【中高一貫校】英語の進度・カリキュラム|中学・高校勉強方法とおすすめ教材を紹介
中高一貫校では大学受験に最適化した先取りカリキュラムで英語の授業を行っています。
中学3年間で英文法の全範囲を終了。高校からは新しいことを習うというよりも、英語4技能を段階的にレベルUPしていくことになります。
中高一貫校英語教師歴30年のベテランライターが、中高一貫校の英文法進度・単語数・長文レベル・中学と高校の勉強法・自学用教材など、気になる項目を一気に解説します。
このページの目次
中高一貫校の英語進度表:中学3年間で英文法全範囲
中高一貫校(中学)英文法進度
英文法の進度を紹介。使用教材は下記の2冊とします。
- 中高一貫校(中学):中高生用英語教科書『NEW TREASURE』(ニュートレジャー)
- 公立中学:検定教科書『NEW HORIZON』(ニューホライズン)
▪️中高一貫校(中学)と公立中学の英文法進度表
中高一貫校(中学) | 公立中学 | |
中学1年 |
|
|
中学2年 |
|
|
中学3年 |
|
|
同じ単元を扱っているように見えますが、中高一貫校(中学)と公立中学では学習内容の中身が違います。
例えば、不定詞を例にすると、中高一貫校では中学で高校内容まで学習します。
中高一貫校で習う不定詞は、公立では下記のように【中学範囲】と【高校範囲】に分けて学習します。
【中学範囲】
- 名詞的用法
- 形容詞的用法
- 副詞的用法
- 形式主語構文
- SVO+不定詞
【高校範囲】
- さまざまな表現(it is 人の性質 of 人 to / in order to / seem toなど)
- 不定詞否定形
- 原形不定詞
- 完了不定詞
続いて、高校英文法の単元を紹介。非中高一貫校で高校から習う英文法です。
使用教材は下記の1冊です。
高校英文法:『総合英語 Evergreen English Grammar 47 Lessons』(エバーグリーン)
- 文の種類
- 動詞と時制
- 完了形
- 助動詞
- 態
- 不定詞
- 動名詞
- 分詞
- 比較
- 関係詞
- 仮定法
- 疑問詞と疑問文
- 否定
- 話法
- 名詞構文
- 無生物主語
- さまざまな表現
中学と同じような単元ですが、中学内容を深掘りして学習します。
公立中学は義務教育なのでレベルや進度に大きな違いはありませんが、高校からは学校の学力レベルによって進度が異なります。
そのため、学校によって1年〜1.5年(高2の2学期まで)かかるケースがあります。
仮に文法習得まで1年かかれば、その間、長文読解をしても習っていない文法が出ることになります。
この点をとっても、既に中学校で学習している中高一貫校の方が有利だとわかります。
公立中学→公立高校だと学習が二重構造にならざるを得ないのでムダが出てしまうのですが、中高一貫校では6年間継ぎ目なしで学習できるのが利点です。
中学英語と高校英語の違いは次の記事で解説しています。
中高一貫校(中学)で扱われる単語数
中高一貫校(中学)『NEW TREASURE』で扱う単語数とそれを英単語帳ターゲットシリーズに当てはめたものを紹介します。
▪️中高一貫校(中学)『NEW TREASURE』で扱う単語数
ニュートレジャー | ターゲットシリーズ | |
中1 | 1200語 | 中学英単語ターゲット1800 |
中2 | 1100語 | 中学英単語ターゲット1800 |
中3 | 1000語 | 英単語ターゲット1200 |
高1 | 1100語 | 英単語ターゲット1900 |
合計 | 4400語 |
中高一貫校では高1までに大学入試で必要とされる4000〜4500語を習得します。
検定教科書で扱う単語数は次の通りです。
▪️検定教科書で扱う単語数
検定教科書 | ターゲットシリーズ | |
小学 | 600〜700語 | |
中学 | 1600〜1800語 | 中学英単語ターゲット1800 |
高校 | 1800〜2500語 | 英単語ターゲット1900 |
合計 | 4000〜5000語 |
大学入試で必要な単語数は高校3年間で習得します。
中高一貫校(中学)英語長文の語数
中高一貫校(中学)『NEW TREASURE』英語長文の語数を紹介。英検と共通テストの語数も参考として紹介します。
▪️中高一貫校(中学)『NEW TREASURE』英語長文の語数
中1 | 90〜300語 |
中2 | 400〜600語 |
中3 | 600〜800語 |
▪️英検・共通テスト英語長文の語数
英検準2級(高校中程度) | 150〜300語(3問) |
英検2級(高校卒程度) | 200〜350語(5問) |
共通テスト | 270〜1200語(10問) |
英語長文の単語数だけみると中高一貫校では中2から高校レベルを読むことになります。
中高一貫校の英語学習内容:英文法と4技能のレベルUP
中高一貫校の教科書の代表的パターン
①中学(中高一貫校用教科書)→高校(中高一貫校用教科書)
②中学(中高一貫校用教科書)→高校(検定教科書+大学受験用教材)
③中学(検定教科書+ハイレベル文法問題集)→高校(検定教科書+大学受験用教材)
中学校の検定用教科書は義務教育の基礎的内容で、問題集は高校入試向けなので、中高一貫校用としては不向きです。
その関係で、中学では中高一貫校用教科書を使う学校が多いです。
高校からは検定教科書と問題集が大学受験向けになるので、高校では検定教科書と大学受験用教材を使う学校が増えます。
代表的な中高一貫校用英語教科書は次の2つです。
ニュートレジャーの勉強法は次の記事で解説しています。
中高一貫校の英語学習内容
上記の教材を使うのですが、中学では英文法をベースにして授業展開をします。
中学3年間で大学受験に必要な英文法を学習します。
高校から「英語コミュニケーション」と「論理表現」の2科目に分かれます。
高校からは、新しいことを学ぶよりも、4技能(「読むこと」「書くこと」「聞くこと」「話すこと」)を段階的にレベルアップさせます。
学校によって違いますが、英語コミュニケーションでは「読むこと」(=長文読解)「聞くこと」(=リスニング)、論理表現では「書くこと」(=英文法と英作文)を学習するケースが多いです。
中高一貫校の英語勉強法:中学英語と高校英語のポイント
中学英語:大学入試に必要な英文法を学習する超重要ステージ
中学校では英文法をメインに学習して、学習した英文法を活用する英語長文を読む流れで進みます。
中学英語では英文法のマスターが極めて大事です。この時期に英文法を理解できていないと、高校からの英語の苦手に繋がるので気をつけてください。
実際に、中高一貫校で英語が苦手な人は中学英語で躓いている可能性が大です。
英語苦手克服は次の記事で解説しています。
高校英語:長文読解・英作文・リスニングのレベルUP
高校からは新しいことを学ぶよりも4技能を段階的にレベルUPしていきます。授業を通して、長文読解、英作文、リスニングの力を伸ばしましょう。
中高一貫校では定期テスト対策が受験対策につながります。
英語定期テスト対策はこちらの記事で解説しています。
高校生からは学校の授業だけでなく自学も大事になってきます。
志望校に合格していた人が使っていた本当に役立つ参考書・問題集はこちらの記事で紹介しています。
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投稿者プロフィール
- 中高一貫校指導歴30年のベテラン教師です。勉強が得意な生徒から苦手な生徒までたくさんの生徒を指導してきました。念願叶っての中高一貫校だと思います。充実した6年間を過ごして欲しいものです。ベテランならではの視点で悩みに寄り添ったアドバイスを心がけます。ちなみに2人の子供も中高一貫校に通っています。保護者としての目線も大事にします。
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