高校数学が苦手で全くわからない!原因を解明し克服方法を伝授

悩む先生と生徒

「中学生のときは数学が得意だったのに、高校になると成績が下がった」
「もともと得意ではなかったものの、数学がさらにわからなくなった」

高校生の中には、上記のような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
実際、高校数学に苦手意識を持っている生徒は多い傾向にあります。

本記事では、高校数学が苦手になる理由や克服方法、おすすめの参考書などを紹介します。
高校数学を得意科目にすれば、大学受験を有利に進められるので、ぜひ参考にしてみてください。

高校数学が苦手な生徒は多い

国立教育政策研究所の調査によると、高校3年生の文理選択の割合は以下の通りです。

文系:68%
理系:32%

上記の数値だけで判断した場合「文系科目を勉強したい」高校生が多いだけかもしれません。そこで、文系・理系それぞれを選択した理由をみてみましょう。

文系・理系を選択した理由を記載した表

出典:Studyplusトレンド研究所

理系を選択した理由の上位が「理系で学べる内容に興味があるから」「理系科目が好きだったから」といったポジティブな意見です。

一方、文系を選択した理由は「理系科目が苦手だったから」が最も多く「理系科目が嫌いだったから」というネガティブな意見もみられます。

理系科目とは数学と理科です。中でも理系の主要科目である数学は苦手な高校生が多いのです。

高校数学が苦手になる原因

REAZON

では、なぜ高校数学が苦手になってしまうのでしょうか?
主な原因は以下の4つです。

    • 「量が中学数学の約3倍」と多い
    • 内容が直感的にイメージしづらい
    • 一度つまずいたら挽回しづらい
    • 独特の言い回しが増える

順番に解説します。

「量が中学数学の約3倍」と多い

高校数学で学習する量は中学数学の約3倍です。
中学生の場合、扱う教科書は1年に1冊で計3冊でした。
一方、高校生の場合、数学Ⅰ・A、Ⅱ・Bに加えて、Ⅲ・Cの6冊もあります。さらに、教科書の厚みも増します。

学習量が増えるため、授業のスピードも速くなり、対応できずに苦手になっていくのです。

内容が直感的にイメージしづらい

内容を直感的にイメージしづらいのも数学が苦手になる原因に挙げられます。
例えば、以下は数学Ⅰで習う余弦定理の公式です。

a2 = b2 + c2 − 2bc cos α
b2 = c2 + a2 − 2ca cos β
c2 = a2 + b2 − 2ab cos γ

「時速×時間=距離」のように、頭でイメージできるような公式ではないため、何を表しているのかわかりにくいでしょう。

中学数学と比べて、複雑でイメージしづらい公式が頻出するので、理解できずに「数学が全くわからない」状態に陥ってしまうのです。

一度つまずいたら挽回しづらい

数学は積み上げ科目なので、一度つまづいたら挽回しづらいのも苦手になる要因です。
例えば、世界史の場合「オリエント文明」の知識が全くなかったとしても「ギリシア文明」を理解できるでしょう。化学の場合「電気分解」を知らなかったとしても「モル濃度」は勉強できます。

一方、数学の場合、文字式がわからなければ、関数を理解することも、微分・積分を理解することもできません。
学習した内容をもとに、次のステップに進むため、前提知識が欠けていると新しい単元を理解できないのです。

独特の言い回しが増える

独特の言い回しが増えるのも高校数学が苦手になる原因の1つです。
具体的には、以下のような独特の言い回しが出てきます。

・一意的
・与える
・従う
・特徴づける

「よって」や「ゆえに」といった用語は理解しやすいですが、上記のような日常生活での使い方と異なる場合、混乱してしまうのです。

高校数学の苦手を克服する方法

ガッツポーズしている女子生徒

高校数学の苦手を克服する方法は以下の通りです。

  • 中学数学を復習する
  • 教科書ガイドを活用する
  • 繰り返し解いてパターンを暗記する
  • 塾に通う

それぞれ解説します。

中学数学を復習する

高校数学が全くわからないという方は、中学数学の復習から始めてみるとよいでしょう。
高校数学は中学数学の延長線上にあるため、中学で習う内容が理解できていないと高校の内容も定着しないからです。
一からすべてを復習する必要はないので、高校で勉強している単元とつながりのある中学数学を重点的に復習しましょう。
例えば「三角関数やベクトルを勉強するのであれば、中学数学の三平方の定理を復習する」などが効果的です。

教科書ガイドを活用する

「授業を受けていてもよくわからない」という方は教科書ガイドを活用するとよいでしょう。
高校数学の教科書には、それぞれ教科書ガイドが販売されており、書店やネット通販などで簡単に手に入れられます。
教科書ガイドには、教科書に掲載されている問題の解答・解説が書かれているので、予習にも使えます。

繰り返し解いてパターンを暗記する

英語で単語の意味を覚えたり、日本史で用語を覚えたりするのと同じように、数学でも解法パターンを暗記しましょう。
実際に、パターンを知っていれば、解ける問題も多く、テストで出題される問題のほとんどは教科書や問題集の類題です。
自力で正解できるようになるまで繰り返し問題演習を行い、基礎を固めましょう。

ポイントは「わからなかったけど、解答をみれば理解できる」状態のまま、次に進まないことです。
「理解できること」と「実際に解答を導き出せること」は全くの別ものなので注意しましょう。

