多すぎる宿題・課題にやる気を失った中高一貫校生を救う「わかる喜び」と「学習習慣」
中高一貫校・私立中学は、授業進度も早いが宿題や課題の量も多い。
しんどくなってやる気を失うお子さんは少なくありません。
そんな中高一貫生を救う「わかる喜び」を生み出すにはどうすればよいのか。そして、どの程度の学習習慣を身につけるべきなのか。
塾選びのポイントにも触れながら、徹底解説していきます。
このページの目次
宿題・課題を真面目にやらない生徒の状況
独力でできないのでやる気を失っている
中高一貫校の授業は進度が早く、内容も難しくなっています。
本来は授業で扱うような内容や演習問題を宿題・課題として出すことで、効率よく学習カリキュラムを消化するからです。
授業の予習・復習など、英語と数学を中心に多くの課題が提示されます。
しかし、自習力が高い生徒であれば問題なくこなすことができますが、そうでない生徒にとっては厳しい量です。
理解が追いつかず立ち止まってしまったが最後、どんどん進む授業から完全に取り残されてしまいます。
目の前に課題が積み上がっているのはわかっているが、どうにも自分の力では処理できない。たとえ時間をかけて処理できたとしても、そんなペースでは授業には到底追いつけない。
そうして、もうやらなくていいやと諦めてしまうのです。
学校の先生や親に言われて、仕方なく形だけやっている
宿題・課題は順調にこなしているのに定期テストで点数がとれていない場合、課題を真面目にやっていないという可能性が考えられます。
解答を丸写ししたり、とりあえず解答欄を埋めて終わりにしているというパターンです。
一見勉強しているように思ってしまうので、厄介なケースだといえるでしょう。
状況を変えるにはお子さんに寄り添うことが必要
お子さんの状況と問題点を把握する
まずは、お子さんと話をすることが大切です。
どこでつまずいているのか、1日のうち集中して勉強している時間はどれくらいなのか。
お子さん自身に語ってもらわないことには知り得ない情報です。
お子さんが自身の状況を言語化することで、問題点や背景を整理することができます。
問題点をひとつひとつ解きほぐしていく
中高一貫校で約10年教えている私の経験上、お子さんの状況は複雑なものである場合が多いです。
数学が全体的に苦手なのかと思いきや、実は特定の分野でつまずいているだけというケース。
英語は単語を覚えるのが嫌いで、数学は学校の先生と合わなかったから勉強しなくなったというケース。
教科や分野によって、宿題・課題をやらなくなってしまった原因は様々です。
それらを一挙に解決するというのは現実的ではありませんので、適宜寄り添い方を考えていくことが大切です。
学習意欲を引き出す特効薬は「わかる喜び」
お子さんが勉強を楽しいと思えるのは、学習内容自体に興味があるときと、できなかった問題ができるようになったときです。
もともと興味がないものに興味を持ってもらうというのは、一朝一夕にできることではありません。
お子さんの宿題・課題へのモチベーションを上げるカギは、「わかる喜び」を実感してもらうことにあるといえます。
教えて考えさせ、自分で「わかる喜び」を演出する
お子さんに「わかる喜び」を感じてもらうには、独力で問題を解いたという実感が必要です。ヒントを適宜出してもらいながら解いたところで、たいした感動はないでしょう。
大事なことは、問題を自力で解けるだけの力を養成することです。
まずは、基礎事項の定着を目指しましょう。公式やことばの定義など、最低限の知識として必要なものを押さえます。
次に、例題レベルの簡単な問題に取り組みましょう。
教える側は、ここで我慢です。手が止まっているからといって、すぐに解説をしてはいけません。
ヒントを出すにしても、どの基礎事項を使うかくらいにとどめます。
問題にもよりますが、10分ほど考えて答えが出ないようなら、ヒントをどんどん出してください。
ノーヒントで解けなかった問題は、時間をおいてから再挑戦します。
可能であれば、類題を用意してあげてください。
この作業を繰り返すことで、必ず自力で解けるようになります。「できるようになった!」という成功体験をつくることができるのです。
ここでのポイントは、始め(簡単な例題)から教える側が教えすぎないことです。
問題が難しくなればなるほど、独力で解くハードルは上がります。
アウトプットしやすい簡単な問題で成功体験をつくっていくのが成功の秘訣です。
学習目標はスモールステップで
少し大人が手を入れたからといって、お子さんの学習状況が劇的に改善することはありません。
大抵は、徐々によくなっていくという感じです。
ですから、学習目標はスモールステップにすることをオススメします。
少し背伸びをすれば届く、くらいの学習目標がベストです。
厳しそうであれば、教科を絞ってもかまいません。
「英語と数学の課題だけはきちんとやろう」
こうした目標でもよいのです。
あまりにも積み残しが多い場合は無理をしない
いざ学校の課題をこなそうとしたときに、これまでの積み残しが多すぎて、ヒント程度では手も足も出ない、ということもあるでしょう。
たとえば、方程式を理解できていない生徒が、一次関数の課題を真正面からこなすのはほぼ不可能です。
課題に取り組むのは、きちんと段階を踏んでからになります。
そうした意味では、お子さんが各教科について自身の理解度を把握しておくことは、非常に大事だといえるでしょう。
学習習慣は「少しの勉強時間」から
中高一貫校の宿題・課題をこなすためのもう一つのカギは、やはり「学習習慣」です。
学校課題は基本的に自学用なのですから、自学自習の絶対量を増やすことが必要になります。
机に向かって集中する時間を少しずつつくる!
