大学受験で理科は何を選択する?「生物」が向いている人と勉強法
大学受験において、理科の科目選択は非常に重要です。
生物は暗記要素が強い科目ではありますが、その反面、物理よりも高得点がとりにくいという性質を持っています。
以下のケースにあてはまる場合は生物をオススメしますが、問題集をしっかりと周回し、準備を怠らないようにしましょう。
①生物に関心がある
②数学的思考よりも暗記が得意である
その他、文系理科の選択についても解説します。
大学受験で「化学」を選択すべき人と勉強法はこちら
大学受験で「物理」を選択すべき人と勉強法はこちら
このページの目次
【理系】理科の選択パターンは、化学+物理or生物がベスト
化学を履修しないと受験学部が大幅に減る
大学受験において、理科2科目を受ける必要があるところは、たいてい化学を必須にしています。
化学を履修していなければ、受験できる学部学科が限られてしまうのです。
そのため、ほとんどの進学校が化学を必修科目としています。
地学は難しいので非推奨
地学基礎とは異なり、地学は難度が高めです。化学・物理・生物の知識が必要とされ、進学校であっても開講されないことがほとんどです。
また、そもそも大学の二次試験として地学が用意されていないところも少なくありません。
難しいうえに、受験できる大学の選択肢が狭まるという二重苦なのです。
物理は工学部受験に必要
多くの大学が、工学部を受けるのに物理を必須としています。
理科の科目選択の時点で、工学部を受験する可能性が少しでもあるのなら、物理を選ぶのが無難でしょう。
生物が必須となるのは生物系の学科
大学受験で生物が必須となるのは、生物系の一部の学部学科に限られます。
工学部が受験できなくなる物理ほどの影響はないといえるでしょう。
【理系】生物は暗記色が強めだが高得点はとりにくい
生物は暗記色が強い科目です。したがって、物理に比べ最初のうちは比較的点数が伸びやすいでしょう。
ただ一方で、初見の実験問題が出題されやすく、物理よりも高得点がとりにくい科目でもあります。
物理は波に乗るまでに時間がかかりますが、一度波に乗れば高得点が狙える科目です。
ただ、受験生全員が波に乗れるとは限らないのが悩みどころだといえます。
【理系】生物か物理かを選択する方法3選
生物を選ぶか物理を選ぶかは、生物基礎・物理基礎の手応えやイメージで決めるのが一般的です。
もしくは、今後どのようなことを学んでいくかで決めてもよいでしょう。
本屋に足を運んで参考書を眺めたり、学校や塾の先生に質問したりしてみてください。
興味があるのはどちらか
最も理想的な決め方といえます。
学んでいて楽しいと思えそうな方を選びましょう。
生物基礎・物理基礎のどちらが面白いと思えたかでかまいません。
両方ともつまらないなら、マシな方を選んでください。
暗記系が得意か、数学が得意か
ざっくりとした決め方にはなりますが、暗記が得意なら生物、数学的思考が得意なら物理を選びましょう。
数学が得意な人は物理でも有利になることが多いので、物理で勝負することをオススメします。
工学部を受ける可能性があるのか
上述しましたが、工学部を受験するためには、物理が必須になる場合がほとんどです。
志望校が明確に定まっておらず、工学部を受験する可能性が少しでもあるなら、物理を選択しておくのが無難でしょう。
【理系】生物のオススメ勉強法
教科書を読み込んでインプットしよう!
