中高一貫校の『深海魚』とは?

深海魚 サムネ

中高一貫校に存在する、「深海魚」という成績階層をご存じでしょうか?

人によって異なりますが、「深海魚」と聞いて良いイメージを抱く人ばかりではないでしょう。
もしかしてウチの子も深海魚って呼ばれてる…?」「うちの子が深海魚と呼ばれるかも…?」などの不安を抱く人もいるかもしれません。

この記事では、深海魚の意味や原因、深海魚にならないための対策について解説します。
中高一貫校に通っている・これから通うお子さんを持つ人は、お子さんの学校生活を考える参考にしてみてください。

深海魚とは?

深海魚とは

『深海魚』とは、中高一貫校の成績下位5%~10%の生徒の通称です。
5%~10%という数字はあくまで目安で、広義では成績最下位層を指します。

深海魚と呼ばれる由来は、入学後に勉強しなくなり成績を下げた生徒が底に沈んでなかなか上がってこない様子にあります。

学校を海、成績を海の深度(深いほど悪い)、生徒を魚に例えているのです。

深海魚になる原因

深海魚 原因
深海魚になる最大の原因は「入学後に勉強をしなくなること」です。

そもそも、中高一貫校生の多くは、一般的に厳しいとされる受験を乗り越えた基礎学力、つまり勉強に関するポテンシャルを持っています。
全員「やればできる子」です。

しかし、どこの学校にも、深海魚と呼ばれる成績下位層は存在しています。
入学前に勉強していた人が勉強をしなくなり、深海魚になってしまう原因はどこにあるのでしょうか?

入学後に休憩している

小中高一貫校を除いて、中高一貫校には中学入試を乗り越えた人が集まります。
「塾に通う」「家庭教師に教わる」といった入試対策をしてきた分、通常の小学生よりも努力を重ねてきた人たちです。

一部の人は、中学受験という関門を抜けたことで気持ちが休憩に入った状態になり、かつての勉強量はどこへやら、中学に入学した途端に勉強をしなくなります。
また、合格後に「小学生時代に遊べなかった分を取り返すぞ」という遊びを優先させたい気持ちが湧いてきて、勉強しなくなる人もいます。

とくに、「寝る時間を削って勉強していた」「学校の友達は遊んでいるのに自分は勉強漬け…」など、自分を追い込んでいた人は、入学後に休憩したくなる傾向があるようです。

自由に流されている

難関校を含めた一部の中高一貫校は、国公立に比べて自由な校風を持つ傾向があります。
勉強をするもしないも自由、生徒個人の自己責任とみなされるため、学校側からのお咎めはありません。
小学生時代より自由になった結果、勉強の優先度が下がってしまえば、勉強離れにつながります。

プライドが折れる

中学受験をするほとんどの人は、小学生で成績上位だった人です。
成績上位者としてのプライドを持って入学する場合があります。

しかし、周りも自分と同じくらいかそれ以上の学力を持っている環境では、成績上位を保つことが困難です。
人によっては、成績上位から中~下まで下がってしまいます。

「ほかの人を出し抜いてやる」と意気込めばよいのですが、プライドを折られた一部の人は、勉強する意欲をなくす傾向があります。

人間関係の変化

中高一貫校には、入試に合格した人が集まります。
小学校から友達だった人と同じ学校になる可能性は低く、入学以降の人間関係が変化します。

中学に進学する時期のお子さんにとって、人間関係の変化は重要です。
仮に、中学で友達を作れなければ、学校に行く楽しさを感じられず、不登校になってしまうおそれがあります。
学校に行く意欲の減少は、勉強に身が入らなくなる原因です。

通学時間の変化

通学時間も大きな変化です。
とくに自宅から遠い中高一貫校に通う場合には、登下校に時間がかかります。
登下校に時間がかかれば、自由に使える時間が減ってしまい、勉強時間も減ると考えられます。

深海魚にならないためのポイント:入学前

深海魚にならないため 入学前
入学後、深海魚にならないためには、入学前から注意しておくことが大切です。
まず、入学前に注意しておきたい内容から解説します。

入学後について知っておく

小学校のときに「中学への入学がゴールだ」と認識しているお子さんは、中学入学後に勉強しなくてもいいと考える傾向があります。
勉強をする習慣が無くなってしまえば、成績を上げるのは困難です。

深海魚になるのを避けるためには、小学生のうちから「中学入学後にどうなるか」知らせておくことがおすすめです。
具体的には、中学への進学に伴って、むしろ受験勉強より忙しくなるかもしれないことを伝えましょう。

その際、ただ「勉強で忙しいよ」という事実だけでは意欲を失わせるおそれがあるため、「中学からの勉強は面白くなるよ」といった期待を抱かせる伝え方が望ましいです。

激励の言葉を選ぶ

受験勉強中のお子さんにかける激励の言葉は、入学後の生活に影響を与える場合もあります。

たとえば、「受験が終われば楽になる」といった内容の言葉は、お子さんの認識を変えてしまうおそれがあります。
「入学後に楽になる=入学後は勉強をしなくて良い」と認識してしまえば、勉強離れの原因になるからです。
「辛いのはいまだけだから」といった言葉も、「いまだけ=入学後は辛い思いをしなくて良い」と解釈されれば、お子さんの勉強離れにつながるでしょう。

そのため、受験勉強中のお子さんを激励する際には、「入学後の勉強は楽しくなる」「選択科目もあって好きな内容を勉強できる」など、勉強離れにつながらない言葉を選ぶのがおすすめです。