どれだけの勉強ができるかは、自学自習の量と質に大きく左右されます。
学習意欲が乏しいお子さんの場合、最初は机に向かう時間を少しずつ増やすところからスタートです。
1日30分からでもよいのでペンを握る時間を作りましょう。
学習時間が安定してきたら、今度は集中している時間を増やすよう、声かけをしてあげてください。
「やること縛り」の学習計画を立てる!
学習計画を立て、見通しをもった状態で課題をこなしていくという方法もあります。
日毎にやることを考え、「to doリスト」を作成し、無事に終われば削除していきましょう。
メリットは、目に見えて自分のやったことがわかるので、お子さんが達成感を感じやすいことです。
ただし、達成が難しい計画を立ててしまうと逆効果になってしまいますので、気をつけてください。
選ぶなら個別指導塾か家庭教師
「わかる喜び」をお子さんに感じてもらう。「学習習慣」をお子さんが身につける。
中高一貫校の重い宿題・課題をこなす土台となるこれらを達成するのは、なかなか容易なことではありません。
「これをやった方がいいんじゃない?」「次にやるべきことはわかってるの?」
声をかけることは大事ですが、やはり横についてあげる必要が出てきます。
お子さんに伴走することが現実的に難しい場合は、プロによるサポートを検討するとよいでしょう。
伴走してくれるプロの代表格は、個別指導塾と家庭教師です。
集団指導塾は学習習慣が身についている生徒をさらに伸ばす場所
学校の宿題・課題すら完成させられないなら、とりあえず塾に入れて勉強してもらおう。
その結果、お子さんを集団指導塾に通わせても、効果はありません。
なぜなら、集団指導塾は独自の学習カリキュラムをもっており、それをもとに画一的な指導をするからです。当然、塾からも宿題・課題が出ます。
学校の宿題・課題すらこなせない状態なのに、さらにやらなければならないことが増える。
そのうえ、それが難しくて自力では処理できないということになれば、ますますモチベーションは低下するでしょう。
集団指導塾は、学校のことをきちんとこなしていて、余力があるお子さんが通うべきところなのです。
きめ細やかな個別指導こそがお子さんの意欲を引き出す王道選択肢
お子さんの状況を丁寧にヒアリングし、浮かび上がってきた問題のひとつひとつに対応する。
お子さんがよい学習習慣を身につけ、独力で走れるようになるまで伴走する。
個々の状況に合わせた学習カリキュラムを組む個別指導だからこその強みです。
また、個別指導では演習時間が十分確保できます。
授業を聴いている時はインプットの時間になりがちですが、問題を解く力を鍛えるために重要なのは、アウトプットの力です。
個別指導では、アウトプットの練習をしつつ、勉強する体力を身につけることが可能なのです。
中高一貫専門塾WAYSで知る「わかる喜び」
お子さんが中高一貫校生、私立中学生だからこそ、オススメしたい塾は、「中高一貫専門塾WAYS」です。
中高一貫専門塾なので、レベルの高い中高一貫校の授業や課題にも完全対応できます。
1コマ120分の個別指導スタイルの塾で、90分の指導時間(演習含む)に加え、30分の確認テストにより学習内容の定着を図ります。
確認テストが解けることで、その場で「わかる喜び」を実感することができるでしょう。
そしてWAYSがずば抜けてよい点は、学校の宿題・課題をきちんと扱ってくれる点です。
形だけの完成や表面的な理解では終わらず、意味のある課題完成が期待できます。
模範解答の使い方など、勉強のやり方も含めて教えてもらえるので、定期テストの点数アップにも確実につながるのです。
投稿者プロフィール
- 中高一貫校に勤めて10年になる中堅教師。卒業生を3度送り出し、中学生・高校生問わず指導経験が豊富です。自身も中高一貫校出身なので、中高一貫校のことを知り尽くしています。勉強に苦しむ生徒に向き合い、試行錯誤をする日々。そんな教師生活から得られた知見をお伝えし、全国の子供たちの力になれたらと思います。
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