英語の自動詞と他動詞、助動詞、時制、受動態とは?|英語の紛らわしい用語辞典

英語が苦手なのは「英単語」か「英文法」に大半の原因があります。

言い換えれば、ここの苦手を解消すれば、英語の理解度が一気に上がります。

歴30年のベテラン英語教師が、英語が苦手な中学生のお子さんをお持ちの保護者の方に向けて、英語を教えるためのポイントを整理しました。

今回の記事では、「自動詞と他動詞」「助動詞」「時制」「受動態」を解説しています。

自動詞と他動詞

自動詞と他動詞の見分け方

自動詞と他動詞の違いは

  • 自動詞:目的語不要
  • 他動詞:目的語が必要

で分類します。

しかし、これだとわかりにくいので、動詞の後に「何を?」と補って考えてみてください。

「何を?」の答えがなくても通じる動詞は自動詞、「何を?」の答えが必要な動詞は他動詞です。

例を挙げてみます。

live 「生きる」→「何を?」→不要→自動詞

make「作る」→「何を?」→「ケーキを」(必要)→他動詞

イメージできたでしょうか?

しかし、動詞には複数の意味があり、自動詞と他動詞の両方があるものもあります。

例えば、

run「走る」→「何を?」→不要→自動詞

run「走らせる(経営する)」→「何を」→「お店を」(必要)→他動詞

runは、

自動詞で「走る」

他動詞で「〜を経営する」

で意味が異なります。

このような動詞が入試では狙われます。

自動詞と他動詞の一覧

試験に出やすい自動詞と間違いやすい他動詞をピックアップします。

日本語の意味に引きづられないようにしましょう。

例えば、日本語だと「〜について議論する」→ discuss about としがちですが、discuss は先の見分け方に当てはめると他動詞だとわかります。

discuss→「議論する」→「何を?」→「問題を」(必要)→他動詞

【自動詞と間違いやすい他動詞】

  • approach「〜に近づく」
  • attend「〜に出席する」
  • discuss「〜について討論する」
  • enter「〜に入る」
  • marry「〜と結婚する」
  • reach「〜に達する」

自動詞と他動詞の覚え方

自動詞と他動詞を見分けるのは大変かもしれません。

動詞を覚える時には、フレーズで覚えてしまうと、自動詞と他動詞の区別ができるだけでなく、記憶に残りやすくなります。

自動詞なら前置詞と前置詞の目的語、他動詞なら目的語までフレーズとして覚えましょう。

  • talk about a problem / discuss a problem「問題について話す/議論する」
  • get to a station / reach a station「駅に到着する」

などです。

【前置詞とセットで覚える自動詞】

  • listen to「(〜を)聞く」
  • look at「(〜を)見る」
  • wait for「(〜を)待つ」
  • agree with「(〜に)賛成する」

また、紛らわしい動詞は入試に狙われれるのしっかり覚えましょう。

  • lie(自動詞)「横になる」 lay(他動詞)「〜を横にする」
  • rise(自動詞)「上がる」 raise(他動詞)「〜を上げる」

助動詞

助動詞の基本

助動詞とは動詞に意味を付け加える働きをして、<助動詞+動詞の原形>の形で使います。

肯定文、否定文、疑問文の作り方も押さえましょう。

(肯定文)She can sing well.「彼女は上手に歌うことができる。」

(否定文)She can’t sing well.「彼女は上手に歌うことができない。」

(疑問文)Can she sing well?「彼女は上手に歌えますか。」

助動詞の意味

助動詞は意味は、主語の動作系と、話し手の推量系の意味を覚えます。

助動詞 動作系 推量系
will 「〜するつもりだ」(意思) 「〜だろう」(推量)
can 「〜できる」(能力) 「〜があり得る」(可能性)
may 「〜してもよい」(許可) 「〜かもしれない」(推量)
should 「〜するべきだ」(当然) 「〜のはずだ」(当然)
must 「〜しなければならない」(義務) 「〜に違いない」(強い推量)

