「私立中学を辞めたい」と言われた親の行動は?学びを諦めなければ将来は閉ざされない
私立中学・中高一貫校に通う子供に「学校を辞めたい」と言われた……。
中学受験で合格した時は、親子であれだけ喜んだはずなのに。思い描いた子供の将来が崩れてしまうのではないかと不安になります。
実は、ここ最近、「学校を辞めたい」と訴える生徒の数は確実に増えています。読者の皆さんと、同じ悩みを抱えている親は少なくないのです。
これまでに多くの生徒と関わってきて思うことは、学びを諦めななければ、子供の将来が閉ざされることはないということです。
中高一貫校教師歴30年のベテランライターが、「私立中学・中高一貫校を辞めたい」と口にした子供の未来のために親ができることを紹介します。
このページの目次
「私立中学を辞めたい」理由は人それぞれ。理由がわからなければ何もしてあげれない
「私立中学を辞めたい」と思う理由は人それぞれです。まずは、代表的な理由を紹介します。
- 「勉強が嫌だ」(学業不振)
- 「友達に嫌がらせをされる」(いじめ)
- 「友達がいない」(いじめ以外の人間関係のトラブル)
- 「学校が面白くない」(校風など学校の決まりへの不満)
- 「部活が厳しい」(部活動への不適応)
- 「高校でついていけるか不安」(進路に対する不安)
このような理由が挙げられます。また、これらの理由がいくつかが複合している場合もあります。
学校に関すること以外の理由としても、
- 「両親が仲が悪い」(家庭環境の変化)
- 「やる気が出ない」(無気力)
- 「周りの友達とうまく付き合えない」(発達障害)
のような、家庭や個人に関する理由もあります。
「学校を辞めたい」という思いに至るまでには、本人も相当苦しんできたはずです。まずは、そのことを理解してあげましょう。
親としては焦る気持ちもわかりますが、子供に寄り添いながら落ち着いて対処する必要があります。
「私立中学を辞めたい」と言われた時に親が取るべき行動
さて、「私立中学を辞めたい」と言われたらどのように対応しますか?
こうすれば必ず解決できるといった正解はありませんが、中高一貫校教師30年歴の経験を踏まえて、いくつかポイントを紹介します。
1. 辞めたい理由を把握する
まずは、なぜ子供が私立中学を辞めたいと思うのか、その理由の把握に努めましょう。
中学生くらいになると、学校のことを親に話したがらないものです。ましてや、自分が学校を辞めたい理由となるとなおさらです。
また、理由がいくつも複合的に絡まり合っていたり、子供自身でも明確な理由はわかっていないケースもあります。
慌てて、一度に聞き出す必要はありません。時間をかけて、共感的に子供の本音を引き出せるといいですね。
それでも子供が理由を言わない時には、家族で出かける、旅行に行く、などして環境やタイミングを変えてみるのも効果的です。
また、親には心配をかけたくないと思っているかもしれません。普段会っていない同世代の親戚、信頼を寄せる習い事の指導者、スクールカウンセラーなど、相手を変えることで話しやすくなるかもしれません。
話を聞かないで、親の価値観を一方的に押し付けるのだけは、絶対にNGです。
2. 情報収集に努める
すぐに結論を出す必要はありません。気になることは調べて、あらゆる可能性を探りましょう。
専門家への相談
- 学校(担任・学年主任など)
- スクールカウンセラー
- 公共・民間支援団体
専門家に相談してみましょう。親が知らなかった子供の様子、具体的な解決策、などアドバイスを受けることができます。
スクールカウンセラーはほとんどの小中高校で設置されています。子供だけでなく、親も相談することができます。悩みを聞いてもらうと親自身の心が軽くなるかもしれません。
各種支援団体は、「中学生・不登校相談・地域名」で検索してみてください。
実際に転校する可能性のある学校について調べる
- 地元公立中学校
- 転校可能な私立中学校
地元公立中学校なら、通っている知り合いから様子を聞いてみるのもいいですね。公立中学校が転校を受け入れないことはありません。
しかし、私立中学校は入試を実施しているので、よほどの事情(一家転居など)がない限り受け入れない学校が多いです。HPや電話などで問い合わせてみましょう。
学校外の学びの場の情報収集
学校に行けない状況になっているなら
- 塾
- 家庭教師
- フリースクール
学びを提供する場を調べましょう。学校以外にも学びの場所があります。こうした環境を利用して、勉強を継続できるだけでなく、家族以外の人との関わりを持てます。
