大学受験の推薦入試を徹底解説!合格率や選考方法も紹介
大学進学を考えている高校生の中には、推薦入試を利用したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
一方で「仕組みや選考スケジュールなどがわからない」という方も少なくないはずです。
本記事では、推薦入試について徹底解説します。
推薦入試の合格率や推薦で大学に入るためのポイントも紹介するので、ぜひお役立てください。
このページの目次
大学受験の推薦入試とは
推薦入試とは、推薦を受けて大学を受験する制度のことです。
従来は、推薦入試といわれていましたが、
2021年度より学校推薦型選抜という名称に変更されました。
なお、学校推薦型選抜は国公立大学と私立大学のいずれでも実施されています。
学校推薦型選抜入学者の割合
文部科学省の資料によると、
2021年度は大学入学者のうち、37.6%が学校推薦型選抜で入学しています。
入学者数の合計 | 学校推薦型選抜入学者 | 学校推薦型選抜の割合 | |
---|---|---|---|
国立 大学 |
97,158人 | 12,089人 | 12.1% |
公立 大学 |
33,841人 | 8,386人 | 26.1% |
私立 大学 |
484,256人 | 210,697人 | 43.5% |
合計 | 615,181人 | 231,296人 | 37.6% |
出典:文部科学省「令和3年度国公私立大学入学者選抜実施状況」
(以下、本文内の数値は、すべて上記を出典元とする)
私立大学の場合、入学者のうち43.5%が学校推薦型選抜によるものです。
一般入試を受けることなく大学に入学している生徒が国公立大学に比べて多いことがわかります。
総合型選抜(旧AO入試)との違い
総合型選抜は旧AO入試のことで、学校からの推薦が不要な点が学校推薦型選抜との大きな違いです。
自己推薦書や志望理由書などの書類に加えて、面接や口述試験をもとに合否が判断されます。
入学者数の合計 | 総合型選抜入学者 | 総合型選抜の割合 | |
---|---|---|---|
国立 大学 |
97,158人 | 5,342 | 5.5% |
公立 大学 |
33,841人 | 1,287人 | 3.8% |
私立 大学 |
484,256人 | 71,292人 | 14.7% |
合計 | 615,181人 | 77,921人 | 12.7% |
総合型選抜による入学者は全体の12.7%です。
学校推薦による入学者が43.5%、自己推薦による入学者が12.7%なので
「推薦」による入学者は56.2%と、過半数を超えます。
一般入試との違い
学校推薦型選抜は、高校3年間の成績や生活態度などをもとに選考される一方、一般入試は共通テストや大学の個別試験の結果をもとに判断されるのが大きな違いです。
評価基準が異なるため難易度を比べることはできませんが、推薦で難関大学や有名大学を目指す場合、ライバルは多くなります。
入学者数の合計 | 一般選抜入学者 | 一般選抜の割合 | |
---|---|---|---|
国立 大学 |
97,158人 | 79,687人 | 82.0% |
公立 大学 |
33,841人 | 23,592人 | 69.7% |
私立 大学 |
484,256人 | 201,116人 | 41.5% |
合計 | 615,181人 | 304,395人 | 49.5% |
国立大学の場合、入学者の82.0%が一般入試で入学しています。私立大学の場合は、一般選抜の割合は41.5%です。
大学受験の推薦入試(学校推薦型選抜)は3種類
大学受験の推薦入試(学校推薦型選抜)は以下の3種類に分類されます。
- 指定校推薦
- 公募推薦
- 地域枠推薦
それぞれ解説します。
指定校推薦
指定校推薦とは、大学が指定した高校(指定校)の生徒のみ出願できる制度です。
高校3年間の成績や生活態度などをもとに選考が行われます。
校内で指定校推薦枠を確保できた場合、不合格になるケースは少なく、他の制度よりも合格率が高いのが特徴です。
指定校推薦の枠は高校によって異なるため、志望する大学の推薦枠がない場合もあります。
なお、国公立大学には指定校推薦はありません。
公募推薦
公募推薦とは、出願資格を満たした上で、学校長の推薦があれば出願できる制度です。
一般推薦と特別推薦の2種類があります。
一般推薦は成績を重視して選考され、特別推薦はスポーツやボランティア活動などをもとに選考されます。
地域枠推薦
地域推薦枠とは、卒業後に大学の所在地域で勤務することを条件に出願できる制度です。
地元出身者に限定して募集されるケースもあります。
