定期テスト講評 平成27年度 早稲田実業学校中等部 第2学年 学年末試験 数学(代数)
今回は早稲田実業学校中等部2年生の数学を学年末試験をもとに分析していこうと考える。
早稲田実業学校中等部は、数学の試験として、代数・幾何・数学演習の3つの試験がある。このことからも早稲田実業学校中等部は数学に大いに力をいれていることが伝わる。
今回は代数の試験を見ていく。
1 出題内容
出題内容は7題であり、以下の通りであった。
1, 多項式の展開
2, 因数分解
3, 式の値
4, 多項式の展開・因数分解の応用
5, いろいろな因数分解
6, 式の計算の利用
7, 式の計算を利用した証明
2 総評
出題範囲
新中学問題集 応用編 数学3年 1章 式の計算
分量と難易度
分量は、7題であり、計算問題が27問、証明問題が1問であった。
問題数だけで考えると時間に余裕があるテストと感じる。しかし、当前だが1問1問の配点は高くなるので、実際に受ける生徒目線で考えると確実に解いていきたいテストである。
さらに、証明問題を含めた11問は解答用紙に解法を書くことを求められている。そして、気を付けなければならない点として、『試験範囲内の解法でない場合は、答えが合っていても0点です』と問題用紙の最初に書いてあることである。
答えだけではなく、その過程を大切と考える数学の素晴らしさを問うと共に授業をしっかりと受けているかが解答用紙を見れば分かるようになっている素敵なテストである。
問題の難易度は決して難しいとは言えないが公式や解き方を使いこなしていなければ、見直しを含め、時間内に終えることは難しい作りとなっている。以下に細かくみた考察を書いていく。
1, 多項式の展開の問題が6問出題。展開の基本である分配法則を行った後に同類項を計算する問題から始まり、多項式の展開の公式を用いた問題が授業で教わった順番通りに出題されている。最後の問題は公式を2度用いた後に分配法則をし、同類項計算を行うため、前5問の集大成である。このことからも、授業を大切にした出題がされている。
2, 因数分解を行う問題が7問出題。共通因数でくくる問題、因数分解の公式、たすきがけ、と大問1と同様、授業で教えた順番通りに出題されている。授業とテストをつなげ正解に導きやすくする担当教員の丁寧さがうかがえる。
3, 式の値を求める問題が4問出題。ここから解法を書かせる問題となっている。式の形を簡単にするためには、多項式の展開・因数分解の公式を用いるため、最低でも1度は類題を解いておく必要がある内容となっている。
4, 多項式の展開・因数分解の応用問題が5問出題。内容は、おきかえを利用する展開の問題が2問、共通因数のくくりだしと乗法公式を用いる問題が1問、項の組合せと因数分解の問題が1問、おきかえの因数分解の問題が1問となっている。おきかえを利用する展開や複雑な因数分解に慣れるためにはたくさんの問題で練習することである。そこから何種類かのパターンを身に付けることができればどんな問題にも対応可能となる。
5, 発展的な因数分解の問題が2問出題。新中学問題集としても、最もレベルが高いとする星2つの問題である。50分という限られた時間で行われるため、すぐに手が動かない場合には後回しにするべきであると考える。どこから取り組むか、どこを飛ばし、後でじっくり考えるか等を素早く判断することもテストを受ける上では大切なスキルである。
6, 式の計算の利用の問題。解き方が分からなくても、地道に計算することで答えに辿り着きはするが、時間が無駄になってしまうため、最終手段として考えておきたい。しかし、今回のテストでは解法を書けと指示があるため、地道に計算し、答えを出しても正解と認めてもらえなくなっている。新中学問題集に類題が載っているため、しっかりと練習しておきたい。
7, 式の計算の利用した証明問題。を整数とおき、問題文に従って計算することで計算結果が結論となるようなよくある問題である。証明問題だから難しい・苦手・解かないという生徒はよく目にするが、そういう生徒は決まって証明問題を解く数が圧倒的に足りないだけである。1題を解くのに時間はかかるものの、テストで出題された際には、それに見合った配点となるため、時間をかける意味は十分にある。じっくりと時間をかけ演習に取り組み、本番のテストでは、スムーズに解けるようにしたい。
3 対策
代数の授業は教科書を使用せず、担当教員による板書が中心となっている。生徒として当然ではあるが、毎回の授業を集中して取り組みことが高得点となる近道である。
そして大切なのは、家に帰ってからの復習である。その日教わった内容を、確実に新中学問題集を用いて、演習することで解き方を身に着けるべきである。
どんなに素晴らしい指導者が授業を行っても受け取る側である生徒達は〝分かる〟であって〝できる〟とはならない。〝できる〟になるためには、自分との勝負であり、演習量に比例する。
新中学問題集は大変素晴らしいテキストの1つである。問題量が大変充実し、基礎・応用・発展・難関入試問題がバランスよく出題されている。
日々の復習を継続し、テスト前までには必ず3周することで盤石な構えになること間違いないと考える。
今回の試験では、難関入試問題からは出題は見られなかったため、そこを飛ばしてもいいのかもしれないが、自分の実力を確かめられる良問が充実しているため、テスト前に一度は解いてみることをお勧めしたい。
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