助動詞と同じ意味を持つ表現も合わせて覚えましょう。

【助動詞と同じ意味の表現】

  • be able to = can
  • be going to =will
  • have to = must

※don’t have to 「〜する必要はない」で must not「〜してはいけない」とは意味が違うので要注意

時制

時制一覧

英語の時制一覧です。まずは形を覚えましょう。

時制 過去 現在 未来
基本形 did do / does will do・is / am / are going to do
進行形 was / were doing is / am / are doing will be doing
完了形 had done have / has done will have done
完了進行形 had been doing have / has been doing will have been doing

基本形(現在形・過去形・未来表現)

時制とは時間を表すイメージです。英語の時間のイメージをつかみましょう。

  • 現在形:昨日も今日も明日も変わらないこと。現在の状態やいつもの習慣や事実を伝える形
  • 過去形:今とは関わりない過去。今現在よりも過去の状態・動作を伝える形
  • 未来:今よりも後のこと。今現在よりも未来の状態・動作を伝える形

(現在形)I have toast for breakfast.「私は朝食にトーストを食べる。」(習慣)

(過去形)I visited her yesterday.「私は昨日、彼女を訪ねた。」

(未来表現)She will move next month.「彼女は来月引っ越すつもりだ。」

不規則動詞過去形

動詞は原形だけでなく過去形も覚えます。特に不規則動詞の過去形はしっかり覚えましょう。

【不規則動詞】

  • begin – began
  • break – broke
  • do – did
  • eat – ate
  • find – found
  • give – gave

など。

未来を表す表現の使い分け

未来を表す表現には<will+動詞の原形><be going to+動詞の原形>の表現があります。

<be going to+動詞の原形>では、主語と時制によってbe動詞の形が変わるので、間違えないようにしましょう。

She will buy a watch.「彼女は時計を買うだろう。」

She is going to buy a watch.「彼女は時計を買うだろう」

willは「その場で思いついた」be going toは「前から決めたいた」ニュアンスが含まれます。

進行形

進行形の基本

進行形は「している最中の動作」を伝えます。現在・過去・未来の表現があります。

動作を表す動詞(=動作動詞)が進行形になります。状態を表す動詞(=状態動詞)だと一時的な状態を表します。

  • 現在進行形:現在している最中の動作・一時的な状態
  • 過去進行形:過去にしていた最中の動作
  • 未来進行形:未来のある時にしているだろう動作

(現在進行形)The woman is writing a poem now.「その女性は今、詩を書いているところだ。」

(過去進行形)The man was reading a novel then.「その男性はその時、小説を読んでいた。」

(未来進行形)I will be cooking at 5 p.m. tomorrow.「明日の午後5時に、私は料理をしているだろう。」

現在形と現在進行形の違い

進行形の理解を深めるには現在形と関連して理解するとわかりやすいです。

  • 現在形:いつもしている動作・状態
  • 現在進行形:今している動作・一時的な状態

(現在形)I play tennis after school.  「放課後(いつも)テニスをしている。」

(現在進行形)I am playing tennis now.  「今テニスをしている。」

完了形

完了形の基本

完了形は、つながった2つの時間を表します。

  • 現在完了:過去から現在までに完了したこと、経験したこと、続いていること
  • 過去完了:大過去から過去までに完了したこと、経験したこと、続いていること 
  • 未来完了:現在(または過去)から未来までに完了したこと、経験したこと、続いていること

(現在完了)I have just finished my work.「私はちょうど自分の仕事を終えたところです。」

(過去完了)When he arrived at the station, she had already left.「彼が駅に到着したときに、彼女はすでに去ってしまっていた。」

