現役教師が教える!大学受験で理科の勉強はいつから始めるべきか

受験勉強する男子高校生

大学受験生を子どもにもつ親御さんの中には、大学受験の理科の勉強を、いつから始めさせるべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

大学受験に向けた勉強は、計画なしで始めてはいけません。

まず、科目の優先順位を明確にし、全体のスケジュールを把握することが不可欠です。

そこで、高校現場で15年以上の指導経験を持つ現役教師が、理科の勉強を始める最適な時期について詳しく解説いたします。

理科の勉強を始める時期は、文系・理系や志望大学によって異なりますので、この記事の内容を参考にし、ご自身に適した時期を見極めてください。

なお本記事では、授業の予習・復習や定期テスト対策ではなく、参考書や問題集を買って勉強することを大学受験の勉強と定義します。

理系は志望大学別に、理科の受験勉強を始める時期を決定する

理系の受験生にとって、理科の勉強は数学・英語に次いで重要な科目です。

受験対策としての理科の勉強を始める時期は、全員が同じというわけではなく、志望大学によって異なります。

そこで、おおまかな志望大学別に理科の勉強を始める時期を紹介します。

東京大学・京都大学・東京科学大学(旧東工大)志望者は、高2の夏から

東京大学・京都大学・東京科学大学を志望する場合は、高2の夏休みから理科の勉強を始めましょう。

東京大学・京都大学は、共通テストで85%以上の得点を取る必要がありますが、文系科目もおろそかにできません。

二次試験では、理科の問題の難易度が非常に高い上に、国語が出題されます。

そのため、理科は高2の夏から本格的に受験勉強に取り組み、高3になってから国語や社会の勉強に取り組めるようにしましょう。

東京科学大学の理学系・工学系学部は、二次試験で理科の問題の難易度が非常に高いです。

また、共通テストと二次試験を合わせた理科の配点は、全体の40%を占め、他の大学に比べて高くなっています。(東京大学も京都大学も25%程度です。)

そのため、東京科学大学志望者も、早めの高2の夏休みから取り組むべきです。

もちろん定期テストの勉強も大切です。

定期テストの際には、学校の問題集に加えて、入試標準レベルの問題集にも取り組み、90点程度の得点を目指しましょう。

(東京科学大学は、東京歯科大学と東京工業大学が合併して、2024年10月に設置される大学です。)

旧帝大(東大・京大を除く)や早慶大志望者は、高2の秋から理科の勉強を開始

東京大学・京都大学を除く旧帝大(北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学、以下旧帝大とします。)志望者や、早稲田大学や慶應義塾大学志望者は、高2の秋から理科の勉強を始めましょう。

旧帝大でも、共通テストで80%前後の得点を取る必要があります。

旧帝大志望者も、理科の勉強を早めに取り組み、高3になってから文系科目の勉強をする余裕を持ちましょう。

例えば、名古屋大学の工学部では、国語が配点の1/3を占めるなど、比較的文系科目の配点が高い大学も多いです。

早稲田大学・慶應義塾大学は、数学・理科・英語のみの試験となりますが、理科の問題の難易度は非常に高いです。

そのため、早期の対策が合否を分けます。

また、これらの大学も理科2科目が必要となりますが、いきなり2科目スタートさせるのは、時間的に難しいかもしれません。

そのため、まずは苦手科目を優先してスタートさせて、高2の冬から、もう1科目をスタートさせるのがよいでしょう。

その他私大・国公立大学志望者は、高3春休みから理科の勉強を開始

その他の大学志望者は、高3の春休みから、理科勉強を開始しましょう。

ただし、数学や英語の受験対策に手が回っていない場合は、数学や英語を優先させます。

高3にもなると本格的に受験勉強をスタートさせているので、理科に割くことのできる時間は多くないかもしれません。

そのため、定期テストでは理科2科目の勉強を行うことが基本ですが、まずはどちらか1科目を集中的に取り組むことをおすすめします。

もう1科目については、遅くとも高3の夏休みからスタートさせることが望ましいです。

文系は高3の10月〜12月に理科の勉強を開始

私立文系の場合、そもそも理科が不要な場合がほとんどなので、理科の勉強は不要です。

国公立大学志望の場合、志望校や他の科目の進み具合を考慮して、共通テスト対策を高校3年生の10月〜12月くらいに開始するのが良いでしょう。

ただしこれは、基礎がしっかりできている前提です。基礎ができていない場合は間に合いませんので、もっと早めの対策が必要です。

国公立大学では、共通テストで基礎科目と呼ばれる「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」のうち2科目が必要となる場合が多くなっています。

志望大学・学部にもよりますが、共通テストと二次試験の合計点を考えると、理科の配点は低いケースが多くなります。

傾斜配点を確認し、理科の重要度が下がるようであれば、理科よりも、社会を優先的に勉強したほうが良いでしょう。

この場合、理科の勉強は、学校の授業や定期テスト対策に注力します。英語・数学・社会の勉強に集中できるようにしましょう。

【大学受験生必見】理科の受験対策法

理科の勉強を始める時期が分かっても、「どのように受験勉強を始めればいいか分からない」という声もよく耳にします。

そこで、理系と文系に分けて、理科の受験対策法を紹介します。

理系は入試標準レベルの問題集から始める

理系受験生は、まずは入試標準レベルの問題集を利用して、学習をスタートさせましょう。

おすすめの問題集を以下に紹介します。

【物理】

良問の風(河合出版)

