大学受験で英検は意味ない?優遇措置や取得するメリットを解説

英検
大学進学を目指す高校生の中には、大学受験で英検は役に立つのか知りたい方もいるのではないでしょうか。

結論、英検を採用している大学は全国に400校以上あるので「英検は意味がない」ということはありません。

本記事では、大学受験における英検の優遇措置や取得するメリットなどを解説します。

大学受験で英検は意味ないのか?

2023年度に公表された文部科学省の委託調査によると、英語の資格・検定試験を活用している選抜区分は、一般選抜24.3%、総合型選抜33.9%、学校推薦型選抜26.0%でした。

大学受験では民間資格・検定の中で、英検が最も採用されているので、意味ないことはありません。

一方、一般選抜での採用率が低かったり、難関大学が不採用だったりするため、志望校によっては使えないケースも多いのが実態です。

志望校の選抜方法を確認して、英検が使えるのか、使うと有利になるのかを見極める必要があります。

参照:文部科学省「大学入学者選抜の実態の把握及び分析等に関する調査研究」

英検の概要をおさらい

英検とは、実用英語技能検定の略称で、国内最大級の英語の民間検定です。2022年度の受験者数は420万5920人にものぼります。

共通テストや個別試験では「読む・聞く・書く・話す」といった4技能のスキルを一斉に調査するのが難しいため、大学は英検を代表とする民間検定・資格を採用しています。

各級の概要は以下の通りです。

レベル 試験の内容・時間 2024年度の検定料
1級 大学上級程度 1次試験(筆記100分 / リスニング約35分)
2次試験(英語での面接約10分)
1万2500円
準1級 大学中級程度 1次試験(筆記90分 / リスニング約30分)
2次試験(英語での面接約8分)
1万500円
2級 高校卒業程度 1次試験(筆記85分 / リスニング約25分)
2次試験(英語での面接約7分)
9100円
準2級 高校中級程度 1次試験(筆記75分 / リスニング約25分)
2次試験(英語での面接約6分)
8500円
3級 中学卒業程度 1次試験(筆記50分 / リスニング約25分)
2次試験(英語での面接約5分)
6900円
4級 中学中級程度 1次試験(筆記35分 / リスニング約30分)
スピーキングテスト(約4分)
4700円
5級 中学初級程度 1次試験(筆記25分 / リスニング約20分)
スピーキングテスト(約3分)
4100円<

参照:公益財団法人 日本英語検定協会

有効期限は大学によって異なる

英検で取得した級やスコアは生涯有効である一方、大学受験では有効期限が定められている場合があります。

例えば、青山学院大学は英検について「出願期間末日より2年以内に取得したもの」という条件を定めています。

一方、一橋大学の学校推薦型入試では、出願要件の1つに英検1級を設けていますが、有効期限は定められていません。

有効期限は2年以内であるケースが多いので、高校2年生以降に取得するのがよいでしょう。

受験校の募集要項をチェックしておけば、取得した級やスコアを無駄にしてしまうような事態を避けることが可能です。

大学受験における英検の優遇措置

英検のマークシート
大学受験における英検の優遇措置は以下の通りです。

  • 英語の試験免除
  • 入試での加点
  • 得点換算
  • 出願資格の付与

英語の試験免除

1つの学部・学科に、複数の選抜方式を設けている大学があり、中には英検を取得していれば、英語または外国語の試験が免除されるケースもあります。

例えば、明治大学国際日本学部の場合、英検準1級以上を取得していれば、外国語の試験が免除され、国語の試験のみで合否が判定されます。

早めに英検を取得しておけば、英語の受験勉強をする必要がなくなるので、効率的に受験勉強をすることが可能です。

入試での加点

英検の級やスコアによっては、入試で加点されるケースもあります。

例えば早稲田大学国際教養学部の場合、以下の通りです。

  • 英検1級:20点
  • 英検準1級:14点
  • 英検2級:7点

上記のような選抜方式の場合、最低でも英検2級は取得しておいた方がよいでしょう。

合計200点満点のうち、20点が民間の英語資格・検定を占めるため、合否を左右する可能性があるからです。

得点換算

民間の英語検定・資格の級やスコアを入試の点数に換算している大学もあります。

例えば、学習院大学国際社会学部の場合、以下のように換算されます。

  • 英検1級かつCSEスコア2630以上:150点
  • 英検準1級かつCSEスコア2540以上:140点
  • 英検準1級かつCSEスコア2304以上:130点
  • 英検2級かつCSEスコア2260以上:120点
  • 英検準2級かつCSEスコア2120以上:110点
  • 英検準2級かつCSEスコア1980以上:100点

