【大学受験】英文法の勉強法 完全ガイド|英文法20日攻略法&おすすめ教材を紹介
大学受験に備えて英文法を万全にするには、中学英語を確実に理解した上で、1冊のテキストまたは問題集を周回し、他人に説明できるレベルまで完璧にします。
学校の授業に関係なく、英単語を覚え、文法の全体像を掴んでしまうことで、英文が格段に読めるようになり、世界が変わります。
おすすめ教材、および理解→演習→実践の3ステップと、20日で英文法を攻略する方法を、中高一貫校で英語教師歴約30年のライターが解説します。
このページの目次
なぜ英文法が必要なのか?
シンプルに言うと、英語は「英単語」が「英文法」のルールに従って並んで意味のある英文になります。英文法がわからないと、仮に単語を知っていても正確な意味はとれません。
一つ例を挙げてみます。
①A boy is running with a dog.
②The boy running with a dog is Ken.
①では is running は動詞になっていて、「少年が犬と一緒に走っています」の意味です。
②では running は形容詞になっていて、「犬と一緒に走っている少年はケンです」の意味です。
一見すると似たような構造ですが、①は現在進行形で今まさにしている動作を表していますが、②は現在分詞で名詞(ここでは the boy)を修飾する働きをしています。
このように意味の違いを正確に理解するには英文法の知識が必要です。
英文法に並んで大事な英単語を覚えられないのは、忘れてしまうのが原因です。忘れにくい英単語勉強法はこちらの記事で詳しく解説しています。
英文法の勉強を始める前に理解すべきポイント
英文法は、英単語と並んで、英語学習の根幹です。
英語が苦手な人は、英文法の全範囲の学習が終わらず、中途半端になりがちです。これではなかなか成績が上がりません。
なぜなら、全範囲を勉強しないと、知識の漏れ・抜け落ちができてしまい、英文を読めるようにならないからです。
お子さんが英語に苦手意識を持っている場合は、英文法の勉強からはじめてみましょう。勉強方法はこの記事を参考にしてアドバイスしてあげてください。
中学英語はきちんと理解できているか?
英文法の学習に入る前に、中学英語をきちんと理解していないなら、まずは中学英語の復習からはじめましょう。
私の経験上、英語が苦手な高校生のほとんどは、本人はあまり自覚していませんが、中学英語からわかっていません。
英語は積み上げ教科です。中学英語というしっかりとした土台がなければ、高校英語は身につきません。
中学英語と高校英語の違いは、こちらの記事で解説しています。
中学英語の復習から始めたい人は、次の問題集に取り組んでみてください。
- 『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』(Gekken)
- 『Z会中学英文法Fine』(Z-KAI)
一冊のテキストを完璧に仕上げる
英文法の学習は、一冊のテキストに絞って、その一冊を完璧に仕上げましょう。大学受験用のテキストなら、一冊に、必要な情報の全てが網羅されています。
学校の授業では、文法全項目を学ぶのに、相当の時間がかかります。また、自学をしても、テキストを途中で投げ出して、中途半端になってしまいがちです。
英語に苦手意識がある人は、文法の全体像をつかめていません。全範囲を一通り学ぶことを意識してください。
解説重視のテキスト(以下、解説系)と、問題演習重視のテキスト(以下、演習系)の2タイプに分けて紹介します。それぞれの学習方法は後述します。
解説系(解説重視)テキスト
- 『大岩のいちばんはじめの英文法』(東進ブックス)
演習系(問題演習重視)テキスト
- 『英文法・語法 Vintage』(いいずな書店)
- 『大学入試 全レベル問題集 英文法』レベル1〜3(旺文社)
【実践】英文法学習3ステップ(理解→演習→実戦)
【ステップ1】英文法を理解する
はじめに、解説系テキストを使って、英文法の全体像を理解します。すべての文法項目を理解しないと、英文を読めるようにならないからです。
例えば、不定詞を理解したとしても、英文は不定詞以外の文法も含まれています。不定詞だけでは英文は読めるようにはなりません。
文法項目を全て理解してようやく、英文が読めるようになるのです。
このように、文法の全項目を理解して、ようやく英文を読めるようになるので、成果が実感できるまでに、ある程度時間がかかってしまいます。
これが英文法を途中で投げ出してしまう原因の一つです。
毎日10ページずつのように丁寧に進むのは、一見良さそうですが、これでは全体像を掴むのに時間がかかりすぎてしまいます。
細部から積み上げていくよりも、全体像を掴んでから、細部を詰めていくようにするのが、英文法の学習のポイントです。
例えば、週末の2日間で一気にテキストを1周します。
「2日間で?無理…」と感じるかもしれませんが、英語の視界が一気に開ける可能性を考えると、チャレンジする価値があると思いませんか?
