塾の掛け持ちはダメ?メリットやデメリット、成功させるコツを解説
「通っている塾で成績が上がっていない」「塾を探しているものの、1つに絞り込めない」
上記のような理由で塾の掛け持ちを検討している保護者の方もいるのではないでしょうか。
また、塾を掛け持ちしてはダメなのかわからずに悩んでいる保護者の方も少なくないはずです。
結論、塾の掛け持ちはダメではありませんが、失敗すると成績が上がらないだけでなく、子どもに大きな負担がかかります。
本記事では、掛け持ちのメリットやデメリット、成功させるコツを解説します。
塾の掛け持ちはダメじゃない
塾ごとのルールによるものの、多くの塾は掛け持ちを推奨もしていなければ禁止もしていません。
実際に、進学塾で受験対策を行いながら、苦手科目だけ個別指導塾で重点的に勉強している生徒もいます。
掛け持ちすれば、成績が上がるわけではないので、お子さんの学習状況を把握した上で判断する必要があります。
掛け持ちしている子の割合
文部科学省の調査によると、学習活動(学習塾、家庭教師、通信添削、習い事)を掛け持ちしている子どもの割合は以下の通りです。
小1 | 小2 | 小3 | 小4 | 小5 | 小6 | 中1 | 中2 | 中3 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
38.0% | 39.2% | 41.2% | 42.5% | 44.8% | 44.9% | 40.2% | 35.9% | 31.3% |
掛け持ちの中には「塾と習い事」のパターンも含まれているため、塾を2つ以上掛け持ちしているケースは上記の数値以下といえます。
参照:文部科学省「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告」(2008年8月)
塾を掛け持ちするメリット
塾を掛け持ちするメリットは以下の3つです。
- 塾ごとの強みを活かせる
- 学習に関するノウハウを集めやすい
- 子どもに合った塾を見つけやすい
それぞれ解説します。
塾ごとの強みを活かせる
塾ごとに指導方針や学習スタイルが異なるため、掛け持ちすることでいいとこ取りができます。
例えば、受験対策が得意な進学塾を軸にして、苦手科目は生徒のペースで学習できる個別指導で基礎から学ぶことも可能です。
ニーズに合わせて取捨選択できるのがメリットです。
学習に関するノウハウを集めやすい
通う塾が増える分、学習に関するノウハウを幅広く集められます。
受験情報に関しても、塾ごとに保有している情報は異なるでしょう。
様々な観点から情報を集めることで、効率的な学習スタイルの確立につなげられます。
子どもに合った塾を見つけやすい
塾を掛け持ちすれば、実際に通ってみた印象をもとに比較できるので、子どもに合った塾を見つけやすくなります。
「教え方がわかりやすい」「間違っても優しく教えてくれる」「趣味の話で盛り上がって楽しい」といった子どもの感想を判断材料として、将来的に1つの塾に絞り込むことも可能です。
塾を掛け持ちするデメリット
塾を掛け持ちするメリットに加えて、デメリットも把握しておきましょう。
- 生活リズムが崩れる可能性がある
- 費用の負担が大きくなる
- 指導方法の違いで子どもが混乱する可能性がある
- スケジュール調整が難しくなる
順番に解説します。
生活リズムが崩れる可能性がある
複数の塾に通う場合、通塾にかかる時間や学習時間が増えるため、生活リズムが乱れる可能性があります。
また、子どもによっては、人間関係にストレスを感じて、精神的な負担が増すこともあるでしょう。
費用が割高になる
授業料のほかに、入塾金や諸経費がかかるため、費用が割高になってしまうのもデメリットです。
入塾金を支払うのは1度のみですが、諸経費は毎月3000円程度かかります。
よって、1つの塾で2科目習うよりも、2つの塾で1科目ずつ習う方が割高になってしまうのです。
指導方法の違いで子どもが混乱する可能性がある
講師によって教え方や指導方針が異なる場合、どちらを信じればいいかわからなくなり、子どもが混乱してしまう可能性があります。
幅広い学習ノウハウを得られる一方、どのやり方が子どもに最適なのかを的確に判断して取捨選択しなければなりません。
スケジュール調整が難しくなる
通塾回数が増えるため、部活動や習い事とのスケジュール調整が難しくなるのもデメリットです。
