中高一貫校「物理」の学年順位を上げる方法|上位の生徒が実践している勉強法を紹介

物理の成績を上位に引き上げたいと考えるお子さんのために、中高一貫校で現役の理科教員が、物理の成績を上げる効果的な学習法を紹介します。

物理は「コツ」をつかむことで、成績を上位に引き上げることが可能な科目です。

しかし、ただやみくもに問題演習を行うだけでは、コツをつかむことはできません。学校の問題集に加えて、市販の参考書や問題集を活用して、勉強の「質」を上げることが必要です。

本記事では、物理の定期テストの得点UPの秘訣を余すところなく紹介します。

お子さんが思ったように物理の成績が上げられずに悩んでいるなら、この記事を参考にしてアドバイスをしてあげてください。

中高一貫校で学年順位の上位を目指すためには、物理の「コツ」をつかむ必要がある

物理は「少ないルールで多くの現象を説明する」ことができる科目です。

しかし、初学者にはこの感覚がなかなかつかめず、「この問題はこう解く」と、1つ1つの解法を覚えるような勉強になります。

この状態を脱却して、発展問題や初見の問題でもルールを見出すことができ、問題を解ける状態が、「コツ」をつかんだ状態になります。

そして、成績が中程度であれば、以下のような、物理の基本的な勉強ができているはずです。

  1. 学校の授業で「現象を理解する」こと
  2. 学校の教科書傍用の問題集を使って「問題演習をする」こと

「コツ」をつかむには、この勉強の「質」を上げる必要があります。

以下、詳しく説明します。

「現象の理解」の質を上げる方法=講義系の参考書を並行して読み、理解を深める

「現象の理解」とは、どのような物理現象が、どのように数式で記述されるか、理解することです。

もちろん、学校の授業で説明されるのですが、理解を深めるためには、学校の授業だけではなく「講義系の参考書」を並行して読むと良いです。

例えば、「宇宙一わかりやすい高校物理 力学・波動 改訂版」(学研プラス)「宇宙一わかりやすい高校物理 電磁気・熱・原子 改訂版」(学研プラス)のような参考書です。

講義系の参考書は、先生が授業してくれているような、口語調で噛み砕いた表現で、または会話形式で書かれた参考書です。

また、ビジュアルが豊富で、初学者でも理解しやすいのが特徴の参考書です。

物理現象は、お子さんが自分なりに納得して初めて理解できるものです。

授業では先生が噛み砕いて説明してくれますが、他の視点からの説明を聞くことによって、理解を深められます。

講義系参考書の使い方:理解することを目的として読む

講義系の参考書は、以下のような使い方がおすすめです。

  • 授業中に机の上においておき、先生の説明を聞いても分からない場合に読む
  • 授業があったその日に復習のために読む

基本的な公式などはもちろん覚える必要がありますが、それ以上に理解できていることが大事です。

理解できている状態とは「自分で説明できる」状態です。

一読した後に、独り言でも構わないので自分なりに説明してみてください。

また、公式の導出などは、書き写しながら説明すると理解が深まります。

「問題演習」の質を上げる方法=解法を丁寧に学ぶ

「コツ」をつかむためには、物理現象を理解した上で、使いこなすことが必要です。

その練習として、実際に問題を解く演習を行うのです。

しかし、ただ漠然と問題演習するだけでは不十分です。

解法を詳しく学んだ上で問題演習の行うことで、質を上げることができます。

そのためには、以下の3点が重要です。

  1. 「解法系の問題集」を解いて、丁寧に解法を学ぶ
  2. 学校の教科書傍用問題集を利用して、「なぜ、この公式を使って解くのか?」と意識しながら問題を解く
  3. ミスを減らす工夫をする

ステップ1|解法系の問題集を解いて、丁寧に解法を学ぶ

物理は「少ないルールで多くの現象を説明する」ことができる科目です。

そのため、「なぜ、この公式を使って解くのか?」と根拠を持って理解できれば、初見の問題も十分に対応できるようになるのです。

そのためには「解法系の問題集」が効果的。以下の問題集がおすすめです。

「物理のエッセンス[力学・波動]-五訂版-」(河合出版)

「物理のエッセンス[熱・電磁気・原子]-五訂版-」(河合出版)

学校の問題集は、基礎〜応用まで幅広く問題が掲載されていますが、解説が詳しくない場合が多いです。

一方で「解法系の問題集」は問題数はそれほど多くありませんが、解説が詳しいため、「なぜ、この公式を使って解くのか?」という点が理解しやすい構成になっています。

そのため、学校の問題集を解き始める前に解いておくと効果的です。

ステップ2|学校指定の問題集で「なぜ、この公式を使って解くのか?」と意識しながら問題を解く

解法系の問題集で解法が理解できたら、あとはたくさん問題を解いて練習しましょう。

定期テストは教科書傍用の問題集をベースに作られることが多いため、学校で使う教科書傍用の問題集を利用して練習しましょう。

その際に、1つ1つ丁寧に「なぜ、この公式を使って解くのか?」と意識しながら問題を解くことで質を上げることができます。意識することで、物理の本質が分かるようになってきます。

