大阪府の公立中高一貫校まとめ|特徴や入試倍率・進路紹介

大阪府の公立中高一貫校まとめ|特徴や入試倍率・進路紹介

大阪府にある公立の中高一貫校を紹介します。

公立の中高一貫校は、私立に比べ費用を抑えられ、充実した学習環境があるため、保護者からも注目を集めています。

各学校の特徴や、卒業後の進路、適性検査の内容、入試倍率等を紹介します。

大阪府の公立中高一貫校は3校とも併設型

中高一貫教育には「中等教育学校(完全型)」「併設型」「連携型」の3種類があります。

大阪府の公立の中高一貫校は、すべて「併設型」です。

【3種類の中高一貫教育の特徴】

中高一貫教育の種類 特徴
中等教育学校
(完全型)
・前半3年を「前期課程」後半を「後期課程」とする
・後期課程での生徒募集はしない
併設型 ・中学校から高校まで6年間の一貫教育を行う
・一般的に高校からも入学者の募集を行う
連携型 ・複数の学校で連携をとっている
・公立校に多い
・すべての生徒が連携の高校に入学できるわけではない

 

咲くやこの花中学校・高等学校

所在地:大阪府大阪市此花区西九条6-1-44

咲くやこの花中学校高等学校」は、2008年に大阪市として初の併設型市立中高一貫校として開校し、2022年より大阪府に移管されました。

それと同時に、通学区域が大阪府内全域へと拡大されています。

最大の特徴は、中学入学時から「ものづくり(理工)」「スポーツ」「言語」「芸術(美術・デザイン)」の4つの分野に分かれて分野別学習を行っていくカリキュラムです。

募集定員は、それぞれ20名ずつです。

部活動も分野別の部活動があり、生徒は必ず入部し積極的に参加します。

高校からさらに80名が入学し、160名が6つの分野に分かれ、より専門的な学習が進められます。

【中学・高校別選択分野】

中学(分野別学習) 高校(系列学習)
ものづくり(理工) 理数
ロボット工学
スポーツ スポーツ科学
言語 言語社会
芸術(美術・デザイン) 造形芸術
映像表現

 

水都国際中学校・高等学校

所在地:大阪府大阪市住之江区南港中3丁目7-13

水都国際中学校・高等学校」は、2019年に大阪市立として開校し、2022年4月より大阪府に移管され、大阪府立の中高一貫校となりました。

大阪府立の学校ですが「学校法人YMCA」が、2019年の開校当初から運営管理を任されています。

その名の通り、グローバル社会において活躍する人材の育成を目的としており、中学から専任の外国人教師による授業が行われ、英語以外の教科も一部は英語で行われています。

中学で80名・高校からも80名を募集し、最終的に1学年160名となります。少人数で密度の濃い授業が受けられることは大きなメリットです。

高校2年生からは「グローバルコミュニケーションコース」「グローバルサイエンスコース」「国際バカロレアコース」の3コースに分かれ、高度な英語力だけでなく、さまざまなジャンルの知識を身につけます。

富田林中学校・高等学校

所在地:大阪府富田林市谷川町4-30

富田林中学校・高等学校」は、中学入試・高校入試ともに120名ずつの募集となり、咲くやこの花中学校・高等学校や水都国際中学校・高等学校と比べ、規模の大きい学校となっています。

富田林中学校・高等学校の特徴は、大阪府立高校の普通科で唯一のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校となっていることでしょう。

中学の時点で、大学講師や化学関連施設の専門員などから、中学理科の範囲を超えたサイエンスの奥深さを学び、好奇心を養います。

最先端の研究を行う研究者の講演会や科学的施設の訪問など、あらゆる角度から知識を深め、科学的な視野を広げることが可能です。

大阪府の公立中高一貫校の適性検査と倍率

公立中高一貫校は、私立の中学受験で行われる学力試験は行いません。

その代わりに「適性検査」と呼ばれる、小学校6年間で学んだ知識を駆使して、自分の意見を伝える「教科横断型」の問題が出題されます。

大阪府の公立中高一貫校は、それぞれ異なる適性検査が行われています。

令和5年度の大阪府立中学校入学者選抜実施要項によると、3校の適性検査内容と志願倍率は次のとおりです。

《大阪府の公立中高一貫校の適性検査内容と志願倍率》

適性検査 志願倍率(令和6年度)
咲くやこの花中学校・高等学校 適性検査Ⅰ:国語・算数的問題
適性検査Ⅱ:分野別に実施
作文:300文字程度(志望動機や興味・関心)
ものづくり(理工):5.40倍
スポーツ:2.40倍
言語:3.90倍
芸術(美術・デザイン):4.1倍
水都国際中学校・高等学校  適性検査Ⅰ(国語・英語的問題)
適性検査Ⅱ(算数的問題)
適性検査Ⅲ(物事を多面的に深く思考し、論理的に表現する力)
4.05倍
富田林中学校・高等学校 適性検査Ⅰ(国語・英語的問題)
適性検査Ⅱ(算数的問題)
適性検査Ⅲ(社会・理科的問題)
作文:400字程度(中高一貫校で6年間学び続けていくことができる意欲・適性及び自らの考えや意見を論理的かつ適切に表現する力)
2.79倍

出典:令和6年度大阪府立中学校入学者選抜実施要項(適性検査の内容)、令和6年度大阪府立中学校入学者選抜志願者数(志願倍率)

大阪府の公立中高一貫校卒業後の進路

大阪府の公立中高一貫校3校は、どの学校も難関大学への進学者を輩出しています。

国公立大学では大阪大学や大阪公立大学など、また、私立大学では関西の難関大学といわれる関関同立(関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学)の合格者もいます。

どの学校も中高一貫校となってから新しいため、今後この進路がどのように変化していくのか、入学を考えている方はしっかりチェックしていきましょう。

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中高一貫校では、大学受験を念頭に置いた授業が展開されるケースが多いため、基礎事項の習得は、予習・復習が前提になっています。

また難関大学の合格を目指すのであれば、難易度の高い授業にしっかりついていき、定期テストで平均点以上の良い成績を取る必要があります。

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