フリースクールは、「中学生・フリースクール・地域名」で検索してみてください。
そのほかにも、実際に転校した子を持つ知り合い、信頼できる友人や知人などに相談するのも有効です。話を聞いてもらうことで親自身の心が落ち着くものです。
色々と調べてみると、多くの選択肢があるのがわかります。知識が増えると将来の不安が多少なりとも解消されます。興味があるものには実際に足を運んで自分の目で確かめてみるのもアリです。
3.長期的視野を持つ
あれだけ頑張って合格した私立中学校。このまま辞めてしまうのは、親としては受け入れ難いかもしれません。しかし、仮に転校することになっても、子供の将来は終わりではありません。
今は辛いけど、我が子はきっと立ち直ると心から信じましょう。長期的な視野に立って、我が子のために何ができるかを考えるのが大事です。
親が望んだ子供の未来が、必ずしも子供が望む未来の形ではないかもしれません。
【番外編】心が揺れ動かされるような経験をさせてみる
子供が家に閉じ籠りがちにならないように気をつけましょう。学校に行きたがらないなら、保健室登校を提案するのも有効です。
もしも子供が家に閉じ籠りがちなら、普段はできないような経験をさせてみましょう。心が揺れ動かされるような経験をすると、違った視線を持てるかもしれません。
例えば、
- 感動する映画を一緒にみる
- 好きな歌手のライブに行く
- 綺麗な景色を見に行く
- 特定の分野で活躍している人の講演を聞きに行ってみる
- ボランティア活動に参加する
などです。
即効性はないかもしれませんが、この時に経験したことが、その後の子供の人生に大きな影響があるかもしれません。
「私立中学を辞めたい」と言われた時に親がしてはいけない行動
続いて、親がしてはいけない行動を紹介します。基本的には、するべき行動の裏返しの行動です。
1.子供を否定する
「せっかく私立中学に通わせてるのに」
「ただ怠けているだけでしょ」
「こんな子供に育てたつもりはない」
子供を否定する言葉を、絶対に言ってはいけません。このような言葉を言わないにしても、態度に出すのもNGです。
2.結論を急ぐ
慌てて結論を出して後悔をしないように。仮に学校を休んでいても、中学校は義務教育なので進級はできます。
3.自分を責める
親のせいだと自分を責めないでください。子どもは親の悲しむ顔を見たくはありません。
私立中学校を辞めた後の進路はどうなるのか?
地元公立中学に転校する
私立中学とは、環境が大きく変わります。勉強の負担が減り、人間関係が変わるのは良いきっかけになるかもしれません。
忘れてはいけないのは、高校受験があることです。受験では内申点が大事で、成績や欠席日数が合否に関わります。転校によるメリットとデメリットはしっかり把握しておきましょう。
私立中学から公立中学への転校に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。
私立中学に転校する
入試をしているので、余程の事情(一家転居など)がない限り受け入れをしていないのですが、受け入れてくれる学校が見つかれば、転入試験に合格すれば転校できます。
実際に学校を辞めた生徒との関わりから伝えたい「大切なこと」
私は中高一貫校教師として30年が過ぎました。この間には中高一貫校を辞めていった生徒とも関わりがありました。
かつては、学校を辞める生徒はごく少数で、その原因も非行や遊びなど生活の乱れがほとんどでした。
しかし、ここ最近では、学校を辞める生徒の数は確実に増えています。そして、その原因も多岐に渡り、読者の皆さんと同じ悩みを抱えている親は決して少なくありません。
学校で実際に起こっていることをもとに、お伝えしたいことがあります。
「学校を辞めたい」には勉強嫌いが関連しているケースが非常に多い
表面上は別の理由でも結局は勉強につながる
学校を辞めたいと感じる理由はさまざまですが、「勉強が嫌い」といのが根っこにあるという印象を持っています。
どういうことかと言うと、「学校の人間関係に嫌気がさして学校を辞めたい」と思っている人の多くは、「嫌な人間関係を我慢してまで、嫌いな勉強をしたくない」と内心では思っています。
「学校が厳しくて面白くない」と思っている人は、「面白くない学校に、嫌いな勉強をしてまで行きたくない」と内心では思っているのです。
勉強のストレスがなければ嫌なことがあっても飲み込めるケースも
