私立中学の無償化はいつ?知っておきたい助成金支援と入学するメリット
私立中学に通わせたい一方で、経済面に不安を抱える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2020年4月より、私立高校における授業料の実質無償化が開始されたことから、私立中学でも無償化への動きがあるのか気になるところです。
この記事では私立中学の無償化の有無、私立中学の生徒を対象とした助成金支援の例、学費が高くても通いたくなる私立中学のメリットについてご紹介します。
私立中学への入学をご検討の方は、ぜひ参考になさってください。
このページの目次
私立中学の無償化はいつから?
2020年4月より、私立高校における授業料の実質無償化が開始されましたが、私立中学の無償化予定は未定です。
しかし、政府では学費による経済負担を減らすべく、ここ十数年で以下のような教育無償化が進められてきました。
・幼児教育・保育の無償化
・公立高校の無償化
・私立高校の無償化
・大学などの高等教育の無償化
義務である中学校教育であれば、なおさら無償化を適用すべきでは?と思う方も多いでしょう。
一方、公立中学はすでに無償化の対象として法で定められています。
「日本国憲法第26条第2項、教育基本法第5条第4項、学校教育法第6条に基づき、国公立学校における義務教育は無償(授業料不徴収)としています。」
出典:文部科学省「家庭の教育費負担や公財政による教育分野への支出等」
上記したことを皮切りに、私立中学が無償化になる日が来るかもしれません。
私立中学が無償化対象になれば、さまざまな境遇の生徒に、多くの選択肢を与えられることでしょう。
私立中学の生徒を対象とした助成金支援の事例
無償化対象外の私立中学ですが、地域によっては条件を満たすことで助成金が受けられる支援があります。
この項目では、私立中学に通う生徒へ向けた助成金支援の事例をご紹介しましょう。
東京都「私立中学校等授業料軽減助成金事業」
例えば、東京都では2023年9月より「私立中学校等授業料軽減助成金事業」として、年間10万円の助成金が受けられる支援が開始されます。
対象条件は以下の通りです。
・令和5年5月1日から申請時まで都内に在住する生徒の保護者
・令和5年9月1日時点で私立学校に在学する生徒の保護者
・区市町村民税課税標準額(※1) × 6% - 区市町村民税調整控除相当額(※2)で計算した合計が30万4,200円未満(※3)であること
(※1)令和5年度の課税標準額を使用
(※2)配偶者控除を受けている世帯は1,500円で計算し、受けていない世帯(配偶者特別控除を受けている世帯を含む)は、2名合計の3,000円で計算
(※3)共働き世帯の場合はそれぞれの金額を計算した後に当該金額を合算
愛知県「愛知県私立小中学校等授業料軽減補助金」
7月1日時点で愛知県内の私立中学校・中等教育学校前期課程に在籍している生徒に「愛知県私立小中学校等授業料軽減補助金」として、年間10万円の助成金が支給されます。
対象条件は以下の通りです。
・生活保護受給世帯の児童生徒
・り災した児童生徒(火災、風水害、地震などにより家屋の半焼、半壊、流出などの被害を受けたと認められる場合)
また、下記の1と2のいずれかに該当し、3と4両方の条件を満たす必要があります。
1.入学前年から現在までで最も高い保護者の年収合計額が400万円以上あったが、入学後に当該額の2分の1未満になった
2.入学後に家計が急変し、収入が減少した
(療養、転退職・失職倒産、保護者の変更、その他 これに準ずるもの)
3.家計急変後の見込み所得金額(※1)の合計(※2)から所得控除合計を差し引いた額の合計が140万円未満である(※3)。
4.保護者の資産保有額の合計が700万円未満である
(※1)給与収入ではないので注意
(※2)損失が計上されている所得がある場合、当該所得は0円として計算し、雑損失以外の繰越控除がある場合、当該繰越控除の適用がなかったこととして計算する
(※3)ひとり親控除の適用がある場合は143万円未満、年収合計400万円未満相当が目安
無償化が未定でも通わせたい!私立中学のメリット
学費が高いことで公立中学と迷われる方も多いでしょう。
この項目では、無償化が未定だとしても、私立中学に通わせたくなるようなメリットをご紹介します。
希望をかなえるための選択肢が広がる
「グローバルに対応できる人材になりたい」「自由な校風の学校に通いたい」といった希望をかなえるための選択肢が広がることは、大きなメリットといえるでしょう。
私立中学には創立時に掲げた明確な教育理念があり、授業や行事はもちろん、全てにおいて確立された教育方針のもと指導が行われます。
そのため、校風は学校により大きく異なるでしょう。
保護者の方針や生徒の個性に合った校風の学校を選ぶことは、生徒の成長や学力向上を目指すうえで大変重要です。
多くの選択肢があれば、自分が通いたいと思える中学に出会いやすくなります。
大学受験に有利な中高一貫カリキュラムを受けられる
私立校の多くは中高一貫校のため、中学や高校でカリキュラムを分ける必要がありません。
そのため、中学へ入学してから高校を卒業するまでの6年間に、大学入試へ向けて合理的かつ効率的なカリキュラムを設ける学校が多い傾向です。
中には、中学生の間に高校生が学ぶ内容を勉強する学校もあります。
他校の生徒より先取りした教育を受けることで、早期から受験対策が可能です。
このように大学受験に有利な中高一貫カリキュラムのもと、効率的に勉強できる点は大きな魅力といえるでしょう。
難関校にエスカレーター方式で進級できる
中学受験することで、高校受験ではなかなか入れない学校に入学できる点も魅力です。
特に有名大学への入学を希望する場合、中学から私立校を目指すことが望ましいでしょう。
というのも、最近では「大学入試改革」や「募集定員数の抑制」といった影響から、高校からの生徒募集を行わない学校が増えています。
高校受験においては難関の高校でも、中学受験に合格すればエスカレーター方式で進級することが可能です。
また、大学受験においても中学から私立校に通うことで、早期から大学入学に向けた授業を受けられるため、有名大学への受験も視野に入れられます。
まとめ
私立中学における授業料の実質無償化の予定はまだ見受けられませんが、地域によって助成金が受けられる場合があるため、お住まいの市区町村で確認してみてください。
また、私立中学では合理的かつ効率的な中高一貫カリキュラムが受けられることや、難関高校にエスカレーター方式で進級できる点も魅力です。
大学受験の際に有利な場合もあるため、私立中学に通うこと自体が大きなメリットといえるでしょう。
投稿者プロフィール
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