高校化学が苦手な中高一貫校生のためのわかりやすい問題集・参考書ガイド|初心者向け
学校の教科書・問題集を難しく感じ、成績が低迷してしまっている中高一貫校の高校生向けに、高校化学のわかりやすい参考書・問題集を、指導歴15年の現役理科教師が紹介します。
中高一貫校でよく使用される「リードα」や「セミナー」は、基礎から応用まで、幅広く網羅された優れた問題集です。
しかし、これらの問題集が難しく感じられる場合は、次のような補助教材を活用すると、リードαやセミナーの内容を理解しやすくなり、学校指定の問題集にも取り組みやすくなります。
- 噛み砕いた表現でわかりやすく説明された「講義形式の参考書」
- 基本事項の暗記や要点の整理・定着に役立つ「基礎問題集」
- 問題の解き方を丁寧に解説した「解法解説付きの問題集」
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このページの目次
【高1向けで化学が苦手な人向け】化学基礎のオススメ参考書と問題集
化学には「化学基礎」と「化学」があります。
多くの学校では、高校1年生で「化学基礎」を受講し、高校2年生以降、理系に進む場合に発展的な「化学」を学びます。
ここでは「化学基礎」に特化した問題集を紹介します。
化学現象を理解するための「講義系の参考書」2冊
問題集の問題に全く手がつかない場合、化学現象の理解ができていないかもしれません。
その場合、先生が授業で説明してくれるような「講義系の参考書」を使用することがおすすめです。
おすすめの1冊目は「やさしい高校化学(化学基礎) 改訂版」(学研プラス)です。
この参考書は、中学レベルから丁寧に解説し、化学基礎を確実に身につけられるよう工夫されています。
キャラクター同士の対話形式で、自然に学べる構成で、初めて化学を学ぶ人にも取り組みやすい内容です。
図が多く、視覚的にイメージしやすいだけでなく、余白が多いため、文字が多い参考書が苦手な人にも適しています。
重要なポイントが目立つデザインで、必要な内容に集中して学べるため、無駄な暗記を避けられます。
次に「高校化学基礎をひとつひとつわかりやすく。」(学研プラス)です。
こちらは講義系の参考書とまではいえませんが、噛み砕いた表現と、かわいいイラストで化学が苦手な人でも読みやすいです。
1回分が2ページと小分けになっており、左ページに解説、右ページに練習問題が掲載されており、化学が苦手な人でも学習しやすい構成になっています。
「やさしい高校化学」は432ページですが、こちらは192ページと半分くらいの量です。
まずは簡単なものから始めたい、という人には「ひとつひとつ」がオススメです。
ただし、これらの参考書はあくまでも読み物が中心なので、問題量はかなり少なめです。
セットで学校の問題集で演習を行う必要があることは忘れてはなりません。
まずは参考書をさっと読んでから問題集に取り組み、不明点があれば再び参考書を読み直す。といった使い方をしましょう。
基本事項の暗記・要点を整理、定着させるための「基礎問題集」2冊
化学は、知識をしっかり暗記しないと、点数を取るのが難しい科目です。
知識や要点を整理し、基本問題レベルの問題を解きながら、知識を定着させることが必要です。
知識定着を目的に使うなら、「高校 とってもやさしい化学基礎 改訂版」(旺文社)をおすすめします。
穴埋め形式の問題集になっているので、オレンジや赤のペンで書き込み、赤シートで隠すことで反復練習がしやすくなります。
噛み砕いた表現で分かりやすく、イラストも柔らかいので、教科書の硬い表現が苦手という人にはピッタリです。
次に、「化学基礎の必修整理ノート」(文英堂)をオススメします。
この問題集も穴埋め形式になっています。
「とってもやさしい化学基礎」よりも知識を網羅しているので、大学入試共通テストで化学基礎を受験するつもりならこちらを選んでも良いです。
ただし、文章表現は硬いので、その点は注意です。
「基礎問題集」は授業ごとに、復習用として使うのが適しています。
基本問題の「解法を学ぶ」に最適。定期テストの得点力をつける2冊
知識や要点は分かるけれど「問題の解き方が分からない」という人向けの問題集です。