私立中学は勉強の負担が大きく、課題やテストなど、常に勉強に追われています。勉強が苦手な生徒にとっては強いストレスになっているのかもしれません。
口にはしなくても、学校を辞めたいと感じている生徒の多くは、勉強にストレスを感じているケースは少なくありません。
勉強のストレスがなければ、学校で嫌なことがあっても、意外にも、「まぁ、仕方がないか」と思えるものです。そもそも学校を変わりたいとまで思い詰めません。
子供によっては、「勉強が苦手」を解消してあげることが、根本的な解決策になるケースもあります。
私立中学を辞めても、学びを諦めなければ子供の将来は閉ざされない
辞める生徒は増えているが、その後の選択肢も豊富になっている
確かに、学校を辞める生徒は増えてきましたが、そうした生徒を支えるための選択肢も豊富に整えられています。
仮に学校に通えていない状況でも、塾、家庭教師、学習支援センター、フリースクールなどを活用して子供の学びをサポートしましょう。インターネットや映像授業を使えば自宅にいながらでも学習できます。
更に、公立中学に転校すると、確かに欠席日数や内申点は調査書に記載され、高校受験で不利になります。しかし、調査書を必要としない高校や受験方式もあります。
学校に通うのが苦手な人なら、登校しない通信制高校があります。通信制高校もカリキュラムが充実していて、大学進学実績も十分です。
私立中学を辞めても「失敗」とは限らない。志望大学の合格を勝ち取るケースも
私の勤務校からも、公立中学に転校し通信制高校へ進学した生徒や、高校進級後に通信制高校に転校した生徒はいますが、多くの生徒が志望大学の合格を勝ち取りました。
もちろん学校を辞めてほしくない。そう願うのは親心として当然だと思います。しかし、一方で、もし学校を辞めることになっても大丈夫と信じ、長期的な目線を持つのも大事です。
失敗しないことが大事なのではなく、失敗からどう立ち上がるかが大事です。
学校以外でも学びはできます。子供が「学校を辞めたい」と口にしても、子供ができる形で学びを諦めなければ子供の将来は閉ざされません。
中高一貫校専門個別指導塾WAYSだからできる学習支援
「中高一貫校専門 個別指導塾WAYS」は、これまでに多くの勉強が嫌いな中高一貫校生の成績を跳ね上げてきました。
今は勉強が嫌いで悩んでいるかもしれません。しかし、もともとは私立中学に受験で合格しているので、ポテンシャルには問題はありません。WAYSのノウハウを使えばほとんどのケースで成績が伸びます。
もしも、「学校を辞めたい」と感じているなら、WAYSでできることがあるかもしれません。
私立中学・中高一貫校のカリキュラムに完全対応しているので、例え、学校を休みがちでも、子供が通っている学校に対応したペースで学習をサポートします。
WAYSでは500校以上の中高一貫校の指導実績があります。専用のシステムで情報を一元管理しているので、お子さんが通う中高一貫校に対応した指導が可能なのです。
まずは、定期テストで結果が出るように学習をサポートします。テストの点数が上がれば、勉強の自信を回復できるかもしれません。
勉強の自信を回復すれば、学校に対して前向きな気持ちが芽生えるはずです。
WAYSでは、自分で考える指導法を重視しています。そうすることで自学力が身につくからです。仮に学校を変わることになっても、WAYSで身につけた自学力は、新しい環境でも必ず役立つはずです。
WAYSでは無料の学習相談会を実施しています。「学校を辞めたい」と悩んでいるのであれば、私たちに相談してください。学習面からしっかりサポートしていきます。 7割の保護者の方が親だけで学習相談をしています。子供が参加したがらなくても大丈夫です。同じような悩みを抱えている親は少なくありません。
無料相談会はハードルが高いと感じる方は無料の資料請求から始めてください。インターネットでWAYSの学習方法を詳しく紹介した資料を請求できます。
投稿者プロフィール
- 中高一貫校指導歴30年のベテラン教師です。勉強が得意な生徒から苦手な生徒までたくさんの生徒を指導してきました。念願叶っての中高一貫校だと思います。充実した6年間を過ごして欲しいものです。ベテランならではの視点で悩みに寄り添ったアドバイスを心がけます。ちなみに2人の子供も中高一貫校に通っています。保護者としての目線も大事にします。
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