塾に通う

自力で克服するのが難しいと感じたら、塾に通ってプロに教えてもらうのも有効な手段です。
指導経験が豊富な塾講師は、生徒が何を理解できていないのかを把握した上で指導します。
よくありがちな「何がわからないかわからない」状態から抜け出せるサポートをしてくれるのが大きなメリットです。

塾には、個別指導塾や集団指導塾、オンライン指導塾など、様々な種類がありますが、苦手科目を重点的に勉強するのであれば、個別指導塾が適しているでしょう。

高校数学の苦手を克服するメリット

付箋と問題集

苦手だと感じる生徒が多い高校数学ですが、克服できれば以下のようなメリットを得られるのが魅力です。

  • 文系の場合、受験で差をつけられる
  • 就職で差をつけられる
  • 論理的思考力が身につく
  • 一度つまずいたら挽回しづらい

順番に解説します。

文系の場合、受験で差をつけられる

数学が苦手なことを理由に文系を選択している高校生が多いので、得点源にできればライバルに差をつけられます。
国公立大学を受験する際も、私立大学を受験する際も有利に働きますが、特に私立では優位性が高いのが特徴です。具体例として、早稲田大学商学部の倍率を紹介します。

早稲田大学商学部 一般選抜試験

試験科目 2022年度 2023年度
地歴・公民型 国語、外国語、地歴または公民 11.0倍 9.7倍
数学型 国語、外国語、数学 6.2倍 5.2倍

地歴・公民型の場合、倍率は10~11倍ですが、数学型の場合、5~6倍程度です。
ライバルが少ない領域で勝負できるので、合格率アップにつなげやすくなります。

就職で差をつけられる

日本企業における理系人材の需要が高まっているため、就職でも優位性を発揮できます。
膨大な量の情報を収集できるようになった現代社会では「データをいかに有効活用できるか」が重要です。そこで求められるのが数学力です。
実際に、データの専門家であるデータアナリストやデータサイエンティストの需要は高く、将来性のある職種として人気を集めています。

また、2021年度の大学入試で早稲田大学 政治経済学部が数学を必須化しています。理由は「大学入学後に数学の勉強が必要」だからです。
このように、数学の重要性が再認識されている現代では、得意であることのメリットは大きいでしょう。

論理的思考力が身につく

数学の問題を解くことで論理的思考力が身につきます。論理的思考力とは、物事を整理して、筋道を立てて考える力のことです。
数学を勉強する過程で、習得した知識を組み合わせて、手順に沿って答えを導き出すという訓練を行えます。

「複雑な公式を勉強しても、社会に出て使う機会がない」と思っている方もいるかもしれませんが、ビジネスの現場では、正解がわからないものに対して、仮説を立てて検証を行います。その際に論理的思考力は必須なのです。

高校数学が苦手な人におすすめの参考書

参考書

高校数学が苦手な人におすすめの参考書を3冊紹介します。

  • やさしい高校数学
  • 数学 入門問題精講
  • 初めから始める数学

やさしい高校数学

「やさしい高校数学」は、数学の基礎的な問題がわかりやすく解説されている参考書です。シリーズとして、数Ⅰ・A、数Ⅱ・B、数Ⅲの3冊が出版されています。
先生と生徒の会話形式で構成されているため、数学に苦手意識のある方でも読みやすいのが特徴です。

中学数学の内容に加えて、定期テストや共通テストで出題されやすい基礎的な問題が収録されています。
他の参考書を買ってみたものの、あまり理解できなかったという方におすすめです。

数学 入門問題精講

「数学 入門問題精講」は考え方や公式が講義形式で丁寧に解説されている参考書です。
数Ⅰ・A、数Ⅱ・B、数Ⅲ・Cに対応した参考書が出版されています。
ほかにも、基礎問題精講や標準問題精講、分野別標準問題精講などがありますが、数学が苦手で全く分からないという方は、入門問題精講がおすすめです。

入門問題精講を理解できたら、基礎問題精講の問題を解いてみるといった流れでステップアップしていくとよいでしょう。

初めから始める数学

「初めから始める数学」は、通称「はじはじ」と呼ばれている講義形式の参考書です。
数Ⅰ・A、数Ⅱ・B、数Ⅲ・Cに対応した参考書が出版されています。
「~なんだよ!」や「~しておこう!」のような、語りかける口調で書かれており、親しみやすいのが特徴です。
基礎の定着に特化しているので、まずは教科書レベルの問題を解けるようになりたいという方におすすめです。

まとめ|高校数学の苦手を克服して受験を有利に戦おう

「高校数学が苦手で全くわからない!」方に向けて、克服方法や数学を勉強するメリット、おすすめの参考書を紹介しました。

特に、文系の学部に進学を検討している高校生は、数学を得点源にできれば、ライバルに大きな差をつけられます。数学の重要性も再認識されているいま、「数学を捨てる」のではなく、苦手の克服に注力しましょう。

なお「中高一貫専門塾WAYS」では、中高一貫性を対象に、一人ひとりに合ったカリキュラムを作成して指導を行っています。
もし、独学で成果を出すのが難しいと感じたら、お気軽にご相談ください。

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低料金で長時間指導が受けられるため、家で勉強できない中高一貫校生でも塾の指導時間内で成績を上げることが可能です。
英語、数学をメインに指導を行っています。

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