「高校化学基礎の解き方をひとつひとつわかりやすく。改訂版」(学研プラス)
この問題集は1ページに1問ずつ、解き方が詳しく説明されています。
問題を解く際に必要な要点もまとめられており、解法を学びたい人に最適です。
この問題集に取り組んでおけば、スムーズに学校の問題集の問題が解けるようになるでしょう。
「高校 とってもやさしい化学基礎 改訂版」(旺文社)もオススメです。
前述したこの問題集は、問題の解説部分が穴埋め形式になっているため、解法も穴埋め形式で学びたい人におすすめです。
【理系進学者向け】化学・化学基礎のオススメ参考書と問題集
ここからは、化学基礎と化学がセットになり、受験を見据えて勉強できる教材をご紹介します。
化学現象を理解するための「講義系の参考書」2冊
化学では、現象の理解が非常に重要です。
暗記ももちろん必要ですが、発展的な「化学」は現象が理解できていないと問題を解く糸口がつかめません。
理解を深めるためには、説明が丁寧でわかりやすい講義系の参考書がオススメです。
まずは「宇宙一わかりやすいシリーズ」です。
「宇宙一わかりやすい高校化学 理論化学 改訂版」(学研プラス)
「宇宙一わかりやすい高校化学 無機化学 改訂版」(学研プラス)
「宇宙一わかりやすい高校化学 有機化学 改訂版」(学研プラス)
この本は、左ページにわかりやすい解説、右ページに図解が配置された使いやすい構成になっています。
別冊問題集や章末チェックで理解を深められ、受験に必要な重要ポイントも網羅しています。
見た目はユルいですが、本格派の参考書です。
また、「二見太郎の早わかり化学(化学基礎+化学)(学研プラス)」もオススメです。
噛み砕いた表現と大きな図解で分かりやすいのはもちろん、解説の冒頭に「早わかりポイント」が掲載されているので、テスト前のポイント復習にも効率的です。
ぜひ、書店で手に取って見比べてみて、自分の好みと合う方を選んでもらえればと思います。
ただし、講義系の参考書には、問題はあまり掲載されていないため、問題演習は別の問題集で行う必要があります。
また、どちらの参考書もとても分量が多いので、日常的に持ち歩くのは大変かもしれません。
自宅での復習時に読んだり、授業中に机に置いておき、先生の説明が理解できない場合に読むと良いでしょう。
基本事項の暗記・要点を整理、定着させるための「基礎問題集」2冊
まずオススメするのは「とってもやさしい化学」(旺文社)です。
教科書の要点が解説口調で分かりやすく整理されており、基本問題の解説が非常に詳しいため、化学が苦手な方でも理解しやすいです。
一部ですが、つまづきやすいポイントについては、映像授業も用意されているので、映像も使って勉強したい場合にはオススメです。
また、高2以降の化学でも、「必修整理ノート 化学」(文英堂)がオススメです。
この問題集は穴埋め形式になっています。
知識を網羅している良書ですが、文章表現は硬いので、その点は注意です。
化学は、知識の暗記ができていないと、点数が取れない科目です。
知識や要点を整理し、基本問題レベルの問題を解きながら知識を定着させることが必要です。
また、「講義系の問題集」は読むことが主体ですが、「基礎問題集」は手を動かして学ぶことが主体の問題集です。
知識を整理するのが苦手な人や、知識に抜け漏れがある人は、学校の問題集を解く前に基礎問題集で学習しましょう。
基本問題の「解法を学ぶ」に最適。定期テストの得点力をつける3冊
知識や要点は理解しているものの、「問題の解き方が分からない」人向けの問題集を紹介します。
解法の問題集なら「面白いほどわかるシリーズ」がおすすめです。
「改訂版 大学入試 坂田アキラの 化学[理論化学編]の解法が面白いほどわかる本」
「改訂版 大学入試 坂田アキラの 化学[無機・有機化学編]の解法が面白いほどわかる本」
この問題集は、定期テストレベルから、大学入試レベルまでの問題が掲載されています。
計算過程の途中式も省略せず、必要な数学もイチから解説してあり、図を使って分かりやすく説明されています。
まずは定期テストレベルの問題からスタートして、高3時には大学入試用の問題集としても使える、優れた問題集です。
ただし、解説が詳しいですが、問題数は少ないため、学校指定の問題集をやる前に、一通り解くという使い方が良いでしょう。
