【私立文系編】大学受験の勉強計画のコツとは⁉時期別に紹介
大学受験には、長期の勉強が要求されます。
高3の初めから始めるとすると、約1年もの間、大学受験に身を投じなければなりません。
そんな中、重要になるのが「勉強計画」です。
とはいえ、いきなり勉強計画を立てることに困難を感じる人もいるでしょう。
1年ものスパンとなると、定期テストのような1〜2週間程度の計画とも異なってくるからです。
しかし、時期ごとの区切りを丁寧にできれば、長期の勉強計画も苦ではなくなります。
そこで今回は、おすすめの計画の立て方を私立文系大学に限って紹介します。
ポイントは、先ほども説明した「時期ごとの区切り」を中心にした立て方です。
月ごとに区切って、それぞれの時期で何をすれば良いかを説明していきます。
「今から大学受験対策を始めようと思っていたけど、何から始めれば良いかわからない」
「着実に勉強を進めて、難関私立大学に合格したい」
という人は、参考にしてみてください。
このページの目次
【大学受験】文系の勉強計画の立て方:3年生の4月まで
高校3年生の4月までに、大学受験対策を始めるうえでの下準備を整える必要があります。
下準備は、今後の勉強のモチベーションや精度に関わってきます。
具体的には「志望校」「現在の学力」を明確にする作業のことです。
それぞれ説明していきます。
志望する大学、学部を決める
初めに、目標とする大学・学部を決めます。
目標を明確にすることで、「自分はここに受かるために勉強しているんだ」と考えられるようになり、モチベーションアップにつながります。
大学・学部を決めたら、その試験科目や配点も確認しておきましょう。
大学によっては、入試に使えない科目が存在する場合があるからです。
また、同じ大学でも、学部によって科目ごとの配点が異なっていることもあります。
たとえば、明治大学の「情報コミュニケーション学部」の学部別入試は、「国語」「英語」「地理歴史・公民・数学」がそれぞれ100点になっています。
しかし、「国際日本学部」の学部別入試は、「公民」「数学」で受けることができず、配点もばらばらです。(※)
おなじ明治大学の文系でも、学部によって入試内容がここまで異なるのです。
(※参考:入学試験日程・科目・出願に関する注意事項|明治大学)
現在の学力を確認する
続いて、これまでの試験の結果から、自分の現在の学力を明確にします。
点数や偏差値だけでなく、正誤の箇所などを見て、自分の得意不得意を把握しましょう。
とくに、苦手な科目や分野などは、下準備の段階ではっきりさせておくのがおすすめです。
苦手を乗り越えることが、点数アップ、さらには合格に近づく方法の一つだからです。
【大学受験】文系の勉強計画の立て方:5~8月
4月が下準備なら、その次の5月からはいよいよ勉強に入っていきます。
春から夏にかけての期間は、「基礎」を固めることが目標です。
この時期に基礎を完成させておくと、後半で取り組む演習がスムーズになります。
後に出来上がる建築物の、骨格を完成させておくイメージです。
苦手の克服に最も時間を割く
「志望校の科目、配点」と「自分の得意不得意」をもとに、科目の時間配分を決めていきましょう。
科目については、「最も配点が高い」かつ「今までの成績が良くない」科目に最も多くの時間を割くようにします。
また、一つの科目のある特定の分野が苦手という人もいるでしょう。
その科目を受験で使用する場合、苦手な分野の克服は必須になります。
この段階で苦手な科目・分野は、基礎の理解が抜けているおそれがあります。
だからこそ、基礎を完璧にするこの時期に、克服しておくのです。
以下では、科目ごとの基礎の学習について説明していきます。
とりわけ、私立文系の大学で課されることがある「英語」「国語」「世界史・日本史」「倫理・政経」に絞ります。
英語
英語の基礎を学習する場合、「語彙」「文法」の2つが軸になります。
語彙は、単語や熟語の知識を指します。
単語や熟語の意味を理解していないと、そもそも英文を読むことはできません。
一方、文法は、「文」のレベルで意味を理解するのに必要な知識です。
この2つをある程度覚えれば、後半に取り組む「読解」ができるようになります。
単語帳や熟語帳、文法の参考書をそれぞれ一冊完璧にしましょう。
国語
国語は「現代文」「古文」「漢文」の3つに分けられます。
基礎固めの時期は、時間のかかる「古文」の基礎を優先しましょう。
古文には、英語と同じように「単語」「文法」「読解」の段階があります。
これに加えて、「古文常識」「文学史」など、やるべきことが複数あるため、学習に時間がかかるのです。
古文の基礎は、これらのうちの「単語」「文法」「古文常識」が当てはまります。
ただし、現代文が苦手な場合は、その基礎も固めておきましょう。
現代文の基礎とは、現代文でよく使われる言葉の意味を覚えることです。
頻出の言葉の意味を明確に理解しておくと、後の演習の際に役に立ちます。
また、志望校で漢文の配点が古文と同じ場合、漢文の基礎にも取り組みます。
漢文の基礎は「句法」です。
世界史・日本史
世界史・日本史は、「用語」と「流れ」を同時に理解することが、基礎の習得に繋がります。
「用語」は、とくに教科書の太字になっている語を覚えましょう。
「流れ」は、歴史全体の大まかな流れを、教科書を読んでイメージしましょう。
この2つのどちらかに偏った勉強計画はおすすめできません。
たとえば、「一問一答の問題集だけを毎日やる」という計画では、「用語」だけに偏ってしまいます。
「用語」の内容は、「流れ」の中で捉えて初めて理解できるようになるのです。
教科書を中心にした学習がおすすめです。
