化学式・化学反応式の覚え方・楽な書き方は?基本と教え方を徹底解説|中学理科
中学理科で習う化学式・化学反応式をどのように理解しておくのがよいのか、中学生に教える際のポイントを、基礎からやさしく解説します。
ポイント
①必要な元素記号を暗記する
②化学式の書き方を理解する
③化学反応式を日本語で表す
④元素の数がそろうように係数を調整する
なお、次の単元については、以下の記事をご覧ください。
○原子・分子・単体・化合物とは
このページの目次
必要な元素記号を暗記する
元素周期表をベースに暗記しましょう。
下表は、覚えておくべき元素のみをピックアップしたものです。
簡単ではありませんが、原子番号1~20までに加え、鉄(Fe)・銅(Cu)・亜鉛(Zn)・銀(Ag)を暗記しましょう。
なお、原子番号1~20について、以下のような暗記法があります。
水兵リーベ(水素の「水」、ヘリウムの「兵」、リチウムの「リ」、ベリリウムの「ベ」)
僕の船(「B」の「ぼ」、「C」の「く」、「N」+「O」の「の」、Fの「ふ」、Neの「ね」)
七曲がり(「Na」の「な」、「Mg」+「Al」の「まがり」)
Ships(「Si」の「Shi」、「P」の「p」、「S」の「s」)
クラークか(「Cl」+「Ar」+「K」の「クラーク」、「Ca」の「か」)
化学式の書き方を理解する
化学式とは、化学物質の性質や成り立ちを、原子記号と数とで表したものです。
例えば、3H2Oというように、化学式には2種類の数字が登場します。
化学式の前についている数字は、後ろのH2Oというまとまりが何セットあるかを表しています。
また、化学式の中にある小さな数字は、直前の原子の数を表しています。H2Oの場合、Hは2個、Oは1個です。
したがって、3H2OはH2Oのまとまりが3セットあり、Hが6個、Oが3個存在するということを表します。
化学反応式の楽な書き方を知ろう
化学反応式とは
化学反応式とは、中和反応や酸化反応といった化学反応を化学式で表したもののことです。
原則、「反応前の物質」→「反応後の物質」という形で表記します。
化学反応式の楽な書き方
例えば、水の生成を表す反応式2H2+O2→2H2Oについて考えてみましょう。
これくらいならいきなり暗記しても問題ありませんが、ゆくゆくは複雑な化学反応式も出てくるので、次の手順に従って式を書くことをオススメします。
①化学反応式を日本語で書く。水素+酸素→水
②化学式に置き換える。H2+O2→H2O
③左側と右側の原子の数がそろうように係数を調整する。2H2+O2→2H2O
暗記が必要なのは、実質①と②のみです。係数部分を覚える必要はありません。
②については、元素周期表をベースに覚えてください。
なお、反応後の物質がわからない場合は、反応前の物質の化学式から推測することも可能です。
覚えておきたい化学反応式を作ってみよう!
〈問題〉
①炭素の燃焼
②マグネシウムの酸化
③酸化銅の還元
④塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和
⑤亜鉛と塩酸の反応
〈解答〉
①燃焼すると酸素が加わります。
炭素+酸素→二酸化炭素
C+O2→CO2
係数を調整する必要はありません。
②酸化するとは酸素が加わることを言います。
マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム
Mg+O2→MgO
係数を調整して、
2Mg+O2→2MgO
③還元とは酸素が放出されることを言います。
酸化銅→銅+酸素
CuO→Cu+O2
係数を調整して、
2CuO→2Cu+O2
④中和とは、酸性の物質とアルカリ性の物質が反応し、中性の物質と水が生成されることを言います。
塩酸+水酸化ナトリウム→塩化ナトリウム+水
HCl+NaOH→NaCl+H2O
係数を調整する必要はありません。
⑤亜鉛+塩酸→塩化亜鉛+水素
Zn+HCl→ZnCl2+H2
係数を調整して、
Zn+2HCl→ZnCl2+H2
お子さんに教える際のポイント
化学式と化学反応式に登場する数字の意味を整理する
化学式の前についている数字の意味と、化学式の中にある小さな数字の意味を整理して伝えましょう。
合わせて前者の数字は、化学反応式において、左側と右側の原子の数を等しくするためのものであることを理解しておくことが大切です。
化学反応式の手順を整理する
①化学反応式を日本語で書く
②化学式に置き換える
③左側と右側の原子の数がそろうように係数を調整する
様々な化学反応の種類を覚える
燃焼反応(O2と反応する)・酸化反応(O2が加わる)・還元反応(O2が放出される)・中和反応(中性の物質と水ができる)を押さえましょう。
概要が理解できれば問題演習を重ねよう
教えてもらっている状態で問題が解けたとしても、独力でできなければ意味がありません。
分かった気になっているだけ、ということもあります。きちんと言葉の意味を理解したうえで暗記しているか、反復して確認しましょう。
問題演習では、簡単な問題から標準レベルの問題まで、段階を踏んで解いていくようにしましょう。
解けた問題には○、解けなかった問題には△や×をつけ、2周目以降では△や×の問題を中心にやり直すようにしてください。
オススメの問題集は『中1理科をひとつひとつわかりやすく。改訂版』(Gakken)や『ハイクラステスト 理科』(受験研究社)です。前者が基礎~標準、後者が標準以上レベルです。
お子さんの理解が進まないパターン3選とその対処法
教えてもなかなか理解してもらえない
前提となる知識がない場合がほとんどです。知識なしに化学反応式はつくれません。
元素周期表や化学反応の種類を覚えているか、確認することが必要です。
問題演習の際は、徐々にヒントを減らしていき、お子さんが自力で解けるように促してあげてください。
教えるとその場ではできるのに、お子さん一人で問題を解くと間違いが多発
このパターンは、さらに以下の2パターンに大別できます。
1、理解したうえで暗記することができていない
少し違う角度から問われると対応できなくなります。
燃焼は酸素と反応するなど、種類ごとに化学反応の意味を押さえましょう。また、化学反応式の係数の意味を理解することが大切です。
2、教えられた時は分かった気になっている
どこでつまずいているのかを分析し、理解できていないポイントを再説明して暗記するよう促してあげてください。そのポイントが理解・暗記できているかを測れる問題をチョイスして演習するとよいでしょう。
教えようとすると、ちょっとした間違いを指摘しただけで機嫌が悪くなり、うまくいかない
思春期で親子関係が難しく、接し方にデリケートな配慮が必要な場合があります。
1つ指摘するときは1つ以上ほめることを意識しましょう。ほめる内容は、学習を着実に進められている点などにするのがオススメです。
そして大事なことは、「根気強く、粘り強く」です。保護者の方が不機嫌になったり、イライラしたりしないように心がけてください。
子どもに教えるというのは、なかなかにストレスが溜まる作業です。保護者の方の息抜きも必要でしょう。根を詰めてやりすぎると、保護者の方もお子さんもしんどくなってしまいます。
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投稿者プロフィール
- 中高一貫校に勤めて10年になる中堅教師。卒業生を3度送り出し、中学生・高校生問わず指導経験が豊富です。自身も中高一貫校出身なので、中高一貫校のことを知り尽くしています。勉強に苦しむ生徒に向き合い、試行錯誤をする日々。そんな教師生活から得られた知見をお伝えし、全国の子供たちの力になれたらと思います。
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