【大学受験】英単語の暗記法 完全ガイド|繰り返し暗記法・おすすめ教材を紹介

英単語の暗記が苦手なのは、単語を「覚えられない」よりも「忘れてしまう」のが原因になっているケースが大半です。

英単語を忘れずに、定着するコツはシンプルに「繰り返し」です。「単語を発音」して「意味を思い浮かべる」を早いペースで繰り返す。ただ、それだけで定着率がかなりアップします。

最初は完璧を目指す必要はありません。反復を意識すれば、大学受験に必要な4000語程の単語を無理なく覚えることができるのです。

英語教師歴30年のベテランライターが、英単語の定着率が上がる「繰り返し英単語学習」を詳しく解説します。

お子さんが英単語暗記で苦労しているようなら、この記事を読んで上手にアドバイスをしてあげてください。

英単語学習を始める前に意識してほしいポイント

英単語を覚えないと英語は絶対にできるようにならない

英語は「英単語」が「英文法」のルールに従って並んで意味をなしています。

I have a small mole on my cheek.

この英文の意味はわかりますか?

シンプルな英文ですが、a mole=「ホクロ」を知らないと、「私はほおに小さなホクロがあります」という意味がわかりません。

単語を知らないと、英語の意味はわからない。これは自明ですよね。

さらに、単語を知らないと、英語学習そのものが進まなくなります。

当たり前と感じるかもしれませんが、私の経験では、「単語を覚えてないから英語の勉強が進まない。だから、英語が苦手」という高校生が本当に多い印象を持っています。

つまり、授業を聞いていても、単語そのものがわかっていないから、先生の解説が理解できないのです。

英文法でも、長文読解でも、リスニングでも、英語のどの分野の勉強をしていても、単語を知らないから、その内容を理解できなくなっています。

単語を知らないと、英語の勉強は捗りません。いちいち単語を調べるのが面倒になって、勉強を投げ出してしまう。そんな状態になっていませんか?

逆に言えば、単語を覚えてしまうと、一気に英語学習の理解度が上がります。だからこそ、英単語が本当に大事なのです。

大学受験に必要な単語を覚えてからがスタート

大学受験に必要な単語数は次の通りです。

  • 中学レベル:1600語〜1800語
  • 高校レベル:1800語〜2500語
  • 合計:3400語〜4300語

これだけの単語を覚える必要があるのですが、一つの悪い例が、1日10単語のようにコツコツ覚えることです。

コツコツ継続するのは決して悪くはないのですが、これだと時間がかかりすぎてしまいます。

例えば、約4000語を覚えようとすると、400日かかってしまいます。この間は、英文法でも長文読解でも、英語学習では単語で苦労することになります。

1年以上も、単語のせいで英語の勉強が捗らないようでは、成績もなかなか上がりません。

最初から完璧を目指す必要はありません。まずは「この単語は見たことある!」のレベルまで一気に勉強しましょう。

単語がわかってくれば、英文法でも長文読解でも理解できるようになります。すると、一気に英語そのものの理解度が上がるはずです。

暗記ができない理由2:単語を読めない(発音がわからない)

単語を読めないことが、単語を覚えられない原因になっているケースがあります。

英語は「スペル」と「読み方」が一致しません。これが単語を覚えるのを難しくしています。

例えば、Monday はすぐに覚えられても、Thursday は覚えにくいと感じませんでしたか? Thursday は読みにくいので、なかなか頭に入ってきません。

読めない単語は、電子辞書、単語帳専用CD・アプリ、インターネットを使って、正しく発音できるようにしましょう。それだけでも、単語が頭に入ってきやすくなります。

暗記ができない理由2:「脳」はすぐに忘れる!定着のカギはスピード感と回転数

さらに、単語を「覚えられない」よりも「忘れてしまう」のが単語が定着しない原因になっているケースが多いです。

私の勤務校では、毎週100語の英単語テストを実施しています。

やる気のある生徒なら、ほぼ合格点(=9割以上)を取ります。(もちろん、やる気がなくて覚えてこない生徒もいますが…)

それでも、英語の成績がイマイチな生徒は、英単語テストが終われば、すぐに忘れてしまうのです。

やる気さえあれば、ある程度は覚えられます。しかし、最大の問題はすぐに忘れてしまうことなのです。

そもそも覚える気がなければ、単語は覚えられません。誰でも楽に覚えられる魔法の方法はどこにもありません。ある意味、モチベーションが最も大事。

しかし、せっかく覚えた単語でも、忘れてばかりいれば、やる気も失せてしまいますよね。「毎日少しづつコツコツと」と聞けば良さそうですが、実はこの考え方に問題があります。