倫理・政経
倫理・政経の基礎は、教科書で太字になっている用語を覚えることです。
抽象的な用語を、教科書や用語集の説明によって理解します。
また、歴史系の科目とは異なり、「流れ」がありません。
その代わり、ほかの用語との相互関係を覚えましょう。
たとえば、「イデア」という用語の意味に加え、それが誰によって提唱されたものかも覚えなければならないのです。
【大学受験】文系の勉強計画の立て方:9~10月
夏休みまでに骨格を完成させたら、次はいよいよそれに沿って建物を作っていく作業です。
この時期に取り組むべきなのは問題演習です。
問題集を解いていく
問題演習は具体的に、市販のまたは学校で購入した問題集を解いて行います。
たとえば英語なら、文法問題集や長文読解問題を選びましょう。
それぞれの科目や分野で、基礎レベルと発展レベル問題集2冊に取り組みます。
問題集は、持っているものすべてを完璧に正解できるまで取り組むようにしましょう。
持っている問題集を、最低3回繰り返す計画にしておくのがおすすめです。
ポイントは、解説を読む時間を増やすことです。
問題を解くのはもちろんですが、それよりも解説を理解することの方が重要になります。
演習の時間よりも、解説を読んで、そこに載っている事項を覚える時間が多くなるようにしましょう。
基礎を復習する期間を設ける
この時期に重要なのは、問題集を解くことです。
しかし、だからと言って問題集だけに専念するのはおすすめできません。
適度に基礎の復習をしましょう。
問題集を解いていると、どこかで詰まってしまう場合があります。
その原因としては、基礎の知識が抜けてしまっていることが考えられます。
問題演習を通して発見された、「基礎の漏れ」を埋める期間を作るのです。
【大学受験】文系の勉強計画の立て方:11月~12月
問題演習をひと段落終えられたら、初期に決めた志望校に沿った勉強に入っていきます。
この時期は、一旦立てられた建造物を、自分好みに改築していく作業といえるでしょう。
過去問を中心に
この時期は、志望校、または共通テストの過去問を毎日解きましょう。
過去問によって、大学ごとの傾向を知るのです。
どのような問題が出題されるかを、これまでの問題から推測していきます。
過去問を解く際は、時間を計ることをおすすめします。
本番と同じ時間で解くことで、適度な緊張感を感じられるからです。
また、制限時間がシビアかどうかも「傾向」の一つといえるため、その分析も行います。
一方で、得点は気にしなくてもかまいません。
重要なのは、どのような問題が出題されるかを知ることだからです。
正答率が低いと感じても、「解けなかった…」と落ち込むのではなく、「こんな問題が出題されるんだ」と客観視しましょう。
苦手を克服する時間も設ける
苦手もまた、過去問演習を通して発見できます。
大学入試の問題は、どの科目、分野の問題も万遍なく出題されます。
そのため、ほかと比べて正答率が低い科目や分野がはっきりするのです。
正答率が低かった「苦手」は、今まで取り組んだ基礎や問題集を見返します。
たとえば、「英語の文章問題の正答率が低い」ということがわかったとします。
その場合、一度終わらせた長文問題集に再度取り組む時間も必要になるのです。
【大学受験】文系の勉強計画の立て方:1月~本番
この時期は、本番の直前に当たります。
立てた建造物の不安定な部分を見つけ、直していくイメージです。
そのため、追い込みの時期ではあるものの、復習中心になるでしょう。
今までやった過去問と問題集を解く
中心となる教材は、今まで取り組んだ過去問や問題集です。
再度取り組んで、忘れているところがないかを確認します。
ポイントは、新しい教材には手を出さないことです。
苦手が出てくると、新しい参考書を購入して対策しようとする人がいます。
ところが、この時期は直前期のため、新しい参考書を完璧にするには時間が足りないでしょう。
そうではなくて、一度完璧にした教材をもう一度見直します。
完璧にしたと言っても、時間が経てば忘れている部分もあるでしょう。
そうした部分を補うかたちで取り組みます。
また、この時期は、正答率を意識するようにしましょう。
12月以前に一度解いているからです。
一度解いた問題は、間違えないようにすることを目指します。
目標は9〜10割正解することです。
苦手をなくしていく
問題集や過去問で間違えた部分、または解くのに時間がかかった部分は、「直前期の苦手」に当たります。
11〜12月と同様に、「直前期の苦手」を克服する時間を、必ず設けておきましょう。
克服方法としては、解説を読むほかに、その問題に関連する基礎に戻るという方法が挙げられます。
忘れていた基礎を再度確認し、基盤を強固なものにしていきましょう。
また、学校や塾の先生に聞くという方法もあります。
とくに過去問となると、基礎の知識だけでなく、その応用までも必要になることがあります。
先生なら、細かい応用の方法を個別に教えてくれるでしょう。
そのため、学校や塾に長居する日も用意しておきます。
まとめ
大学受験は、勉強計画を立てることによって、効率よく対策することができます。
とくに、私立文系は、勉強科目を絞れるため、勉強計画を立てやすくなります。
ただ、計画の方法を間違えてしまえば、その分効率も悪くなってしまうでしょう。
そうならないためにも、今回紹介した方法に沿ってみることをおすすめします。
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投稿者プロフィール
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