度が高いため、定期テストで好成績を取るためには、繰り返しの演習が不可欠です。
間違えたり、解けなかったりした箇所をリストアップしておき、しっかり理解したうえで、解き直しを徹底していきます。
とはいえ、わかってはいても、自宅での学習が苦手であったり、計画どおりに勉強を進められなかったり、思うように成果を出せないケースもあります。
そんなときはぜひ、首都圏および関西圏の中高一貫校500校以上の指導実績がある「中高一貫校専門 個別指導塾WAYS」にご相談ください。
データベースに蓄積したノウハウがあるため、学校ごとに異なる教材や、過去の定期テストの傾向に沿った指導が可能です。もちろん中高一貫校用教科書の対策も万全です。
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