(未来完了)I will have solved the problem by tomorrow.「私は明日までに問題を解決しているでしょう。

過去形と現在完了形の違い

現在完了形を理解するには過去形との違いを理解するとわかりやすいです。

  • 過去形:今につながってない
  • 現在完了形:今につながっている

I lived in Tokyo two years ago.  「2年前に東京に住んでいた。」(今は住んでない)

I have lived in Tokyo for two years. 「 2年間、東京に住んでいる。」(今も住んでいる)

現在完了形と現在完了進行形の違い

同じ継続の意味でも、動作の場合は現在完了進行形、状態の場合は現在完了形を使います。

I have lived in Hawaii for ten years.(状態)「私は10年間ずっとハワイに住んでいる。」

I have been walking since this morning.(動作)「私は今朝からずっと歩き続けている。」

過去完了進行形と未来完了進行形も動作の継続を表しています。

(過去完了進行形)He had been writing a letter fro two hours.「彼は2時間、ずっと手紙を書き続けています。」

(未来完了進行形)Next month, I will have been working there for 20 years.「来月、私はここで20年間働き続けたことになる。」

受動態

受動態の基本

主語が動作を「する」側の表現を能動態、主語が動作を「される」側の表現を受動態といいます。

受動態はbe動詞+過去分詞>の形になります。

肯定文・否定文・疑問文の形を押さえましょう。

(肯定文)The kitchen is cleaned by her.「台所は彼女によってきれいにされています。」

(否定文)The kitchen is not cleaned by her.「台所は彼女によってきれいにされていません。」

(疑問文)Is the kitchen cleaned by her?「台所は彼女によってきれいにされていますか。」

時制別の受動態

時制別の受動態の形です。<be動詞+過去分詞>のbe動詞を変形します。

(過去形)The car was washed by him yesterday.「車は昨日、彼によって洗われました。」

(未来形)The car will be washed by him tomorrow.「車は明日、彼によって洗われるでしょう。」

(現在進行形)The old clock is being repaired by him.「古い置き時計は彼によって修理されているところです。」

(過去進行形)The car was being used by him.「車は彼に使われていました。」

(現在完了形)The shop has been closed since yesterday.「店は昨日からずっと閉まっている。」

(過去完了系)The windows had been cleaned when I arrived home yesterday.「昨日家に帰った時には、窓は掃除されていた。」

受動態と文型

動詞の目的語を主語にすることで受動態になります。

  • 第1文型:SV
  • 第2文型:SVC
  • 第3文型:SVO
  • 第4文型:SVOO
  • 第5文型:SVOC

の文型のうち第3〜5文型で受動態の文を作ることができます。

第4文型の受動態

(能動態)I gave him these watches.「私は彼にこれらの時計をあげた。」

「彼」を主語にすると

(受動態)He was given these watches by me.「彼は私からこれらの時計をもらった。」

「これらの時計」を主語にすると

(受動態)These watches were given to him by me.「これらの時計は私から彼に与えられた。」

主語が物の場合は「誰に?」を考えます。

人が必要な動詞はto、必ずしも必要でない動詞はforを入れます。

時計をあげた→「誰に?」→「彼に」to him

時計と買った→「誰に?」→(自分のものかもしれないので不要)→「彼に」for him

toを補う動詞をgive型、forを補う動詞をbuy型といいます。

第5文型の受動態

(能動態)He named the white bird Milk.「彼は白い鳥をミルクと名付けた。」

(受動態)The white bird was named Milk by him.「白い鳥はミルクと名付けられた。」

補語のMilkを主語にした受動態の文は作ることはできません。

× Milk was named the white by him.

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投稿者プロフィール

ひろ先生
ひろ先生
中高一貫校指導歴30年のベテラン教師です。勉強が得意な生徒から苦手な生徒までたくさんの生徒を指導してきました。念願叶っての中高一貫校だと思います。充実した6年間を過ごして欲しいものです。ベテランならではの視点で悩みに寄り添ったアドバイスを心がけます。ちなみに2人の子供も中高一貫校に通っています。保護者としての目線も大事にします。

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