また、特に計算問題が苦手だという人は、
「大学入試 坂田アキラの 化学基礎・化学[計算問題]が面白いほどとける本」(KADOKAWA)がおすすめ。
計算過程をここまで詳しく解説してある類書は無いでしょう。
化学の計算は数学や物理と違い、3桁レベル小数計算が面倒なものです。これをいかにスッキリと処理するか?まで解説してあります。
学校の問題集が分からない原因は家庭での勉強習慣にあり!問題集だけでは解決しない
問題集や参考書を使った成績アップは、家庭学習の習慣の有無が分かれ目
良い参考書や問題集でも、化学の苦手克服の特効薬にはなり得ません。継続的に取り組むことで、初めてその効果が発揮されます。
継続的な取り組みの土台は、何よりも家庭学習の習慣です。
家庭学習の習慣が確立していない状態で、参考書や問題集の購入をしても、問題解決にならないかもしれません。
特に中高一貫校の場合、日々の復習ができないと化学の授業についていけない
化学は覚えるべき基礎知識が、非常に多い科目です。
特に中高一貫校は授業スピードが速いため、基礎知識が定着していないと、化学の授業についていけなくなります。
スピードが早い分、基礎知識を定着させるのは、お子さんの家庭学習に委ねられています。
つまり、化学の授業についていくには、家庭での復習時間を確保することが重要です。
授業についていけないと、テスト前に授業内容を理解することに時間を割かれます。その結果、テスト前に、十分な問題演習の時間を確保できません。
家庭学習が苦手なお子さんが、問題集を解けない原因は、復習できていないことにあるかもしれません。
中高一貫校生が学習習慣の作るには、個別指導塾が最適
家庭学習が苦手なお子さんは、確実に勉強時間が確保できる塾を利用するのも良いでしょう。
ただし、集団指導塾はあまりおすすめしません。
中高一貫校生の場合、学習水準が高いため、定期テスト対策が大学受験対策にもつながります。特に、高1・2のお子さんは定期テスト対策に重点を置くべきです。
しかし、集団指導塾は、塾独自のペースで授業が進むため、必ずしも学校のペースに合致するとは限りません。
学校のペースに合わせて学習計画を立てられる、個別指導塾の方が定期テスト対策に向いていると言えます。
また、定期テスト対策には、学校の問題集を2〜3周解いて、問題演習量を確保することが重要です。演習中心に勉強できる点からも、個別指導塾が向いています。
中高一貫校生が学習塾を選ぶ際のポイント 詳細解説
中高一貫校専門の個別指導塾WAYSで、化学の苦手を克服できる!
中高一貫校生が通うなら、「中高一貫校専門 個別指導塾WAYS」がオススメです。
覚えるべき知識が膨大にある化学は、学習習慣がなければ授業についていくのが難しくなります。また、定期テスト対策には、学校の問題集を中心に、問題演習量を確保することが重要です。
WAYSでは「1コマ120分指導」と、一般的な個別指導塾(90分前後)よりも学習時間を確保できます。
また、授業時間内に解き直しまで完結することができるので、家で行う宿題はなし!家庭学習が苦手で苦しんでいる中高一貫校生にはぴったりの環境です。
WAYSで92.9%の中高一貫校生が成績アップを実現している理由は、次の記事でご覧ください。
また、WAYSには500校以上の中高一貫校生の指導実績があり、400件以上の成績アップ事例を掲載しています。
あなたのお子さんが通う中高一貫校の成績アップ事例も見つかるかもしれませんので、左下の虫眼鏡マークより「学校名 成績アップ」でぜひ検索してみてください。
投稿者プロフィール
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中高一貫校で15年間指導してきました。10年間は高校3年生の大学受験指導を、次の5年間は主に中学で指導してきましたので、大学受験を見据えた中学からの学力形成に知見があります。私自身も中高一貫校を卒業しました。
せっかく努力されて入学した学校なので、充実した時間を過ごせるよう情報発信という形でサポートしていきます。
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