文系・理系のメリット・デメリットと文理選択のポイントを解説!

文系と理系
多くの高校では、2年生から文系・理系に分けられて授業が行われますが、高校生の中には、文系と理系のどちらを選択すべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。

文系と理系のどちらを選択するかによって、進路は大きく左右されるため、十分に検討を行う必要があります。

本記事では、文系・理系それぞれのメリット・デメリットに加えて、文理選択のポイントを解説します。

文理選択に失敗しないためにも、ぜひお役立てください。

文系のメリット

文系の主なメリットは以下の3つです。

  • 就職の選択肢が幅広い
  • 理系よりも自由な時間が多い
  • 理系よりも学費が安い

順番に解説します。

就職の選択肢が幅広い

文系は様々な業界を対象に就職活動を行えます。

大学生の就職先として人気のある商社やマスコミ、金融機関などをはじめ、多くの企業はポテンシャル採用を実施しているからです。

ポテンシャル採用とは、 即戦力ではなく、将来的に発揮する能力に期待して人材を採用することです。

特に、営業職はポテンシャル採用のケースが多く、企業が売上を確保する上で欠かせない職種なので、ほとんどの企業で募集しています。

勤めたい企業に応募できないといった事態に陥るケースは少なく、様々な業界から就職先を選べます。

理系よりも自由な時間が多い

文系は、実験や研究活動の盛んな理系よりも自由な時間を確保しやすいのもメリットです。

サークル活動やアルバイト、ボランティアなど、学業以外の活動に時間を充てられます。

大学時代に様々な経験を積んでおけば、就職活動で必須の自己アピールにも活用できるでしょう。

ただし、自由な時間を確保できるとはいえ、有効活用しなければ意味がありません。

目的意識をもって4年間を過ごす必要があります。

理系よりも学費が安い

国立大学は文系・理系ともに学費は同じですが、私立の場合、文系の方が学費が安いです。

以下は国立大学と私立文系・理系の学費です。

入学金 年間の授業料 年間の施設設備費 合計
国立大学 28万2000円 53万5800円 81万7800円
私立大学(文系) 22万5651円 81万5069円 14万8272円 118万8991円>
私立大学(理系) 25万1029円 113万6074円 17万9159円 156万6262円

参照:文部科学省「令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」
国立大学等の授業料その他の費用に関する省令

