大学受験で理系生は「化学」を選択すべき|苦手な人のためのオススメ勉強法も紹介
大学受験において、理系化学は必須科目といっても過言ではありません。多くの学部学科で、必修とされていることが多いからです。
化学が苦手な人は、基礎事項の習得に時間をかけましょう。応用レベルの問題集まで手を出さず、差がつきやすい標準レベルの完成を目指してください。
ちなみに、文系の場合は必ずしも化学基礎を選択しなくてもかまいません。化学が好きでない場合は、無理に選ぶ必要はないでしょう。
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このページの目次
【理系】理科の選択パターンは、化学+物理or生物がベスト
化学を履修しないと受験学部が大幅に減る
大学受験において、理科2科目を受ける必要があるところは、たいてい化学を必須にしています。
化学を履修していなければ、受験できる学部学科が限られてしまうのです。
そのため、ほとんどの進学校が化学を必修科目としています。
物理は工学部受験に必要
多くの大学が工学部を受けるのに物理を必須としています。
理科の科目選択の時点で工学部を受験する可能性が少しでもあるのなら、物理を選ぶのが無難でしょう。
生物が必須となるのは一部の学科だけ
大学受験で生物が必須となるのは、生物系の一部の学部学科に限られます。
工学部が受験できなくなる物理ほどの影響はないといえるでしょう。
地学は難しいので非推奨
地学基礎とは異なり、地学は難度が高めです。化学・物理・生物の知識が必要とされ、進学校であっても開講されないことがほとんどです。
また、そもそも大学の二次試験として地学が用意されていないところも少なくありません。
難しいうえに受験できる大学の選択肢が狭まるという二重苦なのです。
【理系】化学は分野によって暗記と思考力を使い分ける科目
化学は、理論化学・無機化学・有機化学の主に3分野から成り、それぞれ必要とされる力が異なります。
理論化学は、なぜそうなるのかを理解することが重要です。
言葉の定義や概念をしっかりと押さえてください。
理解が不十分だと、反応式などを自分で作ることができません。式のパターンをすべて暗記することになってしまいます。
無機化学は、暗記要素が強い分野です。思考力はそこまで問われません。
また、有機化学は暗記事項をベースに思考し、パズルのように組み立てられるようになることが求められます。
このように、化学では暗記力(+理解力)と思考力が必要になるのです。
【理系】化学のオススメ勉強法
ここでは、化学が苦手な人向けの勉強法を紹介します。
まずは理論化学から始めよう!
理論化学は、有機化学と無機化学の基礎にあたります。学習は理論化学からスタートしましょう。
教科書と参考書を併用して、理論を理解していきます。丸暗記ではなく、きちんと理解するようにしてください。
参考書は『橋爪のゼロから劇的にわかる理論化学の授業 改訂版』(旺文社)や『鎌田の理論化学の講義 三訂版』(旺文社)がオススメです。
完璧に理解するまで問題演習を全くしない、というのではなく、6~7割理解できたら問題演習を始めるようにしましょう。
残りの3~4割は、演習するなかで理解していけばよいのです。
教科書準拠問題集を完成させよう
周回が基本です。1周目で解けた問題に○、解けなかった問題に△×をつけておき、2周目以降で△×がついている問題を中心にやり直しましょう。
時間が経つと、○がついた問題もできなくなる可能性があります。演習や模擬試験などで間違った場合は、適宜復習をしてください。
教科書準拠問題集が完成したなら、基礎の土台はできたことになります。
大学入学共通テストの問題にも対応できるようになっているでしょう。
標準レベルの問題集を進めつつ、無機化学・有機化学へ!