お子さんの気質と校風が合う学校を選ぶ

中高一貫校といっても、理念や校風は様々です。
理念や校風が校則や教育などにあらわれるため、校内の雰囲気は学校によって異なります。

とくに、自由な校風を持つ一部の学校は、生徒に勉強を強要しません。
自主的に勉強するお子さんであれば問題ありませんが、強要されなければ机に向かわないお子さんは、そのまま勉強しなくなるおそれがあります。

深海魚を避けるためには、「自主的に勉強しないお子さんには勉強をさせる学校を選ぶ」「自主的に勉強するお子さんには意欲を高められる学校を選ぶ」など、お子さんの気質と合致する校風の学校を選ぶことが重要です。

お子さんの学力に合う学校を選ぶ

合格点ギリギリで入学した人」は、深海魚になる傾向があります。
ギリギリで合格した場合は、入学後に周りのレベルに追いつけなくなるおそれがあるからです。

同じ中高一貫校の入試を受けて合格したからといって、同じレベルの学力とは限りません。
「滑り止めとして受験した」「安全圏の学校を選んだ」など、本来は上のレベルの学校に入れる学力を持つ人が一定数存在します。

今まで公立の小学校に通っていた人にとって、中高一貫校に通う生徒の学力は、格段に上がっていると感じられるでしょう。
仮に、ギリギリで合格した人は、周りについていくために平均以上の勉強量を求められます。

厳しい環境に置かれる方が伸びる人と自信を失って伸びなくなる人がいるため、深海魚になるのを避けるには、学力に合った学校選びも重要といえます。

教科書の予習をさせる

2月上旬に入学の手続きを行って4月に入学する場合、手持ち無沙汰になる期間が生まれます。
何もしない期間が続くため、「勉強をしない」快適さを知ってしまうお子さんもいるかもしれません。

4月より前に教科書を購入できる学校の場合は、手持ち無沙汰になる期間を利用して、入学後に使用する教科書に目を通しておくことをおすすめします。
授業の内容を予習しておけば、授業の内容の理解が深まるだけでなく、手持ち無沙汰で怠ける癖がつくのを防げるからです。

教科書の内容を先取りしつつ深海魚にならないための対策を取れれば、一石二鳥の結果が得られます。

深海魚にならないためのポイント:入学後

深海魚にならないため 入学後
入学前の準備だけでは、充分ではないおそれがあります。
ここからは、深海魚にならないために入学後にできる対策を解説します。

目標を設定する

入学後に深海魚にならないため、勉強に関する目標を設定しましょう。
勉強に関する目標を設定しておけば、常に勉強に意識が向くからです。

その際、「○○大学合格」「株式会社○○入社」といった長期的な目標は、目的意識を持続させる根気強さが求められるため、避けることをおすすめします。

「定期テストで何点以上を目指す」「毎日2時間は勉強する」などの短期的に実現できる目標を設定すれば、目標の達成と新たな目標の設定を短いサイクルで繰り返せるため、常に新鮮な気持ちで勉強に取り組めるでしょう。

また、ある程度の制約を設けておくことにより、深海魚の原因として紹介した「遊びに偏ってしまう」状況を避けられます。

6年間は安泰という考えを捨てる

「入学してしまえば6年間は安泰」という考えは、持たないようにしましょう。
勉強に対する油断や甘えにつながるからです。

仮に、成績が一定の水準を下回った場合、学校によっては退学を勧められるでしょう。
退学を勧められる段階まで下がった成績は、並大抵の努力では上がりません。

6年間の目標を考えることが難しければ、短期的な目標を一つひとつ達成していくことによって、深海魚になることを防げます。

小学校との違いを伝える

深海魚になる原因として紹介した「プライドが折れる」は、入学前後の学力のギャップによって起こります。

入学後に行われる最初の定期テストは、小学生時代との違いを認識する最初の機会です。
仮に、入学前に優等生だった生徒が周りから差をつけられてしまえば、ショックを受けるでしょう。

そのまま深海魚になるのを防ぐためには、「小学校のテストと中学校のテストは違う」と伝えておくことが大切です。
事前に知らせておけば、定期テストが不出来だった場合に受ける学力差のショックを減らせます。
また、「今のままでは通用しない」という考えを前もって意識させておけば、進んでテスト勉強に励むようになるでしょう。

様子を見る期限を決めておく

これまで紹介したような声かけは重要ですが、必要以上のプレッシャーを与えてしまうおそれがあります。
プレッシャーによる悪影響を抑えるには、お子さんの成績について、様子を見る期限を決めておく方法が有効です。

たとえば、「中学2年生になるまで」と決めた場合には、中学2年生の最初の定期テストまで、勉強に関して強く言わないようにしましょう。
期限を超えたら、最初に立てた目標の達成度や得意な科目、不得意な科目、テストの点数など、これまでどのように勉強に取り組んできたか細かく確認してください。

お子さんの自由を容認する期限を設けておくことで、自主性を尊重しながら最低限の引き締めを行えます。
結果として、入学後に深海魚になってしまう事態を防げるでしょう。

まとめ

お子さんが深海魚にならないために最も重要なことは「お子さんに自ら勉強してもらう」です。
そのため、本記事では「お子さんの自主性を育む」「お子さんの目的意識(モチベーション)を保つ」といった内容を紹介しました。

強制的に勉強させるだけでは、お子さまの自主性やモチベーションは上がりません。
自ら進んで勉強したくなるような声かけを心がけてください。

個別指導塾WAYS
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なお、無料の学習相談を行っているため、お子さんの成績が気になっている人は申し込んでみることをおすすめします。

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中高一貫校専門 個別指導塾WAYS 編集部
中高一貫校生の定期テスト対策から大学受験・内部進学までをトータルサポートする個別指導塾。
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