中高一貫校の完全型・併設型・連携型は何が違う?メリット・デメリット解説
近年注目が集まっている「中高一貫校」。
中学入試や高校入試でお子さんを入学させたいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
中高一貫校には、「完全型」「併設型」「連携型」の3つがあります。
それぞれどのような違いがあるのか、ご存じでしょうか?
この記事では、「完全型」「併設型」「連携型」の違いや、どのタイプがよいのかについてご紹介します。
「中高一貫校に入学させたいけれど、どこがよいか悩んでいる」
「完全型・併設型の違いがよく分からない」
といった、お悩みをお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
このページの目次
中高一貫校とは
中高一貫校とは、その名のとおり中学・高校と6年間を、共通の環境で学べる学校のことです。
従来の中学・高校とは異なる学習環境を設定することで、生徒それぞれの個性を尊重した教育を目指しています。
文部科学省でも中高一貫教育を推進しており、平成11年4月から実施されています。
小学校卒業後は地域で決められた公立中学に進学する生徒も多い中、子どもの個性を伸ばすため、またお子さんの将来を考えたうえで、中高一貫校を選択するご家庭も少なくありません。
中高一貫校へはほとんどの生徒が中学受験をして入学しているため、一般的な公立校と比べ、レベルの高い生徒が集まっていることが特徴です。
とくに、私立の中高一貫校には有名私立大学の附属校や指定校推薦が充実した学校もあり、「MARCH(明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)」のような有名私立大学や難関大学を狙って入学するお子さんも多くいらっしゃいます。
中高一貫校は主に3種類ある
文部科学省が中高一貫教育を推進するにあたり、生徒や保護者のニーズに沿って設定した中高一貫教育の実施形態が3つあります。
それが「完全型(中等教育学校)」「併設型」「連携型」です。
文部科学省によると、それぞれの設置状況は以下のようになります。
(引用:文部科学省|高等学校教育の改革に関する推進状況について)
600校近い学校がありますが、これらは、どのような違いがあるのでしょうか?
ここからは、それぞれの違いを詳しく解説していきます。
完全型の中高一貫校
「完全型」の中高一貫校は、「中等教育学校」とも呼ばれています。
メリット | 学校ごとに特色のある授業が受けられる |
---|---|
デメリット | 環境が変わらないため、刺激を受けにくい |
完全型の中高一貫校最大の特徴は、高校入試を行わないことです。
中学入試で入学した生徒のみ、6年間を共に過ごしていきます。
中高6年間の教育は一般的な中学校の3年間を「前期課程」、高校の3年間を「後期課程」と定めています。
前期課程を終えた生徒は、試験なしで後期課程へ進むことが可能です。
併設型の中高一貫校
「併設型」の中高一貫校とは、中学・高校ともに同じ設置者の学校のことをいいます。
メリット | 高校入学組から刺激を受けられる |
---|---|
デメリット | 内部進学生と高校入学組との間に学習進度の差が生まれる |
完全型の中高一貫校が中学受験を突破した生徒のみ通えるのに対し、併設型の場合は高校受験も設置していることが特徴。
高校3年間だけ通学することも可能です。
ただし、高校から入学する生徒の募集は少なめです。
たとえば、巣鴨中学・高等学校は、中学校で200名を募集している一方、高等学校はわずか70人しか募集していません。(※)
中高一貫校の多くは、中学3年生ですでに高校の範囲の学習が始まっており、高校から入学した生徒はその分の遅れに対応しなければなりません。
教師の負担も多く、併設型にメリットがあまりないということで、完全型に移行する学校も増えています。
しかし、完全型のように6年間変わらない環境と比べ、刺激を受け合えることは大きなメリットです。
(※参考:受験生の方へ|巣鴨中学校・巣鴨高等学校)
連携型の中高一貫校
「完全型」「併設型」の中高一貫校が、ひとつの学校でできているのに対し、「連携型」は複数の学校が連携をとっていることが特徴的です。
併設型のように、同一の設置者の必要もありません。
メリット | 異なる学校同士でも6年間継続的な教育ができる |
---|---|
デメリット | 必ずしも学習レベルが高いとは限らない |
連携型の学校では、それぞれの学校同士、生徒や教師が交流をもっています。
公立校でとくに連携型が多く、試験なしで面接や実技といった選抜方法で高校に進学できる場合もあります。
中高一貫校とはいいますが、「完全型」「併設型」とは、やや異なる形態です。
中高一貫校は併設型よりも完全型の方がよいの?