また、夏休みや冬休みなどの長期休暇中は、多くの学習塾が講習を実施します。
受講したいコースの日程が重複してしまって、必要な講座を受けられなくなる可能性もあるでしょう。
塾の掛け持ちを成功させるコツ
次に、塾の掛け持ちを成功させるコツを解説します。ポイントは以下の4つです。
- 掛け持ちする目的を明確にする
- 1つの塾に慣れてから掛け持ちする
- 子どもの意思を尊重する
- 将来的にかかる費用を把握しておく
それぞれ解説します。
掛け持ちする目的を明確にする
なぜ掛け持ちするのかを明確にすることが重要です。
曖昧な理由で掛け持ちしてしまうと、デメリットばかり受けて、成果を見込みにくくなります。
例えば、以下のようなパターンが理想的です。
- 得意な英語は英語専門塾で勉強し、それ以外の科目は集団指導塾で学ぶ
- 進学塾で学びつつ、苦手な数学のみ個別指導塾で基礎を固める
ポイントは、軸となる塾を1つに絞ることです。
1つの塾に慣れてから掛け持ちする
まずは1つの塾で学習スタイルを確立してから掛け持ちを検討しましょう。
1つの塾に慣れていないうちに新たな塾に通い始めると、子どもに精神的にも肉体的にも負担がかかってしまいます。
最終的に「スケジュールに無理はないか」「部活動や習い事と両立できそうか」などを考慮して判断するとよいでしょう。
子どもの意思を尊重する
塾の掛け持ちを成功させる上で重要なのが子どもの意思です。
勉強するのは子ども自身なので、やる気がない状態であれば成績アップや志望校合格につなげにくいでしょう。
本人から「頑張る!」という言葉を聞くまでは保留にしておくのがおすすめです。
将来的にかかる費用を把握しておく
掛け持ちを検討する際は、将来的にかかる費用を試算しておく必要があります。
あとで「こんなにかかるとは思っていなかった」となってしまった場合、費用面を理由に受講したい講座を諦めなければならなくなります。
なお、一般的な塾費用の内訳は以下の通りです。
- 入塾金
- 授業料
- 教材費
- 季節講習費
- 諸経費
毎月の授業料だけに着目せずにトータルでいくらかかるのか把握しておくとよいでしょう。
塾の掛け持ちでよくある失敗例
塾の掛け持ちでよくある失敗例を2つ紹介します。
- 理由が「親の不安を解消するため」
- 忙しすぎて学校の勉強が疎かになる
理由が「親の不安を解消するため」
親の心配が先行して、子どもに相談することなく掛け持ちを決めてしまうと成果が上がりづらいでしょう。
本人に掛け持ちする意思がない場合、勉強に対するモチベーションも下がってしまう可能性があります。
まずは現在通っている塾から学習の理解度や取り組み状況などをヒアリングして、不安の原因を把握するように務めることが重要です。
忙しすぎて学校の勉強が疎かになる
塾を掛け持ちに加えて、部活動や習い事などを行っている場合、学校の勉強が疎かになって、基礎の定着が図れないケースがあります。
多くの子どもたちは学校で学習する時間が最も多いため、生活の軸となる学校生活に支障をきたさないように配慮しなければなりません。
まとめ
塾を掛け持ちする際は、子どもの意思を確認した上で、無理のないスケジュールで進めることが重要です。
おすすめの通塾方法は、軸となる塾を1つに絞り、補助的にもう1つの塾を使うことです。
「子どもの成績が上がらない」「このままでは志望校に合格できるかわからない」といった悩みを抱えている保護者は少なくありません。
まずは現在お子さんが通っている塾に相談してから判断するとよいでしょう。
「中高一貫専門塾WAYS」では、無料で学習カウンセリングを行っています。
お子さんの勉強の様子や受験に関して気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください。
投稿者プロフィール
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中高一貫校生の定期テスト対策から大学受験・内部進学までをトータルサポートする個別指導塾。
中高一貫校用教材に対応することで各中高一貫校の定期テストの点数に直結した指導を行います。
低料金で長時間指導が受けられるため、家で勉強できない中高一貫校生でも塾の指導時間内で成績を上げることが可能です。
英語、数学をメインに指導を行っています。
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