共通テストは受けるべきか?私立専願でも受けるべき7つの理由を解説!
私立大学への進学を目指している高校生の中には、共通テストを受けるべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。
結論、私立専願であったとしても、共通テストは受けるべきです。
私立大学の場合、共通テストは必須でないケースがほとんどですが、選抜方法として共通テスト利用入試を設けています。共通テスト利用入試には、様々なメリットがあるのです。
本記事では、共通テストを受けるべき理由と注意点を解説するので、ぜひお役立てください。
大学入学共通テストとは
大学入学共通テストとは、独立行政法人 大学入試センターと各大学が、毎年1月中旬に共同で実施する大学入試です。高校段階の基礎的な知識が備わっているかを判断することを目的としています。
2019年度までは「大学入試センター試験」として実施されていました。試験は、マークシート方式が採用されており、記述問題は出題されません。
出題教科・科目は6教科30科目ですが、2025年度からは「情報」が加わり、7教科21科目になる予定です。
共通テストを受ける割合
高校卒業見込みの生徒は約100万人おり、2024年度の志願者数は49万1913人なので、共通テストを志願する割合は、50%弱です。
ただし、高校卒業見込みの生徒には就職する生徒も含まれるので、大学進学を目的としている生徒の志願率は50%より高いといえるでしょう。
参照:独立行政法人大学入試センター「令和6年度試験 志願者数」
共通テスト利用入試とは
共通テスト利用入試とは、私立大学が採用している選抜方法の1つで、共通テストの成績をで合否が決まる入試のことです。
共通テストの成績のみで合否が決まる単独型に加えて、共通テストと個別試験の成績で合否が決まる併用型の2種類があります。
共通テストを受けるべき7つの理由
ここからは、共通テストを受けるべき理由を解説します。主な理由は以下の7つです。
- 多くの私立大学が共通テスト利用入試を採用している
- 私立大学の一般入試と併願できる
- 共通テスト利用入試を必須にしている大学がある
- 試験結果を複数の受験に使いまわせる
- 一般入試よりも受験料が安い
- 一般入試の練習になる
- 浪人するリスクを減らせる
私立志望の場合でも様々な恩恵を受けられるので、ぜひ参考にしてみてください。
1.多くの私立大学が共通テストを採用している
2024年度の入試で、共通テストを利用している私立大学は全国に530校もあります。私立大学は全国に590校あるので、89.8%もの割合です。
必須でないケースが多いものの、多くの私立大学が共通テストを利用しているのです。
そのため、私立専願だったとしても、個別試験のみで勝負するのではなく、共通テスト利用入試を使わない手はありません。
2.私立大学の一般入試と併願できる
私立大学の一般入試と併願できる点も共通テストを受けるべき理由の1つです。
同じ大学・学部に2回チャレンジできるため、合格可能性アップにつなげられます。
また、一般入試の試験日に体調不良になってしまい、実力が発揮できないこともあるでしょう。そのような際、共通テスト利用入試も併願しておけば、リスクを回避することも可能です。
3.共通テスト利用入試を必須にしている大学がある
多くの私立大学では、選抜方法の1つとして共通テスト利用入試を採用していますが、中には選択ではなく必須にしている大学があります。
具体例として、早稲田大学、立教大学、青山学院大学を紹介します。
早稲田大学
早稲田大学政治経済学部の入試科目と配点は以下の通りです。
科目 | 配点 | |
共通テスト | 国語 | 25点 |
数学Ⅰ・A | 25点 | |
外国語 | 25点 | |
地歴・公民・数学Ⅱ・B・理科 ※上記から1科目選択 |
25点 | |
個別試験 | 総合問題 | 100点 |
共通テストでは、国語、数学Ⅰ・A、外国語が必須で、残り1科目が選択です。配点は個別試験と同じ100点に設定されています。
立教大学
立教大学の一般入試では、全ての学部で英語の個別試験が廃止され、共通テストの成績や民間の検定、資格が採用されています。