単語は、「完璧を目指さない」ことです。スピード感と回転数が大事です。まずはこの前提から始めてみましょう。

【実践】英単語を効率的に暗記して忘れにくくなる暗記法

ここからは、実際に1冊の英単語帳(おすすめの英単語帳については後述します)を使った英単語暗記法を紹介します。

手順は簡単な3ステップです。

  1. 1単語30秒で暗記:単語を発音して日本語の意味が思い浮かぶようにする
  2. 1セット(100語)を2回復習しながら3周
  3. 長文読解で定着度を確認

1. 1単語30秒で暗記:英単語→日本語の意味を想起する

1単語を30秒以内で暗記していきます。次の3点に注意しましょう。

  1. 1セット100語(50語でもOK)
  2. 1単語につき30秒で覚える(30秒以上はかけない)
  3. 単語を発音して日本語の意味が思い浮かべばOK

まずは、1単語につきメインの意味を覚えます。いきなり複数の意味を覚えようとして、ペースダウンするのはよくありません。

複数の意味がある場合は、慣れてきてから、徐々に覚えていけば十分です。

この方法だと、100語×30秒=3000秒=50分(50語だと25分)のペースで進みます。50分も暗記で大変と思うかもしれませんが、ここはしっかり頑張りましょう。

最初から完璧を目指す必要はありません。スピードと回転数を重視。すぐに慣れてきます。

2. 1セット(100語)を3回繰り返す

1セットの暗記を3回繰り返します。忘れてしまうのを防ぐために効果的なタイミングの復習が大事です。これによって、定着率が上がります。

エビングハウスの忘却曲線によると、人は20分経過すると覚えたことを約40%を忘れて、そのまま復習しなければ1ヶ月後には、ほとんど忘れてしまいます。しかし、24時間以内に復習すればほぼ100%の記憶に戻ると言われています。

画像の出典:エビングハウスの忘却曲線を自作してみた – さくら個別ができるまで

この人の記憶のメカニズムに沿って、1日後、1週間後、1ヶ月後を目安に復習しながら繰り返すのが「繰り返し英単語学習」です。

【繰り返し英単語学習の例】

<1セット(暗記)>→<2セット(暗記)1セット(復習)>→<3セット(暗記)2セット(復習)>…(1週間後を目安に)…<8セット(暗記)7セット(復習)1セット(復習)>→<9セット(暗記)8セット(復習)2セット(復習)>→…(以降同様)

※1セットの単語数や復習のタイミングは各自に合うようにアレンジ可能

このように、翌日に次のセットの暗記と1回目の復習。約1週間後を目安に、次のセット暗記と前のセットの1回目復習に加えて、1週間前にしたセットの2回目の復習。

この繰り返しです。復習は、すでに覚えている単語は30秒かからないので時間は短縮できます。

このペースだと1000語なら10日で1周できます。もちろん全て完璧に覚えることはできませんが、復習をしているので定着率は確実に上がります。

約1ヶ月で3周できます。3周する頃には、かなりの単語が定着しているはずです。

1セットの語数や復習のタイミングと回数は個人でアレンジして大丈夫ですが、「早いペースの繰り返し」を大切にしましょう。

3. 長文で定着度を確認する

ある程度覚えたら長文問題を取り組んでみましょう。英単語の勉強ばかりで、長文問題をしない人がいますが、これは完全にNGです。

英単語を覚えるのは手段であって目的ではありません。あくまでも英文が読める(あるいは書ける)ようになるのが目的です。

おすすめの問題集を紹介します。レベル別になっているので、簡単と思えるレベルから始めてみましょう。

英語の語順のまま理解する、スラッシュ訳で英文を読めるように練習します。英文を訳さなくても理解できる「直読直解」ができるのが理想です。

【スラッシュ訳の仕方】

English is a language / which is used / by a lot of people / all over the world.

英語は言語である / 使用されている / 多くの人々によって / 世界中で

のように英語の語順で英文を理解します。

英語長文ハイパートレーニングシリーズ(桐原書店)

イチから鍛える英語長文シリーズ(Gakken)

英単語の暗記がより実用的になるための大切なポイント

ここからは、せっかく覚えた単語を、実用的な知識にするために、押さえておきたいポイントを解説します。

英単語は必ず発音して覚える

単語を覚える時は必ず発音しながら覚えましょう。発音せずに紙に単語を何回も書いて覚える人がいますが、効果的とは言えません。

カタカナ英語やローマ字読みなど、間違った発音で覚えてしまうとリスニングで聞き取れなくなるのでNGです。

共通テストでリスニング配点が増えてきているように、リスニングはますます重要になってきます。発音がわからない場合は、電子辞書、英単語帳の専用アプリやCD、インターネット等を活用しましょう。

