【大学受験】英語リスニング勉強法 完全ガイド|音読トレ・おすすめ教材などを紹介
「リスニングは勉強しても成績が伸びない」
このように誤解している人がいますが、そんなことはありません。
リスニングは正しい手順で勉強すれば必ず成績が伸びます。
まずは英語そのものを理解。それができたら、「英語の語順」「英語の速さ」「英語の発音」の3つのポイントを押さえて勉強しましょう。
英語教師歴30年のベテランライターがリスニング攻略法を解説します。
お子さんがリスニングの勉強方法で迷っていたり、リスニングの成績が上がらずに悩んでいるようでしたら、この記事を読んで、アドバイスをしてあげてください。
このページの目次
大学受験でリスニング試験があるケース
大学入学共通テスト
大学入学共通テストにはリスニングがあります。2021年にそれまでの大学入試センター試験から変更されました。
それに伴って、配点が変更。
【センター試験】筆記:リスニング=200点:50点
【共通テスト】筆記:リスニング=100点:100点
共通テストからリスニングのウエイトが拡大しました。
試験時間は30分で同じですが、出題形式が一部変更。
【センター試験】全ての問題が英文2回読み
【共通テスト】英文2回読みと1回読みが混在
試験時間は同じでも、英文1回読みが加わったことで、読まれる英文量が増加しました。
国公立二次試験&私立個別試験
国公立二次試験と私立個別試験では、リスニングが出題される大学は多くありません。一部、外国語大学や外国語学部ではリスニングがあります。
受験科目にリスニングが含まれるかどうかは『河合塾の大学入試情報サイトKei-Netk』で検索できます。
英語外部検定試験
外部試験を利用した入試形式があります。それには4つのパターンがあります。
- 出願資格
- 得点換算
- 加点
- 判定優遇
詳細は『旺文社パスナビ』で調べることができます。
次の3つの外部試験を利用するケースが多いです。
いずれも英語4技能を測定する試験なのでリスニング問題が含まれます。
リスニングを伸ばすのに必要な”3つの力”
「リスニングは勉強しても伸びない」と誤解するのは、リスニングに必要な力を理解しないままで勉強しているのが原因です。
ただ英語を聞くだけではリスニングは伸びないのです。
【リスニングに必要な”3つの力”】 ①英語の語順のまま理解する力 ②英語のスピードについていく力 ③英語を正確に発音する力
英語の語順のまま英語を理解する力
英語が苦手な人は日本語に訳して理解しようとします。リスニングは英語の語順のまま理解できないとついていけなくなります。
例えば
The boy singing a song under the tree is my brother.
という英文を聞けば
「少年は / 歌を歌っている / 木の下で / 私の弟です」
と理解するのが正解です。
「木の下で歌を歌っている少年は私の弟です」
と日本語に訳そうとすると、話される語順と日本語訳の語順が違うので、英語についていけなくなります。すると英語は聞き取れません。
なお、当然ではありますが、英単語がわからなければ、日本語に訳すことすら難しくなってしまいます。
入試の範囲、あるいは定期テストの範囲の英単語暗記を完璧にしておくことは大前提です。
英単語の暗記が苦手な場合の勉強法は、次の記事で詳しく解説しています。
英語のスピードについていく力
共通テストでは1分間に読まれる145-165語のスピードで英語が読まれる
英語が話される速さについていけないとリスニングはできません。
1分間に読まれる単語数をWords Par Minutes (wpm)と言います。
共通テストでは145-165wpmで英語が読まれます。理論上は、145-165wpmのスピードで理解できないと英語についていけいことになります。
ちなみにネイティブスピーカー(英語を母国語とする人)は160-200wpmで話すと言われています。
共通テストではナチュラルスピードよりも遅いスピードで英語が読まれています。
英語の速さについていくにはチャンクを理解する
英語を速く理解するには次の3つが大事です。
- 単語の意味がすぐにわかる
- 英語の語順のまま意味をとる
- 意味のかたまり(=チャンク)を広げて理解できる
1.2は明白ですが、3がわかりにくいので、もう少し説明します。
The boy singing a song under the tree is my brother.
例えば、上の英文だと
読むのが遅い(=英語が苦手な人)は
the boy 「少年」→ singing「歌う」→ a song「歌」→ under「下で」→ the tree「木」・・・
のように少ない語数でしか意味がとれません。これだと理解するスピードは上がりませんし、そもそも意味を取り違えてしまいます。
一方、読むのが速い(=英語が得意な人)は
the boy singing a song under the tree「木の下で歌っている少年は」→ is my brother「私の弟です」
のように大きなチャンクで理解できるので英語のスピードについていけるのです。
英語を正確に発音する力
リスニングが難しいのはスペルと読み方が一致していないのが一因です。
つまり、英語は正しく発音できないと聞き取れるようにはなりません。
主に次の2つのパターンで英語は音が変化します。
- リンキング(音のつながり)
- リダクション(音の脱落)
例えば、
like it →「ライキット」(「ライク イット」とは読まれない)
talk about →「トーカバウト」(「トーク アバウト」とは読まれない)
のように音がリンキング(繋がる)します。
また、
next door →「ネクスドォア」(「ネクスト ドア」とは読まれない)
のように音がリダクション(脱落)します。
英文を見ながら音声を聞いて、発音を真似するのが、音の変化に慣れる方法です。
共通テストの問題を使ってリスニング勉強方法を解説
実際の共通テストリスニングでレベルを実感する
共通テストで読まれる英文(スクリプト)で解説します。
『2023年受験用 大学入学共通テスト英語リスニング Trial 30』(旺文社)から一部引用しています。
When inaccurate or “fake” news is published online, it is easily shared on social media. People believe the news they read online, even when it is not true. It is important for all of us that websites and social media organizations take responsibility for the news we all read.