具体例として、経済学部の入試科目と配点を紹介します。
科目 | 配点 | |
一般入試 | 国語 | 150点 |
日本史B、世界史B、政治・経済、数学 ※上記から1科目選択 |
100点 | |
英語資格・検定試験のスコア、共通テストの「英語」のいずれか | 150点 |
検定や資格を保有していたとしても、少しでも合格可能性を高めるために共通テストを受けておくべきでしょう。
4.試験結果を複数の受験に使いまわせる
1回のテスト結果を複数の大学受験に利用できる点も、共通テストを受けるべき理由に挙げられます。メリットは以下の通りです。
- 一般入試の日程が重複して受験できないケースを避けられる
- 遠隔地にいても、大学に出向くことなく受験できる
- 大学ごとに個別試験の対策を行わなくていい
過去問対策は共通テストのみでいいので、大学受験を効率的に進められます。
5.一般入試よりも受験料が安い
共通テスト利用入試の受験料は、一般入試よりも安いです。一般入試の受験料は3万5000円程度ですが、共通テスト利用入試は1万5000〜2万円程度です。
そのため、費用を抑えて、より多くの大学を受験できます。
例えば、受験料に15万円の予算がある場合、一般入試では4校しか受けられませんが、共通テスト利用入試では7〜10校程度受験することが可能です。
6.一般入試の練習になる
一般入試の前に共通テストを受けることで、本番前の練習ができます。模試や定期テストとは違った緊張感を味わえるはずです。
大学入試を1度経験している状態で一般入試に臨む場合と、そうでない場合とでは、精神的なゆとりも変わってくるでしょう。経験値を積んでおくためにも、共通テストを受けるべきといえます。
7.浪人するリスクを減らせる
浪人するリスクを軽減できる点も共通テストを受けるべき理由です。受験する大学の数を増やせるので、滑り止めを確保しやすくなります。
また、一般入試が全て不合格だった場合にも共通テストは役立ちます。共通テストの成績で入学可能な大学を見つけて、出願が間に合えば浪人せずに済むのです。
浪人せずに現役で大学に進学したい方は、積極的に共通テスト利用入試を活用しましょう。
共通テスト利用入試の注意点
共通テストを受けるべき理由やメリットを解説してきましたが、以下のような注意点もあります。
- 一般入試よりも難易度が高い
- 出願締め切りは共通テストの受験前であるケースが多い
順番に解説します。
一般入試よりも難易度が高い
まず注意しなければならないのは、共通テスト利用入試の難易度は一般入試よりも高い点です。難易度が高いといえる根拠は以下の通りです。
- 一般入試よりも試験科目が多い
- 募集人数が少ない
- 合格ラインが高い
一般入試では、3科目で受験できる私立大学でも、共通テストは5科目程度受けなければならないケースもあります。
また、早慶では得点率90%程度が求められるなど、一般入試よりもボーダーラインが高めに設定されています。
出願締め切りは共通テストの受験前であるケースが多い
共通テスト利用の出願締め切りは、共通テストの受験前に設定されているケースが多いです。国公立大学を受験する場合は、自己採点をもとに出願先を決められますが、共通テスト利用の場合、試験の結果がわからない状態で出願しなければなりません。
中央大学や立命館大学では、共通テスト後に出願できる学部もありますが、事後出願できる大学の割合は少ないです。
過去問を解いて、得点率をシミュレーションし、合格可能性の高い大学に出願する必要があります。
まとめ|「共通テストは受けるべきか?」について解説しました
2024年現在、全国に590校ある私立大学のうち、530校が共通テストを利用しています。
共通テスト利用入試を出願すれば、大学に出向いて一般入試を受ける必要がないため、効率的に複数の大学を受験できるのがメリットです。
一方、募集人数が少なく、合格ラインも高いため、一般入試よりも難易度が高めです。
共通テスト利用入試の出願締め切りは、受験前であるケースが多いので注意しましょう。
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