教科書準拠問題集と同様、周回が基本です。最低3周を目標にしましょう。
『新課程2024 化学重要問題集 化学基礎・化学』(数研出版)がオススメです。
標準レベルの問題が解けるようになると、中高一貫校の定期テストや国公立大学二次試験にも対応できるようになります。
また、ここまでくれば、並行して無機化学・有機化学の基礎固めを開始してください。
無機化学・有機化学の参考書は、『橋爪のゼロから劇的にわかる無機・有機化学の授業 改訂版』(旺文社)や『福間の無機化学の講義 五訂版』(旺文社)、『鎌田の有機化学の講義 五訂版』(旺文社)などがオススメです。
基礎事項がある程度身についてきたら、理論化学と同様に、教科書準拠問題集→『重要問題集』の順で解き進めましょう。
【文系】理科基礎の選択パターン
文系の生徒が学習するのは理科基礎です。
国公立大学を受験する場合、大学入学共通テストで化学基礎・物理基礎・生物基礎・地学基礎のうちから2科目選択することが一般的です。
下表に、令和4~6年度の大学入学共通テストにおける理科基礎科目の受験者数をまとめました。
令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | |
化学基礎 | 100,461 | 95,515 | 92,894 |
物理基礎 | 19,395 | 17,978 | 17,949 |
生物基礎 | 125,498 | 119,730 | 115,318 |
地学基礎 | 43,943 | 43,070 | 43,372 |
化学基礎は、生物基礎に次いで受験者数が多い科目であることが分かります。
【文系】化学基礎を選択する理由2選
化学に興味がある
最も理想的な理由です。
本屋にいって各教科の参考書を眺めてみたり、教科担当の先生に尋ねたりして、将来的にどのようなことを勉強するのか、イメージをもちましょう。
そのうえで化学基礎の内容が面白いと感じるなら、積極的に選択すべきです。
語の概念や定義の理解が得意
暗記量もそこそこありますが、それだけではなく、語の概念や考え方(たとえば、molの概念など)をきちんと理解し、運用する力が求められます。
物理基礎ほど煩雑ではありませんが、単元によっては計算力も必要です。
以上のような性質のため、「暗記は得意だが、化学は好きではない」という人は、選ぶのを避けた方がよいかもしれません。
ただし、学校が地学基礎の授業を開講しないために、やむをえず化学基礎を選択するというパターンは十分起こりえます。
【文系】化学基礎のオススメ勉強法
教科書を読み込んでインプットしよう!
まずは、基礎事項や公式をきちんと理解し、暗記してください。
教科書に加え、参考書を併用する場合は、『鎌田の化学基礎をはじめからていねいに【改訂版】』(東進ブックス)がオススメです。
完璧に理解するまで問題演習を全くしない、というのではなく、6~7割理解できたら問題演習を始めるようにしましょう。
残りの3~4割は、演習するなかで理解していけば十分です。
教科書準拠問題集を完成させよう
周回が基本です。1周目で解けた問題に○、解けなかった問題に△×をつけておき、2周目以降で△×がついている問題を中心にやり直しましょう。
時間が経てば、○がついた問題もできなくなる可能性がありますので、適宜復習してください。
もう1冊仕上げるなら、『よくわかる高校化学基礎 問題集』(学研出版)で頻出事項を徹底的に押さえてしまいましょう。
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独力だと理解に時間がかかる場合はプロのサポートを受けよう
大学受験は時間との闘いです。いかに効率よく学習内容を定着させられるかが勝負です。
その意味では、単なる暗記にとどまらない化学は、お子さんにとって厄介な存在かもしれません。
丸暗記ではなく、語や概念の意味をきちんと理解できているかどうか、計算問題に対応できるかどうかが問われます。
独学だと時間がかかる場合は、プロのサポートを受けることを検討していただければと思います。
理科が得意教科である場合は集団指導塾でも問題ありませんが、そうでない場合は個別指導塾に通うのが効果的です。
個々の学習状況に合わせた指導を受け、効率よく学習を進めてください。
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投稿者プロフィール
- 中高一貫校に勤めて10年になる中堅教師。卒業生を3度送り出し、中学生・高校生問わず指導経験が豊富です。自身も中高一貫校出身なので、中高一貫校のことを知り尽くしています。勉強に苦しむ生徒に向き合い、試行錯誤をする日々。そんな教師生活から得られた知見をお伝えし、全国の子供たちの力になれたらと思います。
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