そんなに簡単な英文ではないですよね。この英文をただ聞いているだけではリスニングは伸びません。
この英文を”3つの力”を鍛えて、
- 英語の語順のまま理解
- 1分間で145-165語のペースで理解
- 正しく発音して理解
できなければ、聞き取れないのです。
リスニングに必要な”3つの力”を伸ばす音読トレーニング
”3つの力”を高めて、リスニングを伸ばすには音読が効果的です。
【リスニングを伸ばす音読トレーニング】
1. 意味を想起しながら音読
音読しながら意味を想起します。こうすることで英語の語順のまま意味が取れるようになります。
この音読は読解力を高める効果もあるので、授業や自学で読んだ英文は必ず音読するようにしましょう。
意味を取らずにただ音読(=空読み)では英語の語順で意味を取る練習になっていないのでNGです。
2. オーバーラッピング
次は音声を聞きながら、音声に合わせて(オーバラッピング)音読しながら意味をとります。
発音を完全にコピーするつもりで英語の真似をするのがポイントです。こうすることで正しく発音できるようになります。
3. シャドーイング
次は英文を見ずに音声を聞いて、音声を後追い(シャドーイング)しながら音読し意味をとります。
英文を見ずに、英語を聞き取って正しく発音をしなければいけません。こうすることで英語を聞き取れるようになります。
リスニングの点数が必ず伸びる正しい勉強手順
音読トレーニングで英語が聞き取れるようになります。さらに、正しい手順で勉強することでリスニングテストの点数UPに繋げましょう。
【手順①】英文読解 【手順②】音読トレーニング 【手順③】過去問対策
【手順①】英文読解
当然ですが、リスニングは英語を読めなければできません。音読して意味をとるには、そもそも英語を読んで理解できるのが前提です。
基礎を固めて、英文読解力を身につけてから、リスニング対策をするのがセオリーです。
英語が苦手な人が、英文読解力をつける勉強法はこちらの記事で詳しく解説しています。
【手順②】音読トレーニング
英文読解力がある程度ついたら、音読トレーニングをしましょう。授業や自学で読んだ英文は必ず音読をします。
ほとんどの教材でCDやQRコードで英語の音声が活用できるはずです。上手に発音できない箇所は何回もリピートしましょう。
英単語を覚える時も正しい発音で覚えないとNGです。
いずれも読解メインの参考書ですが、音読について詳しく解説されており、音読トレーニングには最適な良書です。
特に『アクティブ・リーディング』では、オーバーラッピング・シャドーイング以外の音読トレーニングの解説も充実しています。
『ハイパートレーニング』はレベル1〜3まであります。量をこなしたい人にはおすすめです。何事も基礎固めが大事なので、レベル1から始めて欲しいのですが、自分に合ったレベルまで進めましょう。
【手順③】過去問演習
音読である程度英語が聞き取れるようになったら、過去問演習に進みましょう。
英会話テキスト、洋画、CNNなど海外ニュースの活用を勧める記事を見かけます。
楽しみがら英語を学べるというという点では良いのですが、大学受験を目指すのであれば非効率な印象が拭えません。
限られた時間では、過去問対策が最も得点力に直結します。共通テストや外部資格試験ならその過去問や対策本を利用しましょう。
問題傾向に慣れると解答のコツが掴めます。シンプルに数をこなすのが大事。
また、解いて終わりではなく、スクリプト(読まれている英文)を使って音読トレーニングをしましょう。
リスニングに限らず成績の伸び悩みの原因は間違った勉強方法かもしれません
リスニングは正しい手順で勉強すれば必ず点数が伸びます。しかし、時間がかかる割には、配点がそれほど大きくないのも事実です。
志望校合格を目指すのであれば、他教科を含めてトータルで成績UPを目指しましょう。
リスニングに限らず、どの教科でも正しい方法で勉強しないと、せっかくの努力が報われません。
もしもお子さんが成績が伸びすに悩んでいるのであれば、勉強方法から見直すのも一つです。
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投稿者プロフィール
- 中高一貫校指導歴30年のベテラン教師です。勉強が得意な生徒から苦手な生徒までたくさんの生徒を指導してきました。念願叶っての中高一貫校だと思います。充実した6年間を過ごして欲しいものです。ベテランならではの視点で悩みに寄り添ったアドバイスを心がけます。ちなみに2人の子供も中高一貫校に通っています。保護者としての目線も大事にします。
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