【中高一貫校】中学3年の過ごし方|高校受験の代わりに何を勉強すべき?
先取りカリキュラムの中高一貫校では、中学3年から高校範囲の学習が始まります。高校進級を控えて大学受験も気になるタイミングです。
大切な時期にもかかわらず、勉強が本格化しない我が子を見ると心配になりますよね。
中高一貫校教師歴30年のベテランライターが、中学3年生のための先取り学習に対応して、大学受験の準備になる勉強を解説します。
さらに、目標設定や情報収集の仕方など、まだまだモチベーションの上がらないこの時期を有意義に過ごすためのコツも紹介します。
このページの目次
中高一貫校の中学3年生の位置付けは?高校進級に向けて大切な準備期間
先取りカリキュラムの中高一貫校では英数中心に高校内容の学習が始まる
多くの中高一貫校では先取りカリキュラムを採用しており、教科によっては中学3年から高校内容の学習が始まります。
勉強が一気にレベルアップするのが中学3年です。授業にしっかりついていかなければいけません。
先取り学習の詳細はこちらの記事で紹介しています。
高校受験がないので「中だるみ」してしまう人も…
高校受験がないので、勉強せざるを得ない状況に追い込まれないのも中高一貫校ならではです。
「中だるみ」する中高一貫校生は少なくありません。
さらに、思春期真っ只中。「勉強しなさい」と口にすれば、子供が反発し、険悪な雰囲気になるものです。
読者の皆さんもこのような経験はあるかもしれませんね。
中だるみしている中高一貫校生の接し方はこちらの記事で紹介しています。
高校進級後の高校1年での変化は?大学受験のスタートを切る大事なタイミング
定期考査の科目数が2倍に増える
高校からは、数学が数学Iと数学Aに分かれるように科目が細分化されます。
それに伴って、定期考査の科目数が増えます。
学校によって多少の違いはありますが、中学の5教科から高校では7教科11科目にテストが増えることも。
高校1年テスト科目例:教科名(科目名) 合計:7教科(11科目)
進級や進学に向けて評定が大事になる
欠点(赤点)を1科目でも取ると留年になる
高校は義務教育ではないので、成績が悪いと留年があります。
それぞれの科目の評点(=定期テストや授業態度などを加味した得点)が基準点(学校によって違うが、30点が目安)を下回ると欠点です。
1科目でも欠点があると進級ができずに留年になります。
3年間の評点の平均値が推薦入試の基準になる
推薦入試では3年間の評定の平均値が基準になります。
実際に、受験に向けての意識がまだ高くない高1の評点が足を引っ張る例があります。高1から気を抜けません。
実に2022年入試では50.3%の人が推薦入試で大学に進学。2人に1人が推薦で進学していることになります。
大学受験の準備が本格化する
文系に進むか理系に進むかを決める
高2から文系と理系に分かれます。高1の2学期を目処に文理を決定します。
大学受験勉強を開始する
難関大学を目指すのであれば、高1からの受験勉強開始は必須。
遅くとも高2の夏休みには志望校のオープンキャンパスに参加して受験勉強を開始しなければ間に合いません。
多くの人が高1から受験勉強を始めています。
中高一貫校の中3生は先取りカリキュラムに対応して、大学受験の準備になる勉強を始める
高校受験がないからと言って、気を抜いてばかりはいられません。中高一貫教育だからこそ必要な勉強があります。
お子さんが何を勉強したらいいのか迷っているようなら、上手にアドバイスをしてあげましょう。
先取りカリキュラムに対応するために数学と英語が最重要
積み上げ教科で立て直しが困難
数学と英語の勉強が何よりも大事。極端に言えば、英語と数学をきちんと対応していれば、他は後からでもどうにかなります。
数英が大事な理由は2つ。
- ほとんどの中高一貫校で英数は中3から高校内容を学習する
- 積み上げ教科なので、一度わからなくなるとそこから先がわからなくなる
予習・復習・宿題の家庭学習が前提でどんどん先に進み、その上、難易度も一気に上がります。
一度、わからなくなってしまうと、一気に置いていかれるので、立て直しは非常に困難です。
成績上位層は学校の先取りカリキュラムの更に先取り学習
成績上位層の中には学校のカリキュラムの更に先取り学習をしている人もいます。高校に進級した頃には、数学IIBまで終わらせる人がいるくらいです。
鉄緑会・SEG・平岡塾など有名難関塾や東進など大手映像系塾で先取り学習を進めるケースが多いです。映像授業は自分のペースで進められるので先取り学習の強い味方です。
ただし、焦りは禁物。まずは学校のペースにしっかりついていくのが何よりも大事なのは忘れてはいけません。
定期テストで平均点を下回るようだと要注意
