仮面浪人とは?メリット・デメリット、成功率を上げるコツを解説
仮面浪人という言葉を聞いたことはあるものの、メリットやデメリットなどはわからない方もいるのではないでしょうか。
仮面浪人とは、大学に通いながら別の大学に合格することを目標に受験勉強を行うことを指します。
本記事では、仮面浪人のメリットやデメリット、成功させるコツなどを解説します。
仮面浪人を検討している方はぜひお役立てください。
このページの目次
仮面浪人とは
仮面浪人とは、大学に通いながら、別の大学に合格することを目指して受験勉強をすることを指します。
大学生という仮面を被って浪人することから仮面浪人と呼ばれています。
仮面浪人の具体例は、現役生のときに第1志望の早稲田大学が不合格となり、滑り止めで合格した明治大学に通いながら、早稲田大学合格に向けて受験勉強を行うようなケースです。
なお、仮面浪人には以下のように様々なパターンがあります。
- 通常の大学生と同じように大学に通う
- 必修科目の授業のみ受ける
- 休学して受験勉強に集中する
仮面浪人の成功率(志望校合格率)は約5~10%
仮面浪人の成功率(志望校合格率)は約5~10%程度だといわれています。
浪人生の志望校合格率が10%程度なので、大学の授業を受けながら受験勉強する仮面浪人の場合は、通常の浪人生よりも低くなるのが現実です。
仮面浪人のメリット6つ
成功率は決して高いとはいえない仮面浪人ですが、以下のように6つのメリットがあります。
- 受験に失敗しても通える大学がある
- 第1志望校の対策に集中できる
- 受験勉強をいつでもやめられる
- 志望大学に編入できる場合がある
- 受験のストレスを軽減できる
- 進路を考え直すきっかけになる
受験に失敗しても通える大学がある
再度、志望校が不合格だったとしても、現在在籍している大学に通い続けられます。
合格しなかった場合の保険を持っている状態で受験に臨めるのは大きなメリットでしょう。
また、現在の大学に通い続ける場合、浪人扱いにはならないので、現役生と同じように大学生活を送ることが可能です。
第1志望校の対策に集中できる
第1志望校の対策に集中できるのもメリットです。
現役で大学進学したい場合や浪人生の場合「どの大学にも受からなかった」事態を避けるため、滑り止めを受けなくてはなりません。
複数校の対策を行わなければならないため、第1志望対策に充てられる時間も少なくなります。
一方、仮面浪人の場合、滑り止めを受ける必要がないため、第1志望校の対策に特化して受験勉強することが可能です。
受験勉強をいつでもやめられる
仮面浪人の場合、すでに大学に入学しているので「この大学に通い続けたい」と思えば、いつでも受験勉強をやめられます。
大学生活を送る中で、心境が変化することは珍しくありません。
新たな目標ができた際は、受験勉強をやめて、方向転換してもよいのです。
ただし、常に「いつでも受験勉強をやめられる」と考えるのは避けましょう。
「受験勉強がつらくなったから諦める」といった事態につながるおそれがあります。
あくまで、志望校合格を第一に考えて過ごしましょう。
志望大学に編入できる場合がある
大学受験をせずに、編入試験を受けて志望大学に入学できる場合もあります。
2年生または3年生から編入できるケースが一般的です。
仮面浪人の場合、最低でも計5年間は大学に通う必要がありますが、編入の場合、仮面浪人で大学に通った期間が無駄にならないのがメリットです。
ただし、最初に入学した大学で規定の単位を取得していることが求められるだけでなく、一般選抜とは違った対策を行わなければなりません。
編入を検討した際は、受験勉強と両立するのも難しくなるため、中途半端にならないように注意する必要があります。
受験のストレスを軽減できる
一般的な浪人生の場合、自宅と塾・予備校を往復する日々を送るため、勉強ばかりでストレスが溜まってしまうケースもあります。
さらに、一昔前と比べて、浪人する割合も減少しているため、周りに同年代の勉強仲間がいなくて孤独を感じることもあるでしょう。
一方、仮面浪人の場合、新たな環境で新しい友人とコミュニケーションを取れます。
気分転換できる機会も増えるため、受験のストレスを軽減しやすいのです。
進路を考え直すきっかけになる
仮面浪人は自身の進路を考え直すきっかけにもなります。
大学生活を実際に体験することで、自身に合った大学や学部がより明確にできます。
新たな興味や関心が芽生え、将来やりたいことを見つけられることもあるでしょう。
あるいは「やはり志望校に合格したい」という想いを強く持てるかもしれません。
通常の浪人生が経験できないことをできるのは仮面浪人の大きなメリットです。
仮面浪人のデメリット4つ
メリットだけでなく、デメリットも知った上で仮面浪人をするか判断しましょう。
以下の4つが仮面浪人のデメリットです。
- 入学金や授業料などの費用がかかる
- 受験勉強の時間を確保しづらい
- 誘惑が多くモチベーションを維持しづらい
- 人間関係の構築が難しい
入学金や授業料などの費用がかかる
入学金や授業料、テキスト代などの費用がかかります。
実家から離れて一人暮らしをする場合であれば、家賃や光熱費、食費などの費用も必要です。大学と並行して塾や予備校に通うとなれば、さらに費用は増加します。
費用は保護者が工面するケースが多いため、期待に応えられるように受験勉強に励まなければなりません。
なお、大学の初年度納入金の例は以下の通りです。
