定期テスト講評 平成27年度 早稲田実業学校中等部 第2学年 学年末試験 数学(幾何)
今回は早稲田実業学校中等部2年生の数学を学年末試験をもとに分析していこうと考える。
早稲田実業学校中等部は、数学の試験として、代数・幾何・数学演習の3つの試験がある。このことからも早稲田実業学校中等部は数学に大いに力をいれていることが伝わる。
今回は幾何の試験を見ていく。
1 出題内容
出題内容は5題であり、以下の通りであった。
1, 中心角と円周角、円の接線について
2, 円の角度の問題
3, 円の接線
4, 円に内接する四角形
5, 2つの円
2 総評
出題範囲
新中学問題集 応用編 数学3年 6章 円の性質
分量と難易度
分量は、全5題のテストのため問題数は少ないテストである。
しかし、1問1問に時間を有する問題が多く出題されているため、生徒たちは試験時間50分をまるまる使い、考えさせるテストとなったであろう。
難易度としては、図形の性質を使いこなしていなければ、まるで勝負にならないが、身に付いている者にとっては、ペンが止まることはなく、考えられたはずである。
また、代数学同様、大問3からは考え方や途中式を記述する指示がだされている。そのため、自分が分かるように書くだけのメモとしての解答では減点あるいは解答として認めてもらえない。
つまり、担当教員が採点することを考慮すると、毎回の授業をきちんと受け、担当教員が教えた通りの書き方を身に付けることが重要となる。
以下に細かくみた考察を書いていく。
1, 中心角と円周角の名称、円の接線についての説明を問う問題。(1)は図から指定された角の名称を記載する問題となっている。大変重要なことを問いていることは伝わるが、期末試験に出題されていることには正直驚いた。生徒達としても絶対に落としてはならない問題となったはずである。(2)は円と直線が接する状態を指定された語を用いて説明する問題であった。今回のテストには接線を用いる問題が多く出題されている。よって性質を使いこなすだけではなく、言葉の意味の重要性を確認する良い問題といえる。
2, 円の角度の問題が9問出題。図が描いてあり、の角度を求めるよくある問題である。すぐに取り組むべきことは、分かる情報を図に書き込むことが大切である。残り3つの文章題を考えるとここで時間をかけるのは得策とはいえない。ワークに類題も載っているため、それぞれの性質を復習し、使えるようにしておくことである。
3, 円の接線についての問題。(1)から(3)の3問構成となっている。(1)に証明を行い、(2),(3)は値を求める問題となっている。今回の出題形式は良心的になっており、(1)が証明できなくても、円の接線の性質が身に付いていれば、(2),(3)が解けるようになっている。従って、(1)が証明できない=(2),(3)は絶対に解けないとあきらめてしまうのは正直もったいない。解く前にきちんと問題文を読み、問題の関連性を読み取ることが大切であることを教えてくれる良問である。
4, 円に内接する四角形の問題。円に内接する四角形の性質と円周角の定理を理解し、使いこなせるかを(1)から(3)の3問で確認できる問題となっている。難易度も順々に上がっている。共通な弧に対する円周角は等しく、同じ長さの弧に対する円周角も等しい。従って弧の長さと円周角の大きさは比例している等、これらをきちんと理解している生徒にとってはペンが止まることはない問題であったはずである。
5, 2つの円を用いた問題。今回は接弦定理を用いた証明が(1)、相似な平面図形の面積比の問題が(2)となっていた。接弦定理だけではなく、これまでの問題で使ってきた円周角の定理、さらに三角形の相似条件と面積比も使うため、多少癖がある問題である。教員としては接弦定理を使いこなしているのか、そして、どれだけ応用問題を解いてきたかが確認できるため、このテストの最後を飾るべき問題ともいえる。
3 対策
幾何学を苦手とする理由の一つは情報の多さである。すぐに計算するのではなく、まずは図を読み取らなければいけない。これは図に慣れていない者にとっては苦痛であるに違いない。
また、数の計算結果を答えとするだけでなく、証明を行う問題もある。
つまり、考えるべき材料が増えるため、幾何学の問題を理解するためには、どうしても時間がかかってしまう。苦手・嫌いとする生徒の大半はこの理解する段階で、諦め、もしくは面倒となり、考えるのをやめてしまったことはないだろうかと私は考える。
幾何学の父とも呼ばれる数学者ユークリッドは幾何学の勉強を教えている際、「幾何学に王道なし」と言っている。従って幾何学とは1つ1つ確実に、そして継続は力なりというように、コツコツ丁寧に学ばなくてはいけない学問である。
長くなってしまったが、まとめると幾何学の勉強に面倒くさいは禁止である。新中学問題集の問題を時間をかけ、中途半端な理解で終えるのではなく、確実に理解することがより良い勉強法であるといえる。その際問題にある図をノートに描くことで図に慣れる練習もすれば一石二鳥である。
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