先取りカリキュラムは予習、復習、宿題の家庭学習が前提となっています。学習習慣が確立できていない人は要注意。
油断しているとすぐに授業についていけなくなります。
勉強の理解度は定期テストに反映されます。定期テストで平均点を下回るようだと早急に対策が必要です。
苦手科目の克服
高校からは苦手科目があると苦労します。
例えば、苦手科目で欠点を取り進級できなくなったり、苦手科目の評定が推薦資格の足を引っ張るケースです。
特に数学か英語が苦手なら早急にテコ入れしてください。また、理系志望で理科が苦手な人も対策が必要です。
読解力や表現力UP
共通テストは、「思考力・判断力・表現力」重視の方針を打ち出しています。
それに伴い、各教科で設問自体が長文化するなど、読解力が必要な問題が増えています。
推薦入試や国公立後期試験では小論文が課されます。小論文では表現力が大事です。
読解力や表現力はすぐには身につきません。早い段階から、国語をしっかり学習して読解力や表現力を養いましょう。国語力は他教科の基幹になります。
時間的にゆとりのある時期だからこそ、ジャンル問わず読書をするのも良いでしょう。
高校への準備段階の中3を有意義に過ごすために親ができるサポートは?
学習習慣の確立:高校からの科目数増に対応するには家庭学習が必須
中高一貫校の先取りカリキュラムは家庭学習が前提で進みます。
高校からは科目数が増えて、学習習慣がないと勉強についていけなくなる可能性が高まります。
大学受験のピーク時には1日10時間以上も勉強することになります。今のうちから学習習慣を確立しましょう。
少なくとも英語・数学は毎日勉強したいところです。
おすすめなのが3点固定です。
起床時間・勉強開始時間・就寝時間を固定すると日々のスケジュールがルーティン化できて、学習習慣を確立しやすくなります。
お子さんが3点固定できるように家族のスケジュールもできる範囲で調整すると良いです。
目標設定:先取り学習の中高一貫校生には定期テスト毎の目標設定がベスト
中学生だと大学受験はまだまだ先に感じます。
お子さんが目標を持てずにモチベーションが上がらないようなら、身近な目標設定を促してみましょう。
まずは定期テスト。定期テストをペースメーカーにして、勉強を組み立てるのは基本です。ただ受けるのではなく、目標の順位を決めて、その目標達成に向けて勉強します。
目標設定→実行→改善のプロセスは大学受験でも役立つはずです。
中高一貫校生向け模試を目標にすることもできます。
高校受験がないので、自分の実力を客観視できない可能性があります。
中学受験時の偏差値だけで「自分はできる」と自信過剰になったり、「自分は勉強に向いていない」と諦めてしまうのはよくありません。
中高からの勉強は何もしなくてもできるほど甘くはないし、逆に、正しい方法できちんと勉強すれば、成績は上がります。
次のいずれかの模試を多くの学校では受験しています。
高校の学習内容を勉強しているので、高校1年生用の模試を受けたり、英検・数検・漢検などの外部検定試験を目標に勉強するのもいいです。
情報収集:情報収集が大学受験の最初のステップ
高校生から受験勉強をスムーズにスタートを切るためにも、大学の情報収集を始めましょう。
親世代とは受験方法やレベルも変化しています。入試制度が多様化して、2人に1人は推薦で入学する時代です。
高校の大学推薦枠(系列校・協定校・指定校)は把握しましょう。一般入試だと、合格実績から定期テストで目指すべき学内順位をイメージしておくと良いです。
少なくとも親は情報収集を始めてください。情報に精通しておくのが、慌てずに受験を迎える最初のステップです。
通塾:モチベーションが上がらないなら環境を整えるのも効果的
なかなか勉強時間が増えないのなら、学習塾の活用を視野に入れるのも一つです。
「中高一貫校なら塾は不要なのでは?」と思うかもしれませんが、現実はそんなことはありません。私の勤務校でも大学受験が近づく頃には、ほぼ全員が通塾しています。
塾は一度入ると転塾するのはレアケースです。だからこそ、レベルや目的に合った塾を選んでください。
上位層は集団塾や映像塾で先取り学習をする人が多いですが、学校の勉強がままならない状態なら、学校の授業をサポートするタイプの個別指導塾がおすすめです。
中高一貫校生の92.9%が成績UP!指導時間内で全て完結するから家庭学習が苦手な人にも安心
学習が高校範囲に入り一気にレベルアップするのに、まだまだモチベーションの上がりにくいこの時期。お子さんのスイッチが入らずに、勉強についていけなくなることが少なくありません。
勉強に口出ししても反発されてしまいます。そんな悩みを感じているようでしたら、「中高一貫校専門 個別指導塾WAYS」を検討してみてはいかがでしょうか?
