私立中学の寄付金は任意でも払うべき?相場や控除の計算方法を解説

寄付金の手続き用紙
子どもの進学先として私立中学を検討している親御さんの中には、寄付金は払うべきなのかわからない方も多いのではないでしょうか。

結論、入学金や授業料などは子どもが中学に通う上で、必ず払わなければなりませんが、任意の寄付金は払う必要はありません。

本記事では、500校以上の中高一貫校生の指導実績のある立場から、寄付金の相場や平均的な支払額、支払った際の控除手続きなどを解説します。

寄付金の支払いについて検討している方はぜひお役立てください。

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私立中学の寄付金は任意なら払う必要はない

多くの私立中学は入学時に寄付金を募集しています。

しかし「寄付金の支払いは任意」とされている場合は、義務はないため支払うかどうかは家庭の判断に委ねられます。

寄付金の趣旨に賛同して、家計に余裕があるようであれば、払うのもよいでしょう。

しかし、払わなくても問題はありません。

私立中学の場合、初年度納入金が100万円以上になるケースも少なくありません。

寄付金を支払ったために、子どもに充てる参考書代や塾代、習い事代が捻出できないような事態は避ける必要があります。

私立中学の寄付金とは

寄付金とは個人または法人が、国や企業、学校などの組織に無償で譲渡する金銭・資産のことです。

私立中学に入学した際、子どもが学校生活を送る上で必要な費用は初年度納入金として支払うので、寄付金はあくまで任意であることが一般的です。

学校は寄付金の額で生徒を差別したりすることはないため、支払わないからといって心配する必要はありません。

もっというと、寄付金額の多い生徒を優遇するようであれば、賄賂に該当するおそれがあるので、学校側も寄付額で対応を変えたりはしないでしょう。

なお、寄付金の使用用途は学校によって異なりますが、多くの場合、老朽化した校舎の改修費や教育施設の建設などに充てられています。

寄付金の相場は1口10~30万円

私立中学の寄付金の相場は1口10~30万円です。

中には、1口に満たない額でも受け付けている私立中学もあります。

文部科学省の「令和3年度 子供の学習費調査」によると、私立中学の平均的な寄付額は以下の通りです。

【私立中学における寄付金の平均支出額】

中学1年生 中学2年生 中学3年生
寄付金 2万6715円 9206円 6205円

参照:文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」

寄付金は入学時に募集されるケースが多いことから、中学1年生が最も高く2万6715円です。

仮に寄付金が1口20万円であれば、10人のうち1人だけ寄付しても平均額は2万円(20万円÷10人)になります。

1口10万円であれば、10人中2人が支払えば平均額は2万円です。

寄付する家庭が多い学校もあれば、少ない学校もありますが、平均額を考慮すると、寄付している家庭の割合はおそらく2~3割程度だと予想されます。

学校債との違い

寄付金と混同されやすいのが学校債です。

学校債とは、私立学校が運営資金を調達するために、発行する債券のことです。

寄付金も学校債も、学校にお金を払い込むという点は共通しているものの、学校債は債券なので数年後に返還されます。

学校は集めた資金を運用し、得た利益を施設の改修費などに充てるのが一般的です。

私立中学に寄付金を払う際の控除手続き

寄付金の控除手続きは、税額控除と所得控除の2パターンがあり、税額控除の方が節税効果が大きいです。

それぞれの計算式を解説します。

税額控除

税額控除の計算式

画像引用:文部科学省「学校法人(私立学校)への寄附を考えているみなさまへ」

税額控除の計算式は以下の通りです。

控除額=(寄附金額- 2000円)×40%

1万円寄付したのであれば、(1万円ー2000円)×40%で、3200円が所得税額から控除されます。

所得控除

所得控除の計算式

画像引用:文部科学省「学校法人(私立学校)への寄附を考えているみなさまへ」

所得控除の計算式は以下の通りです。

控除額=(寄附金額-2000円)×税率

年収300万円(所得税率5%)の人が1万円寄付したのであれば、(1万円ー2000円)×5%で、400円が所得税額から控除されます。

寄付金を募っている私立中学の一例(東京都)

