私立中学から高校受験する際に内申は出してもらえる?4つの意外な落とし穴&注意点も
私立中学の多くは中高一貫校であるため、高校受験をせずにそのまま高校に進学できます。
そのため、私立中学では、内部進学することを前提としたカリキュラムとしており、基本的には他校を受験することを想定していません。
しかし、学校になじめない場合や成績不振、もしくはレベルの高い学校を目指したいといった理由で、高校進学時に他校を受験するお子さんがいます。
そのような場合、受験に必要な内申(調査書)の作成をしてもらえるだろうかと不安になる方もいらっしゃるでしょう。
通常は内申を作成していないため、学校側と交渉する必要が生じます。
このページの目次
Q. 私立中学から高校受験をする際に必要になる「内申」とはどういうものですか?
高校受験における「内申」とは、内申書・調査書ともいわれ、中学校の9教科の成績や学校生活を記したものです。
「内申点」は、5段階に分けられた9教科の成績を足したもので、1学年は45点満点となります。
この内申点を9教科で割った平均の数値が「評定平均」です。
小数点以下第2位が四捨五入され、3.5や4.2のように表されます。
中学1年から3年までの成績が反映されるのですか?
内申に反映される成績の範囲は、公立の場合は自治体、私立の場合は学校ごとに異なります。
1年生から3年生の2学期までのほぼすべての成績が対象となるケースもあれば、中3の成績のみを対象とする場合、また各学年の比率が1年 : 2年 : 3年=1 : 1 : 3など異なるケースもあります。
成績不振で高校受験を検討している場合は、1・2年次の成績があまり良くなかったケースもあると思います。どのような影響となるのか、受験を希望する高校をよく調査しましょう。
内申は高校受験でどの程度の影響がありますか?
内申の扱われ方も、学校によって異なります。
内申を提出してもほとんど参考にせず試験を重視する学校もあれば、都立高校の第一次募集の「学力検査 : 内申 = 7 : 3」のように比率を設定している場合もあります。
志望校の募集要項や教育委員会のホームページなどで、内申に関する情報を発表していることもあるため、こちらも調査が必要です。
私立中学から外部の高校を受験する際に、内申は出してもらえますか?
多くの私立中学は、高校までエスカレーター式の中高一貫校です。中高6年間を過ごすことが前提となっており、他校を受験することを想定していません。
通常は高校受験のための内申を作成することもないため、早い段階で「ほかの高校を受験したい」旨を学校側に伝え、「いつまでに・どのように作ってほしい」と、内申の作成を具体的に依頼する必要があります。
中高一貫校では、入学時に6年間通う旨の誓約書を提出している場合もあります。それを理由に、他校の受験を認めないと言われる可能性もあるでしょう。
そうなってしまった場合は、学校側と話し合いを重ね、内申を作成してもらえるように頼むことになります。
内申以外にも、私立中学から高校受験をする際の注意点はありますか?
高校受験に失敗しても元の学校には戻れないケースが多い
より高いレベルを目指して外部高校を受験する場合は、万が一受験に失敗したとしても、元の学校には戻れないことを覚悟する必要があります。
高校受験をしなければ、エスカレーターで高校へ上がれるわけですから、チャレンジするメリットと、受験に落ちてしまったときのデメリットをよく検討する必要があります。
個人で情報を収集しなければならない
多くの私立中学では、他校受験に関するノウハウや知見を持ち合わせておらず、サポートが期待できません。
受験を希望する高校の情報を自分たちで集めたり、出願書類の準備や提出をいつまでにするのかスケジュールを立て自分たちですべて対応したり、負担が大きくなります。
内申で苦労する可能性がある
成績不振で外部受験をする場合、内申の評価を期待できず、高校受験で悪影響となる可能性があります。
そうでなくとも、多くの私立中学生は内申を気にせず過ごしてきています。
特に、偏差値の高い難関私立中学に在籍している場合は、周囲の生徒のレベルが高いため、定期テストで平均点以上を取ることも難しく、よい内申を取る困難さが問題になります。
内申が期待できない場合は、内申を重視しない高校を受験するか、受験勉強で内申点をカバーできるだけの学力が身に付ける必要に迫られます。
「定期テストの勉強」と「高校受験の勉強」を同時に頑張らなければいけない
私立中学(中高一貫校)の定期テストは、大学受験が意識され、進度が早くなっています。中学1〜2年で、公立中学の3年までの内容を学習し、中学3年では高校1年の内容に入っています。
もちろん、高校受験対策の勉強とはまったく異なります。
高校受験を失敗するリスクを考えると、高校受験の勉強に力を注ぎたくなりますが、中学の定期テストは内申に直結するため、やはり本気で取り組まなけれないけません。
勉強量が増え、ジレンマを抱えることになります。
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ポジティブな理由での私立中学からの高校受験であれば、目標を持ってチャレンジするだけです。
しかし在籍している私立中学のレベルについていけないなど、成績不振が理由であれば、高校受験も楽な道のりではありません。
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そのノウハウから言えば、成績不振の理由は、お子さんの能力に問題があるわけではなく、必要な勉強をしていないからというケースが大半です。
たとえば定期テスト対策では、次のテストまでにテスト範囲を3周できるように指導計画を立てます。やるべき勉強に着実に取り組めるので、中学受験に合格できた本来のポテンシャルを発揮できるようになっていきます。
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