WAYSの強みは中高一貫校カリキュラムに完全対応した指導
WAYSの強みは中高一貫校カリキュラムに完全対応して、定期テストの点数を引き上げて、学力UPを実現することです。
中高一貫校はそれぞれ独自のノウハウで学習指導をしています。それが一般的な集団塾や個別指導塾では対策が困難になる原因です。
WAYSは全国500校以上の中高一貫校の指導実績があり、データをシステムで一元管理。それぞれの定期テストの出題傾向から難易度まで把握しています。
教科書や問題集から、オリジナルプリントまで学校の教材の指導が可能なので、お子さんの学校に完全対応します。
お子さんの負担は増やすことなく、学習時間を増やし成績UPに導くことができます。
120分の長時間指導だから家庭学習が苦手な生徒も学習時間が伸びる
一般的な個別指導塾では90分程度の指導時間です。中高一貫校の膨大な演習量をカバーできないので、宿題に委ねられます。これだと、家庭学習が苦手なお子さんなら、結局は消化不良になります。
WAYSでは120分の指導時間を生かして、演習量を確保します。定期テストまでに、学習範囲を3周。学習範囲は宿題、課題、指定問題集まで及びます。全てが指導時間内で完結します。
家庭学習が苦手なお子さんでも学習範囲をしっかりカバーできるので、成績UPにつながります。
勉強不足で成績が低迷していた、中高一貫校中学3年生のWAYSでの成績UPの実例を紹介
攻玉社中3:英語37点→70点・数学(図形)20点→70点に大幅UP
中学3年生の12月に入塾して、4ヶ月後には英数の成績が大幅にUPした生徒の事例です。
成績低迷の理由は勉強不足なのは明らかでした。学習習慣を身につけないまま中3になったのが主因です。
WAYSでは勉強量を確保することから始め、休日には1日6時間の勉強をすることもありました。
勉強量を増やしていった結果、一人で長時間勉強もできるようになり、本来のこの生徒のポテンシャルを発揮して成績UPに繋げました。
中高一貫校生の成績低迷のほとんどは勉強不足、つまり学習習慣がないためであり、そこを改善すれば本来のポテンシャルを発揮して成績が上がる好例です。
多摩大学目黒中3:数学10点台→数学α65点・数学β64点に大幅UP
多摩大学目黒では中3から高校数学の範囲に入ります。対応できずに成績が低迷していた生徒の事例です。
授業の理解が不十分なのは明らかだったのですが、演習量を増やすことで内容の理解に努めました。
具体的には基礎問題を正確に解答すること。繰り返し解くことで理解を固めていきました。
アウトプット中心の指導を積み重ねた結果、入塾から4ヶ月で上記の点数に成績UPしました。
演習量を増やすことで基礎力を定着し、自学力を育成して成績UPにつなげた好例です。
中高一貫校の中3生が勉強せずに悩んでいるなら、WAYS無料Webパンフレットを気軽にダウンロードを!
中高一貫校の中3生がなかなか勉強に身が入らずに悩んでいるなら、是非、WAYSに相談してください。
演習量を増やし、自学力を育めば、自ずと自分で勉強ができるようになります。自分で勉強さえすれば、本来のポテンシャルを発揮して、成績は向上するはずです。
WAYSの成績が上がる勉強方法にもっと知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
投稿者プロフィール
- 中高一貫校指導歴30年のベテラン教師です。勉強が得意な生徒から苦手な生徒までたくさんの生徒を指導してきました。念願叶っての中高一貫校だと思います。充実した6年間を過ごして欲しいものです。ベテランならではの視点で悩みに寄り添ったアドバイスを心がけます。ちなみに2人の子供も中高一貫校に通っています。保護者としての目線も大事にします。
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