国語教育の改変に際して。

作文

国語教育、どう変わるのか。

2020年の入試制度改革に向けて、中高一貫校全体で、教育方針を「受動的」なものから「能動的」なものへ変化させようとする動きが強まっています。

国語においては、現在でも、文章を読み取った上で自分の意見を述べる、いわゆる「論述」形式の問題が様々な大学で課されておりますが、今後は、さらに能動的な回答作成能力が問われていくことが予想されています。自分の意見を論述するような形式が増えると言われております。

簡単に言うと、イケイケでハツラツとした人が点を取れるテストになっていくんです。「自分、こんなこと考えてるんです!」って言えたもん勝ちですね。

「正解」が一か所に決まっている、選択肢を選ぶような問題が減っていくのはさることながら、

文章を読んでその内容を説明するような、なんやかんやで「正解」が一つに決まっているような説明問題もどんどん減っていくことが予想されます。

ものによっては、何かしらの「文章を読む」という従来の形式では常識であった出題内容とは全く異なり、とある環境問題や、地域問題などに関しての状況が説明され、それに対する意見、解決案などを論理的に述べるような問題が増えていくことが予想されます。

国語なのか社会なのか、もはやよく分からないですねトホホ。

どのような対策が必要か。

さて、そんな問題に対するに当たって必要なのは、日ごろの意識です。

結局、今後の国語は「この施設をどのように活用していくか」「この問題に対してどのように向き合わなければならないか」など、日常に散見される様々な課題に対する視点を問われることが多くなる、ということです。

それは、従来の国語のテストにありますような、「文章の趣旨の説明」や「文章の要約」などと言った、「文章」という「頼れるもの」があるのが前提の生ぬる~いテストから、「一から全部自分で表現する」新時代のテストへと変わるわけであります。

答えが無いのにテストだなんて、よく分からないですよね。

そういった問題に対面した際に、特にそれまで意識しなかった人間に、いきなり発案しろ、意見を述べよ、と言われても難しい話であることは明白です。

日ごろから様々な問題に対して何かしらの意見を持って、常に考えるアンテナを張り巡らしていることが重要になります。

中高一貫校教育においても、ディベートの授業がカリキュラムに組み込まれたり、日本語の表現能力を入試で導入したりと、様々な工夫がなされておりますが、個人個人のレベルでも、意識すれば対策することが出来ます。

新聞を読む

さて、どういったことを意識して実践していけばよいか、ですが、やはり時事問題や社会問題に対する目を養うためには「新聞」というのはとても貴重な教材です。見出しで惹かれた記事をちょっと目を通すだけでも様々な発見があるはずです。
それと「新聞を読んでいる自分」に少し優越感を感じたりもできるので、おすすめです(笑)。どんな新聞でもいいと思います、真っ赤な新聞でも、右に重心が傾いてる新聞でも、考える材料になれば、問題ないと思います。

ただ、一つだけ注意していただきたいのは、読むだけではダメだ、ということです。読むだけでよいのは、読解力さえつけていれば良かった今までのことであって、それならわざわざ新聞を活用する必要はありません。
「社会問題に対してなにかしらの意見を持つ」ということを目的に読んでみてください。反論でも構わないです、論理的であれば問題ないのです。しっかりと「意見」と「理由」を組み立ててみてください。

2ちゃんねるのまとめサイトでニュースを見ている、という方もいらっしゃると思いますが、勿論それであってもトピックに対して自分の「意見」と「理由」が述べられるのであれば問題ありません。

ただ、あの手の情報サイトは、どうしても流し読みになってしまうのです。真剣にじっくり考えるには、新聞が、より有効です。

 

町中社会科見学

新聞で無くても、日常で目にする沢山の物事も、見方を変えるだけで勉強材料になりうるのです。本当です。

例えば町中を歩いているときに、一々目に映るものについて考えながら歩いてみるんです。

なぜ駅の構造はこうなっているのか。なぜあの看板はあんなキャッチコピーなのか。なぜあの道路標識はあんな色をしているのか、など、世の中にあるものに意味を見出してみてください。

どれもこれも、なにかしらの意味があって、大人たちが会議をして結論を出して、一つの形にしているのです。そういった視点を持つだけで、問題意識を文章化する引き出しが増えるはずです。

ただ、常日頃こんなこと考えながら町を歩いているなんて気持ち悪いですね。ほどほどにしましょう。

小説無用

それと、ひとつだけ国語を勉強するうえで考えていただきたいのが、小説を読んでも一切国語力は上がらない、ということです。

もともとセンター試験でもない限り、現段階での入試制度からも小説は度外視されつつありますが、小説の対策をするにしても、過去問でないかぎり、つまり問題を解くという行為が付属してない限り、小説は国語力に貢献しません。

なぜなら、筆者や登場人物が何を考えているか、を考えなくても読めるからです。脳内補完しながら読んじゃうんですね。

小説を読んでも、面白いだけで何一つ国語力は上がりません。小説という素晴らしい「娯楽」を勉強の一部と勘違いして、「私、本読んでるし頭良い」とかなんとか自己陶酔に浸ってる間は国語の点数なんて1ミリも伸びないですよ。むしろ下がります。
太宰治も芥川龍之介も、アニメやラノベと同じで娯楽です。勉強、なんていうふうに勘違いせずに、素直に娯楽として楽しみましょう。

最後に

さて、国語力というものがどういうものなのか、その捉え方が変わりつつあります。読むだけでなく、考える。考えるだけでなく、表現する。

問題文に書いてあることと同じ選択肢を選ぶような、おままごとみたいな設問はそろそろこの世から無くなります。

今までよりさらに努力が必要な時代が来ております。
是非早め早めの対策をおすすめします。

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小泉生

個別指導塾WAYS 四条烏丸教室 室長 小泉生 早稲田大学社会科学部卒。「教養は人生を楽しくする」をモットーに、日々生徒たちの学力向上に励んでいる。受験での経験を活かし、誰もが楽しく学習できる勉強法の確立を目指す。趣味はピアノ、絵を描くこと。

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