併設型の中高一貫校は「本来の中高一貫教育の目的である6年間を通じた体系的な教育ができない」という事情から、メリットが少ないといわれることもあります。
実際、併設型から完全型に移行する中高一貫校が増えています。
では、中高一貫校は完全型を選ぶべきなのでしょうか?
また、大学進学を見据えた際に併設型の学校に通うことはデメリットになるのでしょうか?
授業の難易度の高さやスピードの速さは完全型・併設型ともに共通
完全型・併設型ともに「6年間を通じた体系的な教育」を目指しています。
併設型の場合には、高校1年に進級する時点で高校入学組が入学してくるという事情があるものの、どちらの中高一貫校も授業のレベルが高いことに変わりはありません。
また「中だるみしやすい」という中高一貫校ならではのデメリットも完全型・併設型に共通する傾向です。
ただし併設型の場合は、高校入学組が入ってくる高校1年生のときに、高校入学組のために高校一年の範囲から再度学習をする学校もあります。
既存の生徒たちは、一度学んだ内容を学習しなおすことになり、ますます中だるみしてしまう可能性もあるでしょう。
さらに、高校から併設型の中高一貫校に入学した生徒は、授業についていくのが大変というデメリットもあります。
本人にあった学習の仕方が重要
このように「併設型にはデメリットがある」とはいわれるものの、それぞれの学校の取り組み方次第という部分もあります。
併設型でも、内部進学・高校入学それぞれの生徒に配慮している学校もあります。
たとえば、1年生の段階では内部進学生と高校進学生のクラスを分け、内部進学組が先取り学習できるようにしたうえで、2年次以降に成績によってクラス替えを実施している学校などです。
併設型でも、全国的に知名度の高い名門校も少なくありません。
最終的には、お子さん本人の性格にあった校風の学校選びをすることがもっともお子さんのためになります。
完全型・併設型どちらでも、ハイレベルな授業をいかし、よい成績をとるには、本人の意欲や学習方法が重要なのです。
しかしどうしても授業についていくのが大変なお子さんはいます。
頑張っても授業についていけない場合には、学習方法を変える・学習塾に通うといった対策を取るようにしましょう。
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「中高一貫校生におすすめの塾は?学力UPが叶う塾の選び方伝授」
まとめ
中高一貫校には「完全型(中等教育学校)」「併設型」「連携型」があります。
完全型 | 中学入試でのみ入学できる |
---|---|
併設型 | 一部高校からでも入学できる |
連携型 | 複数の学校が連携している |
中でも、完全型と併設型は難関大学や系列大学への進学を目的とし、難易度の高い授業がハイスピードで行われています。
毎年一定数、ついていけなくなってしまう生徒もおり、通塾を検討した方がよい場合もあります。
「中高一貫校専門個別指導塾WAYS」は、独自のカリキュラムで授業を行う中高一貫校に対応した個別指導塾です。
一般的な塾では対応しきれない、検定外の教材や学校の宿題などにも対応。
中高一貫校の中でも中堅・中だるみ層のお子さんの「分からない」を「分かる・解ける」に変えていきます。
中高一貫校入学後、周りに流されずコツコツ頑張らせたいという方は、ぜひご検討ください。
投稿者プロフィール
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中高一貫校生の定期テスト対策から大学受験・内部進学までをトータルサポートする個別指導塾。
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英語、数学をメインに指導を行っています。
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