地域推薦枠を設けているのは医学部が多く、地域の医師不足を解消することを目的としています。
推薦入試の合格率
学校型選抜と総合型選抜の合格率は以下の通りです。
≪学校推薦型選抜≫
志願者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
国立大学 | 29,268人 | 11,806人 | 40.3% |
公立大学 | 20,548人 | 8,862人 | 43.1% |
私立大学 | 445,556人 | 274,682人 | 61.6% |
合計 | 495,372人 | 295,350人 | 59.6% |
≪総合型選抜≫
志願者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
国立大学 | 15,644人 | 5,411人 | 34.6% |
公立大学 | 4,342人 | 1,300人 | 29.9% |
私立大学 | 177,896人 | 86,258人 | 48.5% |
合計 | 197,882人 | 92,969人 | 47.0% |
学校推薦型選抜の合格率は59.6%である一方、総合型選抜は47.0%と、やや難易度が上がります。
また、どちらの選抜方法でも、私立大学よりも国公立大学の方が合格率は低いのが特徴です。
推薦で大学に入るために知っておくべきこと
推薦で大学に入るために、選考方法とスケジュールを把握しておきましょう。
選考方法
一般的な学校推薦型選抜の選考では、以下が課されます。
- 書類選考
- 小論文
- 面接
大学によっては、共通テストや学力試験が課されることもあります。
書類選考で最も重要なのが評定平均です。
評定平均とは、全科目の5段階評定を合計して科目数で割った数値です。
学校推薦型選抜では、高校1年生の1学期から3年生の1学期までの計7学期分が対象で、評定平均は以下のように計算します。
例)7学期分の評定合計が148で、履修科目数が36の場合
148÷36=4.11
小数点第2位を四捨五入するので、評定平均は4.1です。
選考スケジュール
指定校推薦と公募推薦の2種類の選考スケジュールを紹介します。
以下は、あくまで一般的なスケジュールなので、志望する大学・学部のホームページをチェックするのがおすすめです。
≪指定校推薦≫
6月 | 募集要項の公表 |
---|---|
7~10月 | 校内選考 |
11月 | 出願 |
11~12月 | 大学による選考 |
12月 | 合格発表 |
≪公募推薦≫
6月 | 募集要項の公表 |
---|---|
8~10月 | 願書の配布 |
11月 | 出願 |
11~12月 | 大学による選考 |
12月 |
合格発表 ※共通テストが課される場合の合格発表は1~2月 |
大学受験で推薦を狙う際のポイント
推薦での大学入学を検討している方は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 評定平均を高める
- 早めに対策を行う
- 一般入試も視野に入れておく
定期テストに注力する
推薦入試で重要視される評定平均は、高校1年から3年生の1学期までの成績で決まります。
そのため、毎回の定期テストで高得点を取ることが望ましいです。
推薦入試での大学入学を検討した際は、現時点の評定平均を計算してみるとよいでしょう。
残りの定期テストで挽回するのが難しいと判断した場合は、一般入試に切り替えて受験対策を行うことをおすすめします。
早めに対策を行う
小論文や面接の対策も早めに始めましょう。
高校生活の中で、小論文を書いたり、面接を受けたりする機会は稀です。
付け焼刃で対応できることではないため、遅くとも高校2年生の3学期から高校3年生の1学期までに着手しましょう。
一般入試も視野に入れておく
推薦入試のみに絞らずに、一般入試も視野にいれて日々の学習に取り組みましょう。
学校から推薦をもらえない可能性があるだけでなく、推薦をもらえたとしても、必ず合格できるわけではないからです。
推薦入試が不合格になって、一般入試の対策をはじめた場合、時間が少なくて満足な対策ができません。
「合格」が確定するまでは、継続して勉強に取り組む必要があります。
まとめ
2021年度は大学入学者のうち、学校推薦型選抜で入学した生徒の割合は37.6%です。
総合型選抜を含めると、56.2%が推薦を活用しており、今や当たり前の入学手段になりつつあります。
選抜では、評定平均が重視されるため、学校の定期テストで高得点を取れるように継続して勉強に励むとよいでしょう。
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