ここでは、参考として東京都の私立中学15校の募集金額を紹介します。

学校名 寄付金の募集金額
青山学院中学校 1口10万円・2口以上
麻布中学校 1口1万円・20口以上
桜蔭中学校 1口 10万円・2口以上
海城中学校 1口10万円・2口以上
開成中学校 1口10万円・1口または2口
学習院中等科 1口10万円・3口以上
吉祥女子中学校 1口5万円・1口以上
慶應義塾中等部 1口3万円・2口以上
女子学院中学校 1口10万円・3口以上
広尾学園中学校 1口10万円・2口以上
雙葉中学校 1口5万円
三田国際中学校 1口10万円・2口以上
武蔵中学校 1口10万円・3口以上
立教女学院中学 1口10万円・2口以上
早稲田中学校 1口10万円・2口以上

※各学校の募集要項を参照し作成

1口を10万円に設定している私立中学が多く、口数は1~3程度です。

【参考】私立中学で3年間にかかる平均的な費用

家計簿と電卓
参考として、私立中学3年間の平均的な教育費を紹介します。

中学1年生 中学2年生 中学3年生 私立中学3年間
学校教育費 144万1786円 85万6982円 87万9456円 317万8224円
学校外活動費 35万6676円 35万3521円 39万3759円 110万3956円
学習費総額 180万6991円 121万8559円 127万8255円 430万3805円

参照:文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」
※各項目は平均支出額であるため、学校教育費と学校外活動費の合計と学習費総額は一致しません。

学校教育費の代表例

私立中学1年生の学校教育費は平均144万1786円です。代表的な費用は以下の通りです。

  • 入学金:21万5341円
  • 入学検定料:5万8647円
  • 施設整備費:9万1679円
  • 授業料:47万2769円
  • 制服代:11万5056円
  • 教科書代など:4万4224円
  • 学用品・実験実習材料費:6万5601円
  • 教科外活動費:4万8396円
  • 通学費:9万2784円

学校教育費は中学1年生が最も高く、中学2~3年生は約85万円程度に収まります。

寄付したい気持ちはあるものの、入学時は家計的に難しいという場合は、2年生以降に持ち越す手もあります。

学校外活動費の代表例

私立中学1年生の学校外活動費は平均35万6676円です代表的な費用は以下の通りです。

  • 家庭内学習費:5万4785円
  • 通信教育・家庭教師費:4万3039円
  • 学習塾費:12万6795円
  • 芸術文化活動:4万7391円
  • スポーツ・レクリエーション活動:2万6998円
  • 教養・その他:3万4440円

学校外でかかる費用は学習塾代が最も高く12万6795円で、学年が上がるにつれて費用も上がる傾向があります。

私立中学に寄付金を払わずに教育費に充てる選択肢も

私立中学に寄付金を払わずに教育費に投資する手もあります。

私立中学は授業進度が早く、難易度も高いため、お子さんが授業についていけるようにするためには、サポートが必要になってくるケースも多いです。

塾や家庭教師などの教育費に充てることで、以下のメリットが期待できます。

  • 授業の予習・復習を行って勉強に遅れてしまうリスクを軽減できる
  • 定期テストや内部進学試験の対策を行える
  • 早い段階から大学受験を見据えた基礎学力を定着できる

寄付金を支払う代わりに、このような教育投資を行うことで、お子さんの学習環境をより充実させることも可能です。

まとめ|私立中学の寄付金について解説しました

私立中学の入学時は寄付金が募集されるケースが多いです。一方、中学1年生は3年間で最もお金がかかる学年です。

無理して寄付したために、お子さんに充てる教育費が少なったりしないよう配慮する必要があります。

また、学校は寄付の有無や金額などで生徒を差別することはありません。

広報誌やホームページなどで、寄付者の名前を公表している学校もありますが、あくまで任意なのでお子さん第一で判断することをおすすめします。

なお、中高一貫専門塾WAYSは首都圏と関西圏に教室を展開する中高一貫校生に特化した学習塾です。

成績アップを実現した生徒の割合は92.9%。内部進学の成功率は98.5%です。

一人ひとりに合わせてカリキュラムを作成し、学校カリキュラムに沿って学校教材を用いて指導を行っています。

気になる料金や指導システムを知りたい方は、すぐにダウンロードできるWebパンフレットをご覧ください

 

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