大学受験で平均倍率に騙されない!志望校の正しい倍率の見方とは?


「志望校の倍率が高くて、受かるかどうか心配」
「倍率が1倍だったら、絶対受かるの?」

など、合格ラインを見極めるために、平均倍率を気にしている人はいませんか?

たしかに志望校の倍率が10倍と5倍では、ずいぶん印象が違います。
しかし倍率は、それほど気にしなくてもよいという人もいるようです。

そこでこの記事では、大学受験における平均倍率の見方と受験生が抱きやすい倍率の疑問、倍率以外に見るべきポイントについてご紹介します。

倍率に惑わされずに、志望校への切符を手にしたいとお考えの方は、参考にしてください。

大学受験で聞く「平均倍率」の正しい意味

大学受験において、発表される倍率にはいくつか種類があります。
主に発表されるのは「志願倍率」「実質倍率」の2つです。

学校ごとに算出される数字で、すべての大学の倍率を平均したものが「平均倍率」となります。

まずは「志願倍率」「実質倍率」それぞれの意味と、信ぴょう性の有無を確認してみましょう。

志願倍率

募集定員に対し、何倍の志願者数がいるか分かるのが「志願倍率」です。

「志願倍率」は、志願者数÷募集定員という計算式で算出できます。

例えば、10倍なら10人に1人、5倍なら5人に1人が合格するという計算です。

試験前に発表される数字で、志望校の数字があまりにも高いとあきらめた方がよいのでは?と不安になる人もいるのではないでしょうか。

しかしほかの大学に受かった場合や試験当日の体調不良などが理由で、志願者全員が受験するとは限りません。
そのため、実際の倍率はこれよりも少なくなる可能性が高く、この数字だけを安易に参考にするのはおすすめしません。

実質倍率

志願倍率がおおよその数字であるのに対し、実際の受験者数と合格者数を反映させたのが「実質倍率」です。

「実質倍率」は、受験者数÷合格者数という計算式で算出できます。

例えば、受験者数100人に対し、合格者が20人だった場合の実質倍率は5倍となります。

実質倍率は本来の数字を反映しているものの、分かるのは実際に受験が終わってから。
受験前に確認できるのは、前年までの数値となります。

ただし前年の実質倍率が高く出ていると、次の年の受験をあきらめる人がいる可能性もあり、必ずしも同じような数字になるとは限りません。
逆に前年の志願倍率が低いと、今年の志願者数は増える可能性があります。

国公立・私立の大学受験平均倍率は?

実際の国公立・私立大学受験の平均倍率はどれくらいなのでしょうか?
文部科学省は毎年、国公立大学と私立大学の志願倍率を発表しています。

【令和4年度入学志願者数及び志願倍率】

画像|文部科学省 令和4年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要

国公立大学に比べ私立大学の倍率が高くなっているのは、併願や滑り止めなどのために複数の私立大学の受験を検討している人が多いためでしょう。

実質倍率の平均値は出ていませんが、実際より合格者を多く取ることや、受験しない人がいることを考慮すると、もう少し減少することが考えられます。

大学受験は倍率が低い方が受かりやすいのか

では大学受験は倍率が低い方が受かりやすいのでしょうか?
たとえば志願倍率が1倍なら、安心でしょうか?

実際は志願倍率が1倍でも、大学側の求める学力が身についていなければ、不合格になる人は存在します。
大学のレベルが落ちてしまうためです。

そう考えると、倍率はそこまで重視する必要はないことが分かるのではないでしょうか?

見かけの数字に騙されず、自分がやるべきことをやって知識を身につけることが何よりも重要です。

同じように倍率が高い大学の場合、もう少し倍率の低い受験方法への変更や、志望校変更を検討する人もいるでしょう。
この場合も倍率だけにとらわれるのではなく、ほかの数字も参考にして判断する必要があります。

倍率と合わせて確認すべきポイント

倍率は、大学・学部によって大きく異なるうえに、入試方法によっても変化します。
そのため倍率ばかりにとらわれるのは得策ではありません。

倍率を参考にするのであれば、ほかの数値と合わせてチェックするようにしましょう。

志望校の受験者数や募集定員

倍率とともに発表されるのが、受験者数や募集定員です。
これらの数字も一緒に確認しましょう。

たとえば定員1人の学部を10人が受験すると、倍率は10倍です。
もし定員が2人であれば、一気に5倍まで下がります。

入試方法によっては募集定員が非常に少ない場合もあり、受験者数が1人でも増えればその分倍率がぐっと上昇します。
倍率だけを見て騙されないよう、付随する数字もしっかり確認しましょう。

過去の合格最低点

志望校の過去の合格最低点は必ずチェックしましょう。

しかし、実際の受験で合格最低点を取れば必ず合格できるとは限りません。
年によって、合格最低点に変動があるうえに、科目によっては大学側が得点調整をする可能性があるためです。

そのため合格最低点よりもさらに10%~15%以上の点数を狙って勉強しましょう。

合格最低点は、ネットで調べることもできますし、赤本にも載っています。

大学受験は、合格最低点でも最高点でも受かってしまえば同じフィールドに立つことができます。
いかに無駄なく勉強できるかが大学受験では重要です。

問題のレベル

合格最低点を見たうえで、その年の問題のレベルにも注目しましょう。

合格最低点を知ったうえで過去問を解き、自分自身が現状どのレベルにいるかを確認します。
今後何をすればその穴を埋められるのかしっかり分析し、勉強しましょう。

大学受験は、一つひとつの科目の点数が問題ではありません。
科目の総合計が上位に入ることが重要です。
どの科目を何点上げれば合格できるのか見極め、効率的に勉強しましょう。

まとめ

大学受験において平均倍率が気になってしまう人も多いでしょう。
しかし倍率だけが、大学受験のすべてではありません。

ライバルが大勢いることが問題ではなく、あなたがどのような勉強をして合格をつかみ取るかの方が重要です。
そのために見るべき数字は、倍率に加え過去の合格最低点や過去問のレベルです。

効果的な対策をして、志望校合格を目指しましょう。

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