物理[物理基礎・物理]基礎問題精講

【化学】

国公立標準問題集 CanPass 化学基礎+化学〈改訂版〉

化学[化学基礎・化学]基礎問題精講

【生物】

生物[生物基礎・生物]基礎問題精講(旺文社)

ただし、紹介した問題集はあくまでも、受験勉強をスタートする際に使用する問題集です。

志望大学によっては、これらの問題集を一通りこなした後に、より高いレベルの問題集を使用しなければなりません。

なお、学校で「重要問題集」(数研出版)を使っている場合も多いです。

標準的な問題から難関レベルの問題まで含まれているため、受験勉強の初期には難関レベルの問題は飛ばしても良いでしょう。

「重要問題集」であれば、1冊で難関大学の対策までできるため、あまり他の問題集に手を出さないほうが良いです。

 

文系は学校の定期テスト対策と、共通テストの過去問演習で受験対策する

文系の理科対策は、学校の定期テスト対策と、共通テスト対策が重要です。

理科よりも、英語・社会・国語・数学に力を注ぐべきなので、理科に多くの時間を割くことは避けましょう。

共通テスト対策は、過去問演習とその復習を行えば十分です。

以下に、おすすめの問題集を紹介します。

共通テスト過去問研究 物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎(教学社)

また、苦手な分野があれば、分野別のマーク式問題集を使うと良いでしょう。

マーク式基礎問題集 化学基礎 – 三訂版 -(河合出版)

マーク式基礎問題集 生物基礎 – 三訂版 -(河合出版)

【大学受験の鉄則】数学・英語の基礎を固めてから理科の勉強に取り組むべき!

大前提として、文系も理系も、理科の勉強を始める前に、数学・英語の受験対策を始めるべきです。

数学・英語は積み上げ型の科目であり、基礎から応用まで段階的に理解を深めることが求められます。

そのため、数学・英語の力をつけるには、時間と継続的な学習が必要です。

【受験直前で慌てたくないなら】定期テスト対策で理科を得意科目にしよう!

文系・理系を問わず、大学受験で成功するには、早めに数学と英語の対策を始めるのが大事です。

定期テストの勉強を通じて理科を得意科目にできれば、数学と英語の対策に集中できます。

もし理科が苦手だと、受験直前に理科対策に時間を取られてしまい、他の科目に集中できなくなってしまいます。

1回1回の定期テストを大事にし、しっかり対策した上で試験に臨みましょう。

中高一貫校生が定期テスト対策を強化するためには、個別指導塾が最適

お子さんが中高一貫校に通われている場合、定期テスト対策は中高一貫校に合わせた独自の対策が必要となります。

なぜなら、中高一貫校では授業の進度が速く、内容も高度なためです。

定期考査ごとに受験を意識しながら、問題集を2〜3周程度こなすことが求められます。

現在、理科の定期テストで平均点を超えることができていない場合や、自律して学習を進めるのが苦手な場合、塾を利用するのも良い方法となります。

中高一貫校生が塾を選ぶなら、個別指導塾が最適です。

個別指導塾なら、学校カリキュラムやお子さんのペースに合わせて、指導を受けられます。

難関大学合格を目指す中高一貫校生ならWAYSをご検討ください

中高一貫校専門 個別指導塾WAYSは、学習習慣がないために成績低迷してしまっている中高一貫校の学力を向上させることを、最も得意としています。

私立大学最難関と言われる「早稲田大学」「慶應義塾大学」をはじめ、「上智大学」「東京理科大学」「明治大学」「青山学院大学」「立教大学」など、有名大学への合格実績が多数あります。

特に偏差値50以下だった中高一貫校生の逆転合格に強みがあります。

個別指導塾WAYSの強みは以下の3点です。

  • 1コマ120分の授業で演習量を確保すること
  • 最短合格を実現するロードマップを作成すること
  • 生徒に問題を解説させて理解を深めること

また、中高一貫校生専門だからこそ、ハイレベルな学習内容にも完全対応していることが最大の強みです。

WAYSのノウハウと実績を詳しく知りたい方は、ぜひ下記の記事も合わせてご覧ください。

投稿者プロフィール

しみすけ先生
しみすけ先生
中高一貫校で15年間指導してきました。10年間は高校3年生の大学受験指導を、次の5年間は主に中学で指導してきましたので、大学受験を見据えた中学からの学力形成に知見があります。私自身も中高一貫校を卒業しました。
せっかく努力されて入学した学校なので、充実した時間を過ごせるよう情報発信という形でサポートしていきます。

関連記事

中高一貫校生のための
スペシャルな情報をお届け!

中高一貫校生の知りたいを毎週お届けします!

中高一貫校生の「定期テスト対策」や「内部進学対策」、「大学受験対策」まで幅広く網羅した”スペシャル”な情報を毎週お届けします!
他にも、ブログではお伝えしきれないコアな内容もご紹介いたします!

LINE友だち追加する
中高一貫校生必見!最短で成績下位層から抜け出す方法

450校以上の中高一貫校生を指導してきたWAYSのノウハウをご紹介!定期テストの対策はもちろん、内部進学から大学受験まで、他では手に入らないここだけのお得な情報を詰め込んだ資料をお届けいたします。

資料をダウンロードする
まずは無料の学習相談へお気軽にご参加ください

無料学習相談では、中高一貫教育のプロがそれぞれの生徒さんの要望に寄り添って学習プランをご提案いたします。
他塾では思うように成績が伸びなかった生徒も、WAYSでは最適な解決策を見つけられる可能性がございます!

学習相談に参加する

サービス紹介

キーワード検索

気になる情報をすぐに検索できます
例)
「成績アップ (学校名)」
「英語 勉強法」など