【ステップ2】英文法を演習する
次に、網羅系テキストを使って、演習をします。
ステップ1で英文法が理解できているかは、実際に演習で確認していきます。
演習なしで、「勉強したつもり」で終わるのはNGです。必ず演習で確認するのがセオリーです。
演習も、できるだけ早いペースで進めて、繰り返しを大事にしましょう。
1周目30%→2周目50%→3周目70%→4周目80%…のように繰り返しながら完璧を目指します。
完璧とは、基準は「他人に説明できる」レベルです。他人に説明するには、正確の丸暗記ではなく、深い理解が必要になります。
実際に
- 頭の中で説明するつもりでやってみる
- ノートに説明するように書き出してみる
- 実際に友達に解説する
などしてみるといいです。
丸暗記では役に立ちません。テキストの解説では理解できない場合は、解説系テキストを調べる、先生に質問する、など対策をしてください。
【ステップ3】英文法を実戦する
最後に、英文法の知識を使って、実戦をします。実戦では、実際に英文を読んだり書いたりします。
文法学習のゴールは、文法問題が解けるかどうかではありません。
実際に英文を読めるようになったか? 書けるようになったか? が英文法の勉強のゴールです。
英語を読む(英文解釈)と、英語を書く(英作文)に分けて解説します。
英語を読む(英文解釈)
英文法の知識を使って、一文一文の英文を読む勉強を、英文解釈といいます。
英文解釈ができるれば、長文問題が解けるようになります。
テキストを進める上で、ただ訳が合えばいいというわけではなく、しっかりと文法構造を理解できるように解説を読み込んでくさい。
ここでも「他人に説明できる」を基準に、深い理解を心がけましょう。
英文解釈のテキスト
『肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編』(KADOKAWA)
『入門英文解釈の技術70』(桐原書店)
英語を書く(英作文)
英文法の知識を使って、正しい英文を書く勉強をします。文法が、単なる知識から、使える知識になります。
「音読筆写」と「リード&ルックアップ」という2つの勉強方法を紹介します。
いずれも聞き慣れないかもしれませんが、英語学習者の間では、メジャーな勉強法です。
◇音読筆写
やり方はシンプルで、「英語を音読しながら、ノートに英語を書く」だけです。
脳の働きが活性化して、英語が頭に残りやすくなります。
簡単な勉強法なので、自然と繰り返すことができるのも、語学習得には効果的です。
◇リード&ルックアップ
英文を音読して、訳を頭の中で思い浮かべます。そして、英文を見ずに、頭の中の訳を、英語に直して言います(またはノートに書くでもOK)。
英語→日本語→英語の変換を、頭の中で瞬時に繰り返すことになるのですが、これが語学学習には非常に効果的です。
「音読筆写」と「リード&ルックアップ」の練習方法
(英文)It is impossible to read this book in a day.
(和訳)この本を1日で読むのは不可能です。
この英文を実際に「音読筆写」と「リード&ルックアップ」をしてみます。
◇音読筆写 (手順) (注意点)
◇リード&ルックアップ (手順)
いずれもシンプルな勉強法です。
英語の習得には「実技」の要素があり、文法を理屈で学ぶだけでなく、自然と自分の中に落とし込むような地道な練習が必要になってきます。
スポーツや音楽も学ぶだけでなく、実際に練習しないと上達しないのと同じ理屈です。
【まとめ】英文法学習3ステップを20日で攻略する方法
英文法学習の3ステップを実践する、最短スケジュールを紹介します。
最大のポイントは、全体像を理解することです。最初から完璧を目指す必要はありません。
とにかく1冊のテキストを1周終わらせて、繰り返して仕上げるイメージを持って、勉強に取り組みましょう。
- 解説系テキスト『大岩のいちばんはじめの英文法』
- 網羅系テキス『英文法・語法 Vintage』
を使用したケースを想定しています。
①1〜2日目:『大岩のいちばんはじめの英文法』の1周目 土日などのしっかり時間を取れるタイミングで一気に全体像を理解する ②3〜10日目:『英文法・語法 Vintage』の1周目 『英文法・語法 Vintage』はField 1(文法)を仕上げる。Field 1は第1章時制〜第16章仮定法で、問題数は525問。1日2章のペースで十分に8日間で1周できます。 ③11〜14日目:『英文法・語法 Vintage』の2周目 1日4章のペースで4日間で2周目の復習 ④15〜18日目:『英文法・語法 Vintage』の3周目 1日4章のペースで4日間で3周目の復習 ⑤19〜20日:調整日 理解が不十分、進度が遅れた分の調整
このスケジュールであれば、20日で英文法の全体像が掴めます。
その後は、実戦として、英文解釈や英作文に進みます。
並行して『英文法・語法 Vintage』のField 2(語法)を進めるのも良い考えです。
勉強する中で理解が不十分だと感じれば、適宜復習に戻ればOKです。
ここで紹介した方法なら、中途半端にならずに、一通り英文法が理解できます。
後は繰り返す中で完璧を目指してください。必ず英語力がUPします!
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英文法に限らず、どんな勉強でも正しい方法でしないと、成績は上がりません。
もしもお子さんの成績が伸び悩んでいるのであれば、勉強方法を見直すのも有効な解決策です。
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投稿者プロフィール
- 中高一貫校指導歴30年のベテラン教師です。勉強が得意な生徒から苦手な生徒までたくさんの生徒を指導してきました。念願叶っての中高一貫校だと思います。充実した6年間を過ごして欲しいものです。ベテランならではの視点で悩みに寄り添ったアドバイスを心がけます。ちなみに2人の子供も中高一貫校に通っています。保護者としての目線も大事にします。
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