中高一貫校で使用される教科書の一つに「PROGRESS IN ENGLISH 21」(プログレス21)があります。
検定教科書よりも語彙数や文法の量が多い、教科書ガイドが存在しないなど、学生にとって難易度の高い教材になっています。
そのため、
「『プログレス21』はどうやって使えばいいの?」
「『プログレス21』で詰まってしまった…」
などと考え、『プログレス21』で苦戦する人もいるでしょう。
今回は、そんな『プログレス21』の使い方について紹介していきます。
うまく使えば、定期テストや受験の対策にもなるため、ぜひ実践してみましょう。
『プログレス21』の特徴
『プログレス21』には、検定教科書とは異なる特徴が複数あります。
これらの特徴を理解して、『プログレス21』の目的を理解しましょう。
それぞれ説明していきます。
リスニングや英会話に特化
『プログレス21』には、練習問題の最初に「Speak」という箇所が設けられています。
「Speak」では、音声教材と合わせて口頭練習が可能です。
最初に口頭練習ができるため、母国語の習得と同じ順番で英語が学べます。
『プログレス21』が目標としているのは、このように英語を母国語と同レベルで使えるようになることです。
また、扱っている文章も物語文や会話文などが中心になっています。
物語文や会話文は、主に口語が使用されるため、口語練習の文章にはぴったりです。
学習指導要領に従っていない
『プログレス21』は、中高一貫校生向けの教科書です。
そのため、公立の学校で使用している教科書とは異なり、学習指導要領に沿って作られていません。
『プログレス21』は、中高全課程をbook1からbook5までの5冊に分けています。
中高6年分の学習を5冊に凝縮しているため、1冊のボリュームが多くなっているといえるでしょう。
中高一貫校では、この5冊を高校2年生の2~3学期までに終わらせてしまいます。
濃密な内容を早くに終わらせる必要があるため、公立よりもハイスピードで英語を学ぶことになるでしょう。
英米の文化が学べる
『プログレス21』の元である『PROGRESS IN ENGLISH』は、1964年にイエズス会の神父によってつくられました。
改訂を重ねつつも、その意志を強く残しているため、イエズス会と関わりの深い英米の文化についての文章が扱われています。
英米文化に関する文章を読むことで、英語話者の背景知識の共有が可能です。
背景知識を共有していれば、英語の読解や英会話がより円滑に進められるでしょう。
実際、藤上隆治氏が行った調査では、背景知識を持った状態で英語を学習した学生は、英語の読解に楽しみを見いだすようになったようです。(※)
(※参考:リーディング活動における背景知識の効果―英語を専門としない大学生に対する授業実践を中心に― 藤上隆治)
『プログレス21』の使い方
続いて、『プログレス21』の使い方について紹介します。
『プログレス21』は、英語を母国語のように習得することを目標につくられています。
すなわち「聞く→話す→読む→書く」の順で学習することです。
この順に従って学習を進めることで、『プログレス21』の効用を最大限にすることができるでしょう。
そして、ここで得た力を定着させるため、最後に「演習」の作業を挟む必要があります。
『プログレス21』を「聞く」
「聞く」については、「音声アプリ」を利用しましょう。
『プログレス21』には、周辺教材として「音声アプリ」があります。
この音声アプリを使って、教科書の文章を聞き取る練習をします。
『プログレス21』を「話す」
「話す」については、教科書中の「Speak」の部分を活用しましょう。
こちらにも音声が付属しています。
始めはこの音声に合わせて「Speak」を読みつつ、段々自分だけで話せるようにしていきます。
意識するポイントは、正しい発音で話すことです。
正しい発音を覚えるために、初めは音声に合わせるのです。
余力があれば、末尾の「Pronunciation」で、発音の難しい単語の発音を練習しておきましょう。
舌の使い方や綴りとの関係を知っておくことで、ほかの人と差をつけることができます。
『プログレス21』を「読む」
「読む」については、教科書の「Scene」及び「Read」を黙読しましょう。
わからない単語や文法の事項があれば、教科書内の説明部分を参照しましょう。
重要なのは、目で単語を追うだけにならないようにすることです。
頭で何も考えずに読むだけでは、「読む」作業をしているとは言えません。
そうではなくて、普段日本語でもやっているような、「意味を考えながら文章を追う」ことを意識しましょう。
語順のまま英語を理解できるようになることで、リーディングだけでなくリスニングの点数アップにもつながります。
次の記事で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
『プログレス21』を「書く」
「書く」については、まずディクテーションを行いましょう。
ディクテーションとは、聞き取った音声をそのまま書き写す作業を指します。
具体的には次の4つの手順で行います。
- 「Scene」及び「Read」の音声を一文ごとに止めながら聞く
- 一文ずつ聞き取れた部分を書き取る
- 教科書の文章と照らし合わせる
- 聞き取れなかった部分、聞き間違えた部分を確認する