英単語の意味がすぐに思い浮かぶ

単語の意味はすぐに思い浮かぶ(=クイックリスポンス)が大事です。「3秒で意味が言えない単語は覚えていない」が基準です。

単語を見て、「えっと〜」と考えているようでは、長文を読むスピードは上がりませんし、リスニングのペースについていけなくなるからです。

慣れてくると単語は、日本語の意味だけではなく、イメージを連想して覚えていきます。

例えば、appear =「現れる」と日本語訳を覚える時は、「何かが外から見える状態」になっている状況を思い浮かべながら覚えるのがコツです。

このように、映像や場面などをイメージしながら覚えると、英語を日本語訳を介さずに理解できるようになります。続けていくうちに、いわゆる「英語脳」が出来てきます。

このレベルまで来れば、以前よりも単語をずいぶんと吸収しやすくなっているはずです。

英単語のスペルを覚える

スペルよりも発音の方が大事という前提は押さえてください。ローマ字読み(あるいは語呂合わせ)でスペルを書きながら覚える人がいますが、この覚え方は完全にNGです。

ネイティブスピーカーの子供も文字よりも音から先に習得していきます。

その上で、ある程度、単語の意味がすぐに思い浮かぶようになったら、スペルも覚えていきましょう。

「音読筆写」と言って、英単語を発音しながら書く練習が効果的です。

コロケーションを意識する

単語には繋がりやすい組み合わせ(=コロケーション)があります。

例えば、

bicycle「自転車」→ ride a bicycle「自転車に乗る」

traffic「交通」→ heavy traffic「交通量が多い」light traffic「交通量が少ない」

のように覚えていきます。こうすることで自然に表現力が身につきます。

同義語・反意語・派生語などの関連性を意識する

単語の関連性を意識すると、記憶に定着しやすくなります。

例えば、

(同義語)bad「悪い」 = unpleasant / disagreeable / awful / terrible など

(反意語)narrow「狭い」←→ wide「広い」

(派生語)succeed「成功する」→ successful「成功した」→success「成功」/ succeed「継承する」→ successive「連続した」→ succession「継承」

のように関連させて覚えます。こうすることで単語を整理して覚えることができます。

【大学受験用】おすすめの英単語帳・英熟語帳

【3選】おすすめの英単語帳・英熟語帳

おすすめの英単語帳・英熟語帳を紹介します。

それぞれ好みがあると思うので、実際に手に取って気に入った英単語帳を選んでください。もちろん、学校で使っているものでもOKです。

ただし、最後まで終わらないで、あれこれと新しいのに手を出すのはNGです。これだといつまで経っても単語の穴は埋まりません。

それぞれ最初の1冊目は高校基礎レベルなので、必要に応じでカットしても構いません。

ターゲットシリーズ(旺文社)

見出し語のヒット率が高い。専用アプリ「ターゲットの友」は秀逸。その他、関連教材もとても充実しています。

システム英単語シリーズ(駿台文庫)

コロケーションを意識した、ミニマルフレーズが充実。単語を関連させて暗記しやすく、表現力も広がります。

速読英単語シリーズ(Z-KAI)

見出し語に加えて、見出し語が使われている長文が収録されています。ただし長文のレベルは高く、上記2冊よりも上級者向け。

【発展】英単語帳よりも更に語彙力UP

英語は最後は単語力です。どれだけ単語を知っているかが、そのまま英語力と言っても過言ではありません。

上記の単語帳だけで完璧という訳ではありません。英語学習をする限りは常に語彙力UPに努めましょう。

以下で、上記テキストの加えて語彙力UPのために実践してほしいことを紹介します。

単語帳の定期的な復習

人は忘れる生き物です。単語帳は完璧に覚えたつもりでも、定期的に復習をしましょう。復習すればするほど記憶に定着します。

オリジナル単語ノートの作成

英語学習で出てきた未知の単語や表現は必ず一冊のノートに書き留めていきます。

このオリジナル単語ノートは常に持ち歩いて、知らない単語ができてきたら記入。時間があれば常に覚える。この繰り返しで語彙力は確実にアップします。

難関大を目指して語彙不足を感じる場合

難関大志望で上記の単語帳では不十分だと感じる人は更にハイレベルな単語帳を取り組みましょう。難関大向けのおすすめ単語帳を紹介します。

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投稿者プロフィール

ひろ先生
ひろ先生
中高一貫校指導歴30年のベテラン教師です。勉強が得意な生徒から苦手な生徒までたくさんの生徒を指導してきました。念願叶っての中高一貫校だと思います。充実した6年間を過ごして欲しいものです。ベテランならではの視点で悩みに寄り添ったアドバイスを心がけます。ちなみに2人の子供も中高一貫校に通っています。保護者としての目線も大事にします。

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