【中高一貫校生向け】科目別の受験勉強の始め方
中高一貫校生に待ち受ける大学受験。
中学校以来になるため、受験は6年ぶりのものです。
「あの時ほど勉強できるか」
「勉強の仕方を忘れてしまった……」
と心配になる人もいるでしょう。
今回は、受験勉強をこれから始める人に向けて、オススメの方法を具体的に解説していきます。
志望校を決める
大学受験に向けた勉強として、まずは志望校を決めましょう。
志望校という目標を決めることで、勉強のモチベーションを上げられます。
心理学者ロックによると、明確な目標を設定すると、高いパフォーマンスを発揮できるとしています。
参考文献:課題遂行におよぼす目標設定と自律性の効果
志望校は、「○○大学××学部」のように、できるだけ具体的に決めるのがおすすめです。
それは、配点が関係してくるからです。
志望校の配点
同じ大学でも、学部や学科によって使える科目や配点が異なっている場合があります。
例えば、文系学部と理系学部は、入学後に使う科目が違います。
そのため、文系なら国語や社会、理系なら数学や理科が重視される傾向があるのです。
志望校を学部まで決めておくと、自分に必要な科目や、時間をかける科目がわかり、次の計画立てに役立ちます。
計画
志望校を決めた後は、それに沿って計画を立てていきましょう。
「一日に〇時間勉強する」「一週間で教科書を〇ページやる」など、具体的な数字を決めておくと、行動に移しやすい目標になります。
また、明確な志望校の学部学科が決まっていると、科目ごとの比重を決められます。
志望校の配点で、英語が一番高い場合は、英語に回す時間を増やす、というような工夫が可能です。
達成可能な計画に
勉強計画を立てる際に注意するべき点は、実現可能な計画にすることです。
実行が難しい計画を立てれば、持続が困難になる危険性があります。
勉強計画は「こうなりたい理想の自分」ではなく、「今できる最大のパフォーマンスを発揮する自分」を思い描いて立てましょう。
今まで勉強してこなかった人は、まず「毎日5分」「毎日1ページ」など、比較的少ない時間から計画を立てるのがおすすめです。
どの科目から始める?
よく「どの学校でも使うから英語だけを最初に勉強すべき」という意見を見かけます。
しかし、一つの科目に偏り、ほかの科目を放置すると、「苦手科目」をつくる恐れがあります。
途中から始める際、何も知らない状態から始めることになり、苦手分野になりかねません。
そのため、使いそうな科目はまんべんなく勉強することを推奨します。
文系/理系、国公立/私立など、自分が受ける学校の分類に沿って、自分が使いそうな科目を選んでおきましょう。
志望校が決まっているなら、その学部学科に使う科目だけを勉強すれば良いのではないか、と考えるかもしれません。
しかし、志望校が変わる可能性があるため、初めのうちは一つの学校に絞るべきではありません。
また、第一志望の学校が変わらなくても、第二志望以下の大学学部では異なる科目を使う場合があります。
どの教科も網羅しておけば、後になっても受験できる学校の選択肢を増やすことが可能です。
英語
英語には、「語彙」「文法」「読解」の3つの種類があります。
そのうち最初に始めるべきなのは「語彙」と「文法」です。
「語彙」は単語や熟語の意味を指します。
「語彙」がなければ、文章を読むことができません。
「文法」は、語彙の羅列が意味を成すためのルールです。
語彙がわかっても、「文法」がわからなければ英文の意味は理解できません。
英文を読む際、この2つの分野が土台になります。
土台を固めておくことで、受験のほとんどを占める読解に初めて対応できます。
数学
数学の勉強で始めにすることは公式の暗記です。
多くの問題で公式を使用するため、覚えていないと問題演習ができなくなります。
公式を覚えた後は、その公式を実際に使う練習をしましょう。
教科書の例題を解くことで、暗記の確認ができます。
数学が苦手な場合、中学1年生の範囲から勉強しなおすこともおすすめです。
中学と高校の数学の範囲は地続きになっているからです。
とくに、中高一貫校生は高校受験がないため、中学校の範囲の理解が疎かになっている場合があります。
国語
国語には、「現代文」「古文」「漢文」の3つがあります。
現代文は、漢字とキーワードを覚えましょう。
漢字は共通テストや二次試験などの対策になるほか、語彙の増加につながります。
キーワードとは、現代文に特有の言葉を指します。
意味や使用法を知っておくと、今後の文章読解を有利に進められるため、
古文は、古文単語と文法を覚えましょう。
英語と同じで、文章を読解する土台の部分を始めに作ります。
漢文は、返り点の意味を完璧にしましょう。
返り点は、漢文における文法のようなもので、同じ漢字でも返り点が異なるだけで意味が変わります。
なお、語彙については、多くの場合漢字から意味を推測できるため、初期の段階で優先すべき事項ではありません。
理科
理科は「生物」「物理」「化学」「地学」の4科目があります。
生物は、教科書の用語を理解しましょう。
2021年度共通テスト生物では、計算問題が50問中2問しか出題がなかったほど、生物は暗記科目です。
その計算も用語の意味を理解していないと解けないため、まずは教科書に出る用語を頭に入れることが最初になります。
物理は、数学と同じように公式を覚えましょう。
数学と異なるのは、物理は具体的な事象を扱う点です。
そのため、具体的な物理現象の名前や意味、イメージを理解する必要があります。
化学は、理論化学、無機化学、有機化学にわかれます。
このうち初めに勉強するべきなのは、ほかの2つの基礎となっている理論化学です。
理論化学は計算問題が中心のため、まずは公式を覚えましょう。
物理と同様、具体的な現象を扱うため、用語の理解も必須になります。
地学は、教科書の太字の用語を理解しましょう。
分野毎に重要な用語や区分を覚え、大まかな理解を目指します。
計算問題も出題されるため、簡単な例題にも触れておくと良いです。
社会
社会には「世界史」「日本史」「地理」「現代社会」「政治・経済」「倫理」の6科目があります。
世界史、日本史は、まず全体の流れを把握しましょう。
歴史科目は、全体を一つの流れが貫いており、細かい用語はそこからの派生です。
そのため、先に全体を覚えると、用語や知識を繋げて覚えられます。
地理は、系統地理と地誌にわかれます。
このうち、地誌を始めに勉強しましょう。
「地誌」は地域ごとの「系統地理」を扱うからです。
系統地理は地理の一般的な知識を学ぶため、具体的な地域を対象にする地誌でも考え方を応用できます。
「現代社会」「政治・経済」「倫理」は、教科書の用語の暗記から始めましょう。
意味や、用語同士の組み合わせが問われる科目だからです。
太字になっている用語の意味を理解し、自分で説明できるまで教科書を読み返すのがおすすめです。
まとめ
受験勉強を始めるプロセスは、以下のようにまとめられます。
①志望校を決める
②志望校に沿った計画を立てる
③計画に沿って各教科の基礎の部分を完璧にする
あくまでこれらは初期の段階であり、進めていくうちに、志望校の変更、教科を絞るなどの変更を加えても良いでしょう。
受験の始まりは、早ければ早いに越したことはありません。
パスナビが行った調査によると、大学に合格した新1年生の6割が、3年生の6月以前から勉強を始めたといいます。
ということは、受験勉強しようかな…と迷ったならすぐに始めるべきです。
この記事を読んだ今から、志望校決めや計画の策定を始めてみましょう。
投稿者プロフィール
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英語、数学をメインに指導を行っています。