まずは教科書内容を網羅するところからです。
学校の授業ノートと併用し、必要な知識を暗記しましょう。参考書を使うなら、『改訂版 大学入試 山川喜輝の 生物が面白いほどわかる本』(KADOKAWA)がオススメです。
ある程度知識が身についてきたら、次のステップへ。教科書準拠問題集を使ってアウトプットしつつ、足りない知識をインプットしてください。
教科書準拠問題集を完成させよう
問題演習は、問題集の周回が基本です。
1周目で解けた問題に○、解けなかった問題に△×をつけておき、2周目以降で△×がついている問題を中心にやり直します。
生物は暗記系の問題が多いため、時間が経てば、○がついた問題もできなくなる可能性があります。演習や模擬試験などで間違った場合は、適宜復習してください。
教科書準拠問題集が完成したのなら、基礎の土台はできたことになります。
大学入学共通テストの問題にも対応できるようになっているでしょう。
標準レベルの問題集を完成させよう
教科書準拠問題集と同様、周回を基本としてください。最低3周はしたいところです。
このレベルができるようになると、国公立大学二次試験(単科大学の医学部医学科などは除く)の問題にも対応できるようになります。
オススメは、『新課程2024生物重要問題集 生物基礎・生物』(数研出版)か『生物[生物基礎・生物]基礎問題精講 五訂版』(旺文社)です。
余裕があるなら応用レベルの問題集を進めよう
生物が得意で武器にしたい人は、『生物[生物基礎・生物] 標準問題精講 七訂版』(旺文社)で応用力をつけましょう。
時間的に全分野を仕上げるのは厳しいので、苦手分野あるいは得意分野に絞って勉強することをオススメします。
さらに詳しい生物の勉強法についてご覧になりたい方は、下記の記事も合わせてお読みください。
【文系】理科基礎の選択パターン
文系の生徒が学習するのは理科基礎です。
国公立大学を受験する場合、大学入学共通テストで化学基礎・物理基礎・生物基礎・地学基礎のうちから2科目選択することが一般的です。
下表に、令和4~6年度の大学入学共通テストにおける理科基礎科目の受験者数をまとめました。
令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | |
化学基礎 | 100,461 | 95,515 | 92,894 |
物理基礎 | 19,395 | 17,978 | 17,949 |
生物基礎 | 125,498 | 119,730 | 115,318 |
地学基礎 | 43,943 | 43,070 | 43,372 |
生物基礎は、文系の生徒にとって王道の選択肢といえるでしょう。
【文系】生物基礎を選択する理由2選
生物に興味がある
本屋にいって各教科の参考書を眺めてみたり、教科担当の先生に尋ねたりして、将来的にどのようなことを勉強するのか、イメージをもちましょう。
そのうえで、生物基礎の内容が面白いと感じるなら、優先して選択すべきです。
暗記が得意
暗記が得意なら、生物基礎・地学基礎・化学基礎が選択肢に入ります。
ただし、化学基礎では語の概念や考え方を理解する力が求められます。単純な暗記ではない点に注意しましょう。
オススメは地学基礎と生物基礎です。
ちなみに、物理基礎はできるようになるまでが大変ですが、一度波に乗ると高得点が取りやすい教科でもあります。
【文系】生物基礎のオススメ勉強法
教科書を読み込んでインプットしよう!
まずは教科書に載っている基礎事項を暗記します。
参考書と併用してもよいでしょう。
『改訂版 大学入試 山川喜輝の 生物基礎が面白いほどわかる本』(KADOKAWA)や『田部の生物基礎をはじめからていねいに 改訂版』(東進ブックス)がオススメです。
教科書準拠問題集を完成させよう
周回が基本です。1周目で解けた問題に○、解けなかった問題に△×をつけておき、2周目以降で△×がついている問題を中心にやり直してください。
生物は暗記系の問題が多いため、時間が経てば忘れてしまう可能性があります。定期的に復習するとよいでしょう。
もう1冊仕上げる余裕があるなら、『大学入学共通テスト 生物基礎の点数が面白いほどとれる一問一答』(KADOKAWA)など、一問一答系の問題集に取り組むことをオススメします。
理科に強くなりたい中高一貫校生には中高一貫校専門塾WAYSがオススメ!
独力だと理解に時間がかかる場合はプロのサポートを受けよう!
受験勉強は時間との勝負です。大学受験は科目数が多く、やるべきことを考えるだけでも一苦労です。
そのなかで、理科の負担は決して小さくありません。
特に理系の現役生にありがちなのは、理科2科目のうちどちらかが弱点分野を抱えている、というものです。
独力で完成させるのが難しいのなら、プロのサポートを受けるのがよいでしょう。
理科が得意教科である場合は集団指導塾でも問題ありませんが、そうでない場合は個別指導塾に通うのが効果的です。
個々の学習状況に合わせた指導を受け、効率よく学習を進めてください。
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個別指導塾であるWAYSは、中高一貫校のレベルに対応可能な教科指導はもちろん、お子さんの学習習慣の改善にも力をいれています。
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効果的な学習法で効率を上げ、理科2科目を仕上げるという難題を一緒にクリアしましょう!
投稿者プロフィール
- 中高一貫校に勤めて10年になる中堅教師。卒業生を3度送り出し、中学生・高校生問わず指導経験が豊富です。自身も中高一貫校出身なので、中高一貫校のことを知り尽くしています。勉強に苦しむ生徒に向き合い、試行錯誤をする日々。そんな教師生活から得られた知見をお伝えし、全国の子供たちの力になれたらと思います。
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