英検CSEスコアと英検バンドってなあに?~新しい成績表~

前回の記事で、英検が変革期を迎えていることについて触れました。そこで今回は、一番の変更点と言っても過言ではない、新たに導入された採点方法についてみていきたいと思います。

CSEスコアとは

英検CSEスコアのしくみ

CSE*スコアとは、英語4技能(Listening, Reading, Speaking, Writing)を測定する英語力評価です。4技能はそれぞれ1000点を満点として測定され、合計は4000点となります。

2016年度より、英検の合否判定にCSEスコアが導入されました。これまでは試験の合計点のみで合否が決まりましたが、CSEスコアの導入に伴い、英語4技能それぞれをバランスよく得点しないと英検に合格できなくなりました。

*CSE=Common Scale for English

各級の技能ごとの満点スコア

CSEスコアでは技能ごとにスコアが均等に分配されています。各級での技能ごとの満点スコアを以下に示します。

・1級:850点 ・準1級:750点 ・2級:650点 ・準2級:600点

・3級:550点 ・4級:500点 ・5級:425点

各級の合格スコア

各級のCSE合格スコアを紹介します。

・1級:2630点 ・準1級:2304点 ・2級:1980点 ・準2級:1728点

・3級:1456点 ・4級:622点 ・5級:419点

*4級と5級は1次試験(Reading, Listening)のみで合否を判定

英検公式サイトによると、合格するためには各技能での正答率が1級・準1級では7割程度、2級以下は6割程度必要とされています。繰り返しですが、合格するためには4技能をバランスよく身に付けなければなりません。

(参照URL:https://www.eiken.or.jp/cse/)

CSEスコアの特徴

国際的なスコア比較が可能に

国際基準規格CEFR*(欧米で幅広く導入されているコミュニケーション能力を示す規格)に対応しており、国際的な比較が可能となりました。CEFRは、習熟度順に上からC2・C1・B2・B1・A2・A1の6段階に分かれています。

たとえば、B2は「抽象的で複雑な話題の要点を理解し、幅広い話題について自然なやりとりができる」とされており、CSEスコアでは2,300点~2,600点、英検2級満点レベルに相当します。

*CEFR=Common European Framework of Reference for Language、ヨーロッパ言語共通参照枠

生涯共通の基準に

CSEのスコアの導入は、国際的比較だけでなく、個人の成長度合を測ることも可能にしました。

小学校・中学校・高校・大学、そして社会人に至る一生涯に共通した基準ができたことにより、過去の自分と比べてどれだけ英語力が変わったかをすぐに知ることができます。

自己採点ができない

各回の全答案採点後、回答正答率から独自の算出方法で英検CSEスコアに変換されて合否判定されます。したがって、従来のように、自己採点ができなくなりました。

CSEスコアの導入背景

グローバル人材育成の機運

英語教育の現状として、グローバル人材育成のために「聞く」「読む」「書く」「話す」の4技能を総合的に習得する必要が出てきています。これまで日本人が苦手、できないとしてきた「書く」「話す」能力を習得するときがいよいよきたのです!

そのため、CSEスコアは技能別にスコアを参照できるよう設計されています。従来は確認できなかった自身の足りない技能を把握することで、学習の重点をどこに置けばよいかを明確化することが可能となったのです。

入試における英語外部試験導入

また、入試に英語外部試験の導入が増えてきていることもCSEスコア導入背景として挙げられます。これまでは大学が英検を入試に利用する際、設定するレベルが 2 級だと低すぎて、準 1級では高すぎるという問題がありました。

しかし、 CSE スコアを活用することで、大学の希望に沿って細かくレベル設定をすることができるようになりました。

また、技能ごとにスコア表示されるため、合計点と併せて必要な技能に比重を置いたスコア設定も可能となりました。

 英検バンドとは

英検バンドのしくみ

英検バントとは、英検各級の合格と不合格を連続的に幅で捉えた指標です。各級のCSEスコアを25点刻みで分割し、どの位置にいるのかを示します。1次試験、2次試験の成績それぞれに用いられています。

英検バンドの表記方法

表記方法は1級~5級までそれぞれ、G1、GP1、G2、GP2、G3、G4、G5となります。GはGrade(成績)、PはPre(準)を表します

さらに、合格ラインからの差を+/-で表現し、合格スコアを上回る一つ目のバンドは+1となり、下回った場合は数字の前に-が付きます。

英検バンドの利点

段階で表示される英検バンドの導入に伴い、CSEスコアだけでは実感しづらい合格ラインまでの距離が明確になりました。距離が明確になることで、学習者の目標設定も明確に行えるようになったのです。

合格した後も、「合否ラインからどれだけ得点が高いか」を基準にすることで、さらなる英語力アップの指針となります。

まとめ

英検の新しい成績表であるCSEスコアと英検バンドについておわかりいただけたでしょうか。スコアのグラフなど、より詳しい情報は英検公式サイトに掲載されているので、是非参照してください。

新たな成績表導入の最大の利点は、自身の英語力が技能別にわかり、各級の合格への距離を把握することで、学習へのモチベーションを向上できる点です。

英検受験を取り入れながら、英語学習を効果的に行っていきましょう。

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