大学 | 入学金 | 授業料ほか | 合計 |
一橋大学
(学部共通) |
28万2000円 | 64万2960円 | 92万4960円 |
早稲田大学
(政治経済学部) |
20万円 | 109万2900円 | 129万2900円 |
青山学院大学
(理工学部) |
20万円 | 171万2000円 | 191万2000円 |
以下を参照
一橋大学「入学金・授業料について(学部生)」
早稲田大学「2024年度【学部】入学金・学費・諸会費一覧表」
青山学院大学「学部入学者学費等一覧(2023年度入学生用)」
受験勉強の時間を確保しづらい
大学の授業やテスト勉強に時間が取られるため、大学受験の勉強時間を確保しづらいのがデメリットです。
もちろん、大学には通わずに、籍だけ置いて受験勉強に取り組むこともできます。
しかし、志望校に合格しなかった場合に、その大学に通い続けるのであれば、授業を受けて単位を取得しておく必要があります。
「第1志望に合格するまで仮面浪人を続けるのか」「1年間限定で仮面浪人をするのか」などを事前に定めた上で大学生活を送るとよいでしょう。
誘惑が多くモチベーションを維持しづらい
高校生のときは、学校と塾・予備校などで過ごす時間が多いですが、大学生の場合、自由な時間とともに誘惑も増えます。
同級生との付き合いやサークル活動、アルバイトなどに没頭してしまうと、受験勉強のモチベーションも維持しづらくなるでしょう。
通常の大学生と同じような生活を送るのではなく、あくまで「志望校合格のために仮面浪人をしている」ことを念頭に置いて、自制する必要があります。
人間関係の構築が難しい
受験勉強に注力するためには、友人と遊ぶ時間を削らなければなりません。
コミュニケーションを取る機会も減るため、良好な人間関係を構築しづらくなります。
一方で、仮面浪人の目的は第1志望校への合格である点を忘れてはいけません。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざの通り、目的を達成することを第一に考えて受験勉強に励みましょう。
仮面浪人の成功率を高めるコツ
仮面浪人で第一志望の合格率を高めるコツは以下の通りです。
- 目的意識を強く持つ
- 勉強計画を立てる
- 友人との付き合いはほどほどにする
目的意識を強く持つ
仮面浪人を経て第1志望校に合格するには、目的意識を強く持っておく必要があります。
目的意識とは、自身の目的を明確に自覚している状態を指します。
「なぜ仮面浪人をしているのか」を自問自答し、周りに流されたり、誘惑に負けたりしないように精進しましょう。
勉強計画を立てて学習時間を確保する
学校や塾などでまとまった学習時間を確保できる高校生と違い、大学生の場合は自由です。
自分を律するためにも、勉強計画を立てて学習時間を確保しましょう。
もし、独学で勉強するのが難しいと感じたら、塾や予備校に通ってサポートを受けることをおすすめします。
勉強計画のアドバイスを受けられるだけでなく、悩みや不安を相談することも可能です。
友人との付き合いはほどほどにする
友人との付き合いはほどほどにしておきましょう。
受験勉強よりも、友人と遊ぶ方が楽しいかもしれませんが、誘いを断れなくなってしまうと、勉強時間を確保しづらくなります。
大学生であると同時に、受験生であることを自覚し、第1志望校に合格することを第一に考えて行動しなければなりません。
よくある仮面浪人の失敗パターン
よくある仮面浪人の失敗パターンを紹介します。
- アルバイトやサークルにのめり込んでしまう
- 誘惑に負けてしまう
アルバイトやサークルにのめり込んでしまう
多くの大学生がアルバイトやサークル活動を始めますが、仮面浪人しているにもかかわらず、同じような生活を送ってしまうと、第1志望校に合格するのは難しいでしょう。
浪人生の多くは、塾や予備校に通って、毎日勉強に励んでいます。
自分の楽しみを優先して受験勉強を疎かにしているようでは、ライバルとの差は開くばかりでしょう。
入学前に「サークル活動やアルバイトはしない」と決めておくのもよいかもしれません。
誘惑に負けてしまう
遊びや趣味などの誘惑に負けてしまう人も仮面浪人に失敗する可能性が高いです。
勉強計画を実行できず、学習時間も確保できないからです。
仮面浪人で成功するには、誘惑に打ち勝つための自己管理能力が求められます。
周りに流されやすかったり、優柔不断だったりする場合は、誘惑に負けてしまう可能性が高いでしょう。
仮面浪人を検討した際は、あらためて「大学に通いながら受験勉強を頑張れるか」慎重に判断する必要があります。
まとめ|仮面浪人では目的意識を強く持つことが大事
仮面浪人のメリットやデメリット、成功させるコツなどを解説しました。
仮面浪人の場合、滑り止めを受ける必要がないため、第1志望校の対策に集中できるのがメリットです。
一方で、高校のときと比べて自由に使える時間も多く、周りに流されてしまうと、受験勉強が疎かになってしまいます。
仮面浪人をする際は「第1志望校に合格する」という目的を常に意識して、自己管理するのが重要です。
とはいえ、仮面浪人することなく志望校に合格するのが一番です。
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投稿者プロフィール
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