ただし、丁寧に解くことは大事ですが、1問に時間をかけすぎるのも良くないので、分からない場合は早めに先生に質問に行きましょう。

ステップ3|ミスを減らす工夫をする

作図は必須!作図をサボるとミスが生まれる

物理は必ず作図をします。例えば、目に見えない力は作図しないと、公式の立式することもできません。

ミスが多いお子さんほど、作図をサボりがちです。上位のお子さんほど、正確に作図をしています。

ほんの10秒程度でできるので、作図をおろそかにしないようにしましょう。

計算ミスを減らす3つのテクニック

物理は最終結果だけで◯✕がつけられることがほとんどです。

そのため、途中の考え方があっていても計算ミスをしたら点数がもらえません。計算ミスを減らす工夫が必要です。

①単位を意識する

物理は文字式を使うことが多く、その文字の単位を意識して最終結果をチェックすると、計算ミスを減らすことができます。

②途中式を丁寧に書く

計算ミスが多い人は、1つ1つ丁寧に途中式を書いた方が良いです。計算ミスが起きる1つの原因は、計算途中で見落としがあるからです。

③解答に使用する文字の確認

文字式を使う時に「使っても良い文字(既知数)」「使ってはいけない文字(未知数)」があります。

計算が苦手なお子さんほど、使ってはいけない文字を使って解答しているケースが多いです。

使っても良い文字は問題のリード文に記載されている文字。問題を読みながら、文字に○をつけるとミスを減らせます。

学年順位が上位の生徒が実践している「勉強の仕方」や「心構え」

物理に関すること以外に、意識すべきことを紹介します。

テスト当日の心構え

成績上位者は、前述の注意点をテスト当時も必ず守ります。

テストだと、どうしても時間制限があり焦ってしまいます。しかし、焦って作図を怠ったり、計算を雑にやるとミスの原因になります。

また、テストでは、初見の問題も出題されることもあります。見たことがない問題だからといって、諦めてはいけません。

物理は「色々な現象を少ないルールで説明できる」のが特徴です。テスト勉強の際に「なぜ?」と考え続けたことが、初見の問題でも必ず活かせます。

冷静に作図をしながら、問題の状況を整理していくと、必ず解く糸口が見つかるはずです。

定期テストで100点を取るつもりで勉強している

演習時に分からない問題があった場合、そのままにしていては100点は取れません。

先生に質問するなどして、分からないことを放置しないようになります。

計算ミスがあると100点は取れません。計算ミスに気をつけて練習するようになります。

しかし、実際のテストではどうしてもミスがあったり、初見の問題が解けなかったりします。それはそれで復習すれば良いので、100点取れなくても落ち込む必要はありません。

ただ、100点を取るつもりで勉強する姿勢が重要なのです。

「質」とともに「量」を増やすために、早期から学習計画を立てている

「質」を上げようとすると、問題を解く量が増え、1題にかける時間も増えるはずです。

それでも、成績上位層のお子さんは確実にこなしています。彼らは本当によく勉強しています。

ただし、勉強時間を作るために、睡眠時間を削るのは集中力の低下につながるので良くありません。そもそも、そのような勉強方法では長続きしません。

物理はスキマ時間などに勉強しにくい科目でもあるので、テストまでの日数を逆算して、計画的に早めに勉強に取り掛かる必要があります。

また、集中できる環境を見つけるのも、勉強時間アップに役立ちます。学校の図書館や自習室、塾の自習室、個別指導塾で勉強する人も少なくありません。

保護者ができることは多くない!「なぜ、この勉強が必要なのか?」理解できるようにサポートを

基本的には勉強の主体はお子さんであるため、保護者の方ができることはそう多くありません。

一番重要なのは、成績を上位に上げることに対して、お子さんと共通認識を持つ必要があります。

特に、中高一貫校の場合、学校の授業と定期テスト対策が直接受験対策につながります。

成績上位を目指すことは、難関大学対策にもつながるメリットがあります。

そのためには、今までやっている学校のカリキュラムに沿った勉強が最重要です。

そこに、補助的な参考書や問題集を使うことで勉強の「質」を上げることができます。ただ、急に参考書や問題集を買い与えても、お子さんは戸惑うだけなので、共通認識が必要です。

ただし、必ずしも結果が出ない場合もあります。

その原因は、物理現象を理解できていないかもしれませんし、解法の理解が浅かったり、学習計画が本人のキャパを超えているかもしれません。

お子さん本人や保護者の方が原因を分析するのが難しく、プロの客観的な目線が必要です。結果が出ず悩むくらいであれば、早めにプロに相談するのが好ましいです。

思うように結果が出ない場合は、プロのサポートも選択肢。中高一貫校専門の個別指導塾「WAYS」

中高一貫校専門 個別指導塾WAYS」は、成績向上を目指す保護者にとって頼もしい存在です。

定期テストで上位を狙うには、中高一貫校のカリキュラムに沿った学習が最重要です。WAYSは、学校の授業を妨げず効率的に学力を伸ばすため、中高一貫校のカリキュラムに合わせた指導を行っています。

また、物理の学力向上には、補助的な参考書や問題集を使って「なぜそうなるか」を理解することが鍵です。

理解度は「説明できるかどうか」で判断できます。WAYSでは生徒に説明させるスタイルを採用して、「理解できているか」を確認しているのも特徴です。

このように「わかる」から「できる」へと導く指導により、問題解決力を育成し、自力で学べる力を養います。これにより、授業理解と学習スキルの両方を確実に向上させることが可能です。

WAYSの指導を受けた中高一貫校生の92.9%が成績向上を達成しており、多くの保護者からも高い評価を得ています。

WAYSの詳細や料金体系、大学合格実績については、今すぐこのページからWebパンフレットをご請求ください。

投稿者プロフィール

しみすけ先生
しみすけ先生
中高一貫校で15年間指導してきました。10年間は高校3年生の大学受験指導を、次の5年間は主に中学で指導してきましたので、大学受験を見据えた中学からの学力形成に知見があります。私自身も中高一貫校を卒業しました。
せっかく努力されて入学した学校なので、充実した時間を過ごせるよう情報発信という形でサポートしていきます。

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