私立の場合、入学金と施設設備費は文系と理系で同程度ですが、年間の授業料は約32万円の差があります。4年間でみると、約130万円ほども文系の方が安いです。

家計の負担を軽減できるだけでなく、アルバイトして学費を工面する労力も減らせます。

文系のデメリット

文系の主なデメリットは以下の2つです。

  • 専門性が身につきにくい
  • 理系よりも平均年収が低い

順番に解説します。

専門性が身につきにくい

専門性が身につきづらい点が文系のデメリットとして挙げられます。

例えば、昨今、注目を集めているAIやデジタルテクノロジーなどは理系の分野です。

文系学部で専門的な知識を習得するのは難しいため、希望の職種に就けない可能性があるのです。

とはいえ、文系だから専門性を身につけられないわけではありません。

商学部で簿記を学べば経理や会計の知識が習得できますし、法学部であれば法律の専門性を高められます。

将来、就きたい職種から逆算して文系・理系を選択すると、就職する際に困ることもなくなるでしょう。

理系よりも生涯収入が低い

一般的に理系よりも文系の方が生涯収入が低いと言われています。

理系の場合、大学で学んだことを活かして、即戦力として採用されるケースが多い一方で、文系の場合、ポテンシャルで採用されることが多いからです。

理系の方が希少価値がやや高めと言えばわかりやすいでしょう。

とはいえ、収入は社会に出てからの頑張り次第で決まります。

あくまで一般論なので、文系か理系かのみで将来得られる収入を安易に判断しないように注意しましょう。

理系のメリット

理系の主なメリットは以下の3つです。

  • 自身の専門分野で就職しやすい
  • 理系人材の需要が高い
  • 文転できる

順番に解説します。

自身の専門分野で就職しやすい

大学時代に学んだ専門分野で就職できるので、スムーズに仕事に取り組めます。

入社後のギャップも少なくなるため、新たな環境で戸惑うような機会も減るでしょう。

また、理系の場合、推薦で就職できる可能性も高まります。

学部や研究室、教授から推薦を受けられるケースも多く、就職活動を有利に進められます。

理数系人材の需要が高い

企業における理数系人材の需要が高いのもメリットです。

昨今は、データを駆使した意思決定を行う企業が増えているため、職種に限らず、数字を扱える人材が求められています。

その点、文系よりも数学力が高い理系は、就職活動を有利に進められるでしょう。

文転できる

理系の場合は、進路を文系学部に鞍替えすることが可能です。

例えば、早稲田大学商学部の受験科目は、国語と英語が必須で、残り1科目は地歴・公民もしくは数学から選択できます。

高校で理系を選択していたとしても、文系学部の受験科目に対応できるのです。

さらに、2023年度であれば、地歴・公民で受験した際の倍率は11.1倍、数学で受験した場合は5.75倍と、倍率も低いのが魅力です。

もちろん、倍率が低いからといって、難易度が下がるわけではありません。

しかし、ライバルが減るので、受験を有利に進められると言えます。

理系のデメリット

理系の主なデメリットは以下の2つです。

  • 自由な時間を確保しづらい
  • 文系よりも留年しやすい

順番に解説します。

自由な時間を確保しづらい

理系の場合、実験や研究活動、レポート作成などに時間がかかるため、自由な時間を確保しづらいのがデメリットです。

もちろん、多くの学生は学業に励むために大学に進学するので、当然ではあるものの、文系と比較すると顕著です。

新しい環境で、サークル活動やアルバイトなどに取り組みたい場合は、うまく時間を調整してスケジューリングする必要があります。

文系よりも留年しやすい

理系は文系よりも留年率が高い傾向があります。

教育研修事業を展開する株式会社ジェイックが2019年度の中途退学者向けに実施したアンケートによると、留年率は文系が52.3%、理系が63.2%でした。

中途退学した理由については理系の場合「授業についていけなくなったため」と回答した学生の割合が最も多いのが特徴です。

理系の場合は特に、入学後も引き続き勉強に取り組む必要があります。

参照:株式会社ジェイック「【2019年度】大学中退者アンケート調査」

文理選択のポイント

文系と理系のどちらを選択すべきか迷っている高校生に向けて、文理選択のポイントを3つ紹介します。

  • 将来就きたい職業で選ぶ
  • 興味・関心で選ぶ
  • 得意科目・苦手科目で選ぶ

将来就きたい職業で選ぶ

将来就きたい職業から逆算して文系か理系か選ぶのがおすすめです。
経営コンサルタントになりたいのであれば、経営学部や経済学部のある文系がよいでしょう。

データサイエンティストになりたいのであれば、情報系の学部のある理系がよいでしょう。

社会に出たときに何をしたいかが明確であれば、スムーズに文理選択を行えます。

興味・関心で選ぶ

将来就きたい職業が決まっていない場合は、自分の興味や関心をもとに文理選択するのがおすすめです。

趣味が読書なのであれば、文学部がよいかもしれません。

パソコンやスマホなどの電子機器に興味があるのであれば、理工系の学部がよいでしょう。

好きなことであれば、大学入学後も勉強のモチベーションを維持できます。

専門知識も習得しやすくなるので、就職活動でも役立つでしょう。

得意科目・苦手科目で選ぶ

得意科目と苦手科目で選ぶ方法もあります。

数学が得意なのであれば、理系がおすすめですし、苦手なのであれば、文系がよいでしょう。

実際に、数学や理科が苦手だという理由で文系を選ぶ学生も少なくありません。

やや後ろ向きな考え方に見えますが、苦手な部分で戦わないのも、受験で勝ち抜くための重要な戦略です。

科目ごとの偏差値や定期テストの結果を参考に、得意な部分を活かせる選択を行うのが大切です。

まとめ|文系・理系のメリット・デメリットを解説しました

文系か理系かを選択する際は、それぞれのメリット・デメリットを把握した上で判断する必要があります。

将来就きたい職業や興味・関心、得意科目・苦手科目も考慮すれば、文理選択に失敗するリスクも減らせるでしょう。

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