ディクテーションによって、単語の綴りや正しい語順を覚えることが可能です。
ディクテーションが完了したら、教科書中の「Write」で英作文の練習をしましょう。
「Write」には、日本語の文章を英語にする問題が載せられています。
和文英訳だけでなく、穴埋め、課題作文、要約問題なども扱われているため、テスト対策に使うこともできます。
別の教材で演習
『プログレス21』は、1つの教材で「聞く→話す→読む→書く」のすべてができます。
しかしその分、各単元ごとの問題数は4~6問程度です。
そのため、演習不足になってしまうおそれがあります。
そこで、教科書だけで演習するのではなく、別の教材を使って演習しましょう。
「問題を解くこと」に特化した問題集でなら、より多くの問題を解くことが可能です。
おすすめの問題集は、同じプログレスシリーズの「WORKBOOK」です。
教科書の文章や単元と対応した問題を扱っているため、効率よく演習量を重ねられます。
「シリーズに縛られず、より多くの問題を解きたい」という人は、以下の記事で紹介されている問題集がおススメです。
ただし、どの問題集に取り組むとしても、教科書の内容を完璧にしてからにしましょう。
演習は、基礎的な部分を応用する方法を学ぶためのものです。
基礎、すなわち教科書の内容を理解していないと、それを応用する方法を学ぶことに意味はありません。
『プログレス21』に完全対応!WAYSの成績アップ事例3選
獨協中学校3年生 | 英語1桁得点→60点
入塾時は、英語に強い苦手意識をもち、ほとんど勉強していない状態でした。
そこでWAYSでは、まずは教科書に記述されていることをしっかり理解してもらうために、1文1文和訳してもらいました。
もちろん簡単にはできないので、1・2年生時に学んだことを復習しつつ、現在学んでいることを丁寧に確認していきます。
ただ、訳していくだけでは単調な勉強になってしまいます。
そこで、プログレスの問題集で演習し、「教科書のどこが重要で何が問われているのか」を明確にしました。
問題集に出た教科書の該当箇所にマークしてもらい、それを徹底的に反復演習。
さらに、基礎を固められるよう、「新中学問題集」にもあわせて取り組んでもらいました。
その結果、積み重ねがほとんどできていなかった英語で、50点以上の大幅な成績アップを成し遂げたのです。
鎌倉女学院中学1年生 | 英語45点→83点
中学1年生の11月に入塾した生徒の実例です。
この生徒は、学校の宿題をこなしてはいたものの、テストになると文法問題でミスを連発。長文問題も時間が足りず解き切れないという状態でした。
彼女は、どのようにして英語を勉強すればよいのか、わからなくなっていました。
そこでWAYSは、原因を分析。
文法事項が体系的に並んでいないという、『プログレス21』の難しさに原因があると考えました。
WAYSでは、『プログレス21』対策として、文法問題集を使用して体系的な英文法の指導をしています。
何を学んでいるのかを明確にすることで、知識として定着しやすいよう徹底的にサポートしました。
また、鎌倉女学院の定期テストは、「Lookや本文を元にした文法問題」・「本文の暗唱問題」・「Readの長文問題」から構成されているため、下記の三点が主要な対策です。
- これまで学習した全範囲の文法復習
- 学校で指定されたScene本文の暗唱
- Readの内容理解 & キーセンテンスの暗唱 & 単語・熟語の暗記
1の文法対策に加え、2・3の対策を妥協なくやりきったことで、成績の大幅アップにつながりました。
白百合学園中学校2年生 | 英語55点→70点
入塾時、この生徒は学校の授業についていけず、『プログレス21』の内容や文法が完全には理解できていない状態でした。
そこでWAYSでは、各単元のポイントを押さえたあと、指導時間内で定着するまで繰り返し復習しました。
また、長文に関しては重要な文を選定し、和訳・英訳・暗唱できるように確認していきました。
その結果、成績は15点もアップ。
そして何より、英語の勉強法を体得することができました。
その後は、学習の成果が出たことで、自ら進んで英語の勉強に取り組んでくれるようになりました。
中高一貫校専門 個別指導塾WAYSで『プログレス21』を攻略!
『プログレス21』の正しい使い方を知っても、自分ひとりで実行できるか不安な場合は、「中高一貫専門塾 個別指導塾WAYS」の「定期テスト対策指導」がおすすめです。
定期テスト対策指導では、『プログレス21』に対応した個別指導も行っています。
そのため、『プログレス21』の内容の理解だけでなく、それをもとにした定期テストの対策も可能になっています。
成績低迷から大学入試まで網羅!中高一貫校の「英語」教育・学習事典はこちら
投稿者プロフィール

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中高一貫校生の定期テスト対策から大学受験・内部進学までをトータルサポートする個別指導塾。
中高一貫校用教材に対応することで各中高一貫校の定期テストの点数に直結した指導を行います。
低料金で長時間指導が受けられるため、家で勉強できない中高一貫校生でも塾の指導時間内で成績を上げることが可能です。
英語、数学をメインに指導を行っています。