※英語の配点は150点
※CSEスコアとは、英語力を数値で表したもの

英検1級を取得していてCSEスコアが2630以上の場合、英語は150点満点のうち150点です。

優れた級やスコアを取得していれば、個別試験を免除されるだけでなく、他の受験生に差をつけた状態で入試に臨めます。

出願資格の付与

民間の検定・資格を出願資格に定めている大学もあります。

例えば、法政大学の英語外部試験利用入試では、14学部を対象に英検を出願資格に定めており、文系学部では国語または数学のうち1科目、理系学部では数学1科目で受験可能です。

求められる級は学部によってことなりますが、準1級または2級を取得していれば、出願資格として認められます。

大学受験のために英検を取得するメリット

英語の勉強
大学受験のために英検を取得するメリットは以下の通りです。

  • 受験で有利になる
  • 英語の学力が上がる

順番に解説します。

受験で有利になる

英検に優遇措置を設けている大学が多いので、受験を有利に戦えます。試験が免除されれば、他の科目の勉強に注力することが可能です。

また、加点される場合は、英検を取得していない受験生に差をつけられるので、合格可能性アップにつなげられます。

昨今は、様々な選抜方法を採用している大学も多いです。募集要項を読み込んで、最も合格可能性の高い方法で受験するとよいでしょう。

英語の学力が上がる

英検取得に向けて勉強する過程で、語彙力や文法の知識、読解力を高められます。

英検の勉強は、これまでに勉強した内容の総復習になるだけでなく、知らなかった単語や文法も身につくからです。

また、普段勉強する機会が少なくなりがちなリスニングの勉強をするきっかけにもなります。

目標があることで、モチベーションを維持しながら英語の勉強に取り組めるのです。

大学受験における英語の検定・資格に関するよくある質問

大学受験における英語の民間検定・資格に関するよくある質問について回答します。

英検S-CBTとは何ですか?

英検S-CBTとは、パソコンを活用して4技能のスキルを測定する試験です。

出題形式や難易度などは従来の英検と同じですが、同日にスピーキングのテストも実施されるため、2次試験を受ける必要がありません。

実施級は準1級、2級、準2級、3級です。試験は原則、毎週土日に開催されているため、受験するタイミングを調整しやすいというメリットがあります。

TEAPとは何ですか?

TEAP(ティープ:Test of English for Academic Purposes)とは、公益財団法人 日本英語検定協会と上智大学が共同開発した、英語力を測定するための民間テストです。

テストは「読む・聞く・書く・話す」の4技能で構成されており、総合的な英語力を測定できるのが特徴です。

なお、TEAPの結果は、CEFRで定められているA1~C1で表示されます。

※CEFR(セファール: Common European Framework of Reference for Languages)とは、外国語の運用能力を測定する国際標準のこと

まとめ|大学受験で英検は意味ないことはありません

選抜方法の一部に民間の英語検定・資格を採用している大学は多く、英検を活用できるシーンも増えています。

試験の免除や加点、得点換算などの優遇措置があり、優れた級やスコアを取得していれば、他の受験生に差をつけた状態で受験に臨むことが可能です。受験予定の学部・学科で英検が使えないかぜひ確認してみてください。

また、英検取得の勉強は、英語力の向上にもつながるというメリットもあります。これまで勉強した内容の総復習も兼ねて受験してみるとよいでしょう。

なお「中高一貫専門塾WAYS」では、中高一貫校生を対象に、大学受験対策を設けて、一人ひとりに合ったカリキュラムを作成し、志望校合格に向けてサポートしています。

大学受験に取り組むにあたって不安がある方や偏差値を大幅にアップさせたいと考えている方はお気軽にご相談ください。

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